日本のアニメDVDタイトルの現状に付いて。その2

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698凪の谷の名無しさん
>>689
事実関係を少し整理しておきますと、「アイアン・ジャイアント」は劇場未公開では
ありません。2000年4月15日に、全国のワーナー・マイカル・シネマズで
公開されています。ただし、W.M.Cは当時全国で33館しかありませんでした
から(現在は48館)、かなり小規模な公開であったとは言えます。ちなみに、ポケモン
の劇場版は、毎回概ね200館くらいで公開されていますし、昨年の邦画のヒット作
「ホワイトアウト」の公開は257館でした。デカいところですと、ハリウッド版の
「GODZILLA(ゴジラ)」は約400館でロードショーされています。

公開時の興行収入については不明です。日本映画製作者連盟の年報では、その年の
トップ20までしか公開しないので、到底この作品、そんな上位には入ってこない
からです。洋画部門の20位は「X-MEN」で興行収入は18.5億円なので、少なくとも、
この半分〜数分の一以下であろうと思われます。なお、このI.G、本国でも制作費の
半分くらいしか回収できず、「商売」としてはけっこうな失敗でした。
ですから、その程度の実績の作品が、34.5億円の興行収入を挙げた「トイ・ストーリー2」
とほぼ同じDVDの売上枚数であれば、それは大健闘と言えるかもしれません。

しかし、一方で、マスメディアに露出したこの作品への評判が非常に良かったと
いう状況があります。3月の試写会を観た、樋口=ガメラ=真嗣氏や、本郷=クレしん=
みつる氏のような業界人が「泣いた」と絶賛しておりましたし、公開後も、観た者の
レスポンスは極めて高評価であり、映画誌、アニメ誌の読者投稿、@niftyやインタネ
掲示板の書き込み等のほとんどが、肯定的なものであったと思います。このへんは
検証無しに言ってますが。

ですから、極めて大ざっぱにまとめますと「一般ウケはしなかったが、オタクというか
濃ゆい層には受けた」作品だったと言えるのではなかろうか、と。であれば、DVDを
買ってくれる率が高い層をつかんでいたと言い換えることもできるのではないか、と。
しかもこの作品のDVDは、WHVの「ハリウッドプライス」政策で、3,800円から
2,000円と、ほぼ半額に値下げされています。となると、劇場ではヒットしなかったが
ソフト化されて大ブレイク……という作品になり得たのではないか、と思うのです。
そして、その割には「ノッティングヒルの恋人」や「海の上のピアニスト」と同じ
くらいしか売れなかったというのは、やはり芳しくないのではないか、と。>>673
そのような意味合いで書いています。