『ノワール【NOIR】』Vol.6

>>85さん、貴方はいい人なんですね。
もし、お姉ちゃんの婚約者が貴方のような人だったら…。

最近、あれは悪い夢だったんだって、そう思えるようになりました。
一時は、自分が本当に心を閉ざした殺し屋になってしまったような…。
そんな絶望感に囚われたこともありました。
滑稽ですよね。止める立場の私がそんな風に考えるなんて。
でも、本当はお姉ちゃんだって解っていたんだと思います。
私もお姉ちゃんも、ほんの少しお互いを信じるだけで良かったんです。

明日、この町を出てお姉ちゃんと新しい暮らしを始めることになっています。
引っ越しの準備に、反動のない拳銃や（モデルガンですものね）、
モデムなんか無いのに依頼メールが来るジョークソフトのCD…。
そんなオモチャを、みんな小さなダンボール詰めてしまいました。
いつか、あの夢のような日々を笑って話せるようになるそのときまで…。

私はいま幸せです。