海外における日本アニメの現状 Part4

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212サッカーカフェからの転載
?−−>○日本文化受け入れの温度差
    2001:06:09:23:18:47

 少し前の話になりますが、韓国で開かれた、とあるシンポジウムでの出来事でし
た。「日本文化をどう受け入れるか」みたいなのがメインテーマで、韓国の日本学の
専門家が集まって、日本文化解放に合わせた討論をしていました。
 全体的には、解放に歓迎という雰囲気でしたが(日本学の専門家がやってる議論で
すから、当たり前といえば当たり前ですが)、中には、アニメや漫画の解放に慎重
論、排斥論をとなえる人もいました。相変わらず「国民の感情」「韓国人としての情
緒」「韓国人のアイデンティティ」といった理由を持ち出して、解放に懐疑的な立場
をとっているわけです。
 しかし、会場からは、アメリカ文化や中国文化がこんだけ流入しまくってる状況
で、今更、日本文化だけ取り上ざたしてどないすんねん、といった冷静なツッコミが
入れられてましたが、まあ、こういうように考えている韓国人もまだ存在するという
ことは、再確認できました。

 で、シンポが終わったあと、友人の韓国人数名で飲みに行ったのですが、この「日
本製アニメで韓国人のアイデンティティが揺さぶられる」といった話に対して、「何
言うてんねん?」といった疑問の声があがっていました。
 日本の大学で博士号とって韓国に帰ってきた友人は、「日本に行って、子供の頃に
見てたアニメが日本製だと初めて知った。しかし、そうなのか、と思っただけで、そ
れ以上の感慨はなかった。その程度のものだ。子供が日本製のアニメを見たからと言
って、韓国人のアイデンティティ云々を言うのはナンセンス」とあっさり。
 私が「アニメが日本製と知ってショック受ける人もいるけど」と言うと、出版社勤
務の別の友人は、「そんなの、とんでもないアニメヲタクだけ。普通は、あ、そう、
で終わりだよ」と、あっさり。アニメが日本製だったところで、だからどう〜やっち
ゅぅねん、ということらしいです(^_^;)
 で、その時の話を総合すると、

アニメ程度で揺さぶられるほど、韓国人のアイデンティティは脆くない。
極端なアニメヲタクでもない限り、韓国では、自己アイデンティティ云々を言うほ
ど、アニメに思い入れなどない。
ということに落ち着きました。

 したがって、彼等は、「国民感情」だの「韓国人の情緒」だのといった、シンポで
出ていた意見に対しても、「トンチンカンなこと言ってるなぁ〜」と冷めた見方をし
ていました。
 まあ、考えてみれば、「アニメの国籍が、見てる人間のナショナル・アイデンティ
ティと関係がある」というのは、アニヲタ特有の思いこみなのかもしれません。