欧米での日本アニメ事情 PART2

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907風の谷の名無しさん
http://www.so-net.ne.jp/movie-eye/arete/diary/whatsnew.cgi
2001年06月28日(木)  ヨーロッパ、ヨーロッパ
   先週、高畑勲監督の研究家として知られるフランス人イランさんが、パリの「フォーラム・デ・ジマージュ」(イメージフォーラム)のカワ=トポールさんをともなって試写にみえた。架空の国とは言えヨーロッパの中世なんかを舞台にしてしまっているものだから、本場の方に見られるのはいささかならず面映い。しかも上映後ごいっしょした喫茶店で聞いてみたら、カワ=トポールさんはもともと中世史を専攻されていたのだと言う。これはまずい……。なんたって、表現の都合上意図的にウソをついたところさえあってしまうのだ。その上、そもそもの基礎知識と来たら……。結局「簡略化されているが、まあそれらしく出来ている」というお言葉をいただくことが出来てちょっと安心する。もう金輪際「『パールハーバー』の零戦が緑色なのは史実と違う」などと言う気はない。口がさけても言わないことに決めた。
 19世紀から20世紀初頭を舞台にとった仕事もずいぶんとしたが、この時代にはすでに写真と言うものがあって、今にも数多く残されており、参考にすることが出来た。いくら文献があってもビジュアルが分からなければ仕事にならないのである。幸い中世ヨーロッパには、写実的な目で民衆の生活を闊達に描写する画家たちの目と筆があった。ボッシュやブリューゲルだけにとどまらずそれこそいくらでもあった。ひじょうに感謝し、あらためて絵描きの仕事の意味などについて考えてしまう。