とっとこハム太郎5なのだ!

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718次回予告(新ハム登場編)
メイドちゃんは、ある豪邸の一室にある巨大なケージ・通称ハム御殿の中で大勢の仲間と飼われていた。
彼女の飼い主は屋敷の住み込み家政婦で、趣味が共通していたことに気を良くした屋敷の婦人が、まだ幼い
メイドちゃんを家政婦のケージからハム御殿へ引越しさせたのだった。

綺麗好きなメイドちゃんは、飼い主の見えないところで日々ハム御殿の掃除に明け暮れていた。しかし、
ある日ハム御殿のあるじが連れていたメスハムたちの喧嘩に巻きこまれ、重傷を負ってしまう。
飼い主に発見されたメイドちゃんは別のケージへ移され事無きを得るが、御殿に戻るのをいやがったメイドちゃんは
傷が治るやいなやケージを脱走、野良ハムとして暮らす事を決意する。

時は冬、食料確保のために野良ハムの地下トンネルで仕事を探していたメイドちゃんは
ある研究施設の住み込み世話係の募集を知り、すかさず志願する。
早速向かった研究施設では、仮面をつけたハムが彼女を出迎えた。彼は夜警係のふてねくんと交代で、
施設の奥にあるものの世話をして欲しいと彼女に依頼するのだった…

高額の報酬に小躍りしつつ、仮面のハムと施設の奥に足を踏み入れた彼女がそこで見たものは、
生命維持装置につながれたまま生き続ける4つのハムスターの生首だった!
生気の無い瞳がごわごわと動き、メイドちゃんを捉える。恐怖におののくメイドちゃん。しかし…

「あっ…! あなたは……ドウエル長老!?」
よろめきながらメイドちゃんは、ある懐かしい顔をそこに見つけた。
かつてハム御殿に移され、途方にくれていた幼い自分を可愛がってくれた老ハムの姿を。
意識が途絶える瞬間、彼女は長老を失った頃の涙の日々を思い出していた。
見知らぬ「背の高いハム」がハム御殿を訪れたあの日。
住人は野良ハムとおぼしき彼をもてなし、盛大な歓迎会を開いたが
その翌日、背の高いハムは長老共々こつ然と姿をくらませてしまった。
消えた長老に関する噂は、しばらくの間途絶えることがなかった。
「長老はあのハムに誘拐されたのではないか?」
…成人してからというもの積もる家政婦仕事に追われ、彼女はいつしか
外の世界で長老を探し、御殿に連れかえる夢を諦めていた…
「こんな、ところに…いた…なんて…」
老人の生首を前に気絶した彼女をゆっくり抱え上げ、仮面のハムはつぶやいた。
「…この程度で気絶されては困ります。もっと気をしっかり持ってください…」

その頃、食料の取引でサブと会っていたまいどくんは、彼から
「トンネルでほうきを抱えたメスのハムスターを見かけた」と告げられ、衝撃を受ける。
…生き別れの妹が、近くに来ているかもしれない?…
まいどくんは妹に興味津々のトラハムくんと、嫌がるめがねくんを連れて
冬の地下トンネルの捜索に乗り出すのだった…
「とっとこおしおき!メイドちゃん」