「あれ?おにぃちゃん、さっきから女の子のハムスターの絵
ばっかり描いてるけど、なにしてるの?」
「い、いやー、おれも新ハム募集に応募しようと思ってさ。ヘヘ…」
「おにいちゃんの事だから、どうせ全部『トラハムくんのことが好き』
なんて設定があるんでしょ〜?」
「ば、ばれた?だってさ、プレイボーイキャラとしてそろそろ決まった
彼女がいないとまずいじゃん?このアニメにもラブコメな話が
必要だろうしさ、はは、ははは…」
「本当にそれだけですか?トラハムくん!」
「うわ!びっくりした!いたのか、のっぽくん…。ど、どういう意味だよ、
それだけって…?」
「ずばり、きみが欲しいのは『彼女』じゃなくて『出番』でしょう!
そういう設定の新キャラが登場すれば、自然、きみの出番も増える
でしょうからね。つまり、出番>彼女って訳です。いやはや、
ハムちゃんず一のプレイボーイも地に落ちたものですねぇ…」
「…しょうがないじゃんか!ただでさえ、俺の声優はほとんど兼役
してないんだぜ!このまま出番が無いまま忘れ去れていくんじゃ
ないのかと夜も眠れないんだよ!いいじゃんか!これぐらい!」
「あれ?今回、おにいちゃんの声優さん出てたよ?カエル役で…」
「!!」
「…声優が出ててもキャラは出てこない…どうやら、スタッフにすら
完全に忘れ去られてるようですね。もしかして新ハムスターって
トラハムくんの後釜なのかな?」
「うう…うわ〜ん!!!もう、もうハムちゃんずなんか辞めてやる〜!」
「トラハムくん!…のっぽくん、あんた鬼なのだ…。あれ?のっぽくんも
女の子のハムスターの絵持ってるのだ。のっぽくんも応募するの?」
「! ちょっと、のっぽくん!どういうことよ…!」
「あ、あの、その、やっぱそろそろこのアニメにもラブコメがいるかな〜
と思って…お、落ち着いてください、トラハムちゃん…!」
「おにいちゃんと同じ事言わないでよ!!ゆるせない〜!」
「いや、この場合は三角関係でのラブコメで…ギャー!た、助けて
下さい!ハム太郎く〜ん!!」
「やれやれ…のっぽくんは鬼にはなれてもプレイボーイには
なれそうにないのだ…」