90 :
風の谷の名無しさん:
最近ファンと称する下級生の女の子が矢田まさるにまとわりつき
だした。やたらはづきを意識した行動をとるのでどれみとあいこは
切れてしまう。まさるの態度をはっきりさせるため作戦を立てる二人。
誰か男の子とはづきとを仲のよいフリをさせ、まさるの反応を見るのだ。
はづきは気は進まないながら、胸の奥のちりちりした感覚を持て余して
いたので作戦に乗ることに。
白羽の矢が立ったのはふじお。同級生の男子ではまさるの危機感を
煽ることができないと考えたからだ。
――ぼくは当て馬ですか…と思うがかえってはづきに近づくチャンスと
快諾するふじお。そしてけっこう楽しい時間を二人は過ごす。
二、三日たってはづきに仲のよい男の子がいるらしいことが噂になるが、
まさるは無反応。ついにまさるの前でデート中の二人を見せつけることに。
まさるの出没しそうな場所を歩くはづきとふじお。
そしてついにファンの女の子と一緒にいるまさると遭遇する。
狼狽するはづきの肩を抱いてぐっとひきよせるふじお。
まさるは「別に…」と呟くと行ってしまった。その瞬間はづきは
「違うの、まさるくん!」と叫び声を上げた。
――追いかけたいけど、ふじおくんが…そんなはづきにふじおは、
「行ってください、はづきちゃん。」とうながす。
作戦は失敗。しかし上空から見ていたあいことどれみはなぜか心から
ほっとするのだった。そしてふじおに悪いことをしたとも。
暫くしてМAHO堂にもどってきたはづき。探し当てたまさるは
ひとりでトランペットを吹いていた。はづきはまさるの傍に座ると
黙って聴いていた。一言も会話は交わさなかった。
「でも…今はやっぱりこのままでいいと思ったの。あいちゃんと
どれみちゃんの気持ちはうれしかったけど。」納得するあいことどれみ。
ファンの子はまさるの前に現れなくなった。はづきの前から立ち去る
まさるについて行ったら、凄い目で睨みつけられビビってしまったからだ。
暫くぶりにふじおはМAHO堂に姿を見せた。そして、「ぼくは、ますます
はづきちゃんに惚れ直しちゃいました。」と言うとわらった。