ストレンジドーン

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715名無しさん@お腹いっぱい。
もちろん単なる反戦アニメであるはずもない。
この作品の中で、戦争によって象徴されているのは
集団の建前と個人の意思とのぶつかり合いではないか。
それは平和な世の中でも見られることであって、たとえば、
国家の建前を重んじて潜水艦の乗組員が見捨てられたり
愚かだとわかっていながら、役人が納税者の利益よりも省益を優先したり
会社がつぶれそうになっているのに役員たちが権力闘争に明け暮れたり。
あるいは
若者が自分には似合わないと思いながら流行のファッションに身を包んだり
そうしないと世間に非難されそうな気がして、気の進まない進学や就職をしたり。

だから、この作品のテーマは
「本当の自由とは何か」というところまで拡がっていくのかもしれない。
それは、他人の評価に関係なく自分がありのままでいられることであって
だとすれば
これまで自分が創作するファンタジーの世界に逃避しがちだったエリは
自分が自分なりに他者と関わって他者のためにできることがあると気づき、
鋭敏過ぎる感受性のために常に外界を嫌悪しつつ疎外感と共に生きてきたユコは
自分が働きかけることで外界を変革していくことができることを知り、
規範意識と心中しかねないエエカッコしぃのシャルはいつか自分の気持ちを表現し、
シャルが人生の全てであるレカはシャルの愛が得られなくても生きていけると悟り、
マニはレカと訣別してでもシャルへの愛を口に出そうとする
といった方向で
それぞれのキャラクターが自分の真の望みとそれを実現する力に目覚めていく
という展開が期待されるところだと思う。