>>978 万里君の場合は、
もう一人の人格でいるときのことを忘れて思い出せないようだから、
ただの記憶喪失ではなく、
解離性同一性障害っていう、精神疾患に当てはまるケースだと思う。
解離性健忘には程度がさまざまなんだけどね。
精神医学の世界ではあまり語られないけど、じつは、
もう一人の理想化した自分を意図的に作って、心の中で成長させることで、
自分の人格を高める、精神修養の技術が、
西洋のカバラと呼ばれる体系の中に伝承されている。
仮想の人格を用いて、自分とはかけ離れたいろんな行動をさせていくんだけど、
カバラの世界では魔法の人格と呼ばれ、
現代のフィクションの作中では、変身ヒーローとか、魔法少女と呼ばれ、
ネットゲームではアバターとかプレイキャラと呼ばれるものが相当する。
つまり、この現象は本来病的なものではなく、
心を成長させるために、シミュレーションの目的で使われるものだ。
子供はままごと遊びのなかで、お父さんお母さんになりきって、
その社会的役割を演じることで、
それぞれの立場に相応しい立ち居振る舞いについて学習して、
正しい社会的行動がとれるように成長していく。
この種の、仮想の「役割を演じる」心理メカニズム群が故障して、
暴走が酷いと、解離性同一性障害の状態に陥ってしまう。