銀魂’〜ぎんたま〜第二百九十二訓

このエントリーをはてなブックマークに追加
659風の谷の名無しさん@実況は実況板で
>>650
「あの子が・・・これくらいの時には断った」

・・は?

「あの子も・・・大切だ。この子と同じくらい、いとおしい」

・・な・・

「安心しろ。前にも言ったが子供には平等に接するつもりだ。俺も、銀時も」

・・この状態で、他の男の名前なんざ呼ぶんじゃねえよ。

「銀時の話なんざしてねえよ。俺と繋がってる時に余計なことばっかり考えてんじゃ・・」つい、かっとなって、ガキみたいな事を口ばしっちまった。しまったと思ってももう遅い。

今日の俺はどうかしてる。

なんだってんだ。おもしろくねえ。
660風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/12/07(金) 21:56:36.69 ID:it0rqxr00
「・・・」

突然。本当に突然、桂がそら恐ろしいことを言った。

「・・・今日のお前は、なんか、少し、好きかも・・・」

「・・・・・!!!!」

天然もここまで来たら、終わりだぜ・・・。

「気持ちわりいこと言ってンじゃねえ・・・」

これ以上、何か言われたらたまらない。冗談じゃない。桂の口をふさぐ。

萎えていた、心に灯がともる。俺も存外、単純だ。

「は・・・」

サービスが過ぎるぜ、てめえ。
661風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/12/07(金) 21:59:34.10 ID:wvgPFcgi0
じゃあ、俺も、お前の言葉の代価を、払ってやらなきゃなぁ。

覚えてる、お前の良いところ。

・・・忘れられるはずもない。

そこばかりを、丹念に優しく、深く突けば、

「!!」顔色を変えて焦り出す。クク・・・最初に言ったはずだぜ。なあ。

「言ったろ・・・声だせって」耳元で、偉く低くささやく。

「や・・・!!」
662風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/12/07(金) 22:00:02.69 ID:mOeS1zAg0
ああ、熱い。心も体も。

気持ちいい。・・・溶けてしまいそうだ。心も体も。

そう、俺はずっとこれを望んでいた。

無くした日から、

熱をもてあまして。

だけど、おまえ以外に熱を分かち合ってくれる奴には出会えない。

どんなにさめた身体に自分の荒ぶる熱を突き刺しても、

この熱は引かず、燃えず。燻るだけ。

どうしたらいいか分からない。

だけど、

桂。
663風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/12/07(金) 22:01:11.59 ID:oiHYSSRb0
俺は、お前の中でなら。

お前と一緒なら。

こうして燃えることが出来るんだ。

熱く、熱く、命ごと燃えて。

・・・・



早く男にもどってくれ。

そして、俺をぶった切ってくれよ。

ああ、だけど。

この身体も離れられない。

どうしたら良いんだろうなァ・・・
664風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/12/07(金) 22:02:02.03 ID:u+bXZH190
お前が喘ぐたび、声を上げるたび、

俺も声を上げているんじゃないか。

音にはならないけど、

魂が、悲鳴を上げている。

ああ、どうして

こういう形でしか

俺たちは繋がることが出来ないのかと。

ああ、・・・もし、許されるのならば。

こいつの

心の一部くらいは、俺に譲ってくれ・・・

俺が、この先も燃え続けていけるように。
665風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/12/07(金) 22:06:57.16 ID:UqortEp20
・・・事が終わって、

一服したいところだが、こいつの前で吸うことは出来ない。

でも、そんなことはかまわねえ。そんな時間はもったいねえ。

今のこいつを、目に焼き付けておきたい。もう一生、会うこともないかもしれない。

そう。俺はそれを知っている。

「今日は、変態って言わねえんだな」

「貴様はぁ・・・・」

コホコホ。ひどくかすれた声で咳き込む桂。水を持ってきて飲ませる。

「身体、大丈夫か?」

「貴様が言うな」

「どうにも、初めての経験なんでねえ」

「・・・今日の貴様は、しつこい」そうきたか。
666風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/12/07(金) 22:08:11.56 ID:oqs6/+Ma0
まあ、一回抜いてるからな」と言えば、

「貴様は・・・っ!」その焦り方。俺はお前の亭主じゃあるまいに。

「ん?嫉妬か?」そういえば、随分あの妓を気にしていたようだが。

「そんなわけあるまい。あきれているんだ」まさかな。

「へえ・・・でも、てめえは、そんな俺が好きなんだろ」嗤えば、紅くなって。

「あほか・・・・・・」とそっぽを向く。・・・なんだい。

これじゃ、まるで・・・

・・・やめてくれ、期待させるのは。
667風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/12/07(金) 22:08:58.92 ID:f1+NAbh90
俺が煙草を吸いたいと思っているとでも勘違いしたか、

早く出たいための口実か、

「帰るから、存分に吸え」と言って、着物を取りに立つ。

その近くにある鏡台に、移った自分の姿を見て、絶句してる。

一面に紅い跡。

鏡越しに、よく見える。白い肌に黒い髪、紅い花。・・・奇麗だ。ああ、お前は奇麗だよ。

「たかすぎいいいいい!!!!」

「奇麗だろ。・・・いいじゃねえか。どうせしないんだろ。ばれねえよ」

「そう言う問題じゃない!」

「やはり、お前は嫌いだ」と言う桂が、本当にすねているようで、面白い。

ああ、お前のそう言うところ、俺は好きだぜ。
668風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/12/07(金) 22:09:38.99 ID:6YDoYYIJ0
「そういえば、てめえ最近、銀時の喜んで銜えているらしいな。まるで本当の女みてえに」

「は??」

「銀時が自慢してたぜ」思い当たったのか、カアアーーと、真っ赤になって、言う。

「あ、・・あれは、やつが・・・どうしてもと言って、土下座して頼み込むから、仕方なく、一回だけしただけだ・・・。喜んでなど、断じて、いない!」ぴしゃりと言う。

なんだい。そんなこったろうとは思ったが。

「へえ、じゃ、俺も同じことして頼み込んだら、銜えてくれんのかなぁ」嗤って言えば、

「どうかな。試してみただろうだ」と、偉そうに言う。こりゃ意外だ。

「フン・・遠慮しとくぜ」

俺がそんなことしないと踏んで言ったな。だが、いやだ、とは言わなかった。

どうかしてるぜ、今日のお前。俺もか・・・。