銀魂’〜ぎんたま〜第二百九十二訓

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638風の谷の名無しさん@実況は実況板で
>>633
気づいたら、自分のいいように動いていた。限界が近い。

俺が目を細めると、承知したかのように手を沿えた。

「・・・・ぅっ・・・」

は・・・

最後まで、手も口もはなさず、飲み下す。

出来た女だ。

その赤らんだ頬をなでた時、

トントントン・・・と階段を上る音が。

何となく、その音に聞き覚えがある気がする。

「高杉はン」

女が何か言ったが、構わず立ち上がり、

ふすまをあけた。
639風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/12/07(金) 02:33:08.53 ID:vsZJlfek0
思わず、くるりと、向きを変える、妓ではない女。

紅い簪で結い上げた、黒髪。細い項。あの匂い。

気づいたら、奴の髪のかんざしを抜き取っていた。

バサ・・・っと、髪が堕ちる。ああ、奇麗だ。

俺を振り向いて、

!!!!!!

驚愕の表情。



静かに奴の腕を掴むと、無言で部屋に連れ入る。

奴はつったったまま。「座れ」と言えば。

部屋の隅、俺と離れたところに座る。

手を腹に載せて、警戒している。そんなにそいつが大事なのか。

「高杉はん、一体、どういうわけですのん」

とろりとした女がすり寄ってきた。忘れていた。

「気が変わった。出ていってくれ」
640風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/12/07(金) 02:34:07.34 ID:IYhUqRhk0
「そんな・・・今日は偉く気が変わる日どすなあ・・・」

「金は払うから、頼む」出ていく女を、桂が目で追う。その様子がおかしくて、

「たまに来ては、舐めてもらうんだ」といえば、あからさまに顔を赤らめる。面白い。

そうだな。てめえは昔から、こういうところ嫌がったなあ。潔癖性なのか。だから、

「傷を」と、つづけて言った。それだけで、なぜか納得したような顔をする。おいおい、信じるのか。

「お前さん、その様子だと銀時に会わなかったようだな」

「あ、ああ・・・高杉、ここから電話をくれたのか?」

「まあな。下でちょっとばかり奴と飲んでいたからな」

「!!!!二人でか・・・めずらしい」

「まさか。たまたま会ったんだよ。俺は違うツレがいる」
641風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/12/07(金) 02:34:58.35 ID:TCDMnMdw0
思わず、癖で煙管に火を入れるところだった。その動作を隠すためにくるくる煙管を回す。と、桂がそれを目で追っているので、

「俺は、もうちっと派手な色が好みだが」と言えば、

「貴様は何もかもが派手なのだから、ひとつくらい落ち着いたモノがあった方が良い。ちょっとはおとなしくしろ・・・その方が、世の女のためだ」などといいやがる。

ああ、いつぞやの電話の女の件かとは思ったが、別段蒸し返すこともない。



それより、

「なんで銀時がこんなところにいるんだろうなァ」

「おおかた・・・不満なのだろう」

「相手してやってないのか」

「・・・子供がいるのに」まただ。桂は腹をさすっている。

「へえ。随分大切にしているんだな」面白くねえ。

「子供が出来た時の、銀時の喜び方は普通じゃなかった。貴様も分かるだろう。・・・あいつは・・・」

「一人もんだからな。血のつながりを欲してやまないんだろうよ」

「ああ。・・・じゃ、俺は帰る」