>>569 フン、と、ぐいっと酒を飲み干す。
「ヅラ、俺はお前に、高杉と電話すんなとはいわねえよ。・・・ただ、俺のいるところでしろ。いないところでこそこそされんのは嫌だ。そんくらいは分かるよな」
「・・・分かった」
「だったら、いましろ」
「は?」
「ここで、高杉に電話しろっつってんの!」
「銀時・・・」
お登勢も、坂本もうなずく。
さっきは、底意地の悪いことをしてしまったが、高杉なりに思うところもあって、言いたいことがあったんだろう。思い返せば、あんな弱々しい声、聞いたことがない。
いや、あっただろうが、遠い昔のことだ。
ヅラが、お登勢に電話を借りる。え・・・短縮番号??ってことはなに、うちじゃなくてここで掛けて・・・ババアがこっちを見る。
「時々ね。上には、子供達がいたりするだろ。あんたもいるし。変なこと勘ぐるんじゃないよ」
確かに、ヅラは携帯を持っていない。っつーか、俺ら、持つ金が無・・・。
TULLLLL・・・・
「あ、俺だ。・・・さっきは済まなかったな・・・いや」
まあ、別に気にしてませんけど????。それで、電話代が特に替わらなかったのか。・・・なんか、でも、それってこそこそして怪しくない??
ま、べべべ別に??????気にもならないけどおおおお・・・なんとなく、握りしめるコップがミシミシいう。
「いや、隣にいるが・・・は?ああ、他のものには聞こえていない。安心しろ」
なんだよっっっ!!!!その念押し!!!聞かれちゃまずい話でもあるってのか!!
「あ・・・ああ。・・・・・」
なんか、ヅラがどんどん無口になっていく。
ああ、何言われてるんだろう。・・・気にならないけどっっ!!坂本が、そんな俺を気遣ってか話しかけてくるが、そんなの上の空だ。
見かねたお登勢が、俺に言う。
「確かに、ここ最近は電話を借りに来なかったから、上で掛けるようになったのかと思ってたんだけどね。何度か、あの男から取り付いてくれって電話が来て・・・
でも、そのたび月子がいないって言ってくれって言うからさ」
ふうーーと白い息を吐く。
「んだよ、それ・・・。俺に言ってくれればいいだろ。ったく。」
「訳ありとは思ってたけど、相手の男も気にする風でもなかったしねえ。ま、とにかく、黙って少しは話させてやりなよ」
「けっ」
「ふふ・・・分かってる。」
ちょっと、何楽しそうに笑ってるのおおお?!!