そう考えているうちに、えらくまじめな面持ちで、月子の方から切り出した。
「あのな、万斎殿。この際だからはっきり言うが」
と言って、はっきり言う、と言ったわりには、とても小さい声で話し出した。
「俺のことを、・・・だ・・・抱いた夜・・・あいつは、俺を、・・・“気持ち悪かった”・・・と、言ったんだ」
「!!!??」
晋助・・・なんて事を言うでござるか・・・!!!おおかた、自分でもどうしてそんなことをしたか分からなかったのでござろうが・・・にしても、
相手に聞こえるように言って言い言葉じゃないでござる!!
と言うことを考える余裕もなく、口に出してしまうほど、テンパっていたのか。