腹・・まだまだ分からないでござるな。見た目には。細い方でござるし。
視線で感じたのか、手をおなかにやる。
「拙者、何もしないでござるよ」
「・・・そう願いたい」
ああ、母とはこのような者なのか。
「月子殿。・・・早速だが晋助のことで」
「万斎殿。俺の気持ちは変わらない」
「そこを何とか、一度で良いから、連絡して欲しいでござる。最近は、輪を掛けて荒れているでござるよ。
前に言ったメロディーが、既に崩壊してきているでござる。抜け落ちた音符を、聞くに堪えない不協和音で埋めている・・・」
と、そこまで言って、はっとなった。月子がまたぽかんとしている。
ああ、この例えじゃだめなのだった。・・・なんと言えば。