>>401 そのうち、
キイ・・・
女が、部屋から出てきた。なかなか戻らぬ晋助を心配したのでござろう。
「晋助さん、まだ・・・?」
半裸の女性。
妙に艶っぽい女でござるな。
これは美女だ。しかも、グラマー。
晋助が、顎で部屋にもどれと、女に部屋を示す。
「一体誰なの?相手は・・・」
晋助が拙者に視線を送る。
“適当に答えとけ”と言うことでござろう。その為に拙者はいるようなもの。
「まあ、大切な方でござる」
「・・・女ですか?」
「まあ、一応」
「・・・!!」女が、かっとなった。あれ?なぜ。
「晋助さん、ちょっと!!」
突然、女が晋助につかみかかる。
「あァ?」
ひらりと晋助がそれをかわしたが、それに更に怒ったように女が叫んだ。
「私以外に大切な人って、一体どういうつもり?!」
「ちょっ、ちょっと待つでござる!」慌てて、取り押さえるが、すごい力で抵抗する。
「私を部屋で待たせておいて、浮気は許さない!」
狂ったように、叫んで、電話を取ろうとする。
晋助が携帯を上に上げると、
「てめ・・・」
止めるまもなく、晋助が女の腹を蹴った。
がくり、と、気絶する女。
「万斎・・・」
「まさか狂乱女とは、思わなかったでござるよ」
「・・・捨てとけ」
「次に地上に着いた時にそういたす」
晋助は、女を一瞥すると、携帯を耳に当てた。
【高杉】
「おい」
「・・・・高杉・・・お楽しみのところ、悪かったな。・・・部屋に戻って続きでもしろ」
プッ・・ツーツー
「・・・・」
プッ。俺も、そのまま通話終了を押した。
万斉に携帯を渡せば、おそるおそる俺に聞いてきた。
「?もう話ししなくて、良かったでござるか?」
「・・・切れたから、もういい」
「かけ直さなくていいでござるか」
「・・・いい」
バタン、部屋の中に入る。