銀魂’〜ぎんたま〜第二百九十二訓

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386風の谷の名無しさん@実況は実況板で
「あんたは、この町、長いんだろう。あんたの青春を過ごした頃、ここはどうだった?こんなイカレた場所だったか?今のこの世界、あんたはどう思う?」

「・・・そうさねえ。すっかり過わっちまった。でも、それはそれで仕方がないと思っているよ。あたしらは、与えられたところでどう生きていくかを考えるだけだからね」

男は、フン、と鼻で笑った。

「まだ、この国だって捨てたモンじゃないよ。奇麗なものも残っているんだ」

「そうかい。だが、どっちにしても、この国は腐ってく。汚らしい侵略者どもが、この国を腐らせていく。だったらよぉ。いっそのこと、

腐りきる前にぶっつぶした方が良いと思わねえか?あんたの言う、まだ、美しいものが残っている、そのうちに」

「・・・・」



ああ、と思った。ああ、この男は、本物の攘夷志士だ。そこらの上辺だけの攘夷志士ではない。そして、危険な思考を持っている。

答えに詰まるお登勢に、フッと笑うと、煙管を口にくわえる。

言葉の凄みと真逆に、この男の仕草は優雅だ。魅せられる。

茶を飲む仕草も流れるようだ。その二の腕に刀傷が数本見れる。きっと、身体にも同じような傷があるだろう。片目を包帯で覆っているのもそうかもしれない。

それは、激しい戦地を思い浮かばせた。

そして、きっと傷があるのは、身体だけじゃない。心にももっと深い傷がある。