銀魂’〜ぎんたま〜第二百九十二訓

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344風の谷の名無しさん@実況は実況板で
余談5*ギャグ 月の姫

(松之助が生まれて間もない頃)



1.

スナックお登勢。

坂本とちょっと一杯飲んでいるときだった。

酒の勢いとは恐ろしい。

俺は、何でか奴なんかに犬も喰わない話を相談してしまったのか。

悪夢はここから始まる。
345風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 20:29:32.32 ID:HrTef7Br0
「奥さんにこの間言われた一言がショックで・・・「しつこい」ってさあ・・・言うのよ」

坂本が、なんだかんだと慰めてくれるのがまたキツイ。

「元気出しい。あっさりしてるって言われるより、いいぜよ」

「そこじゃねえんだよ??。なんつーかさあ・・・絶対誰かと比べての発言だと思うのね。それが、へこむって言うかさあ・・・気になるって言うかさあ・・・」

お登勢とキャサリンが何げに聞き耳(猫耳)をたてているのが分かるが止まらない。

「フツー言うかなあ。ああいうこと・・」

「まあ、月子さんには月子さんの考えがあるぜよ。深く考えちゃいけんきに」

アハハと、坂本が明るく笑う。酔ってもTPOはしっかりしている。

ヅラのことは暗黙の了解で外では“月子”と呼んでいた。
346風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 20:31:01.88 ID:HrTef7Br0
「あんたもたいがい甲斐性なしだねえ。こんなとこで愚だ巻いてないで、夫婦の問題は夫婦で解決するもんだよ」

「ババアにはわかんねーんだよ!男のナイーブなところなんざ。だーってろィ!」

はあーと、お登勢がため息を吐く。おれは、ぐいっと一杯飲んで、

「ちょっと、これからおね??ちゃんのいるお店いかねえ?確かめてみる!」

坂本を連れて出ようとする。

「確かめるって何をじゃ?浮気はいかんぜよ、金時」

「浮気じゃねえよ!!調査!!!調査です!!!」

「んな??に気になるなら、本人に聞いてみればいいじゃろおが」

「聞けねえよ!!!だから、他の人の意見を聞いてみようと思ってるんだろーがアアア!」

「じゃあ、高杉に聞いてみればいいきに」

「出来るかアアア!!!っつーか、何処にいるかしらねーーっつの」

「今は、会いにいかんでも、話すだけなら、これがあるっちゃろ。」

キラン、と、最新型携帯を取り出す。

こ、こいつ、・・・高杉の番号知ってるのか・・・あなどれねえ!スザっと後ずさる。
347風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 20:32:48.36 ID:UrFl2h+Z0
あ、そういや商人だったもんな。お得意先か。

「それ、職権乱用じゃねえの・・・」

「別に、元々友達なんだから、電話くらいよかろ!おんしを鬼兵隊に届けたときの方がギリギリじゃ。」

そりゃそうか。確かに、会ったらぶった切ると言ったけど、話すくらいなら。



TULLLLL・・・・マジか!うわ??なんでか、緊張する。

しばしの沈黙。どうやら、他の部下が出たらしい。総督お願いしますって。快援隊・坂本・・・って名乗ると、あっさり承諾したようだ。こいつの人脈、すげえな、おい。頭空だけど。

「あ??!高杉か!元気にしとるかの!毎度おおきに??。あ、いま、金時と飲んでるんじゃけど・・・」アハハハといつもの調子だ。

つーか、俺は銀時だ、銀時!まあいいや。耳を近づけて、話を聞いてやれ。

ああ??、『は?銀時?』むかつく例の低い声が聞こえる。

「あ??用事?ああ、何か金時が聞きたいことがあるって・・・ちょっと待って、替わるきに」えっっ???!!

そう言って、受話器を俺に差し出す。

ちょっと、なんて言えばいいの!!心の準備できてないんだけど!!!
348風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 20:34:21.71 ID:9xvEYjSP0
「あ・・・あ??あ??、ど??も」と言えば、

「なんだ」実に素っ気ない返事。

「あのさ??、お兄ちゃん」プツッ。ツーツーツー・・・って、オイオイオイオイ!!!!

「切れたんだけどぉ!!!!」

「おんしが変なこと言うからじゃろ。どれ、もう一回かけてやるきに」

あいつのことだから、もう出ない気がする。気付けに一杯ぐいっと飲み干した。


TULLLLL・・・・

「あ、すまんのう。」でた!!!!!

どうやら、そのまま携帯持ってたらしい。坂本が何とか話を聞いてくれるように取りつくろってくれるが・・・

「じゃ、かわるきに」

オホン。

「あの・・・ヅラの話なんだけど」

「興味ねえ」

「まっっ待て待て待て!切るな!!」さすがに弐度目には切る気配を察知した。

「・・・なんだ」ホッ。

とはいえ、なんて切り出したらいいものか。つーか。何で俺がこんなに焦ってるわけ。
349風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 20:35:18.46 ID:HB/97tgy0
「あのさ??、最近ちょっとHがさ・・・」さすがにダイレクトすぎたか。

「他人の情事に興味ねえ」

「待て待て待て!お前に関係あるんだって!!」

「はあ?」お、ちょっと食いついた?

「ん??。なんつ??の・・・」俺がしつこいって思うって事は、こいつがあっさりしてるって事で、・・・てことは。

「お前って、もしかして早いの?」

「はあ?」

ぁ、言っちゃった。・・・沈黙。ごめん、これはないよなあ。

「あ、別にヅラが言った訳じゃないから」あわててフォローする。

「何か良くわからねえな。何が言いたいんだ、てめぇは」

「ヅラってさ、あんま何も言わないじゃん?」探りを入れてみる。


「・・・?」

「ん??、何か静かじゃんか」

多分、俺の言わんとしたことが分かったはずだ。どうだ、思い当たることがあるんだろ!!!ああ、みたいな感じだったよね!!

「そうか?」

!!!!!なんですと???!!!!
350風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 20:37:41.90 ID:nDjGurqE0
「あの・・・」

「結構うるさいと思うけどな」ククク・・・と、低く笑った。

「嘘つけ!」

「ヅラに聞いてみろよ。・・・なんだ、そんなことか。くだらねえ」

カチ??????ン!!!

何かあったまきた。だって、てめえの息子は俺が育てんだぞ。恩を仇で返すつもりか、この野郎!


「くだらなくねえ!!てめえの所為で俺はマダオにされてんだから、てめえには応える義務がある!!」と息巻けば、なるほど、子供のこととぴんと来たか。

「・・・そうかい」殊勝な声だすじゃないの。

「ああ、一度言おうと思ったんだけどな、お前はこっちがどんだけ大変な思いしてるかしらね??で、いい気なもんだよ。お陰でこっちはいつも金欠で・・・いや、別に困ってないけど!!!」

「何だ、金の相談だったのか。金なら出すぜ」

「!!いらね??よ!!困ってねえっつってんだろ!!」

なんだこいつ。むかつく!!何でこんなに上から目線なんだあああ!!

「金時、何の話してるんじゃあ??」と、坂本が横から入ってきたので、はっとする。

そうだった・・・
351風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 20:38:31.87 ID:QXy3C5sU0
「あ、いやいや。ヅラの話なんだけど。あいつさぁ・・・」

この会話に夢中になってる俺は、お登勢の引き戸が開いたのも知らずにいた。

「その話はもういいだろ。てめえの未熟さ棚に上げてヅラの所為にしてんじゃねえよ」

がはああ!!!

「あのな・・・・っ!俺だって、すげー、鳴かしてんだかんな!!!そりゃも??ヅラうるさいくらいにアンアン言って・・・もう大変・・」

??????ドゴアアア!!!

脳天に強烈な衝撃を感じた。

ぐはっ。

振り向くと、青筋たてた月子さん・・・