銀魂’〜ぎんたま〜第二百九十二訓

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335風の谷の名無しさん@実況は実況板で
>>332
まくし立てても、聞いていない。

こっちを見もせず松之助と遊んでる。

だから、貴様はもてないんだ、この天パー。



歯がみしながら、でももう仕方がないので、夕食の支度に向かう。



「なあ、桂」

桂じゃない、坂田だ。いや、いや、それより何より、何で俺をちゃんと呼ぶんだ。

怖い怖い。

「・・・なんだ?」

思わず、身構える。
336風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 19:09:40.20 ID:DGObInBS0
「お前と俺ってどういう関係?」

は?何かと思ったら、そんなことか。何だというのだ、決まり切ったことを聞いて。

「夫婦にきまってるだろ」

「期限付きの?」

「・・・決まっている」

「でもさあ、」

まったくこいつは。何が言いたいのか分からない。と、突然。



「俺、お前のこと好きだよ」

「!!!!!」はああああ?????

何だ、その発言???何だ、この展開????何処のドラマを見たのだ??今度レンタル屋に行かねばああ!!ってそんなことじゃなくて。



「もちろん、月子が、だけどね」と、付け加える。

何を言っている。

「俺は、俺だ」

「そうなんだけどね??・・・」う??んと頭をかしげる銀時。
337風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 19:10:53.63 ID:lsPABNzH0
お前・・・俺だって、お前が嫌いではないに決まっている。

だからこそ、戦争が終わった後だって、遊びに来ていたし、なにかと協力したり、してもらったり。

・・・できたら、また共に攘夷活動をしたいと考えているのだ。かなわぬ事と知っていても。



「今更だな・・・」

「ん?」

「俺だって、好きだぞ。知らなかったのか?」

「マジ・・・!!!!」



あり?今、ものすごく紅くなってるぞ。お前。俺変なこと言ったか。



「ただいまある????!!」リーダーが帰ってきた。

「あれ、銀さん、顔赤いですよ。熱でもあるんじゃないですか?」

新八君も。ああ、食事の支度しなければ。



なんだか慌てる銀時を横目に、
こんな時間が、もう少し長く続くといいな、・・・などと不覚にも思ってしまった。
338風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 20:18:03.21 ID:PwO4d/q70
余談: 父親



幾月か過ぎて、江戸にとある目的でぶらりと立ち寄ったら。

本当に偶然、桂に会った。

買い物かえりか。何だか買い物袋をぶら下げて、

胸に、生まれた子供を抱いていた。

そう言えば、銀時が“弟になった”だのと抜かしていやがったな。

笑わせる。

ままごとのような芝居夫婦も伊達じゃなかったのか。

名を聞けば「松之助」だとか。

偉く上等な名をやったもんだ。

あの人の名を付けるなんて、

何だか無性に苛立った。
339風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 20:18:41.00 ID:t6UJ5dKu0
一瞬、切り捨ててやろうかとも思ったが、

そんなことに意味はねえ。

だが、俺の一瞬はなった殺気に、

ちゃんと桂は反応していた。

まだ、一応錆び付いちゃいないようだな。

それが、何だか妙に楽しい。



あいつが、「縁のものに名をもらった」と言ったので

ああ、こいつは俺の子だったのか、ということを知った。

驚かなかったと言えば嘘になるが、疑惑が確信に変わっただけの話だ。

そっと、まだ毛の生えそろってないような頭をなでれば、

ガキがぽっかりと目を開けて俺をみやがる。
340風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 20:24:31.52 ID:EvpTTVDK0
きりっと髪を結い上げて、あの紅い簪を付けて、なんだか得意げな桂の様子に、

面白くなくて

そっと抱き寄せれば、抵抗しない。ふんわりと、懐かしい匂いがした。

だから、

相変わらずの白い項に吸い付いてやった。

案の定、簡単に跡が付く。

・・・

ざまあみろ。

悔しがるであろう、銀髪頭の男を思い浮かべた。

あいつの独占欲は半端じゃねえ。



そっと桂の耳元で、

言おうか言うまいか迷っていた言葉を告げた。

そのあとは、とてもじゃないがお前の顔が見れない。
341風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2012/11/29(木) 20:25:04.47 ID:GkhljsWW0
桂、

次にお前に会う時が、

俺が死ぬときだったらいい。



そうだ、

有言実行のお前のこと。

宣言したとおり、俺をぶった切ってくれよ。

お前の剣で一寸違わず、心臓を突き刺して、

熱くて熱くて仕方ない、この熱を

一滴も漏らさず流してくれ。



そうしたら俺は

・・・きっと。