お前の求めてることは何となく分かってる。
でも、俺は女であって女ではない。
だから、女のように振る舞うのだけはごめんなんだ。
きっとお前が同じ立場だったらそうする。
ここが、もし二人だけだったら、百歩譲ってお前の期待に添ってやることも出来たかもしれないが、生憎そうじゃない。
寝間着を整えると、さも当然のように右手を差し出してくるので、その上に頭を置く。
その体温が心地よくて、眠気におそわれる。
それにしても。
一言言ってやらないと気が済まない。
お前は忘れているのかもしれないが、俺には子供がいるんだ。
こんな事が続いたら身が持たない。というか、子供が心配だ。
「お前は、しつこい・・・・」
それだけ言うのが精一杯だった。後は眠りに落ちるだけ。