だとしたら、
お前の望み通りにしてやろう。
その理由を知ったとき、お前はなんて顔をするだろうな。
その顔を見るのもまた一興。
そのために、
もう少しつき合ってもらうぜ。理由探しにな。お前が知りたいと言ったんだ。
「後悔、すんなよ」
奴の肩を両手で掴んで、引き寄せる。奴の髪をとめているあの紅い簪を、触るなと言った簪を、思い切り噛んで、抜き落とした。
カチャンと、床に高い音が響いて、桂の長い髪が散らばる。
あの、匂いがした。
「もう少ししたら、教えてやる」
耳元で、低くささやく。奴が小さく身震いするのが分かった。それだけで、俺は簡単に興奮するんだ。桂、お前は知っているのか?