「貴様はそう言う男だ、昔から。だから、別に怒ってはいないし、責めるつもりもない。だが、なんの目的なのかが釈然としない。俺と身体を合わせることで」
「お前は、相変わらずなんだなぁ、ヅラ」最後まで言い終わる前に、言っていた。
「人はそうそう変わらぬよ・・・狂ってしまう奴もいるようだが」
お前は分かってるようで分かっていねえよ、ヅラ。何でもかんでも計画通り行くわけがねえだろう。他人もそうだが、自分自身さえ。思い通りにならねえことがある。
「男が女に興味を示すのに、理由なんかありゃしねぇだろうが」
「得意の理屈付けか。そんな甘いものではなかったと思うがな」
確かに、和姦じゃねえからな。
「大体そんな理由だとしたら、俺などに手を出さずとも貴様は、昔から女には不自由していないではないか。不思議と女にはもてていたみたいだからな。
貴様のような男の何処が良いのか・・・その危険な感じがうけるのだろうか??俺のような誠実な男の方がよっぽど良いと思うが・・・・」
どうでもいい話をしながら、なにやら考えている様子の桂。
そんなことは承知の上だ。承知の上で事に及んだのだ。それがどういう意味か、お前には分かるめえよ。
俺ですら分かりかねている。お前の言う、戦略の元でしか動かないだろう俺が、なんの考えもなくお前を・・・・ああ、ホントに。この感情は。
「ほんとにな・・・お前は気持ち悪かった」うんざりだ。