銀魂’〜ぎんたま〜第二百九十二訓

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202風の谷の名無しさん@実況は実況板で
「男か?名前は・・・」

「松に助けると書いて・・・・松之助(しょうのすけ)だ」

「けったいな名前付けやがって・・・銀太郎とかで十分だろうによ」顔は笑っているのに。

安穏な空気が漂う。一種殺気のようなものを奴から感じる。

つ・・・と、また一歩高杉が静かに近寄ってきた。間合いを計っているかのように。



「そういや、お前さんにはでけえ貸しがあったっけなァ」

完全に奴の間合いに入った。

思わず、腰巻きの短刀を確かめる。奴の渡した刀だ。貴様はこの子供ごと、斬るつもりなのか。自分の子とは気づかずに?

いや、気づいた上で、邪魔な存在を消すつもりか?どちらにせよ、貴様はきっと知らずに殺したことにするのだろうな。それならそれで。

「貸しなど元からない」

「そうかい」

「それに、この子の名前とておかしくなかろう。縁の者から一文字づつ頂いたのだからな」

どうする?高杉。これで言い逃れは出来まいよ。

お前が今消そうとしている命は、間違いなくお前の血を引く者なのだ。

とたん、高杉の殺気が嘘のように消え、変わりに驚きと、とまどいを感じた。