その日は、いきなりの、歌舞伎町からの嫁入り行列。
見物人も、警備員もすごかった。
見送りに銀時の姿はない。朝桂が起きたときからいなかった。
そんなものだろうな。と、昨日のケンカを思い出す。
そして、そっとみんなに笑顔で手を振ってからかごに乗った。
屋根の上で、その様子を見ながら、銀時は考えていた。
・・・あいつは、分かってるはずだ。
この結末がどういうものになるか。あいつは、子供を見捨てられるような薄情な奴じゃない。孤児だった俺のことさえ、あいつが一番気にしていたのだ。今でも。
なぜ、あいつがあっさりと結婚を受けたのか。
なぜ、あいつはこっそり腰に懐刀を差していたのか。
答えはひとつじゃねえの?