銀魂’〜ぎんたま〜第二百九十二訓

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151風の谷の名無しさん@実況は実況板で
桂というのは、噂通り、礼節を重んじ、義理堅く、非常にまじめな性格なのだと万斎は思いしることになる。

世話になりっぱなしでいるわけにはいかないと、率先して鬼兵隊の食事を作ったり、洗濯をしたりと家事をこなす。

作る料理がどれもまたお袋の味・・・といったような質素なもので、しかし、手間のかかる煮込み料理などを作るところが育ちを伺わせる。



紅い簪でくるりと結い上げた黒髪、小さな輪郭に整った顔立ち。長いまつげ。船員達に手料理を配りながらにこりとほほえめば、大抵の男は虜になろう。

それも、自身を利用し、犠牲にしようと企んでいるもの達に向けているのだ。

天然とは聞いていたが、こんな警戒心もなくてよくあんな戦場を生き抜いてきたものだと万斎は感心する。



せめて、あの顔で、とろりとほほえむのは辞めて欲しい。

何か間違いがあっても困るし、志気に影響が出そうなので、月子には配膳を辞めてもらい、食事も鬼兵隊の主要メンバーと一緒に取ることにしてもらった。

来島はとても喜んだ。まあ、食卓に花が加わるのは悪いことではない。武市も心なしかうれしそうである。

まさか、女とは言え、桂とこうして食事を共にするなど・・・予想だにしなかったことだ。本音を言えばかなり複雑である。



まあ、一番複雑なのは、はっきりと袂を分かった当の二人だろうが。どちらも表情からはその心情はうかがい知れなかった。