【SAO】ソードアート・オンライン part107

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710風の谷の名無しさん@実況は実況板で
半年くらい前のある日、最前線に転移していざ迷宮に出発って思ったら、広場の芝生で昼寝してる人がいるんです。
レベルはそんなに高くなかったようですが、わたし頭に来ちゃって、その人に、
「こんなところで時間を無駄にする暇があったら少しでも攻略に参加してください」
って怒鳴っちゃって……

そしたらその人、
「今日はあの日と同じ空なんや、迷宮に潜るよりも大事なことかてあんねん……」
って言って
「すまん、一人にさせてくれ、ほっといてんか」
なんて、失礼しちゃいますよね。

でも、わたしそれを聞いてハッとしたんです。
この人はこの世界でちゃんと生きてるんだって思って、こんなに天気のいい澄んだ青空を、この人はどうしてこんなに悲しい目で見つめているんだろう――って。
ギルドの人を先に行かせて、わたしその人が気になってこっそり見ていたんです。
風はほんとに気持ちよくて……ぽかぽかあったかくて、忙しい毎日を忘れて、この世界を初めて見た感覚を思い出しました。

そしたら寝入った彼の口から、
「ディアベルはん……なんでや……なんで死んでしもたんや――」
嗚咽で目覚めた彼はバツが悪そうにその場を離れようとしたんです。
でも、わたしのその人の手をぎゅって握っちゃって、私もなんだか涙が溢れてきちゃって……その場で泣き崩れてしまいました。
その後、夕方まで泣きじゃくるわたしをそばで見守っていてくれたのが……それがこの人です。

言葉を切ると、アスナはんはわいの手をぎゅっと握った。