東のエデンは2007年に一部で話題になった、
赤木智弘の「丸山眞男をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」が根底にあるよな。
「希望は、戦争。」は、戦争が起これば「この国の“空気”…閉塞感を産み出す目に見えない利権構造」が壊れて
今よりマシな生活が出来るかもしれないという事を主張した、2000年代のワープアの閉塞感をうまく言い表した論文。
しかも労働問題に精通しているはずの左翼系知識人による返答が、揃って格差社会・ワープアに言及出来ないで
的外れな戦争反対系ばかりだったことが、更に「既得権世代vs氷河期・ゆとりニート世代」の世代間対立を浮き彫りにしちゃったんだよね。
作中の台詞からも解る。
滝沢の「ミスターアウトサイドをぶん殴りたい」=「「丸山眞男」をひっぱたきたい」
うかつな月曜日を起こしたNo.10の独白=「希望は、戦争」
No9とNo10は、他人を殺しても良いか否かで対比されてるけど、やりたいことは「あいつ(等)をぶっ飛ばしたい!」で共通してる。
そこを踏まえれば監督の意図はわかると思う。
昨今の格差社会やワープア社会問題、世代間闘争(底辺世代vs既得権益世代)、「日本の空気(閉塞感)に立ち向かう…」
といった社会問題を根底に敷いた、「ガチ社会派作品」だった。
735 :
風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2009/06/14(日) 00:55:21 ID:xz4Fh5MS
攻殻SACの頃からそうだけど、作中の小ネタもよく練られていると思う。
エデンシステムは赤木論文ネタで釣れそうなはてな辺りに受け良さそうだし、
9話でパンツが言った「ズボンが無いから引き籠もる(みっちょん曰くそんな訳ない)」はν速の服がないネタ。
他にもあると思うけど、細かいところに気を遣ってて面白かった。
赤木の論文が出された2007年から進んで、2009年は派遣村や不況のせいで、「この国の“空気”」の社会問題が以前より更に可視化されて来た。
つまり今年は「ガチ社会派作品」を作るには絶好のタイミングで、
放送枠も非アニヲタ層もターゲットの「ノイタミナ」だから、もしかしたら社会現象狙えるかも知れない…
でも、なんか作品の意図は全部台詞で説明しちゃってるし、
ジョニー狩りとか完全にいらないエピだし、ガチ社会派なのに、
超AI超行動力ジュイスとかいうリアリティが無い設定で、それでいて舞台が現代で、でも演出に現実感は無くて。
要するに現実的では無いし、ファンタジーでもない、どっちつかずな感じがして
「現代日本社会」の急所を抉るように描くはずが、すごい異世界っぽい……悪く言うと中2的。
良い時期と良いネタを用意できたのに、肝心のストーリーと演出がアレでモノに出来なかった感じが残念だと思う。