Yes!プリキュア5GoGo! ++PRETTY CURE++188
事件発覚直後、遺体が見つかった現場から北東に約100メートル離れたマンション駐車場で、幸満ちゃんの衣服や靴が捨てられているのが見つかっていた。
服は、近くの大型商業施設のスーパーなどのレジ袋に入れられていた。
ここから、誰のものか分からない指紋が検出されたのである。容疑者に結び付く可能性は高い。
幸満ちゃんが最後に目撃されたのは、看護師である母親、多恵子さん(38)が勤める病院。ここは服の遺留地点から200メートルという近さだ。
遺棄現場、遺留品の発見場所、レジ袋の商業施設、そして最後の目撃地点の病院…。いずれも徒歩圏内にあり、捜査本部では「車を持たない、現場周辺にいる者の犯行」との犯人像を描いていた。
そうした中、聞き込み捜査の過程で数人の不審者が浮上し、捜査本部は行動の確認を続けた。
その中でも車を持たず、免許もない勝木容疑者は犯人像にぴったりの存在。しかも勝木容疑者は衣服が捨てられていたマンションに住み、捜査員が行動監視している最中にも女性に付きまとうなど不審な行動を繰り返していたのである。
その勝木容疑者の指紋が、レジ袋に残されていたものと一致した。これが逮捕の決め手になったのだった。
「(犯人という)自信はある」
勝木容疑者は追及の度に供述をこう変えていった。ただ、遺体遺棄について認める供述に転じてからは、主張はおおむね定まっている。
勝木容疑者の説明はこうだ。
まず、幸満ちゃんに会ったのは事件当日が初めてで、「面識はなかった」。
事件当日、幸満ちゃんは病院から、勝木容疑者宅前や死体遺棄現場などを通った先にある友人宅に足を運び、不在で引き返すなどしていた。
その過程で、勝木容疑者は幸満ちゃんと「何度も顔を合わせた」と説明する。そのときに声をかけた−という趣旨かもしれない。
当日は雨の降り始めだったためか、「何度も(幸満ちゃんに)帰るように言った(促した)」とも勝木容疑者は供述する。
そして、いったんは幸満ちゃんは帰ったが、「家に帰って玄関に入ったら、後ろについてきていた」と勝木容疑者は取調官に説明するのである。
ただ、捜査幹部はこの供述に疑問を呈する。
こう聞けば供述はもっともらしいが、幸満ちゃんが死亡した経緯や誘い出した状況などの核心部分については、勝木容疑者は黙り込みがちになり、追及にこう繰り返すのだ。
「覚えていない」
捜査幹部は言う。
「基本的に自分の有利な話しかしていない。にわかには信じがたい」
幸満ちゃんの好きな 「 プ リ キ ュ ア 」 が容疑者宅に
勝木容疑者が取り調べに黙り込みがちになる中、周辺からは、事件の真相を解くうえでカギになるのではと思われるキーワードもいくつか浮上している。
ひとつ目は「アニメキャラクター」だ。 勝木容疑者の自室からは壁一面のマンガなどが見つかった。
( 中 略 )
そして、美少女の主人公が活躍する「 プ リ キ ュ ア 」のアイテムも発見され、捜査本部に押収された。
「 プ リ キ ュ ア 」は、幸満ちゃんが友人宅でコシュチュームを着てはしゃいでいたというほど、幸満ちゃんの“お気に入り”のキャラクターだった。
勝木容疑者は「 プ リ キ ュ ア 」の話題などで幸満ちゃんの興味を引きつけ、自室に誘い込んだ可能性も考えられるのだ。
「 プ リ キ ュ ア は(勝木容疑者宅にあった)数あるグッズの中の1つに過ぎず、事件との関連を結びつけるのは早計」
捜査幹部はこう語るが、2人を結びつける接点が少ない以上、興味を示す捜査員がいることも事実だ。