まんが日本昔ばなし その8

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426ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
デジタルリマスターのコストが番組終了に関係しているのだろうか?
とにかく残念だ…

今日放送された2話は「暗示」を使用した演出が印象的であった。
「河童の雨ごい」
子供の手を引く母のシーンに続いて挿入される沼に浮く草履
→河童が子供を沼に引き込んで殺したことを表す。
すると、雨ごいのシーンに現れた河童が村人からタコ殴りにあうのも当然過ぎるものが
あり、問答無用で殺されなかっただけ良かったとも言える。
日照りに万策尽きた村人たちは、過去の悪行をひとまず看過しても、自分たちには無い力
を持つ水に住む妖怪である河童に何かしら期待するところがあったのやもしれぬ。

「猿神退治」
ラストの点々と続く血痕
→早太郎も重傷を負ったことを表す。
前にも引用したことがあるが、松谷みよ子編著「日本の伝説(上)」(講談社)
に採話された原話(「早太郎と人見御供」)によれば、ラストの部分は下記の
ようになっている。

『…早太郎の姿はどこにもみえず、ただ、一すじの血のしたたりがまっすぐに、
信濃へむかう道へつづいておった。
早太郎は傷つき、よろめきながら光前寺へ戻ったのだった。
そして和尚さまをみると、一声ほえて、がっくりと息をひきとったという。』

伝説とはいえ、原話の方がリアルなのだろうが、敵を倒しひとり無言で(?)去って
ゆく早太郎のカッコ良さが印象的なアニメ版のラストも捨て難いものがある。
自分はどちかと言うと悲劇や鬱話の方が好みではあるが、この話に関しては、
早太郎の死まで明確に描くのは蛇足という感さえある。