17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/30(日) 17:01:27.49 ID:m0gc1V5k0
いよいよ清太は死を間近に感じたらしく、悲鳴と自分へ向けた罵詈雑言をわめきちらした。ああ、やはりこの程度の人間だったのだ。こいつは。
「人がくるわ」民家から離れているとはいえ、このまま騒がれれば人が集まってくるだろう。「さっさと殺すか」
「ひっ」銃口を向けられた清太は少しでも遠くへ逃げようと、地面を引っかきはじめた。しかしそれが無駄な行為とわかったのか、こちらに向き直り、言った。
「助けて」
それは節子にとって、幾分マシな言葉に思えた。「今までの恩を忘れたのか」などと言い出そうものならば、額を撃ち抜く気でいたからだ。
「死にたくない」今度は、そういった。
「そうか」
「えっ」
「死にたくないか」
清太はきょとん、としたが、すぐに意味を理解したらしく、勢いよく頭を振った。
「ああ……ああ!」