---しかし、そうした意図を見る側に伝えていくのは難しさもあるのでは?
京田:伝わるかどうかで言うと、本質的なものは伝わらないだろうなと思っています。
凄く分かりやすく当時の雰囲気をやりますって、大々的にビジュアルを持ってくる
やり方もあるけれど、本来そういうことが嫌いだったじゃん…というのがあって。
それは、つまり消費ですよね。あの頃の僕が受けた感覚や空気を再現するに当たって、
それをやる必要はないと思ってて。第一に、そのような時代の空気感がメインテーマ
ではなく、この作品では基本的にボーイ・ミーツ・ガール物をやりたいわけです。
あるいは、本当の核心はパレスチナ問題なんですが…。
---9.11以降、そこを避けては通れない?
京田:俳。そこにボーイ・ミーツ・ガールを乗せた物語を作ろうと思ったのが最大の
ポイント。その中で、いかにキャラクターに自分が一番気持ちよく思える生活感を
宿らせられるかというファクターの一つが音楽だったわけです。ただし、いま話したような
テーマ的なものへの具体的な解決を描き切る事はおそらく…実際に解決してない
問題を描いてるわけだし、不可能だろうと思っています。でも、それに対してチャレンジしない自分が嫌だからやってる。
そして、生きてる人間を描く時に、自分が始まると終わりを目撃して、なおかつ描ききる事が出来るのが
90年代初頭の問題なんです。
(以下サントラ2への構想についてなので割愛)
全文
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