中田英寿、藤原紀香、村上龍…。著名人にもホワイトバンドは浸透している。
近ごろ若者を中心に人気のシリコン製腕輪「ホワイトバンド」。世界の貧困を
救うことを目指す「ほっとけない世界のまずしさ」チャリティーキャンペーンの
“象徴”として、すでに約200万個以上を出荷している。多くのタレントも
身につけ、ちょっとした社会現象になっているが、売上金が直接的に貧困を
救うわけではない。とっても複雑なホワイトバンドの中身とは。
「えーっ、寄付されるんじゃないの?」「全額とはいかないまでも、ほとんどは
貧しい国とかに寄付してるんだと思ってた」「寄付じゃないなら、(売上金は)どこへ
流れているんですか?」都内で身につけた人たちの大半が、ホワイトバンドを善意
の寄付行為と誤解していた。ホワイトバンド運動を主催する「ほっとけない世界の
まずしさ」キャンペーン実行委員会委員の一人で、NGO団体「オルタモンド」
事務局長の田中徹二氏は、運動の“趣旨”を説明する。
「ホームページを見てもらえばよく分かるのですが、運動の趣旨は『お金ではなく、
あなたの声をください。その声をあらわすホワイトバンドを身につけてください』。
あくまで、『政策を変える』ことを目的とした活動なんです」
「3秒に子どもが1人死んでいる」との衝撃的なキャッチコピーは、チャリティー
キャンペーンも連想させる。しかし、実際には売り上げが直接、貧しい国へ寄付される
仕組みではない。それどころか、販売店や流通業者がある程度“もうかる”ようになっている。
製作・販売、流通全般に携わっているPR会社「サニーサイドアップ」では、1個の値段
(300円)のうち、原価や製作流通経費が7割を占めていると説明する。そして、残りの
3割にあたる“収益”は寄付金ではなく、冒頭に田中氏が話すようにあくまで「政策誘導
するNGOの活動費」となる。
http://www.zakzak.co.jp/top/2005_09/t2005092201.html