"Deleuze and Guattari : Critical Assessments of Leading Philosophers"
Three Volume Set, Edited by Gary Genosko, 2001, Routledge,
ISBN: 0415186692, Cloth, $575.00 (US)
この1536頁にもなる書籍をいま下手にアマゾンなどで購入しようとすると、
ライブラリー・バインディング版、つまり図書館向けの仕様でUSドルにして
実に660ドルにもなる。ここ最近の平均レートを1ドル115円くらいだとしても、
8万円近いシロモノだ。いっぽう上記の値段は、版元ラウトレッジのHPのカタログ
によるもので、ここにはClothつまりハードカバー版の価格が表記されている。
恐らくペーパーバックは刊行されないだろう。
ボードリヤール論やマクルーハン論を出版し、ガタリのリーダーも編纂している
ジェノスコ(とある日本の書籍ではガリー・ゲネスコと表記されていたが、
正しくはどう表記すべきかわからない)は、オンタリオ州のレイクヘッド大学の
ウェブサイト内に自らの名前と「文化理論研究」を掲げたHPを構えており、
ほとんど知られていないためか、作ったばかりのためかでアクセス数がようやく
100を越えるかどうかの現状なのだが、内容としては彼の趣味であるらしいホッケーや
その他のコーナーは別として、「ガタリ・プロジェクト」という項目は必見である。
http://www.lakeheadu.ca/~ggenosko/ 根っからのガタリ主義者ぶりを見せながらも「この世紀がいつの日かガタリ主義者のもの
とならないことを願おうじゃないか!」と言い放つその反骨精神。このコーナーには
ガタリの書誌データのほかに、上記書の目次詳細が出ている。まずはこことニューヨークの
ラウトレッジHPカタログを見て、個人が買うのは厳しいとしても、大学の研究室を利用
できる人はそこで購入してもらうのもいいだろう。
本書は端的に言えば、ドゥルーズ=ガタリを論じた各国の主要論文を独自の視点から
集成したものだ。フランス、アメリカ、オーストラリア、イギリス、ドイツ、イタリア、
日本、フィリピン、カナダから合計90論文がエントリーされている。詳細の紹介は無理だが、
本書目次の概要を見ておくと、以下の通りとなる: