>>34>>36 今日の俺 9/8(木)
昼間、ネットで求人広告を眺めていると、ドンドンと俺の部屋をノックする音が聞こえた。
ここに越してきてから知り合いなどいるはずもないし、どうせ何かの勧誘だろうと思って
放っておいたのだが、なかなか去ろうとしない。あまりにうるせーのでドアを開けると、
「すいませんちょっといいですか?」と制服着た警察官が2人立っていた。突如、
目の前に現れたポリスメンに激しく動揺する俺。心臓が止まる思いだった。チラと外を見ると、
アパートの前にお巡りさんが乗るバイクが確かに止まっている。本物の警官だ。冷や汗をかきながら、
「・・・はい?」と答えると、警官は「非常に申しわけないんですが、ご近所から『お宅がうるさい』
っていう苦情がでているんですよ。なんとかなりませんかね?」と言われた。いきなりの警告に
心臓がバクバクいう。「え?あの・・・え?」と言葉にならない言葉を発しながら挙動不審になる。
どうやら俺の部屋からきこえる風呂の音やテレビの音が気になって眠れないという通報があったらしい。
言われてみれば思い当たるフシがある。ここ最近体内時計が狂っているので、
午前3時半とか4時に起きて風呂入ったり、メシ作ったり、テレビ見てたかもしれない。
身体を動かさないから、小刻みに寝ては起きて寝ては起きてを繰り返している。警官は、
「そういうことですので、夜中の物音にはちょっと注意してもらえませんか?」と言った。
でもいくら夜中に起きてたからといって、そんなに大きな音を出してたつもりはないんだけどなあ。
警官はなかなか去らない。玄関先で突っ立ったまま、台風の話などの世間話をしてくる。
頭の中にふと、孤独なお年寄りの家を巡回する地域のお巡りさんのニュース映像が思い浮かんだ。
俺はお年寄りかよ。「時間が不規則なお仕事は大変でしょう」と、警官は俺が夜に働いていると
勝手に勘違いしている。俺は「いえ、今無職です・・・」と答える。「そうですか、
今不況ですからね。頑張ってください」と励まされてしまった。警官にそんなこと言われると無性に
腹が立つ!結局いろんなことを根掘り葉掘り聞かれてしまったよ。要するに職務質問だな。
警官が去って、とりあえず麦茶を飲んで落ち着く。なんかもの凄い精神的ショックだ。