エレメンタルジェレイド EREMENTAR GERAD Rigel.4

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107シスカに恋した人
もう耐えきれなくなって、彼女を呼び出し、シスカのコスプレをさせた。もちろん俺の手作りだ。
彼女は、最初は驚いていたが俺の指示に従った。
確かに彼女は小柄だったし、シスカに似ていないこともなかった。しかし、俺にとっては全然違った。
しょせん彼女は彼女、シスカはシスカなのだ。二つのものには絶対的な開きがある。それは変えられるものなんかじゃない。
彼女がくしゃみをした。その時俺は彼女を張り飛ばした。そして俺は叫んだ。
「お前はシスカじゃない。死ね。消えろ。俺はシスカにしか興味が無い。お前はただのクズだ」
彼女は呆然とし、しばらくすると目に涙を溜め、ガタガタと音を立てて出ていった。
俺の眼中には、彼女のことなどなかった。
シスカの縫いぐるみも縫った。絵も描いた。俺の部屋はシスカだらけになった。だが俺は満足できない。できないんだ。
本物のシスカに会うまでは。