>>631 「主人公が人間らしい反応を示せないからさ。
なにしろ才能があるから苦労はしても失敗はしないし、
下半身が無いのと同じだから奥手ではあっても失恋はしない。
そんなもの、人間じゃないよ。
そんな奴を登場させてしまったら、
どんなにストーリーをひねくろうが山のように設定をでっちあげようが無駄だ。
なんたって自己完結してるんだから。周囲の態度や反応は基本的に二つだけ。
彼のことを神のごとく崇めるか、悪魔のごとく恐れるか。ま、そういう意味だ。
要するに世界の全てが主人公のためだけに造られているということさ。
人間関係が存在しない。そんな世界に何人登場人物がいたところで、結局は同一人物にすぎない。
自分の姿を鏡に映してマスをかいているようなもんだ。
予定調和・・・・・・つまり都合の良さは妄想小説の重要なセオリーだがね、おのずと限界があってしかるべきだよ」
以上A君4巻より。