† マリア様がみてる soeur.105 †

93Rosa ぬるっぽっぽっぽー ◆mz.haBiYv6
レイニーブルー 2

聖「・・・・・・景は残るっていってたし・・・祐巳ちゃんも・・・
今日はいないって言ってたからな・・・1人で雨を通り過ぎるの、寂しい・・・」
雨は、聖の傘の横から、聖を濡らす。
聖は、リリアンの門から、1歩とも出ることなく、30分以上もそこでとどまっていた。

祐麒「・・・・・・・・・・・聖・・・・友達・・・待ってるの?」
聖「・・・ううん・・・・・寂しい・・・・・・・・・・」
聖は、祐麒の胸に飛び込む。
祐麒「聖!!」
聖「・・・・・・・ねえ・・・・・みんな・・・・・あたしのこと忘れたの?・・・
一緒に・・・帰ってくれるひと、いないよ・・・」
祐麒「・・・なぁに言ってるんだよ」
祐麒は、聖を抱きながら、頭を撫でる。
祐麒「・・・・俺が、天使を忘れるはずなんてないよ・・・・・・だってさ、こんな激しい雨じゃ、
みんな真っ先に家に帰るほかないもの」
聖「・・・・・・・ゆうき・・・・・・・そうだね・・・・・祐・・・・」
聖の目から、涙が、雨に溶けることなく流れる。
祐麒は、ティッシュを取り出し、涙を拭く。
祐麒「ほぉら、天使に涙は似合わないよ。俺と一緒の傘で帰ろう。荷物、俺が持ってあげる。
雨の中、重い鞄を持って歩くと、余計辛く感じるだろ?」
祐麒は、聖の鞄と、祐麒の鞄を一緒に腕に通して、傘をさす。
もう一方の腕で聖を包みながら。