D.C.〜ダ・カーポ〜 第49ボタン

このエントリーをはてなブックマークに追加
664風の谷の名無しさん
最終回「ダ・カーポ」

音夢の記憶が消えたことに困惑する純一。
音夢が「お兄ちゃん、今日だけはずっと傍に居て」と言ったので音夢の傍に居る事にした
夜になり、純一は音夢の記憶がなくなった原因を考えていた。
その時「お兄ちゃん」と音夢の声がした、だがどうやら寝言の様子。
純一は思わず笑ってしまう
その後音夢は「ずっと・・・一緒に・・・」と呟く
その様子を見て心が和む純一、「俺もずっと一緒だよ、と言って口付けを交わす」
翌日目が覚めると音夢が居ないことに気が付く
目の前には「さよなら」と音夢の字で書かれたメモを残して・・・
急いで純一は音夢を探す、そして純一の足は自然と枯れない桜の下へと向かう
やはり音夢はそこに居た、純一は昔ここへ音夢を探しに来た時の事を音夢に話す
そして・・・「さぁ、帰るんだ、俺たちの家に」純一は力強く言った、だが・・・
「私はここでお別れ、兄さんは新しい道に向かって・・・」と言い音夢は倒れる
音夢に駆け寄り抱き寄せる純一、だが既に音夢は冷たく、音も無く、夢も無く・・・
その時どこからかさくらの声がする
「現し世の世界より夢の世界・・・だから・・・おやすみなさい・・・」と・・・
朝起きると腹に違和感を感じる純一、そしていきなり辞書が顔に落ちてくる
「あ、兄さん起きた?今日から3年生なんだから起きないと♪」と音夢の楽しそうな声
今日から3年生なのか、と思う純一、だが何か違和感がある
違和感を抱えたまま登校する。校門付近で美春に挨拶をされる、笑って返す純一
そのまま杉並と合流し音夢と3人で教室へ向かう
その後廊下で人だかりを見つける、「カワイ過ぎるよこの子〜〜」と女子が頻りに騒いでいる
何故かは分からないが純一はそちらへ足早に向かっていた
だが、そこでは子猫をカワイイと言っていただけであった
「どうしたの兄さん?」「いや、何でもないんだ・・・」心に鋭い痛みを感じる、
音夢が居て、周りには友人も居る、そんな当たり前の日常なのにどこか切ない
「あのね、今日から新学期なんだよ♪」
やけに明るい音夢、そうか・・・新学期なんだ・・・
そして、何かが欠けている、でもいつもと変わらない日常を過ごしていくのだった・・・