プラネテスの田名部愛たんはエロカワイイ2

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136風の谷の名無しさん
プラネテス 1話「大気の外で」

アニメ作品の第1話としての出来は突出したものがある。
やはり目を引くのはリアルな宇宙の表現(浮遊感や無音など)だが、それだけではない。
作画の良さ、キャラクターと世界の丁寧な説明、一つのエピソードとしての出来、細かい演出
全てが揃っていたように思う。

まず、冒頭のデブリの説明から始まり、キャラクター説明、プラネテス世界の状況説明が
非常に丁寧。純粋な子供向けは別として、伏線としての謎を残さず、
1話でここまで丁寧に説明するアニメは、最近あっただろうか。しかし、だからといって、
アニメを見ている最中に説明されているというクドさは無く、後々考えてみると
「あ、分りやすかったなあ」と唸らされる脚本、演出。
例えば、タナベ。入社したばかりで、仕事に対して、さあこれから!と燃えている。
間違って管制課に入ったり、宇宙に来る前のエピソードを友人達と話すことで、タナベの、
やる気はあるけど、ドジで周りがあまり見えない一直線な性格が分る。
サブキャラの説明も同様。希望に燃える新入社員タナベの視点を通し、
物語に沿った台詞や行動で、さりげなく上手く説明されている。「新入社員」という設定が
上手く生きている。この手法で、デブリ課の現状や宇宙飛行士の現状なども違和感を
覚えることなく、何時の間にか理解していた(作品のテンポを良くしたエロ本やオムツ、
ヘアスプレーなども設定、世界観説明の1つ)。このように説明された情報量は
かなり多いはずだが、いつのまにか理解しているから、物語にスッと入っていける。
137風の谷の名無しさん:04/01/16 23:00 ID:ryuT34VM
ストーリーとしては、一話はタナベがメイン。
冒頭の台詞、行動から分るように宇宙に来た当初のタナベは真っ直ぐで希望に
胸が膨らんでいた。宇宙とそこで働く事に対して、だ。しかし、そこに待ち受けていたものは
タナベが抱いていたイメージ、希望とは違うものだった。タナベはデブリ課の面々
(おちゃらけた雰囲気、一見不真面目な人間)に落胆し、タナベなりに抵抗はしたが、
現実的な仕事(連合の軍事衛星を守るためにマナンガの平和プレートを落とすということ、
そして、後に知るプレートが連合の宣伝であること…)に気を落とす。
タナベの心情は「私、何しに来たんだろう…結局つま先まで地球人だって確認しただけ…」
という一連の言葉に表れている。タナベは、宇宙は地球に縛られず、地球(ありふれた現実)
とは違い、特別な場所で、特別な事ができる、限界に挑戦できる(ありふれたものを超える)
と思っていたのだ。だが、そこにも理想とは違う、ありふれた現実はあった。仕事も、職場も。
しかし、そんな落胆しきったタナベに対して、ハチマキはプレートを落とすのに15分以上も
待ってまで、マナンガの子供に希望を与えるような仕事をして見せた。ここに、タナベは
宇宙での仕事と職場の人間に希望を見出した。最後のハチマキの後ろにある太陽は、
タナベにとって職場の素晴らしさ、仕事の素晴らしさ、すなわち、希望を見出したという
効果的な演出だろう。しかし、物語はここで終らない。ハチマキは15分待ったのは
金のためにやったのだと言い張る。ここで納得行かないタナベとそれを茶化すハチマキ
との掛け合いでオチをつけ、軽快なEDに繋げる。世界観説明、作画動画の良さ、
物語としての面白さいずれも兼ねそろえた、この完成度の高さは特筆すべきものがあるだろう。
138風の谷の名無しさん:04/01/16 23:45 ID:ryuT34VM
プラネテス 2話「夢のような」

宇宙に来た新入社員の話の次は、宇宙で仕事をし始めて幾年か経た人間の話。
アバンでは「新入り」としてのハチマキと「先輩」としてのギガルトがいる。
ギガルトがハチマキに言った「停止信号ぐらい知っておけ」とは一話で
ハチマキがタナベに言った言葉。アバン時でのギガルトとハチマキの関係は、
本編でのハチマキとタナベの関係だ。ここで結末への伏線をしっかり引き、
視聴者にそれを暗示しているのは上手い。アバンが終れば、感動のOP。
それに続くコミカルな宝くじダンス。この落差のある演出は卑怯すぎるほど巧みだ。

ストーリーはハチマキの夢、my宇宙船へ。
入社から3年。同期のチェンシンは順調に夢へとつながる階段を駆け上がっていく。
それに対してハチマキは、いつまでも同じところで足踏みをしているように感じてしまう。
やるせない気持ちや苛立ち、焦りを他者を介して巧みに表現し、積み重ねていく。
――掴みたい夢があるのに、毎日同じことの繰り返し、3年前と何ら変る事がない
…俺は何をしているんだろう。
そんな中、3年前「新入り」だった頃、取り逃してしまったデブリを回収する事になる。
タナベの言葉から思わず、感情を爆発させてしまうハチマキ。デブリの変らない姿に、
自分を重ね合わせるハチマキ。物語を全て夢に届かない、変らない自分という部分に
最大限持っていき、そのラインに視聴者を巧みに乗せている。
139風の谷の名無しさん:04/01/16 23:54 ID:ryuT34VM
物語は、実際のデブリ回収へ。ここからの展開は緊張感とその後の結末の演出を含め、
群を抜く物があった。タナベは新人の頃にハチマキがしたのと同様にミスを犯す。
結果、デブリがチェンシンの操縦する旅客機の軌道に入ってしまう。
ハチマキは、今度ばかりは失敗は許されない、と命をかけて軌道をそらそうとする。
しかし、迷いはある。――変わらない自分に過去に失敗した事ができるのか?
ハチマキは、迷いを振り切り、成功する。そして、気づく。成長している自分に。
夢に近づいている自分に。チェンシンに負けない自分に。(チェンシンの旅客機の上を行くのはその暗示か)
ギガルトの言葉が蘇る。夢に向かってゆっくり積み重ねて行けば良い、と。
タナベへの言葉はそのまま自分への言葉でもあるのだろう。
最後に、軽快なEDに繋げるオチをつけることも忘れていない。

暗示、伏線を散りばめ、丁寧な演出、作画の元で物語を積み重ねる事で、
厚みを持たせている。完成度も相変わらず高い。