15:00 定例幹部会。 私にとっては、嫌な時間の一つ。 水野がいるからだ。
初めて水野に会った時、あの親父に私の身体を上から下まで嘗め回された。
裏で手を回して私を引き抜こうとしたことがあったらしいが、丁重に断わられたらしい。
今日は会議の資料があるので、私は資料を配布した。 そして、水野に資料を配った時、
お尻に生温かいものが触れた。 本当は睨み返したい所だが、彼の威厳を損なうので私は無視する。
彼が気が付かないとでも思っているのだろうか?
会議後、ねぎらいの言葉を聞けると思ったけど、彼は何も言ってくれなかった。 少し寂しい。
16:30 主治医から掛かってきた電信を、彼に取り次ぐ。
あの女は、テクノライズを施す時に、みだらな行為をすると聞いた事がある。
彼もしたのだろうか? 一度、問いただしてみたい所だが、私は秘書。 そんなことは聞けない。
17:00 執務終了。 月曜日は街の巡回が無いので、彼を自宅に送るために車をまわす。
今日は、声を掛けてくれるだろうか?
ここ最近、私の部屋に来ていない。 そろそろ、したくなってもおかしくないのに・・・。
17:30 結局、何事もなく、彼の邸宅に到着。
「明日も、時間通りでよろしいですか?」 「うむ。」 「それでは、失礼致します。」
私はそう言って会釈をし車に乗り込んだ。
自宅に向う途中に空を見上げると、ドームのライトが閉じ始めていた。
「はぁ。」 私は、車を走らせながら、ひとつため息をついた。 (おわり)