【荒野の】蘭たんハァハァスレ【花ビラ】

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394道子さんの憂鬱1/2
 朝6:00起床。 私は低血圧なのだけど、そうは言っていられない。
外を見ると、ドームのライトが開き始める。髪質が固い方なので、寝癖が付いている。 シャワーを浴びなきゃ。
眠い目を擦りながら、下着を脱ぐ。 ああ、そうえばもうすぐアノ日だな。 憂鬱・・・。
 7:00 身支度を整えて、車に乗り込む。 いつもの青い地味なスーツ。
おしゃれに興味が無いわけじゃないけど、あの人はそんなことに興味がないみたいだし、
質素ながら清潔さを保てば良いと思っている。 彼の秘書としても、揚げ足をとられるような格好はできない。
 7:15 彼の邸宅に付く。 玄関まで行くと彼が出てくる。 相変らず時間には正確だ。
「事務所に行く前による所はありますか?」 「いや、ない。」
車を出す前に、見上げると、彼の妻が窓際に立っていた。 これもいつもの事だ。私は目をそらし車を出す。
 7:30 事務所に到着。 彼の執務室まで後ろを歩いていく。 けして前を歩いたりしない。
「本日の予定は、10:00 から岩田様と打ち合せ。 15:00から定例の幹部会です。
明日は火曜日ですが、後藤様のお見舞いには行かれますか?」 「むろんだ。」
「それから、決裁案件が上がっていますので承認をお願いします。」 「分かった。」
相変らず口数が少ない。 それも、彼の魅力の一つである。
 10:00 岩田様との打ち合せ。 私は、会議室の入口に立っている。
今度は、どんな案件だろうか? 岩田は、いつも余計な進言をして彼を悩ませる。
私がひとこと言ってやりたいところだが、私は秘書。
そんな事をしたら彼が立場をなくしてしまうので、もちろんそんなことはしない。
 13:00 食事の後のお昼寝。 といっても、私が寝るわけでは無い。 彼が寝るのだ。
彼はいつものように私の膝の上でくつろぐ。 彼曰く、街の声を聞くための大事な時間らしいのだが、
私にとっては至福の時間だ。 こんなことをできるのは私しかいない。 彼の妻でさえもできない事。
いつぞやの夜の事を思いだし、いけない気持ちになってしまう事もあるけど、けして顔にはださない。
私は、彼の寝顔を見ているのが好きだ。