>>410 のつづき
そして、音楽高校受験の日を向えた。
ゆり子は、高熱を出して寝ていた。 日頃の無理が祟ったのだ。
雨宮 「・・・受験に・・・、行かなきゃ・・・。」
母 「そんな熱じゃ無理よ。安静にしてなさい。」
雨宮 「・・・でも、ゴホッ。」
母 「ほらっ。無理しないで・・・。」
結局、ゆり子は受験できずに、滑り止めで受けた地元の高校に入学することにした。
正直、自分の実力では、受かったかどうかわからない。
もし受験して落ちた時には、相当なショックを受けただろう。
返って言いわけができて良かったかもしれない。そう考えるように努めた。
高校の入学式の当日。
ゆり子は、受験の事を引き摺ったまま登校していった。
そして、クラスの振り分けを見ていた時、
雨宮 「あっ・・・。」
見覚えがある名前。 あのバッチと同じ名前がそこにあった。
あわてて、周りを見まわすゆり子。 一人の男子学生が目に止まる。そして・・・、
無意識のうちにその男子学生に声を掛けていた。
(終)
※ これは、フィクションです。 原作とは一切関係ありません。