灰羽連盟 その13

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665風の谷の名無しさん
レキが助けを求めること自体は、何がどう展開しようと必ず起こったことだと思う。
「助けて」と口にするだけなら、それは単なる恐怖の反映に過ぎないから。
でもあのシーンで大事だったのは、助けを呼ぶべき具体的な相手の名があったことと、
その相手が自分を列車から救える場所でそれを待てていたことにあるんじゃないかな。

あのシーンだけ見ると、レキはあっけないというか、あっさり助かってるんだけど、
実際にはあの時のシチュエーションって、今まで二人が積み重ねたことの集大成なわけよ。
レキが最後の願いを込めてラッカを大事にしていなかったら、ラッカはあれほどレキを
慕い救おうと動くことはなかった。ラッカが罪憑きになり、それを脱していなかったら、
レキは多分救いを求める(に値する強い)相手としてはラッカを見なかった。
ラッカも、もし自分が罪憑きを脱していなかったら、「レキの鳥になろう」というような
腹のくくり方は多分できなかった(二度はあの部屋に入らなかった)。
もしこれらのどれかが欠けていたら、多分レキが救いを求めた相手はクラモリで、
もちろん彼女は居ないからレキを救わないし、代わりに救ってくれる存在があのドアを
開けて、救いの声の直後にレキを線路から引き剥がすことも無かったと思うんだよね。

だから実はあのシーンは「ラッカとレキが死に物狂いで積み重ねたものが一つに結実して、
ギリギリのところで列車に打ち勝った」シーンであって、一見あっけなく映るのは、
あの「第13話」という枠の中で示されたのが最後の1ピースの部分だけだったからに
過ぎないと俺は思うんでつが、この辺どう思います? ってなげーよ俺。