【落下】灰羽連盟(;´Д`)ハアハア(゚Д゚)ウッ!【昇天】
――7話の礫が落下を慰めるシーンから。
「落下の羽が黒くなったのは……何かの間違いだよ、落下は病気でも罪付きでもない」
「………、違う、―――私、私、ずっと、いけないことを、考えてた。だから、羽が、
黒くなったんだ……」
「いけないこと?」
「礫が好き、好き、好き。ずっと前から礫が好きだった。大好きだった」
「………落下?」
「礫は女の人なのに、私は、いけないって解ってるのに……、それでも気持ちを止められ
なかった………。だから、羽が黒く、―――痛!」
落下の羽、ますます黒く染まっていく……。
「落下黙って! もう言わなくていい! これ以上言うと羽が……」
落下、礫をぎゅうっと抱きしめる。
「いいの、こんな辛い想いをするのは、もういやなの。楽になりたいの。だから言わせて、
礫、大好きだよ」
礫、やさしく両手で落下の頬を包む。お互いの瞳の中にお互いを映しあう。落下、礫の
表情に覚悟めいたものを感じる。瞬間―――礫の羽も黒く染まっていく……。
「礫っ、羽が――礫の羽が!」
「いいの。私も楽になりたいから。自分の気持ちに正直になりたいから」
「礫、それって―――」
礫の身体から力が抜ける。そしてその身を預けるように、落下に寄りかかる。
「落下と二人でなら、罪付きになっても、私は構わない。誰の祝福もいらない。ここが楽園で
なくなっても―――、落下が私といてくれるなら、そこが私の楽園だ」
大きく雷鳴が響く。雨が激しく窓を打つ。不安、不吉さ、背徳、罪悪―――。
部屋の隙間から漂う冷気が突き刺さるように痛いほど、礫と落下を包む。
その中でもこのお互いのぬくもりさえあれば、それを感じていられるなら、それが私達
の楽園なんだ―――。
ずっと一緒にいよう。羽が黒く染まれば、お互い巣立ちの日が訪れることはない。
もうどちらかを残して消え去ることはないのだから……。
―つづきません―