アニメ板最萌トーナメント決勝・Round61

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877風の谷の名無しさん
大阪支援SS
あずまんがsaimoe2

「あと1時間ですね…」
ちよはぽつりとつぶやいた。
試合会場は今や最高の興奮に包まれている。
場内の喧騒はわれんばかりの凄まじさなのだが、ちよには何故か、
萌えというステージに上がった、二人の少女の荒い呼吸が聞こえるような気がした。
「大阪さん…」
ちよは不安そうな声を漏らした。
その時、ぽんと頭の上に乗せられた感触を感じた。ちょっと驚いて上を見上げて
みると、すぐ隣に長身の少女が立っていて、彼女の頭に大きな手の平を載せている
のが見えた。
「さ、さかきさん…」
榊と呼ばれるその少女は、真剣な目で見上げるちよの視線を、正面から受けとめた。
「大阪は強いよ…」
彼女は知っていた。どんな逆境にも笑顔を忘れない強靭な精神を、無邪気と
形容するに相応しい透明感のある心を、そして人や動物に対してもつ
あふれんばかり優しさを。
「だから見守ろう、私たちにはそれをすることしかできないのだから」
僅かに微笑を浮かべた榊は再び、ステージの方に目を向けた。
「大阪さん…がんばってください」
ちよは小さく呟き、そして大阪が満面の笑みを浮かべて、自分たちの所に
戻ってくることを祈った。