ラーゼフォン 第10楽章

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Q:何か「エ○ァのパクリだ」という意見が多いようなのですが?
A:そうみたいですね(笑)。まあ、意図的にやってることなので、当然といえば当然なのですが。
Q:確信犯?
A:そうです。ぶっちゃけた話、ミスリードのための隠れ蓑、といった所ですか。
Q:外見は似ているが中身は全然違うぞ、と?
A:ええ。「パクリ」や「萌え」を前面に出す事で、本質を見えづらくしています。
 ただし、ヒントは作品の中に散りばめてあります。何が本当の証拠となるものか、それとも偽装なのか…
 推理小説の探偵になったつもりで鑑賞してみて欲しいですね。
Q:捜すのは犯人ではなく、本質ってことですね?
A:所謂「推理アニメ」ってとこでしょうか。「コナン」とは違う意味だけれど(笑)。
 実はその事は既に放送されているんです。
Q:え?どこですか?
A:綾人が東京ジュピターの外に出た後、母親と電話で話すシーンがあるのですが、その時の母親の台詞がそうです。
Q:「…いろんな方法で貴方を騙す云々」のくだりですね?
A:はい。あの台詞は「母親から綾人に対する忠告」という事で有るばかりでは無く、制作サイドから視聴者に対する宣言でも有るわけです。
Q:「推理アニメ宣言」ですね(笑)。
A:はい(笑)。あの台詞を手掛かりに、作品中の謎と私の言いたいテーマを見つけ出してください。
886 :02/03/07 17:38 ID:TYPJskp0
Q:差し支えなければその「テーマ」というものを教えてもらえませんか?
A:う〜ん…これはテーマというか、世相に対する皮肉なのですが…一言で言えば「雪印」。
Q:?
A:「外見と中身の相違」です。輸入牛なのに国産牛。エ○ァっぽいのにエ○ァじゃない、みたいな。
Q:成る程。その「エ○ァじゃない」というのは、具体的にどのようなものなのですか?
A:ずばり「人間関係」です。
Q:え?でもそれはエ○ァでも語られたテーマでは…?
A:勿論そうです。ただしエ○ァでは「自分の存在理由・存在場所の模索」がテーマの一つであったのに対し、
ラーゼフォンでは「現代日本人の他者との接し方及びそれへの問題提議」がテーマの一つとして作品の根底にあります。
Q:それは、ラーゼフォンにおける登場人物の心理描写の演出の不備、という意見と…
A:大いに関わってます。勿論それは演出不備ではなく、計算されたものなのですが。
 今の日本って、「自分が良ければそれで良い」「余計なことには関わりたくない」「バレなきゃ何でもやっていい」という風潮があるじゃないですか。
旨い話を持ちかけて、大金せしめたら後はドロンとか、駅のホームで人が殴られてても無視して通り過ぎたりとか、
安く仕入れた肉を産地誤魔化して高く売るとか…例え上げたらきりがないくらい。
Q:ええ。
A:それに、人の痛みを理解できない人間。余所で起きた地震やテロで多数の人が被害に遭っても、それこそ絵空事のように面白がったり。
それらの善悪をいちいち説こうとは思いませんが、そういう、「あなたそれで良いと思ってんの?」と突っ込みを入れたくなるような者と、
そんな人間を親として持ち育てられた者がこの作品の登場人物の大半なのです。作品の時代が2027年なのもそんなわけです。
だから心理描写が希薄に感じられるのは決して演出が下手だからではなく…
Q:登場人物の性格からすると当然の帰結、なのですね。
A:はい。ある意味この演出に対して文句いう方達は「正常」だと思います。
 「なんでそんなにクールなんだよ!おかしいだろ」とかいう意見を聞くと、内心ほっとしますね。寧ろ納得される方が怖い…(笑)。
ああもう、だいぶネタばらししちゃったな(笑)。
Q:本日はありがとうございました。