■「ちょびっツ」 TVアニメ化

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753697の記事の原文
原作者●CLAMP
interview

(前略)
――原作の中に、「マンガで読んだことある“女ドラえもん”みたいな」
というセリフがありますけど、そういった作品に対するある種の違和表
明として読める部分があるんですが。
大川:それはちがうんです。たとえば……これは私の勝手な考えなんで
すが、女性が描く理想の男って、非常に女性的な部分が多く入ってきて
しまうんですよ。
(中略)
同じく、男性が描く理想の男は、男性の心の中にしかない。そのため、
女である私たちが描くと、いままでのそういったマンガと微妙にズレて、
違和感が出るのかな、と思います。そういう意味では、秀樹はまさに女
の作家が描いた男の子ですね。
(中略)
――つくりなおした設定とは?
大川:せっかく4月からのスタートなので、秀樹が予備校に入るところ
からやろうと、秀樹が東京に来るところから始まっています。あとは、
新保の住むところや、稔と新保の関係、裕美の設定などですね。
――監督に要望など出されました?
大川:本当にエッチなだけのアニメになっちゃうと、かなしいです、と。
監督も「そういうのは僕も嫌いですから」とおっしゃっていたので、要
望というよりも意見の一致という感じでした。あと絵柄では、原作の雰
囲気からあまり「リアル」方向に遠ざかると、難しいかなと。今回、き
わどいシチュエーションやポーズがどうしても出てくるので、なるべく
リアルにいやらしくならないほうがいいかもしれないと、監督と話し合
いました。あとは、女の子が見ても楽しくなれて、恥ずかしくないアニ
メになるといいなあと思っています。
(後略)
754697の記事の原文:02/03/29 01:59 ID:JAuDC5TI
監督●浅香守生
キャラクターデザイン/総作画監督●阿部恒
cross talk

(前略)
――原作のティストとは、具体的にはどういうことですか。
浅香:少女マンガということかな。CLAMPさんが描かれる作品は、
たとえ掲載誌が「ヤングマガジン」であっても少女マンガだと思います
ので。男性的な目線では描かれていないですよね。この作品は本須和秀
樹という主人公に感情移入してその視点からものごとを見ていく形式で
描かれているんですけど、実は100%本須和の視点では描いてない。そう
いうところから作品の雰囲気が生まれていると思うし、CLAMPさん
のファンもその雰囲気を期待していると思うので、男性的な視点から映
像化してはいけない気がします。
(中略)
――女性ファンの多いCLAMPの、青年誌連載ということになりますが、
ターゲットが男性向けとか女性向けとかいった意識はありますか?
浅香:男の主人公のもとにかわいい娘が来るという話なので、結果的に
男性向けになってしまうということはあるでしょうけど、僕としてはそ
ういう区別はしていません。
阿部:男性に媚びたつくりにはなっていないです。
浅香:エッチな表現はあるんですが、物語に沿った必然としてそれがある
から描いています。物語からはみ出してウケを取るためにキャラクター
がエッチなことをすることではない。
755697の記事の原文:02/03/29 01:59 ID:JAuDC5TI
――お二方は「ちょびっツ」をどういった作品だとお考えですか。
浅香:恋愛もの。純愛もの。
阿部:ですね。
――この話は一種のホラーじゃないかという気もしているんですが。
浅香:さじ加減一つではそうなると思いますね。
阿部:ベースにはかなり重たいテーマがあると思うんですよ。ただ、話
としてそこに入っていくと本当にどんどん重くなっていくと思うので、
純愛の部分をメインにして、あまりバックボーンを追いかけすぎないよ
うにするべきだと思いますね。
浅香:個人的にはヘビーな作品も好みなのですが。大きくて深刻なテー
マをふまえている作品なんですが、答えが出なくてもいいと思うんです
よ。少なくとも「これが正解です」と言ってブラウン管からみなさんに
提示することじゃないと思う。原作がどういう結論にいくかわからない
んですが、アニメでは、秀樹とちぃのすごく個人的な結論に落としこん
でいくことになるのかなあ、と言う感じがしています。
(中略)
阿部:だから、原作が青年誌ということで敬遠していた女性のCLAM
Pファンの方に見てほしい。
浅香:楽に見られる作品にしようとは思ってます。気軽に見て、自由に
感じたり楽しんだりしてほしいです。

角川書店「月刊ニュータイプ」4月号 p20〜21より引用