【お肉壺】QB師匠の窪みを語るスレ【股間が竹の子】 4
522 :
れろれろ ◆cjKuFhu4FQ :
トホホ、いいですねw
まさか漢詩とはw
私も参加させてください。
『舞鶴の刻』@
「何とか言ったらどうなの!?」
少女の発した言葉よりも、植田には彼女の視線が痛かった。
少女は、植田の妹は、ただ真っ直ぐに植田を見据えている。
「……」
悪いとは思っているのだ。
同じく逮捕された六人の中でも、特に植田は胸を痛めていた。
誘いに乗ったことを誰よりも悔いていた。
快楽の代償として、世間の怒りが実家のパン屋に飛び火しようとは。
「都合が悪くなると黙るんだもんね…」
深く反省はしている。
だが、植田にはそれを口にする勇気がなかったのだ。
妹に謝ることさえ、罪のように感じられた。
「新商品、今日も全然売れなかったって…」
「……」
「兄さんはお店のこと、どうでもいいんだ!?」
違う、と声を荒げようとするが、本能が言葉を遮った。
まるで、妹に罵倒されることで罪を贖おうとしているかのように、植田はただ耐えた。
「親不幸者…!!」
その瞬間、何か硬いものが彼の頬を掠った。
どうやら、妹が何かを投げつけたらしい。
コトンと乾いた音を立て、それが床に転がる。
それこそが、新商品のパンだった。
フランスパンの生地で作ったコロネ、植田の両親が苦心の末に作り出した、現状の打開策ともいうべき新商品。
植田の視線はコロネに釘づけになった。
植田が逮捕された際、両親は彼を責めなかった。
ただ優しく憂いを帯びた目で、じっと彼を見つめただけだった。
子を思う親の気持ちが、これほど慈悲深いものだったとは。
妹のように罵ってくれていたら、どれほど楽だっただろうか。
思い出せば思い出すほど、植田の目頭が熱くなっていく。
「……」
床に転がったコロネから目を妹の方に向けると、妹は唇をキュッと噛んで植田に背を向けた。
「もう知らない!」
そう言ったかと思うと、妹の姿は既にその場にはなかった。
ふと外を見ると、いつの間にか街灯が点いていた。