【お肉壺】QB師匠の窪みを語るスレ【股間が竹の子】 3
たつは妻に去られて以来、無聊を託つ日々を送っていた。
新興宗教の末端事業に身を入れすぎていた。
最近は、会社に行くと上司に掴まり、くどくどとご高説を垂れられてばかりいる。
なにかというと、叱責を受けるばかりの身であった。
ついには閑職に追いやられ、会社に足を運び、誰もいない部屋の
何も置いていない机に座るだけという、拷問のような業務に就かされていた。
しかし、これはたつにとってまたとない精神的な遊離を味わう至福の
環境であった。
視線を中空に彷徨わせ、脳内に浮かび上がる高次元の存在からの
メッセージを朗読する。
同僚も、部下も、上司も邪魔をしない。
精神世界に遊ぶだけで給料を貰えるとは、素晴らしすぎた。
空白の部屋に送り込まれた者は、即ちリストラ対象であることを意味する。
が、たつにはそれを察することはできない。
言外の意図を汲み取るなどという行為は、この妄想狂の男にとっては
不可能なことである。
ましてや、これが「自主的に退社せよ」という命令を孕んだ上層部からの
指令であることなど、愚者・たつにはわかろうはずもなかった。