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ウホッ!いい名無し…:
とある休日の午後、空腹の疼きに誘われて、俺はいつものスーパーに向かった。
そこは主婦の奴らには、試食コーナーが充実してるとして有名な場所だ。
到着するなり、俺の眼は野獣と化し、獲物を物色し始める。
いた!冷凍食品売り場で試食品を提供している、ガチムチ販売員野郎を発見。
背はそんなに高くなさそうだが、短髪に彫りの深い顔立ち、
そんなことはどうでもよく、トレイの上の試食品が食欲をそそる。
たっぷりとした牛肉の上に、うっすらと滑らかなタレの層が乗っているのがたまらねえ。
よし、今日はあいつにしよう。そう決めて突撃しようと近づいていったその時だった。
「お疲れ様です。」「売れ行きはどうですか?」
俺の横を通り過ぎて、そいつに近づいていったのは店長と警備員だった。
販売員と話す店長、警備員は普通に巡回しているようだが、興味ねえ。
そのまま店長と販売員は試食コーナーを撤収して事務所へ行ってしまった。
畜生、警備員も巡回してるのかよ。何てこったい。
結局その日は他に獲物も見つからず、発狂してスーパーを後にした。
とある休日の午後、空腹の疼きに誘われて、俺はいつものスーパーに向かった。
到着するなり、俺の眼は野獣と化し、獲物を物色し始める。
いた!冷凍食品売り場で試食品を提供している、ガチムチ販売員野郎を発見。
……俺はそのガチムチ販売員野郎の顔に見覚えがあった。
先日、丁度この場所、この試食コーナーで店長と警備員と談笑していた奴だ。
そいつらのせいで、俺は試食品を取り逃がしてしまったんだ。
警備員が巡回してるようじゃしょうがないな、他を当たろうとも思った。
しかし、あのトレイから発せられる「肉フェロモン」には抗い難い。
それに、万が一全部くれる可能性もある。
よし、行くぜ!俺は一大決心をし、ガチムチ販売員に声を掛けた。
「よ、よう。いい肉出してんな。お、お、俺に全部食わしてくれねえかグョ?」
販売員と分かってる奴に声を掛けるのは初めてで、不覚にも声が震えた。
「いいぜ。実はこれはオージービーフなんだ。俺のすげぇ腕で全部食わせてやるよ。」
俺の妄想では、ガチムチ販売員はこう言う筈だった。しかし、現実は甘くない。
「なんなんですかあなた。気持ち悪い。警察呼びますよ。」
やはり駄目だったか……。販売員は俺を睨みつけると、警察に連絡してしまった。
胸に広がる「ゴルァ!」の恐怖と、もやもやした得体の知れない言葉を発しながら、俺は思った。
そうか、俺は試食品が欲しかったんじゃない。
俺はタダで肉が食いたかった……そして失敗したんだ、と。
まだ俺自身2ちゃんでフルボッコされてる事を思い出し、俺の脳から発狂が溢れた。