1 :
Haruhi:
2 :
Kyon:2014/06/02(月) 23:07:57.13 ID:gt9TUtFo0
やれやれ……皆聞いてくれ、団長命令だ。
最近、荒らしのような発言をする奴が目立つが、そういうのはまず下記リンク先に目を通せとのことらしい。
それが出来ない奴は王様で団長なハルヒのスルー対象にされちまうので、気をつけるように。
【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ【避難所】
http://jbbs.livedoor.jp/comic/3935/ (PC用)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/comic/3935/ (携帯用)
/.:.:.:.:.:.;i.:.:.:.:.:.::;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:.::,:,:,.:.:.:.:.:.;:;:;.:.:.:.:;:;::.:.:;:;:;::.:.:.:.::、;:.ヽ
.:.:.:.:.:.;:;l:.:.:.:.:.:.:;:;:;:l:.:.:.:.:.:.:.:/!:.:.:.:.:.:;:;:;i;:;:.:.:.:;:;:;:.:.:|、;:;:;:.:.:.:i;:;.:.:i
.:.:.:.:;:;:;l:.:.:.:.:.:;:;:;:;:l;:;:;:.:.:.:./ |;:;:;:.:.:.:.;:/|;:;:.:.:.ト;:,:,.:.l ヽ;:;:;.:.:.|;:;.:.l
:.:.:.:;:;:;l:.:.:.:.:.:;:;:;:;:|;:;:;:.:.:./ |,:,:,:.:.:.:;/ .l;:;:.:.:.l |;:;.:l/};:;:;:;:;.:.トr+-‐‐、
:.:.:;.;:;:|:.:.:.:.:.:;:;:;:;:|;:;:;:.:./\l,:,:.:.:./ j;:;:.:./ l:::/ .l;:;:;:;:;:.| i::| }
:.:.:;:;:;:|:.:.:.:.:.:;:;:;:;:l;:;:.:./_.|,:`:x' /;:;:./ //./゙ {:;:;:;:;:;:| l::! |
:.:.:;:;:;:l:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;l;:.:;イ::;:::j/(つTヾ /;:./ / 〃 |i:;:;:;:;:;l// / l
.:.:.;:;:;/`>、:;:;:;:;:|;:/i l:::::illii;:::::リ // ' " l.|;:;:;:;:;!/f=‐'゙ /
:.:./ /,/lヽ;:;:;:;レト{ ヽっ::ノ:::{ ゝ ノ.|:;:;:;/ .| / いい?
:.;:.ヽ'. > >ヽ;:;:ヽ ヽ;;;;=''" _,,ィ /_=!:;:;/ .l / 優雅に、そして華麗にスルーしなさい
\;:;:,\へ! ヽ;:;.`、、 l ̄ ヽj ,イ.!='' /;/ヽ、 / 〈_/i じゃないとあたしを語らせてあげない
ヽ;:;:;.,\ ヽ;::;:ヽミ'''ー- ,,,._`ー_'',/.// /:' )^''、 `ヾf゙〉 あたしが王様なんだから
ヽ;:;:,<¨ヽ、 ヽー-≧ニェェ‐-=,,_ // ' // i `''、ー-' 王様の言うことは絶対っっなんだからねっ♪
3 :
Haruhi:2014/06/02(月) 23:08:56.95 ID:gt9TUtFo0
SSやAAを投下する前に注意!
投下が複数レスにまたがる事が確実な場合は別のテキストファイルに纏めておいた方が無難かしら。
その場合、分割数が予め解っている場合は、名前欄に書いたタイトルの後に分数表記しておくとみんなも安心だと思うわ。
1行の最大文字数は全角で125文字、1レスの最大行数は60行ってことになってるから気をつけなさいよ。
また、1レスの最大書き込み容量は4096バイト、つまり全角換算にして2048文字分ってわけなの。
でも改行コードがただのテキストファイル場合の2バイトと違って6バイトってことには要注意なんだからね。
専用ブラウザの中には書き込み容量計算をしてくれるものもあるから、それを利用するのもアリかもね。
まあ、別に1レス/1行ににギリギリまで詰め込むような必要は全然ないとあたしは思うんだけど。
でも一応レス数を無駄にしないって意味では頭のどこかで意識してくれた方が嬉しいわね。
ちなみに1行全角60文字ぐらいに収めるようにしてる職人さんもいるみたいだし、要は読み手のことを考えてあげてよね。
あと、スレの容量には一応気を配っておいた方がなにかと角が立つことはないと思うけど、あまり神経質になって萎縮する必要なんかは全然ないからそこのところよろしくね。
まだなにかあったかしら?
え、なによキョン、大事なことを忘れてるって?
このスレではメール欄に半角で「sage」と入れる事、良いわね?
うっかりageちゃったりしたら、暇を持て余した荒らしやアンチが来るって言うから気を付けなさいっ!
…………。ねえ、キョン。何でこんなこと言わないといけないのよ。あたりまえじゃないの。
6 :
前スレ538:2014/06/03(火) 00:18:44.90 ID:/vQODens0
>>1様、お疲れ様です。
私のssが長いせいです。
皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ありません。
このあと、続きを投下していきますので、
何卒宜しくお願い致します
ふう。こっちが恥ずかしくて見てらんねえ。多分明日もあんな感じでやっているだろうし。
明日教室で食べるって言ったら有希怒るかな…? 放課後も相変わらずのいちゃいちゃぶり。
ホント見てられん。こりゃ大学入ってもSOS団結成しない方がいいか…??試しに言ってみるか。
「ハルヒ、大学にいってもSOS団作るのは、やっぱやめようぜ」
「なんでそうなるのよ?」
「朝比奈さんが入ったとして五人中二人がその状態じゃ、居心地が悪いし、見てられん。
朝比奈さんはおまえら二人を見てどう思うかな? 俺は有希や朝比奈さんと同じ講座と受講する。
SOS団は、もしできたとしても入らない」
「それじゃ、今まであたしや有希があんたの勉強付き合っていたのも、あんたがあれだけ勉強に集中していたのも無駄になっちゃうじゃない!」
「無駄にはならないさ。朝比奈さんと同じ大学にいけるんだからな。二人には感謝してる。ここまで
理解できるようにしてくれたし、自信もついたしな」
「時間」
「おっと、それじゃあ有希、帰ろうぜ」
「今読んでいる本のキリのいいところまで読んだらいく。玄関で待ってて」
わかったと言って、部室をでる。あんなの俺じゃなくても有希も朝比奈さんも居心地悪いに決まってる。
「どう思います?さっきの彼の言動…」
「ただのドッキリのつもりだったのに…大学行ってもSOS団作らないってどういうことよ」
「そこまで彼を追いこんでしまったようですね。ドッキリを仕掛けるならこれでいいんでしょうが、
ちょっとやりすぎたかもしれませんね」
「問題ない。ドッキリだと知れば自然と5人で同じ大学へ…とまた思うようになる」
玄関で有希を待ち、そのまま二人で下校する。後ろでいちゃついてようが知ったことか。
有希の部屋に戻ると、さっそく有希は夕飯の支度、俺はひたすら勉強しなきゃならん。
朝比奈さんと同じ大学に入って同じ授業を受ける。その目標は変わらない。
「さっきの事…本気?」
さっきの事って…SOS団作るのやめようっていったことか?「そう」
あの二人の関係もそうだけど、あの部室みたいに都合のいい場所が果たしてあるのかとか
有希やハルヒの言葉に励まされるんだけど、何題も二人に聞かなきゃならない現状じゃ、不安でな。
俺だけ落ちそうで怖いんだよ。そう都合よく四人全員合格してSOS団立ち上げる。
新しい部室を確保して、朝比奈さんの衣装をハンガーラックに吊るす。いくらなんでも都合が良すぎる。
「そんなことはない。あなただけ不合格なんて、わたしがさせない」
そうやって言ってもらえるとホントに心が癒される。でも今日は勉強する気になれない…
落ちそうで必死になってるのにおかしな話だよ。やる気になれないなんてさ。
「問題ない、休む日も必要。今日は私があなたを抱き締める。来て…」
まだ夕食食べてないだろ?風呂も入ってないし、いいのか?
「いい、わたしも二人の関係が羨ましかった。ああやって、あなたに食べさせてあげたかった」
明日も明後日も、あの二人は今日みたいに食べるんだろうし、有希も別のところで食べないか?
でなきゃ、俺は教室で食べたい。
「あなたの好きにしてかまわない、こうしているだけで私は幸せ」
有希に抱き締められ、いつもとは逆に腕枕をされる形で寝ることになった。両手を俺の後頭部で組むと
ギュッと俺の顔を有希の胸あたりに近づける。頬に柔らかい感触があたっていたが、有希は
気にしてないようだ。こうやって甘えるのも悪くない。そんなことを考えながら俺は眠りについた。
翌朝木曜日、早寝早起きでいつもより早く目覚めた。有希の頭は重さがないくらい軽かったが、俺の
頭はどうなんだろう…重かったかもしれない。でもまぁ、宇宙人だから平気か。リビングに有希の姿が
見当たらないと思っていると、昨日入らなかった分のシャワーを浴びていた。交代で俺も入らせてもら
い、支度を済ませて学校へ向かった。昨日出来なかった分取り戻そうと必死で取り組んでいると、
「あら、キョンにしては珍しいじゃない。どうしたのよ」
「別に、昨日は色々考えすぎて受験勉強に身が入らなかったから、
有希が休みにしようって言ってくれたんだ。その分取り返さないとと思ってな」
「色々って何考えていたのよ?」
「思い出させるな、集中したいんだ」
俺は声を荒げた。ハルヒは後ろでビクッとしている。ハルヒがどう思ってようが今の俺には関係ない。
そのあと、あらかじめ有希にもらっていた弁当を谷口たちと食べ、
部室では古泉とハルヒに視線をやることもなく問題集を解き続けた。
昼食はやっぱり来なかった。有希の話だと、弁当は部屋を出る時にキョンに渡したって言ってたけど…
いくらドッキリでもやりすぎちゃったかしら。それにしても昨日のことどう思っているのかしら。
SOS団は作らない、出来たとしても入らないか…キョンがいないとSOS団じゃないのに!
ただでさえ、みくるちゃんがいなくて寂しいのに…五人揃ってSOS団なんだから!
ドッキリが終わったらキョンにちゃんと謝ろう。
結婚式を明日に控えた金曜日。下校中のこと…
「おまえら何やってるんだ?二人バラけて帰ってどうする?同棲生活しているんじゃないのか?」
「いつもならそうなんですが、今日はお互いに準備がありますので、それぞれの家に帰ることに
したんです。あなたは長門さんの家に泊まるのであれば、明日の九時に迎えの車を手配しますので、
それに乗って式場までお越しください。では…」
といって、ハルヒ達は帰っていった。俺と有希はというと、夕食、風呂後の勉強の後、明日の予定時刻
に間に合うように少し早めて就寝となった。電気を消し二人が目を閉じる前に有希に話しかけた。
9 :
8:2014/06/03(火) 00:25:33.81 ID:/vQODens0
ここまで読んで下さった皆様、誠にありがとうございます。
この続きは少し時間をおいてから投下したいと思います。
宜しくお願い致します。
ぬこの続きが来ない事で気が付いたわ
さすがはぬこの人
ロボぬこは高性能でもカラスには勝てないのかw
SSの人も乙
お前はもう投下すんな
結局迷惑なだけじゃねーか
板が落ちたのかと思ったら容量のせいか。珍しい
気付いてない人もいそうだな
容量落ちとか最近なかったからな。
すっかり油断してたわ。
梅雨入りだよハルヒ
10月12日『豆乳の日』
日本豆乳協会が制定。
10月は「体育の日」がある月であることから。12日は「とう(10)にゅう(2)」の語呂合せ。
==============================================
ハルヒ「フッフフン♪フッフン♪フッフン♪フ〜フフ〜フフフン♪」
キョン 「…ご機嫌だな。」
ハルヒ「そう?はぁ〜〜〜、やっぱり1日の疲れを取るにはお風呂が1番ね!」
キョン 「…まぁそれは否定しないがな。」
ハルヒ「幾ら10代で若いからって油断をしてると直ぐお肌に出ちゃうからね!油断大敵!!
毎日のお風呂でのマッサージは乙女の嗜みよ♪」
キョン 「いや俺は男だし。」
ハルヒ「何よ歯切れ悪いわね〜。言いたい事があるなら言いなさい!」
キョン 「なら先ず聞こうか。…この乳白色の風呂はなんだ。」
ハルヒ「何って『豆乳風呂』よ!美容にいいのよ〜。」
キョン 「…なるほど。お前の肌が滑々の理由は分かった。…次だが何で一緒に入ってるんだ?」
ハルヒ「良いじゃない偶には!裸の付き合いって重要よ!!」
キョン 「こういう場合は違うんじゃないか?しかも無理に家の風呂に一緒に入る事ないだろ。
流石に2人は狭すぎるぞ。」
ハルヒ「キョンがあたしを抱っこして入れば良いじゃない。」
キョン 「それでも無理があるって。」
ハルヒ「なら向い合って入るとか。」
キョン 「色々体勢が問題だ!!」
ハルヒ「兎に角!あたしが良いって言うまで一緒に入るの!!分かった?」
キョン 「何で罰ゲームが一緒に風呂に入ることなんだよ…」
>>16 それ記念日さんの134スレでの作品じゃん
スレ建て乙
すっかり忘れてたな、容量のこと
ねこ乙
SS連投野郎には内容以前の基本すら出来てない事が判明したな
後記念日さんの作品貼った奴の意図はなんだ?
>>21 やたら大層なご身分だと見受けられるが、
そのような事を書くなら貴方の実名や住所を晒しながら書いた方が説得力が増すと思うんだがどうかね?
バレバレなのに何故かIDを変えて、
わざわざぬこをねこと呼びかえて無意味に硬派気取りの体面を作り、
体面を作る割には答えるのが面倒で認定して逃げ、ほとぼりが冷めるのを待ってまたSS氏を叩きに行くと
書いてて悲しくならないか
容量に関しては誰もがすっかり忘れてたんだかしゃーない。
忘れてなくても誰も指摘してきできなったんだし同じさ
空気を読むのはSSを投下することよりも重要だよ、
VIPでそう習わなかったのかね?
ハルヒかわいいよハルヒ
大雨だよハルヒ
ハルヒとアイス食べたい
俺も正しく理解してはいないが、2ちゃんのコピーサイトの方にSSが投下されてたようなんでコッチにコピーしちゃう
29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/06/04(水) 10:32:00.75 ID:QQCcCRD45
新スレ記念に何か書くよ、俺にできる事と言えばそのくらいだ
適当にお題ください
30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/06/04(水) 11:41:13.56 ID:QQCcCRD45
とりあえずこれで書いてみる
482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/05/31(土) 00:18:47.08 ID:PZB32tptO
うまく言えないけど、ここの住人はハルヒに寝癖がついてたぐらいで勃起してしまうような連中だから、
そういうのを書けばいいんでねい?
その日、崖へと向かうレミングスの様な足取りで北高への坂道を歩いていた俺は、少し先を
あるく同じ制服を着た人の群れの中に、見慣れた後頭部が混じっている事に気がついた。
そいつは何時もなら俺より先に教室に入っていて、後から来た俺に文句ばかり言っているク
ラスメイト、つまりは涼宮ハルヒがそこに居た。
ハルヒは一人らしく、時折きょろきょろと周りを見回しながら黙々と歩いている。
声をかけようかとも思ったが、やめた。
朝からあいつの妄言を世間一般に広報するってのは気が引けるし……あと、理由はもう一つ。
左右を見回すたびにちらちらと視線に入る物。
それは、ハルヒの後頭部で本人の気性を体現したかのように跳ねていた寝癖だった。
ワックスでもつけているのでは? と思うほどに自己主張をしているその寝癖は、風見鶏の
しっぽの如くハルヒの頭の動きを示している。
ありがとよ、ハルヒ。お前のおかげで、この殺風景な通学時間に潤いが生まれた。
後ろに居る俺に気づくはずもないんだが、一応笑うのは堪えておくことにする。あいつの勘
の良さを考えると、にやけ顔だけでも気づかれそうだ。
ちなみに、周りを歩くいてる連中の中にはハルヒの寝癖に気づいている奴も何人か居る様で
はあったが……普段のハルヒの事も知っているのか、知らない振りに徹しているようだ。
おかげでハルヒは自分の後頭部の状況に気づく事も無く、無事に俺は教室までの時間を有意
義に過ごせたわけだ。
おしまい。
――とは、いかなかった。
「ねえキョン」
「ん?」
昼休み。さてどこで弁当を広げようかと考えていた俺に
「あんた、何かあたしに隠してない?」
何やら微妙な顔でハルヒは聞いてきた時、俺もまた微妙な表情を浮かべていたんだと思う。
「何の話だ」
隠し事に対して主語を聞くってのもどうかと思うが、
「……何だか、今日は周りの様子が変な気がするのよ。別に変な目で見られるのは気にしてな
いけど、今日のはなんか……その、ちょっと違うような」
思っている事を上手く言語化出来ないらしく、ハルヒは言葉を濁している。
まあ、気持ちはわかるさ。いつもは無視か奇異の視線ばっかりむけられてるお前だが、今日
はどちらかというと気を使われてる様なもんだもんな。
頼む、左右を見ないでくれ。顔がにやける。
言うべきか、黙っているべきか。
まあ、別に隠したままでもいいんだが……それはそれで可哀想なのかもしれん。この愛らし
い寝癖尻尾とお別れってのも正直寂しい。
「何か、知ってるの?」
再度聞いてくるハルヒに、結局俺は――。
「……本当に何か知ってるんでしょうね」
勿論だとも。
学食の窓際の席、俺は空の弁当をしまい、今はハルヒ購入のアイスを手に食後の時間を楽し
んでいた。初めて……ハルヒにアイスを奢らせちまったぜ! 最高にクールって奴だ!
明らかに冷却しすぎのカップのアイスに木製のサジで挑んでいると
「で、なんなのよ。いったい」
対面の席では、既に同じアイスを食べ終えていたハルヒがじと目で俺を睨んでいた。
「ああ、このアイスが硬くてな」
「そうじゃない」
ハルヒはイライラ、とは別の感情が高ぶっている様に見える。それが何なのかはわからない
が、これ以上引き伸ばすのはやめにしよう。
「残念だぜ」
「……はっ?」
いやさ、
「俺は結構好きだったんだが……これで見納めと思うとな」
ハルヒの事だし、ここで指摘してしまえば寝癖をそのままにするなんてミスは二度としない
だろう。そう思うと、あのピョコピョコと揺れる寝癖を写真か何かに残しておきたい気もする。
ま、撮らせてくれないか。一応聞いてみても……無駄か、隠れて撮っても消されるだろう。
数秒の思考を終え、持っていたカップに自分の手の温度が馴染んできた頃になってから
「ハルヒ」
「うん……なっ何」
何やら神妙な顔のハルヒは、俺が手を伸ばしてもじっとしたままでいる。
ただ、大きな目で俺を見つめているハルヒ――の後頭部に触れ
「実は……この辺にでかい寝癖があるぞ」
俺はハルヒに、現実を告げた。
その後の事を少しだけ話そうか。
どうやら、実際に指で場所を教えた俺の善意は受け取られなかったらしい。
せっかく小声で話してた俺に対し
「まっ……紛らわしいことするなっ!」
大声で叫んで立ち上がったハルヒは全力で周りの視線を集めてしまい、その後になって自分
の後頭部を両手で隠蔽。一度はそのままの体勢で食堂から退室しかけたが、途中で戻ってきて
食べかけの俺のアイスを持ち去っていった。
いつもいつも、あいつの思い通りに走り回らされてばかりじゃ割りに合わん。たまにはこれ
くらいやり返しても罰は当たらないだろうさ、小さい男だと笑いたければ笑え。
ハルヒが結果的に倒した椅子を直し、食堂のおばちゃんにお騒がせしましたと謝罪を終えて
教室に戻った時――さて、俺はいったいどうすればいいんだろうな。
そこで俺が見たのは、俺の後ろで既に席について前を見ているクラスメイトの姿で、その後
頭部には何故かあの寝癖がついたままだった。
しかも、だ。
何故か寝癖の根元にはポニーテールの如くリボンが巻かれており、これはファッションであ
るとでも言いたげに見える。
いや、でもそれただの寝癖ですよね? とは誰も言えない空気だ。
どうやら俺の姿に気づいたらしいハルヒは、前を向いたまま横目で意味深な視線を投げてき
ている。
俺としてはこのまま食堂に戻りたいってのが本音なのだが、もうすぐ午後の授業は始まって
しまうわけでして……進むことも戻ることも出来ず、俺は教室の入り口に一人立っているだけ
だった。
ハルヒに寝癖がついてた 〆
短編ですまんね
寝癖があってもハルヒかわいいよハルヒ
乙なんだぜ!
寝癖すら愛しいハルヒさんさすがだっぜ
マジンガーとセブンかw
定番だがいい落ちだなー
40 :
8:2014/06/05(木) 12:19:43.66 ID:zYesfsfn0
こんにちは。
途中で止めていた、作品の残りを投下します。
皆様、どうぞ宜しくお願い致します。
「有希、一つ聞いていいか?」
「いい」
「………」有希の表情が変わる。
「……………」というと
「わかった」と言って答えが返ってきた。
翌朝、身支度を整えて外に出る。黒の縦に長い車が一台止まっていた。運転席には新川さんが乗ってい
る。俺は新川さんによろしくお願いしますと告げ、景色を見ながら無言のままでいた。40分ほどで到着
し草原の奥に小さな教会が見えた。教会にむかって左側と教会の奥は断崖絶壁になっており、その
向こうには海が広がっている今の古泉とハルヒのような少人数でやるにはぴったりの場所だ。
いいところを用意してくれたもんだ。
朝比奈さんや鶴屋さんたちと話をしていると、教会の扉が開き、新川さんが出てきた。
「皆様、お待たせいたしました、式典の準備が整いました。中へとお入りください」
中に入って座るよう指示されたが、俺は一番後ろの一つ前、中央よりの座席に座った。しばらくして
古泉、ハルヒと入場してきた。ハルヒのドレスもよく似合っているもんだ。式が順当に進んでいく。
「有希、準備できてるか?」と小声で確かめる。「問題ない」という言葉が返ってきた、
「では誓いの口づけを…」
刹那、俺の制服の情報結合を弄った。有希はすでに情報結合を弄っており、二人で扉の前に立つ。
「えっ!!嘘だろ、おい、ふざけんなよ!」
と言うと古泉とハルヒが満面のスマイルでこちらを見る。
他に事情を知っていて参加したメンバーもニヤケながらこちらを振り返る。
有希が情報結合を弄り、俺は古泉と似たようなスーツ、有希はハルヒよりも派手な純白のウェディング
ドレスに身を包んでいた。
「な〜んちゃって」すると長門がドッキリの看板を持ちあげ、一枚目の『ドッキリ大成功!!』の紙を
剥がす。二枚目には『逆ドッキリ大成功!!』の文字が描かれた紙が出てきた。
「えーーーー!!!」
俺と有希以外の全員が叫んだ。古泉も唖然としている。鶴屋さんは笑いが止まらないらしい。
「さて、有希、誓いの口づけだそうだ。心の整理できてるか?」
「問題ない」といって、看板を床に置き、視線を俺へと向ける。俺は有希の頬をさわり、
口づけを交わそうとしたその時、
「だめえええええ!!」
ハルヒの大声が教会の中に轟く。しばらくして皆が中央に集まってくる。
「このバカキョン、これは一体どういうことよ!しかも有希まで一緒になってるってどういうこと!?」
教会の奥、神父のいる前からずいずいとドレスを持ちあげながらハルヒが向かってきた。
「どうもこうも、最初のプロポーズした日からわかってたぜ?このドッキリ」
「やられました。僕までドッキリに巻き込まれるとは、それで、何が原因で嘘だとわかったんです?」
「変だと思ったのがその日の祝賀会直前、我慢できなくてプロポーズしたはずなのに、ハルヒがお前に
腕に抱きつきもしない、二人がくっついてもないし、古泉が俺に話かけるまで二人が話していた様子
もなかった。それで気づいたんだ。嘘だってな。まぁ段々それっぽくはなっていたけど、いくらなん
でも大袈裟だし、不自然すぎ。全く、羨ましそうなこと言ってみたり、そういう態度をとったり、
フォローしてみたり、弁当途中で食べるの止めて部室出たり、SOS団作るのやめようって言って
みたり、まったく危なっかしくて大変だったぞ。少しはこっちの苦労も考えて欲しいね」
「うぅぅぅ……キョンのくせにあたしを出し抜くなんて100億年はやいのよ!」
顔が真っ紅に染まり、頬を膨らませたハルヒがいた。火山が噴火しているように見える。
「おまえの一挙手一動足で、俺にはわかってしまうんだよ。密度の濃い二年半を過ごしてきたしな」
「なるほど、そんな芸当あなたにしかできませんよ。提案した日にバレていたとは。
まさに涼宮さんを一番よく知っている人と言えるでしょう」
それからハルヒは視線を有希の方に向けた。
「有希!いつキョンの方に寝返ったのよ!」
「昨夜、寝る直前に『皆で俺にドッキリ仕掛けてるだろ?』と聞かれ、
『古泉とハルヒに逆ドッキリ仕掛けるから手伝ってくれ』と頼まれた。わたし自身も驚いている」
「じゃあなんでキョンや有希までスーツやウェディングドレス着てるのよ。制服じゃなかったの?」
「ドッキリとはいえ、あなたがウェディングドレスを着てる以上、誰かから皆で写真撮ろうという話
になりかねない。あなただけウェディングドレスでわたしは制服……ずるい」
「じゃ、なんでキョンのスーツまで用意できたのよ」
「彼の大体の丈を店の人に用意してもらった。多少前後してもいいように、少しだけ大きくした。
今の彼には丁度よかったらしい。もちろん朝比奈みくるの分も用意してある」
「有希、あなたホントに昨夜キョンから知ったんでしょうね?古泉君じゃないけど手回し早すぎない?」
「あなたがドレスを買いにいった日に他の店に行っただけ」
「……もお!!キョン、あたしを抱いて扉の外に連れ出して!つべこべ言わないで早く!」
はいはい…っと。相変わらずうちの姫様は甘えたがりだな。ハルヒをお姫様抱っこすると、扉の外に
出た。俺が車の運転ができれば、新川さんの車で逃避行ってとこなんだろうが、ドッキリだし。
外に出ればいいよな。それにしても絶好のロケーションだ。本当の結婚式もここでと思ってしまう。
「バカキョン!あたしを騙した罰よ。ちゃんと受け取りなさいよ」
そういってハルヒが唇を合わせてきた。最初は驚いたが、しばらくして互いに目を瞑っていた。
パシャと音がして目をあけると、カメラをもった古泉がいた。
「今のお二人に相応しいシーンを撮影させて頂きました」
古泉が教会の外へ出てきた。続々と中にいた人々が外に出てくる。有希に昨日頼んでいたやつも、
バッチリのようだ。ヘアメイクはしていないが、朝比奈さんのウェディングドレス姿も抜群に似合って
いる。有希のデザインしたドレスに再び驚いていた。
「あはははは、みくるー写メ撮っていい?めがっさ似合ってるっさ」
「みくるちゃん綺麗ね…」
写真撮影を森さんがカメラマンに願い出てくれた。
そのあと、古泉&ハルヒ、有希&俺、鶴屋さん&朝比奈さん、ハルヒ&俺、朝比奈さん&俺などなど
「わたしもお姫様抱っこされたい!」有希がとそういって、普通に腕組むのと抱きかかえたパターンの2種類を撮らされた。参加者皆で撮影のあと、ハルヒが、
「最後はSOS団みんなで撮るわよ!」と言い出し、
左から、朝比奈さん、古泉、ハルヒ、俺、長門の順に並んで腕を組んで撮影した。
部室の片隅に写真がまた一枚追加されるな。
それから、新川さんが用意してくださった豪華料理の品々を堪能した。
そのあと朝比奈さん含む俺たち三人は情報結合を再度弄り直して元の制服やスーツに戻し、
五人で新川さんの車に乗り、帰路についた。
「ちょっとキョン、なんで有希の家であんたも降りるのよ」
「決まってるだろ、受験勉強を有希に手伝ってもらうんだよ」
「ドッキリ終わったんだから、あんたの家にまたあたしが泊りに行くわよ」
「どっちにしろ、有希の家に持ってった荷物が多いんだ。みんなを待たせるのも悪いしな」
「じゃあ、来週からみっちりやるからね。覚悟しておきなさい!」
「了解だ、団長様。じゃ月曜日な」といって俺と有希は部屋に戻ってきた。
靴を脱いで廊下にあがろうとしたその時、有希に背後から抱き締められた。
「もう少し一緒にいたかった」
「俺もだよ、こんなに分かりやすく解説してくれるの有希とハルヒしかいないよ」
「少しでいいから、長くいてほしい…」
「なら、明日は荷物を必要外家に運んでくるから、月曜の朝までいさせてくれるか?」
「いい、でも…わたしにどこまで本当のこと話してたか教えて」
有希の抱き締める力が強くなる。こりゃ正直に言わないとあばら骨折れるだけじゃなくて、
上半身と下半身真っ二つにされかねん。
「古泉やハルヒじゃないんだ。有希にはドッキリにすでに気付いていること以外本音だよ。
正直受かるかどうか不安が襲ってくるし、SOS団作るのも、話した通り部室が確保か、
強奪ができるのかと思ってな。まぁハルヒならやってのけるんだろうけどな」
と言って、その日はそのまま勉強に集中した。翌日は余計な荷物を全て鞄につめ、一度家に戻ってから
長門の部屋で休むことなく勉強した。
月曜日、有希のお弁当を鞄につめ、自転車の後ろに有希を乗せて学校へ向かった。
いつも通り休み時間はハルヒに教えてもらい、昼休みは有希と弁当を食べる。当然、古泉もハルヒも
いない。二人で弁当を堪能した後、
「有希、ありがとな。たったの一週間だったけど、おまえに教えてもらって本当に助かった」
「いい、それより涼宮ハルヒがいないときはわたしのところに来てほしい」
「嬉しい申し出だな。ありがとう、今までの手料理、おいしかった」
といって、弁当の空箱を長門に託して部室を後にした。
放課後、四人は先々週までのように戻っていた、有希は読書ハルヒは俺の勉強の手伝い、
古泉はボードゲームに一人で取り組んでみたり、勉強に切り替えたりしていた。しばらくして、
「この間の写真を全て焼き増ししましたので、皆さんでお持ちください」古泉から写真を手渡された。
朝比奈さん含め、三人ともよく似合っている。久し振りのパタンの合図で四人は帰路についた。
ここでもハルヒは古泉と腕を組んだりしていない。有希と一緒に楽しそうに歩いていた。
俺は古泉に話しかける。
「それでバイトの方はどうだったんだ?閉鎖空間は出たのか?企画したからには目的達成しないとな。」
「おかげ様で小規模なものがいくつかでたくらいで済みました。あなたがドッキリ返しをしてくるとは
思ってもみませんでしたよ。その時です、小規模の閉鎖空間が発生したのは。因みにあなたに掛けた
電話も嘘です…おっと、企画したその日にバレてしまっているのなら、それも嘘だと分かっていたんですね」
「まぁな、お前が絡んでるだけあって、閉鎖空間絡みのイベントで機関の方も結構お金使ったんだろう
と思ってな。前日の夜まで有希に黙ってた。プロポーズした瞬間は普通にそれでハルヒが納まるなら
閉鎖空間も出ず安心して過ごせるななんて思ってた。ハルヒも楽しめたみたいだし、当日まで
ばらさないでよかったよ」
「おかげ様で前もって予約しておいた教会も先週購入したドレスも無駄にならずに済みました。
今回のあなたの行動は影の立役者と言えるでしょう。こういうのも変ですが、企画に協力して頂き
ありがとうございます」
「二人とも何してんの!キョン早く行くわよ、時間がもったいないじゃない!」
「はいはい」と言いながらも嬉しい気持ちでいっぱいになる。俺のためにここまで尽くしてくれる人が
二人もいること。結婚となればどちらか一方としかできないが、一緒に楽しむことができるのは
変わりない。ハルヒと長門の家庭教師がついてて不合格なんていうわけにはいかない。
なんとしても、合格してやる。
その夜、受験勉強も眠気と時間には勝てず、二人で寝ようとしたとき、ハルヒが俺に抱きついてきた。
「ハルヒ、これだよ。この行動が無かったからおかしいと思ったんだ。二人で座っていたときの
古泉との距離が随分空いてたしな」
「まさか初日にバレていたとは思わなかったわ。キョンから羨ましいって言葉がでてきたときも
みんなで喜んでいたのに全部芝居だったなんて…ドッキリ返しされたときはさすがにムカッときた
けど、今にして思えば、あたしのことずっと見てくれていたんだって思ったら凄く嬉しくなった。
キョン…ありがとう。それにごめんなさい。キョンがいないとSOS団は成立しない。
だからSOS団作るのやめるって言わないで。作っても入らないなんて嫌。ごめんなさい…」
ハルヒの頭を撫でて髪の感触を味わいながらハルヒを腕枕した。腰に手をやりハルヒを抱き寄せる。
「ドッキリだと分かってはいたけど、さすがにあれだけ毎日やられたら、ちょっとどうなるかって
不安になってたよ。さすがに古泉にちょっと嫉妬したしな。折角の有希の弁当こんなところで食べて
もおいしくないと思って部室をでたのは本気だった。まったく俺も自分で吃驚してるよ。二年半の
付き合いしかないのにハルヒの細かいところまで全部わかってしまうんだから。感情の変化とか
そのときの気分だとか…。たったの二年半だったけど、俺の人生で一番密度の濃かったと思う。
なによりも、一番楽しかった。お前がいたからな。」
ハルヒの目から大粒の涙が俺の腕に流れ込んでくる。
「嬉しい。今日が一番うれしい。あたしもずっとそばにいたい」
ハルヒからも手をまわして抱きついてきた、ちょっときつい位
お互いに抱きついたが二人とも嬉しさに満ち溢れていた。
その後の口づけが、二人の想いを紡いだ。
時が流れ、俺たち四人は揃って入学式場の前に立っていた。
おしまい
ずっと大雨だよハルヒ
てるてる坊主を作るハルヒ
てるてる坊主を作ったのに雨が降ってしょんぼりハルヒ
てるてる坊主にキョンの似顔絵を落書きし始めるハルヒ
ハルヒが寝てる間に頭のカチューシャのリボンをてるてる坊主に付け替えるキョン
ダブル乙
SSの人も大分良くなったな
後はもう少し短くして、もう一息ここぞという面白い要素があるといいかもしれない
ぬこも乙
もういい加減にしてほしい
今日も雨だよハルヒ
55 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2014/06/06(金) 11:26:43.61 ID:U6j0zNSN0
テスト
書き込みがストップしてるんだと思ってたら容量オーバーか
ビックリした
凄い雨だよハルヒ
ずぶ濡れハルヒ
水溜まりでふざけるハルヒ
調子に乗って深い穴に落ちないか心配だ。
水溜まりで遊んでたら滑って転んで泥だらけになってそれでも楽しそうなハルヒ
さすがにそれはない
ハルヒは身だしなみも気にする子
母親になったら違うかもしれない
子どもと一緒にどろんこになって遊ぶ良い母親になりそうだ
久しぶりにBDを見たくなってきたな
七夕いくか?
>>62 ふむ、しかし一理あるな
では泥だらけになってしまってキョンに八つ当たりしつつ恥ずかしそうにするハルヒ
ぬこ乙!
まさかの大活躍中だったかw
全然雨止まないよハルヒ
雨だと不思議探索は中止かな?
その代わりにキョンの部屋の探索を行います。
本日はベッドの下の調査です。
妹ちゃんとてるてる坊主を作るハルヒ
ハルヒはエロ本を見つけてもゲラゲラ笑いながら開きそう
でも折り目がついてるページに出てる女の子の髪型を憶えて次の日その髪型で来るとか
どう考えてもその場で破り捨ててキョンを詰問する流れだな
キョンのエロ本を没収するハルヒ
一人で見てる時はゲラゲラしてても人前だと茹でダコみたいな顔になって逃げ出すよ
こんなこともあろうかとヤバい本を全部自炊しておいたキョン
エロ本が見つからなかったことで
かえってキョンを怪しむハルヒ
アッー!
ぬこ乙!
ぬこ乙!
なんと優秀なw
>>74 初期ハルヒと溜息後のハルヒで反応違うと思う。
分裂や驚愕で下ネタはダメとかエロ本で話そらしててきめんに過剰反応していたし。
二人で消失を観てます
キョン「うーん、「北高」のおまえと「光陽園」のおまえとじゃおっぱいの大きさがちがうような…」
ハルヒ「どこ見てんのよこの変態!」
>>85 憂鬱でのみくるへのセクハラでキョンを誘ってたりしてるしな
みくると一緒にバニーガールしてるからエロィことの自覚がなかったのかもね
>>86 憂鬱Tでの髪の長いハルヒと消失ハルヒはちょっと違いがあるのかもね
ポニーテールで魅力度36%増しだし
88 :
44:2014/06/08(日) 08:00:05.02 ID:k0huSzmx0
こんにちは。
新作ができましたので投下させていただきます。
今回はタイトルが私の最初の頃の作品と同じなのですが、
OC(=オリジナルキャラクター)を使った、
ハルヒと焼失世界のハルヒの入れ替え企画です。
3回に分けて投下致しますので宜しくお願いします。
入学式前日、身勝手にも程があると言いたいくらい、ふざけた奴が舞い込んできた。
自称ジョン、500年後の未来からやってきた人類最後にして最強の生き残りは、肉体の死を免れない
状態に陥り、意識のみを俺の頭脳に宿した。
その後、500年後ではお婆さんの姿で教科書に載っているという涼宮ハルヒ会い、宇宙人、未来人、
超能力者を一同に会したSOS団結成に立ち会った。
また、二回の朝倉襲撃や、神人やカマドウマと戦い、勉強面にいたるまで、ジョンの助けを借り、
一年生の12月の消失事件でジョンの意向により、くしくも相棒と別れることになってしまった。
だが、その憂鬱も夢で会えるという超能力…いや奇跡と言ってもいいだろう。ジョンと会話がしたい
と思ったら、いつでも会話ができる俺と相棒とのその後の話である。
2年の前半、これまでテスト期間でなくとも勉強の全てをジョンに教えてもらいながらやっていた、
俺なのだが、ジョンと別れて以降、成績が一気に落ち、谷口と競い合う羽目になってしまった。
夏休みはハルヒの命令のもと、七月中に終えることが出来たが、テストの点は去年の半分である。
そんな状態を話したところ、
『こっちも仲良し六人組で遊んでるって感じで退屈してたんだ、
こっちのハルヒに伝えてお邪魔させてもらうよ』
といって、向こうの世界には何も知らない俺を置いて、ジョンはこっちに戻ってきた。
当然2年の後半はここまでの点数を2倍にし、そして迎えた三年の始業式、
クラス発表の掲示板に皆が群がっている。確認するまでもない。ハルヒ、谷口、国木田も一緒か…
と思っていたら、古泉、長門の名前が同じクラスに刻み込まれていた。
はぁ…これで朝比奈さんが一緒だったらどんなにいいことか。
途中で会った古泉と一緒に教室に入ると、すでにハルヒと長門が待ち構えていた。
「キョンの点数も復活したし。これならみくるちゃん追っかけられるわね!」
「そうですね。彼がいれば大丈夫でしょう」馬鹿!それはハルヒには内緒だ!
「ん?古泉君彼って誰のこと?」
「……いっいえ、彼が合格基準に達していれば大丈夫だろうということですよ」
古泉ニヤケスマイルが大幅に引きつってる。政治家の問題発言と似たようなものだ。
「それもそうねぇ…」侮蔑の笑みを俺に向けるハルヒであった。ジョン、一回ハルヒに勝ってみたい。
『今のまま、毎日学習に取り組んでいけば、充分こえられるところまで来てるさ』
そりゃ、そう言われて嬉しいと思わないやつはいないだろうけど、「俺が?」って
本気で自分にいいたくなるもんだが、ホントに勝てるのか。
『勝つ気がなきゃ勝てるものも勝てなくなるだろ。自信もっていいんだぞ?』
ホントにそんなもんかねぇ。
と話しているとハルヒがシャーペンの頭で刺してきた。「キョン、あれ」
といって指を射す。思わず叫び声をあげたくなった。朝倉が目の前に立っていた。
長門に小声で話した。どういうことだ!?説明してくれ!
「先日の卒業式で、朝比奈みくるとともに、喜緑江美里もいなくなってしまったため、
その代りに朝倉が戻されることになった。これは主流派の意向であり、あなたや涼宮ハルヒに
危害を加えようとすればそのまま、消される。もっとも、あなたにわたしの助けは必要がない」
長門が言う通りごもっともな発言なのだが、二回もあの傲慢女をねじ伏せているわけで…
というより二回目は虚数空間にテレポートしてやったんだが…同位体ってのは一体何体いるのやら
何を話していいやらわからん。
そういえば、こっち来る時にハルヒに事情説明してこっちに来たっていってたな。
ハルヒがこっちに来たいとか言い出さなかったか?
『「あんたばっかりずるい!あたしもキョンの世界の有希たちに会いたい!」だってさ』
ん…向こうの世界のハルヒは長髪ポニーテールが可能でこっちのハルヒと入れ替えたいくらいだ。
まぁ、それをやると、こっちの世界の長門、朝比奈さん、古泉の任務遂行ができなくなりSOS団が
解散になる…か。ハルヒのポニーテール久し振りに見たかったんだけどな。
『それなら、短期間だけ、入れ替えてみるか?』そんなことできるのか?
『可能だ、ただ問題は、涼宮ハルヒの髪のこと。平日じゃクラスで涼宮ハルヒの
髪が短くなって次の日また元に戻ったなんて話になるから、休日だな』
閉鎖空間とか出ても古泉たち出撃できないぞ!向こうの世界がめちゃくちゃになったらどうする気だ。
『向こうの世界の四人に説明しておけば問題ない。長門有希が作った世界は全員能力が使えなくなった。
こっちのハルヒが行っても力は使えないはずだよ。長門有希の願いが生んだ世界だからね』
なるほど、で、どうやって入れ替えるんだ?
『部活のときに団長席に座ったら俺にタッチしてくれればいい。あとは俺がやる』
ハルヒには、実際に不思議に遭ってもらって来週の月曜あたりに報告会って感じか。長門の家に、
二泊三日の旅ってところか。朝比奈さんも呼んで…面白そうだ。古泉は大賛成するだろうな。
とりあえずハルヒがいなくなったところを見計らって話をしよう。あ、ジョン、くれぐれもこっちに
来る代わりにポニーテールにすることハルヒに約束させといてくれ…俺の動機がなくなってしまう。
『わかった。俺は一旦向こうの世界に戻る。事情説明してくるからこっち頼むな』
ああ、頼んだぞ相棒。ジョンが抜けて、古泉と長門がピクッと反応していた。
しばらくして、休み時間になり、こっちも事情を説明した。
「なるほど、涼宮さんを入れ替えて、こっちには長髪で能力のない涼宮さんが来る。向こうにはこちら
の涼宮さんが異世界に行って不思議な現象を目の当たりにする。
どちらの望みもかなえられて一石二鳥ですね。朝比奈さんには僕の方から連絡しておきましょう」
「問題ない」
「ところで、向こうの僕はどんな感じなんです?」
光陽院学園に在籍してたが、ハルヒと一緒に転校の手続き、一月から北高の生徒、今の俺たちみたいに
同じクラスだ。あとは…こっちでいう不思議探索の罰金が全部お前になったようなものだったな。文字
通りハルヒの財布の紐だったぞ。おまけにハルヒに惚れてたしな。
「それは手厳しいですね。能力がないならバイトもできませんし、こっちで良かった気がします」
「わたしは?」へっ?
「わたしはどんな感じだった?」
長門、自分であの世界作っておいて、自分をどんなふうに作り替えたか、みてないのか?
「あのときは大まかな設定だけ行って、わたしの今の人格が消えた。それ以降はわからない」
そういうことか。えっと、一年の最初のころのように眼鏡をかけたまま。内気で恥ずかしがり屋、
本も好きなんだけど、それよりゲーム好きでゲーセンの対戦ゲームじゃ負けなしだそうだ。
二年の文化祭も皆でお勧めの本を持ってこようって話になって、ゲームの攻略本ばっかりもって
きたそうだ。ジョンから聞いているのも合わせてそんな感じかな。
なぜか長門があさっての方向へ向いている…もしかして向こうの長門みたく新境地開拓か…?
しばらくして、部活の時間、ジョンも戻って来た。
全員揃ってるし早いところやってしまった方がいいんじゃないか?古泉、長門とアイコンタクトして、
ジョンが二人のハルヒを入れ替える。こっちに来て第一声団長机に立ち、言葉を発した。
「改めましてSOS団団長涼宮ハルヒ!よろしく!」
「よろしくお願いします。なるほど、彼の言う通りですね、凄く似合ってますよ、そのポニーテール」
「そ、そんなにいいかしら…?そんなに真面目に言われると照れるんだけど…」
「それより…あたしの世界のジョンより…なんていうの、スマート?細マッチョ?」
そりゃあ、毎日微弱な低周波24時間浴びて筋トレしてるからな。普通に生活してるだけで筋肉がつくってわけ。
それよりも、ここに来たからにはやりたいことあるんだろ?月曜の部活で元に戻すしな。
人差し指を下唇に縦にあてながら、考えている。ノープランできたのかおまえは…
「色々と考えていたんだけど、いざやろうとすると忘れちゃって…とりあえず皆の能力が見たい!」
右手で自分の頭をポンと叩いて見せた。やるのはいいけど、古泉は、長門の異空間で全力出せるっけ?
「残念ながら10分の1しか…。あなたの作る閉鎖空間なら全力で戦えますよ」
よし、なら場所を変えよう。長門座っていると危ないぞ。「問題ない」
閉鎖空間作ってグラウンドへ皆でテレポートする。
「ここ、北高のグラウンドよね、一瞬でここまできたの?野球部とかは?閉鎖空間だからいないの?」
そのとおり、テレポートしてきた。さて、力見せるなら戦った方がいいだろ。
古泉準備してくれ。「解りました」
グラウンドのど真ん中に二人が立つ。ハルヒ、バトル開始の合図をくれ。
「いくわよっ!Ready Go!」
古泉は紅い球体を俺は防護膜を纏った。古泉の突進を直前で高速移動、後ろから球体ごと殴る。「ぐっ!」
一旦距離をとって右手に立方体のキューブを作った。振り返った古泉にキューブから小さく濃縮された
エネルギー弾が古泉を襲う。上空へ飛びあがるも、ホーミング性能を備えたエネルギー弾が古泉に命中、
ガードはしたが、ダメージを受けている。長門、おまえも来いよ。なんなら2対1でもかまわないぜ?
「あなたにしては傲慢、鼻柱を挫く」
長門がまっすぐ俺に向かってくる、こいつ中〜遠距離タイプの同位体じゃなかったか?考えている
うちに長門が俺の目の前にやってきた。来たと同時に肉弾戦を開始する。攻めと防御を互い違いに行い
両者とも相手の隙を伺っている。その最中に、古泉まで加わってきた。具現化した刃物で俺を襲う。
コーティングしてはいるが、これはちょっと不利だな。次の手だ。全身を丸くまとめ、開くと同時に
閃光を放った。二人の目がくらんだところを地面めがけて蹴り飛ばす。二人が立ちあがる前にエネルギー弾を
連続して二人に放った。長門が古泉に当たる分も含めてバリアして事を凌いだ。ここ辺りが潮時か。
古泉のけがを修復し、長門は自分で情報結合を弄った。このくらいで満足か?ハルヒ。
「自分の目が信じられないわよ。三人とも普通に浮いてるし、レーザーみたいなものも出るし、バリア
まで張っているし。古泉君が最初に突進してった時はキョンが消えたと思ったしね…」
まぁ、これが三人の能力の一部分ってことでここは一旦帰ろう。「問題ない」「お疲れ様でした」
日も暮れてきたし、そろそろ長門のところ行こうぜ。ハルヒもさっきのバトルの整理が必要だろ。
「そうですね、いきなりあんなバトルを見せつけられたんですから…
僕が今の涼宮さんの立場でも
そうなります。では、機関に車の手配をしましょう」「古泉君、機関って何?」
「先ほどお見せした趙能力を使って、今、向こうにいるあなたがつくる、閉鎖空間があるんです。
その中に出てくる巨人を神人といい、それを倒すグループの総称を我々は機関と呼んでいるわけです」
「さっきのキョンの閉鎖空間からも出るの?」
「いえ、向こうにいるあなただけです。彼の閉鎖空間からは何も出ません。向こうのあなたが作る
閉鎖空間の中の神人を倒すために僕たちが超能力を持ったというのが適切な言い方でしょう」
「今のあたしにはその閉鎖空間を作る力がないから向こうの古泉君は超能力者ではない…」
「ええ、おっしゃるとおりです。こうやって自分の能力を涼宮さんにバラしているというのも
かなり変ですけどね。もちろん長門さんも、彼も」
「その閉鎖空間っていうのも見てみたいわね。古泉君が戦っている巨人も」
「こちら側の涼宮さんが、向こうに行っている限り無理かと…」
「そうなの……残念。見てみたかったし、できることなら戦ってみたかったな…」
古泉の長話も久々だ。最も振ったのはハルヒだが、内容的にも普段のハルヒには言えないことだし、
言えてすっきりしたんだろう。古泉、朝比奈さんへの連絡も忘れるなよ。「もちろんです」
そういえば、ハルヒ向こうの世界じゃ誰が合図してくれるんだ?長門か?
「逆よ。有希ったらゲームにはまりこんで何時になっても『キリのいい所まで』とか
『セーブポイント後ちょっとだから待って』とか言ってその場を動こうとしないのよ」
はは…図書館での長門と一緒だ。因みに古泉はボードゲーム強かったりするのか…?
「いつもキョンが負け越して賭けたお金全部とられてるわ」
「それはいいことを聞きました。おっと車が来たようです。いきましょう」
そのころ、ハルヒはというと…
何これ…どうなってるの?キョンなんか急に太った?古泉君はいつも通りとして…一番は
有希!なんであんた眼鏡かけてゲームしてんのよ!いつもの読書はどうしたの?
「ひゃぅ…ごめんなさい」
何そのみくるちゃんみたいな反応…腕を胸の前でクロスさせてゲーム機を大事そうに持ってるし。
それにキョン、あんたそんなに太ってたっけ?もうちょっとアスリート的な体型してなかった?
「ん?前からこんなもんだし…体重測ってもいつもと同じだが?」
それに、暇そうにしてるんだったら、受験勉強するとか、古泉君とボードゲームするとかあるでしょ!
「古泉相手じゃ、強すぎて誰も勝てないの知ってるだろ?」
嘘…古泉君がボードゲームに強い?どうなっているの?部室を見渡しても特に変化は見られない。
一番違うのが有希の眼鏡とゲームと性格。古泉君がホントに強いのか試してみなくちゃ。
古泉君、何でもいいわ一局相手して。
「大きく出ましたね、涼宮さんでも手加減しませんよ?」
古泉君でも言ってくれるじゃない。いいわ、トコトン勝負よ!
……しばらくして、みんな驚愕の目であたしを見てる、そんなに勝ったことがめずらしいの?
でも、古泉君本当に強かった。いつもと違う…いえ、あたしが別の世界に来てしまったような
そんな感覚。いつのまに別世界に来ちゃったの?部室に入ったときの有希は読書してた。
でも、今はゲーム機を大事そうに抱えてあたしに対してビクビクしている感じ……一体どうなってるの?
「涼宮さんがここまで強いとは…さすがです。よもや負けるとは思いませんでした」
ねぇ、聞きたいんだけど、あたしっていつもこんな感じ?
「そういえば、いつもと雰囲気違います。ねぇ、キョン君」
「そうだな…なんか俺たちを別の人間じゃないかと疑ってる感じがするな」
「彼の意見が正しいとすれば、今の涼宮さんは異世界人と言えるでしょう。でも困りましたね、
今の彼女が異世界人だとすれば、僕らの知る涼宮さんはどこへ行ってしまったのでしょう。
僕らの知る涼宮さんは高校入学後もずっと長髪だったのに、今のあなたはそうじゃない。
あなたを見た瞬間に全員驚きましたよ。なにかあったのではないかとね。誰もが話を切り出せ
なかったんです。唖然として声も出せませんでした。しかし異世界人ということであれば、
全て説明がつきますね。ちなみにお聞きします。いつ長い髪をきってしまったんですか?」
異世界人?やっぱり?…それより有希が何でこんなに喋るの?古泉君が頭脳明晰なのはいいとして…
髪のことも古泉君に聞いて確かめなくちゃ。一年生の五月頃、毎日変えていた髪型の法則性をキョンに
気付かれたとき…だったかな。あたしの言葉を聞いてキョンと古泉君が驚いている。
「あなたは一年生の十二月まで、僕と一緒に光陽院学園で生活をして、十二月の二十日頃、帰り際に
現れた彼の言葉に興味をもったあなたが、ここまでやってきた。一年の五月に彼と出会っているはず
がないんです。間違いありません。あなたは異世界にやってきている」
あたしが異世界人?違う世界にきている?どうして?
そうだ、思いだした。クリスマス近くになってキョンが寝言吐いたの。確か………
『ハルヒが転校してくるーーー!?』だった。今の古泉君の証言と合わせれば、あのときのキョンの
寝言はこのことだったのね。あのバカキョン、一人だけ面白いことやってんじゃないわよ。いいわ、
だったらあたしも折角異世界に来たみたいだし、思いっきり楽しんでやるわ。
「髪型で判断するのであれば、部室にはいるときまでは俺たちの知るハルヒだった、でも気付いたら髪
が短くなっていた…かな?」やっぱり、あたしも同意見
「わたしもキョン君と同じ…」キョン君?有希がそう言う呼び方したの一度もなかったわよ。
「まあいいや、異世界人とはいえ、ハルヒはハルヒなんだから、朝比奈さん呼んで六人で歓迎会
やろうぜ。有希の部屋借りていいか?」
「いいけど少し掃除しなくちゃ」
あれ?今何か変なことなかったっけ。『朝比奈さんをいれて六人?』SOS団は全員で五人…
六人目は?…みくるちゃんが鶴ちゃん呼んでくるのか。それにしても有希の部屋を掃除って
あそこなにもないじゃない。三年くらい掃除機かけてないとかなら別だけど…
ってキョンが有希って呼んだ…ここではそういう関係なのかしら。
「ごめ〜ん、委員会の仕事で遅くなっちゃって」文芸部室の扉をあけて朝倉が出てきた。
朝倉?何でこんなとこにいるのよ!転校初日から部活に文句でもいいに来たわけ!?
「え?涼宮さっ、髪どうしたのよ!折角素敵な髪だったのに…ところで、転校って何のこと?」
「朝倉さん今の彼女は異世界人のようです。彼女の知ってる僕らと、僕らの知ってる彼女が
どうやら入れ替わったみたいですね。
そうでなければ僕らの知っている彼女がいない説明がつかない」
「そ…そう…ちょっとまだ理解に苦しんでるけど…とりあえず元に戻れば長髪になるのよね。
それにあたしのことを苗字で呼んでたし」瞬きの回数が多くなってる。まだ納得できてないようね。
「で、ハルヒの歓迎会やらないかって話になってる…いや俺が提案したんだけど、朝倉どうする?」
荷物を机の上において、朝倉が言葉を紡いだ「うん、それ、名案。あたしも腕振るおうかしら」
「お願いだから、おでん以外のものにして!」
有希が朝倉の言葉にかぶせてあんなに大きな声で…朝倉の料理のほとんどがおでんらしいわね。
じゃなきゃあんな言葉出てこない。あーもう!一人で考えてもらちがあかないわ。とにかく
今のあたしは異世界人、みんなそれぞれどこか違っているけど、それはそれでおもしろいかもしれない。
やっとあたしらしくなってきた気がするわ。少しずつにやけてくるのがわかる。あたしの歓迎会を
わざわざやってくれるっていうんだから、参加しなくてどうするのよ!さっきはボードゲームで古泉君
に勝ったし、次はゲームで有希に勝つんだから。
「じゃ、今日は一旦帰って、有希の家に集合!歓迎会ついでにお泊まり会よ!」
「やっとハルヒっぽくなってきたな、有希、自転車とってきたら家まで送るよ掃除あるんだろ?」
「うん、お願いね」
俺たちはようやく長門の部屋についていた。運転してくれたお礼を新川さんに告げて、リビングにあがる。それにしてもハルヒの準備が早くて驚いた。
「基本的なものは全部同じだった。全然時間かからなかったわ。それより有希、何も無いにも程が
あるわよ。テレビとかならまだしもカーテンないってどういうこと!?」
「近辺に七階以上の建物がないから必要ない。それより、向こうのわたしはどんなゲームをしているのか教えて欲しい」
「KOFとかの格闘ゲームと、M○4、たまに読書していると思ったらF○XV−2の攻略本だったわ。
暇さえあればゲームしてた。休日は徹夜で風呂も入らず○H4やってたって涼子がいってたわよ。」
それを聞くと部屋の片隅で高速詠唱し始めた。まさかと思ったが大画面液晶テレビの下にラック、ガラ
ス戸の中にはゲームのハードが置かれていた…
「有希の力でこんなこともできるんだ……目が飛び出て口から言葉が出て来なかったわよ。それより、
キョンは有希のこと長門って呼ぶんだ?有希じゃなくて」
ハルヒの発言に長門がピクッっと反応した。…悪い長門ちょっとトイレ貸してくれ。
次の瞬間後ろから肩を掴まれた。ゴゴゴゴゴという擬音語が妥当だろう、長門のオーラが怖い。
「有希って呼ぶまで離さない」こりゃ、かなわんな。わかったよ有希。これからもそうするから、
早く買ってきた食材調理しようぜ。手伝う事あれば言ってくれ。あれ?そういえばハルヒ料理しないのか?
「あたしはいっつも食べる方。有希や涼子やみくるちゃんが作ってくれるからね。あたしが料理下手なせいもあるけど」
三人もいれば作るスペースないわな。料理下手か。今頃向こうじゃ、目を丸くしてるだろうな。
そういえば、涼子って朝倉のことか?
「そうよ。あたし、ジョン、有希、みくるちゃん、古泉君、涼子の六人、今は五人だけどね」
「まいりましたね、朝比奈さんがきて、料理が出来るまで空腹で待ってないといけないとは…」
皆で同じ大学目指したりしてるのか?朝比奈さんと一緒の大学にとか…
「その予定で進めてるんだけど、ジョンがいないときのキョンの成績がボロボロで…あたしたち
で教えてるんだけど、まだまだ足りないなって感じ」
ははは…苦笑いしかできん。ジョン、頼むからテスト前までいて、テスト中はおまえが解いていいから
向こうの俺も何とか合格させてくれ。
『習熟度が低いところはどちらも変わらずらしいね。しかしキョンにしては偉いと思う。
自分で問題解いて、俺にはあっちのキョンのテストの不正をやれ…とはね』
「にしては」は余計だ。それより、向こうの様子はどうなっているか分かるか?
『ああ、涼宮ハルヒがボードゲームで古泉一樹に勝ったって周り中吃驚してる。こっちじゃ
ボードゲームで古泉一樹に勝てる奴一人もいないからな。
あと、既に周りから涼宮ハルヒは
異世界人として認識されてる。今夜はその歓迎会だそうだ。こっちと同じだな』
ハルヒがボードゲームで古泉に勝った!?
「いきなりどうしたんです?何の脈絡も無しに名前呼ばれたので驚きましたよ」
いや…向こうの世界じゃ、めちゃくちゃボードゲームに強い古泉にハルヒが勝ったそうだ。
「あっちの古泉君に勝ったの?あたしもやれば勝てるかしら」
はは…こっちの古泉なら簡単に勝てるぞ。って、ジョンと会話しているうちに朝比奈さん来てるし。
ハルヒと一緒に風呂に入る約束までしているようだ。
しばらくして、ゲームをようやく手放した有希と朝比奈さんの料理が出来上がり、五人で夕食となった。
「異世界から来たハルヒを歓迎して『かんぱーい』」
「む?有希もみくるちゃんも料理上手ね。すごくおいしいわ」
ニコッとした朝比奈さんのスマイルも久々だずっと眺めていたい気分になる。
それにしても、一年の12月のあのときは、ロクに話も出来なかったから気付かなかったけど、
このハルヒは意外とサバサバしていて男と一緒にいる方が気が合う感じがするな。佐々木みたいに。
誰かを好きになったりしないのか?
「恋愛感情なんて精神病の一種よ。あたしが誰かを好きになるのはありえないわ。あんたに会うまで
本当にくだらない退屈な毎日を送っていたんだから。こっちのSOS団より面白いSOS団作るんだって
意気込んで今までやってきたけど、だんだんマンネリ化してね。そこへジョンがあたしの入れ替えを
提案してくれたってわけ。色々違ってて、来てからずっと、面白いことの連続よ!」
「しかし、あなたに好意を寄せる方は多いのではないですか?彼からも何度も聞いてましたが、百聞は
一見にしかずですね。これほどポニーテールが似合っているとは思いませんでした」
「下駄箱にラブレターはたくさん来るんだけどね、しばらくは一通り読んで捨ててたけど、どいつも
こいつも面白くないから、それからは読まずに捨ててるわ。有希とキョンが一緒にゲームしたり
話したりしてるの見て応援してる感じかな。どっちも奥手で告白しないんだから。
ボードゲームしていないときの古泉君の視線がちょっと気になるけどね」
朝比奈さんが長門をみて羨ましそうにしていた。
「これはこれは、彼から話は聞いていましたが、まさかそこまでとは。異世界の僕とはいえ、
涼宮さんの邪魔になるような真似をしてすみません」ニヤケスマイルも口元が引き攣っていた。
長門がまた遠くを見ていた…そしてやけに目が輝いてる。
そういえば、すっかり忘れていた。向こうの朝比奈さんってどんな感じなんだ?
「ん…っと、ちょっと泣き虫だけど何やらせてもそつなくこなすって感じかな。この前野球やったら
クリーンヒット連発だったし、バレーやったらどんな球でもレシーブしてたわ」
「わたしがそんなにスポーツで活躍できるなんて信じられません」本心を打ち明けたように話している。
「朝比奈さんがそんなにスポーツ万能だとは驚きました。涼宮さんだけずるい気がします」
そんな感じで、今後の予定を決めていた。「あ!」という大きな声を出して朝比奈さんが話しだした。
「月曜の部活の時間に元に戻すんですよね?」
自分でも合っているのかまだ確信が持てないようで、人差し指を立てていた。
「それが何かありましたか?」
「わたしたちが入れ替わっても内面的な違いはありますけど、外見的には変わらないです。
でも、涼宮さんの場合髪型が異空間で全然違うので、ここにいるわたしたちはいいですけど、
他の人たちに見られるのはどうなのかなぁって」
96 :
88:2014/06/08(日) 08:12:22.19 ID:k0huSzmx0
すみません。誤字がありました。
焼失世界⇒消失世界のハルヒです。
なお、OCについてはこの作品の前作に当たるssに
出てきますが、前作を読んでなくとも大丈夫になるよう書いたつもりです。
お時間のある方は流し読みでかまいませんので、前作にふれていただけると
幸いです。改めて宜しくお願いします。
>>87 あれはハルヒの罠だったんじゃないかと思ってる
乗っかってきたら怒鳴る、殴る、追い出すくらいしてやろうかと思ってたけど、多分大丈夫だろうと信頼してたんじゃないかと
キョン「朝比奈さんのおっぱいよりお前のおっぱいを俺は揉みたいぞ。巨乳属性ないし」
ハルヒ「」
しまった。朝比奈さんの言う通りだ。こっちの世界では月曜にいきなり長髪になったハルヒを見て、
次の日元通りの髪型にもどる。向こうでも長髪をいきなり切って来てどうしたの?
って話になるのに、こちらも次の日元通りだ。
「朝比奈さん素晴らしいです。長門さん含め、我々三人で月曜の部活時にと何の疑問も抱かずに
決めていたのに、そのことに全く気が付きませんでした、お見事です」
「ってことは、あたしがこっちにいられる時間少なくなるってこと?」ハルヒが残念そうにしている。
「そうはならない。二泊三日でなく、三泊四日にすればいい」ゲームやりながらでよく頭が回るな。
「そうするとどうなるの?」
「日曜に解散ではなく、日曜の夜までここで過ごし、寝てる間に彼に入れ替えてもらえば、
あなたが目が覚めたと同時に元の世界に戻っている」
全員がそれぞれに長門の意見に賛同している。しかし、そうなると制服とか持って来ないと
いけないもの、持ち帰らないといけないものがでてきてしまうな。
「心配いりません。日曜に車を手配しますから、持ち物入れ替えて全員の家をまわりましょう」
「なるほどね」「それに乗るわ!」「いつもすみません」「問題ない」と口ぐちに言い合う。
いろいろハルヒから話を聞いてるうちに食べるものがほとんどなくなっていた。料理は下手でも
大食漢は変わらないらしい。早速お腹いっぱいになったハルヒが朝比奈さんをつれてお風呂へ向かう。
食べ終えた古泉と俺は片付け作業に入った。長門はゲームを起動しM○4のソフトを入れた。
新境地へ足を踏み入れた。さて、片付けを終えて、一息入れるため古泉に屋上にいると連絡をした。
『キョン、お客さんだ』ジョンの言葉に後ろを振り返る。なんだ朝倉か。こんな時間に珍しいな。長門
と同じマンションだからいつでも来れるけど…なんでまだ制服なんだ?着替えたりしないのか?
「血飛沫あげるから私服は汚したくないのよ」
それはまた驚くような発言だな。まだ始業式だぞ。エラーが溜って暴走するにはいくらなんでも
早すぎるんじゃないか?それとも、前回の復讐ってわけか?
「それもあるわね。けど、あなた涼宮さんをどこへやったの?彼女がいなければ、わたしたちの
存在異議がなくなって長門さんも情報統合思念体に戻らないといけなくなるのよ?」
それはもう長門が報告済みだ。異世界にいって月曜日に帰ってくる。おまえのところにも連絡きてても
おかしくないくらい時間はたっているはずだ。相変わらず、ナイフを器用に扱っている。
「そう。それなら話は早いわ、わたしはあなたに死んで欲しいんだから」
おまえ、自分がおかれた状態を考えろよ。俺やハルヒに危害が及んだら、おまえを消すって話聞いたぜ?
「消される前に殺せばいいだけよ。あなたに虚数空間におかれて、戻ることも同期することもできずに
自害して次の任務につくしか方法がなかった。わたしは喜緑江美里の代わり。でもあなたに対する
思いは変わらない」
自分が消されても俺を殺したい…か。おまえの覚悟は解ったが、俺とおまえの実力差がどれだけのもの
か十分知っているはずだ。それくらい分かっているはずだろ。にもかかわらずなぜ、こうやって動く。
自立進化の可能性は人類の感情にあると長門は言った。おまえもその復讐心、俺に対する憎悪だけじゃ
なく、楽しいとか嬉しいという思いを少しでもいいから感じてみろ。それでもまだ復讐心があるのなら
また来い、相手になってやる。しばらくは学校生活を堪能してみろよ。今異世界にいるハルヒのSOS団
にはおまえも入っているんだよ。ハルヒから涼子って名前で呼び捨てにするくらいにな。聞いた話だが、
長門のお母さん的な存在だそうだ。カレーばっかり食べるからってな。ま、おまえもおでんばかりらし
いけどな。何度もおでん持ってくるから長門がおでん以外のものにして!と言うくらいだそうだ。
「本当にそんな世界があるの?本当にわたしはSOS団に入っているの?」
朝倉の殺気が薄れ、期待をするようなまなざしで俺を見ていた。なら今から確かめにいくか?長門の
部屋には向こうの世界のハルヒがいる。お前が入っていっても、なんの違和感もなく歓迎してくれるぞ。
「そう…本当にそんな世界があるんだ。ならなおさら行くわけにはいかないわ。周りにいるみんなが
羨ましくて仕方なくなりそうなんだから」
羨ましいとか、嫉妬なんていう感情は長門も持っている。長門が出来ておまえができないのはおかしい。
向こうの世界みたいにSOS団に参加することは無理かもしれない、でもおまえなら自分を中心にまわり
をかき集めるだけのスキルがあるだろ。やることはいたって単純だ。一緒にいて楽しい、面白いと
いった感情を共有できる人間を見つけると良い。
「おかしいわね、さっきまで殺意しかなかったのに、少し学校生活を楽しんでみたいっていう気に
なったわ。今日消されるのはもったいない気もするし、しばらくお休みするわ。
でも、いつもあなたに 殺意を抱いていることだけは忘れないでね。じゃあね」
帰りは普通に情報結合解除して帰るのかと思ったら、階段を降りて帰っていった。
『まぁ、何はともあれお疲れ様、キョン。風呂はキョンと長門有希以外皆入ったらしい、冷や汗は
かいてないだろうけど、早く入った方がいいかもね。みんなが寝る前に。時間ももう遅いし』
ああ、そうだな。俺はテレポートで部屋に戻る。ブッという音がして振り向くと、ハルヒがコーヒーを
危うくこぼしそうになっていた。朝比奈さんはとなりで紅茶を飲んでいる…有希…お前、
制服のままでずっとここでゲームしてたのかよ。どうりでジョンが長門と俺って言ったわけだ。
「キョン、あんたテレポートするなら連絡しなさいよ!吃驚してもう一回お風呂入りなおさなきゃ
いけなくなる所だったわよ。髪洗うのに時間かかるんだからね!」
すまんすまん、俺たちのハルヒはそれも含めて今の髪型にしたのかもしれん。有希調子はどうだ?
「順調…ようやく上位ランクのクエストができるようになった」
おいおい、ようやくってほど時間経ってないぞ。それにおまえ風呂どうするんだ?
「キリのいい時に入る。あなたが先に入って」
こりゃあ向こうの長門と同じルートをたどることになりそうだ。
風呂に入った後、リビングの照明を小さくして夜更かしするなよ、とだけ言って和室で床についた
さて、帰路についたあたしは少し考え事をしていた。普通なら新川さんや森さんに古泉君が連絡をして
車を手配してもらうんだけど…家について荷物もっていくなんて久しぶりだわ。
荷物軽くしていかないとね。あたしの部屋に入って驚いた。光陽院学園の制服がある。
さっきの古泉君の話は本当だったらしいわね。ためしにこれ着て有希の家にいってみよう。
一年以上これ着てないなら皆喜ぶはずだわ。
とりあえず荷物は準備出来たし、有希に食材何買っていけばいいか聞いて行こう。
キョンが自転車で乗せてってくれるといいんだけど…とりあえず有希に連絡しなくちゃ
………ちょっと有希!冷蔵庫の中にレトルトカレーしかないってどういうことよ!調味料は?!
「あったけど……賞味期限切れで捨てた…」
あーもう!いいわ、調味料込みで食材買ってくから、キョンに連絡してスーパーに来るように伝えて!
「わ、わかった」
相変わらず言葉は足りないけど、あたしの知ってる有希より話せるのは確か。ビクビクしてるしね。
読書よりゲームか…家に帰ってもそうなのかしら。まぁいいわ、いつも有希がそんな食生活してるなら
少しは栄養つけないとね。スーパーについてすぐ、キョンと出くわした。
「お前その格好、久々だな。どうしたんだ?」
部屋に飾ってあったから、ためしに着て見たのよ。光陽院学園の制服着るなんて初めてだからね。
「ったく、まさかお前が異世界人とはね。古泉が説明してくれたけど、まだ納得できてないよ」
とりあえず、キョンとの話を終え、食材、調味料、飲み物など、明日の分も含めて買い、
有希の部屋へ行く。部屋を見た瞬間、あたしはびっくりしていた。今まで見てきた有希の
部屋とは違う、家具にカーテン、テレビ、その前にはゲームのハードとコントローラー、そして、
カーテンの前には本が整頓されてないし、何冊もの本がバラバラに置かれ、山のようになっていた。
あれじゃページに変な折り目がついちゃうわよ………とにかく!
有希!!あんたはあの山になっている本ちゃんと片付けなさい!その間にあたしが料理作るから!
「ひゃい!」といって、本を片付け出した。そんなことより早く始めないとね。
「お、おいハルヒ。悪いことは言わん、やめとけ。朝倉や朝比奈さんに任せて片付け手伝えばいいだろ」
はぁ?あんただってあたしの料…そっか。ここでのあたしは料理が下手で通っているんだ。キョン、
そんなに気になるならそこで見てなさい。変なことしてたら止めていいわよ。
「お前がそこまでいうなら、やめとくよ。気になるだろうしな。異世界のおまえは料理が上手いって
後で皆に証明すればいいだけの話だ。俺は有希の手伝いしてくるよ」
キョンにしてはやけに優しいわね。それとも有希のところに行きたい口実なのかしら。
でもそれだったらキョンから話を切り出す理由が分からなくなる。
まぁいいわ、キョンの言う通り、味で勝負よ!
そのあと、みくるちゃん、古泉君、朝倉の順に入ってきたけど全員あたしが調理している姿に吃驚。
さっきのキョンと似たようなやりとりの後、とりあえずみくるちゃんと朝倉いれて調理再開、
しばらくして、味が決まったところで二人に味見させた。「おいしい…」「嘘みたい」
嘘みたいってなによ!まったく。そのあと六人分の食事をテーブルに置いて各自席に着いたところで
『いただきます』
各々あたしの料理を食べて沈黙、そのあとみんな笑顔に変わった。
「おいしい!」「これはまた高級料理店のような味ですね」「疑って悪かったよ」
その後誰も話すことなく全部の皿が平らげられた。
「いやぁ…一つ一つの料理がおいしくて驚きました。こっちの世界と涼宮さんが元居た世界とで、
得意不得意が逆転しているようですね。今の涼宮さんは髪が短いけど料理が美味い。対して、
今あなたの世界にいるであろう涼宮さんは長髪だけど料理が下手。僕も含めて他の人も異世界と
違いがあるようです。しかし、こんな料理がいただけるんでしたら、ずっとここに残っていただき
たいくらいですね」
古泉君は相変わらず大袈裟なんだから。とりあえず片付けはキョンと古泉君に任せて…有希!!
何よ、その本閉じただけのピラミッド。そんなんじゃ片付けになってないでしょ!
ちゃんと本棚にしまいなさいよ、本棚に!
「でも…入れるスペースが…」
あんたそんなに本持ってたっけ?有希の寝室にはいって本棚を見た。ゲームの攻略本ばっかり…
古本屋に全部売り飛ばしたいくらいだわ。ゲームの攻略サイトくらいいくらでもあるでしょ!
「パソコン持ってなくて……」
パソコンくらい買えないのかしら、これだけ広い部屋に住んでるならお金持ってそうなものだけど…
それより有希、ゲームに混ぜなさい。「わかった」言葉は有希だったけど表情は笑顔だった。
有希もこんな表情すればいいのに…その間にお風呂タイムでわたしたちは最後。二人で格ゲーを
やっていた。さっきの古泉君じゃないけど、強すぎるわよ。容赦ない攻撃の連続であたしが一撃も
当てられずにKOされてばっかり。少しは加減しなさいよ!「ご、ごめんなさい……つい…」
こんな反応する有希も初めてだわ。有希、二人でお風呂入るわよ。終わったら勝つまでやって
やるんだから…って!何縮こまってるの!!はやく済ませればいいことじゃない。行くわよ!
「きっ着替え……持ってきます」「いつものハルヒより、強引さがUPしてないか?おまえ」
キョンがあたしのこと怖がり始めてる。有希もそうみたいだし、もう少し優しくした方がいいわね
有希とお風呂入った後、あたしが勝つまで有希と戦った。何敗したかはわからないけど
とにかく一勝したところで今日は寝ましょう。もうこんな時間だしね。
「涼宮さん、ちょっと、こっちこっち」朝倉があたしに何の用よ。朝倉があたしに耳打ちしてきた。
はぁ!?有希がキョンと寝るようにする!?
「しっ!声が大きい!とにかく四人じゃ寝れないし、有希をキョン君とくっつけるのに丁度
いいじゃない。それに、羨ましいと思うのなら、元の世界のキョン君と存分にやればいい。こっちの彼と
いくら抱き合ったって元の世界に戻ったら意味がなくなる。有希に譲ってあげて。お願い」
朝倉があたしに向かって左右の指を指間に挟んだ形にして頼んできた。
まぁ、言ってることもその通りだし、元の世界でキョンにくっつくことができればいいわよね。
有希が顔を真っ赤にして下を向いてる。こんな顔するんだ…可愛い。女のあたしでもどうにかなりそう。
言っとくけど有希、あたしたちが寝てからゲームで徹夜なんて許さないからね!いいわね!
「わかった…」和室に入って戸を閉め、少し待った所であたしたちも床についた。
キョンの代わりにみくるちゃんを抱き枕にしようっと。
『キョン、起きろ!!事件だ』お前、頭の中で叫ぶなって言ったろ。どうしたんだよ。
俺がジョンに言い終わると同時に古泉の携帯が鳴りだした。
「はい、古泉です。え?閉鎖空間がでた?今の涼宮さんに改変能力はないはずですよ?
……わかりました。おおよその見当はついています、僕と彼で対処します」といって通話終了。
「原因不明の閉鎖空間が大量発生、ですが、場所を特定して、向かっても現地に何もないそうです」
よく思い出してみたら、俺があの世界にいたときは、長門たちには能力はなかったが、
俺やジョンは超能力が使えた。ハルヒのイライラの原因は知らないが、あいつも自分の能力が使える。
どうやら、決まりだな。向こうでハルヒが閉鎖空間を出した。だろ?ジョン。
『察しが早くて助かるよ。俺がキョンに超能力使えるか聞いていたのに、忘れていたよ。
すまないが、二人も異世界に飛んでほしい。彼に伝えてくれ』
わかった。でももう古泉分かってるみたいだな。何が起きているか。
「ええ、その通りです、急ぎましょう。移動はどうやって?」ジョンが連れてってくれるってさ。
次の瞬間雲の上から落下していた。この高度でみるとこんなにきれいに星が見えると…っておい、
ジョン、なんでこんな状態なんだ?俺たち
『異世界にいくんだからそれなりの脚色をと思ってね、二人なら問題ないだろう?』
俺はいいとして古泉は………あぁわかったよ。それなら古泉も移動しやすい。
「ちょっ、なんでこんなところから落下してるんですか?僕たち。うまく閉鎖空間に入れると
いいんですが、いきなりこんな状態で呆然とするしかありませんね」
悪い、うちの相棒の異世界にいくための演出だそうだ。俺が全閉鎖空間を包みこむだけの閉鎖空間を
作る。そうすれば、古泉はこのまま地面に衝突しないで球体出して空を飛べる。それに、閉鎖空間を
梯子しているときに、走ってたら時間の無駄だろ?ハルヒの閉鎖空間外でも俺の閉鎖空間内だから、
古泉の能力もそのまま使えるってこと。
「なるほど、さすがです。僕の移動のところまで配慮していただけるとは。感激です」
大分落ちてきたところで閉鎖空間を展開し、中へ入る。
俺は舞空術で、古泉は球体を出してそれぞれ
止まった。古泉ここで左右に別れよう「わかりました、お気をつけて」
ところでジョン、久々に暴れてみるか?
『いいね、俺も今キョンに提案しようと思ってたんだ。さすがだよ、相棒』
じゃ、古泉に言われた通りに頼むぜ。 パチン 俺とジョンが入れ替わった。
くれぐれも俺たちが帰る分のエネルギーまで使い果たすなよ?ジョン。
『もちろんさ。エネルギーはあんまり使わず、派手にやってみせるよ』
言い終わると同時にジョンは白いオーラを纏って、そのまま全速力で閉鎖空間内の神人に向かって
突撃、そのまま貫いて撃破する。勢いそのままに閉鎖空間を出て、次の閉鎖空間に入り神人を撃破。
なんでこんなことをしているんだろうと思ったら、ジョンは俺の閉鎖空間内を横に何度も往復して、
神人をどんどん撃破していく。上から見るとジョンの白いオーラが、ボールペンで文字を間違えて
その字を消そうとしたような軌跡を描いているだろう。その往復は全閉鎖空間が消えるまで行われ、
その時間は一分と無かった。一体地球何周分往復したんだか。
「お見事です。閉鎖空間を何度も出たり入ったりしているのでどうしたのかと思っていましたが…
こんな戦法は機関じゃ考えられませんよ。僕らとは規格が違うようですね」
相棒が暴れたいっていうんでどうするんだろと思ってたら、全くの予想外だったよ。俺も驚いた。
それに、閉鎖空間に入れないとか言ってたのになぜか入れたしな。
『それは、キョンが閉鎖空間を展開していたからだ』
俺が閉鎖空間出してたからハルヒの閉鎖空間に入れたって、都合がよすぎるんじゃないの?
『まぁ、入れたんだからいいじゃない。でないと古泉一樹に連れられて一つずつ潰すなんて
面倒な作業しなくて済んだんだし』それもそうだな。
しかし、ハルヒの入れ替えは、ホントに暇そうにしている時にやった方がいいのかもな。
「そのようですね。我々が能力を使えるなら、涼宮さんの能力も発動する、ですか」
とりあえず、有希の部屋に戻ろう。でないと入れ替わった瞬間にこっちの俺と古泉が死んでしまう。
「了解しました」テレポートして和室で布団に入って吃驚した、有希が布団の中に入ってた。
とりあえず古泉に気付かれない様に布団に入り、ジョンが元の状態に入れ替えた。古泉もういいぞ。
「とりあえず、明日は寝不足にならなくても済みそうです。お疲れ様でした」といって眠りについた。
俺も眠ろうかと思ったその時、ガラリと扉が開き、長門がリビングから出てきた。いままでゲームか?
「そう、一応クリアした。後は装備を整えるだけ。今日はあなたと一緒に寝かせて」
どういうルートを辿ったらそういう結論に達するのか聞きたいんだが…
「簡単、向こうの世界での涼宮ハルヒは朝倉涼子と結託して、わたしとあなたをくっつけようと
画策している。わたしもあなたとそうなりたい。……あと、わたしを異世界に連れていかなかった罰」
わかった。そこまではっきり言われちゃ、俺も嬉しい。それで、何をすればいいんだ?
「一緒に寝て。抱き締めて欲しい、それに腕枕も」
お安い御用だ。有希の顔が俺の胸の前に来るように腕枕し、もう片方の腕で抱きしめた。
「嬉しい。ありがとう」、表情は豊かとは言い難いが、今の有希の満面の笑みなのだろう。…おやすみ。
当然夜中に起こされた俺と古泉は朝比奈さんの美声で起こされるまで、全く目を覚まさなかった。
とりあえず寝起き後すぐ皆で朝食となったが、古泉は事の顛末を報告しないまま寝てしまっていた
らしく森さんに怒られたそうだ。もっとも機関からすればエージェントの中で今ハルヒがどういう状態に
あるのかを知っているのが古泉だけだったらしい。ちゃんと報告しておけばいいのに。
さて、俺の方はというと、みんなで朝食を食べているときに、昨夜起こった一部始終を皆に話し、
イライラの原因は何かと話していると、ハルヒが即答した。
「有希とキョンをくっつけようとして、向こうにいるあたしが涼子に止められた。ってところかしら」
やっぱりそれか。ならまた今夜出勤しないといかんのか?まぁ、連れて行かなかった罰だって有希もいってたし、
行くチャンスはあるだろうけど…古泉、俺にも給料出してくれ。
「あなたが正式に機関に所属するならいくらでも出てきますよ。それに、閉鎖空間に入れることが
昨日はっきりしましたしね。あなたの力なら、一回につきかなりの高額が支給されるはずです」
そういわれてしまったら迷うな…懐の中が寂しくなったら考えてみよう。
ジョン、昨夜は夜で向こうの世界の俺たちが寝てたからいいんだが、今みたいに昼間出たらどうする?
『単純だ。入れ替えじゃなく、移動にすればいいだけ。閉鎖空間だし、見つけることなんて無理だよ』
それもそうだな。その後、俺はジョンと受験勉強していないといけないし、長門がゲームに夢中だし、
俺たち二人を除く3人でカラオケやボーリング、ビリヤード、卓球など色々遊んで周りながら、
街の違いや、古泉や朝比奈さんのこと、ハルヒが自分でこっちに来て何をしたかったのか思い出そうと
いう話になった。ハルヒたちは昼食は食べてくるようだ。が、長門がこの状態である以上、長門の料理
にはありつけそうにないので、朝比奈さんが二人分の食事を用意してくれた。広いリビングで静かに
勉強するのも、悪くない。長門もヘッドホンを付けて音が俺の所まで聞こえない様に配慮してくれた。
翌朝、いち早く起きたあたしは、すぐに朝食の準備に入った。続いて出てきた朝倉、
みくるちゃんに手伝ってもらい、朝食の準備ができたのに、キョンと古泉君、有希が起きて来ない。
みくるちゃんが様子を見に行って出てきたら、有希は当然寝不足、後の二人は、首が変な角度で固まっている。
どうしたの?二人とも。
「いや…俺、寝相はいい方じゃないんだけど、今日みたいに寝違えたのは初めてだ」
「僕も似たようなもんです。すみません、何もお手伝いできなくて」
いいわよ、気にしなくて。片付けの方をやってもらえばいいわ。
「でも、昨日から涼宮さんに頼りっきりね。このままここで皆で過ごしたいくらいだわ」
「あの料理は一生忘れられそうにないな。またこっちの世界に来てくれよ」
そんなこと言ったって、どうやってきたか分からないし…まぁ、冷めないうちに食べましょ。
『いただきます』
「昨日と変わらず、一品ごとに完成度が高くて、頭があがりません。先ほどの朝倉さんのセリフでは
ないですが、是非ともまたきてほしいですね」
「涼宮さんがいるうちに料理のコツを教わっておきたいです」
古泉君もみくるちゃんも大袈裟よ。それより、みんな土日の予定って決まっているの?
「特に決まってないな、たまにハルヒが野球大会だとかいって谷口たちも巻き込んでやったりとか、
みんなで、カラオケとかでも盛り上がったりとか。あとは近所の散策とかな。でも、一番多いのは
ここに集まって皆で食事して泊まること。有希も朝倉も朝比奈さんも独り暮らしだからな。多人数で
食べられるような食事作って皆で盛り上がっているよ」
「そうね…現在進行形であたしが不思議を目の当たりにしてるし…色々遊びながらみんなのことも
知りたいわ。じゃあ今日も明日も遊び倒しましょう!!」
なんて充実してるのかしら。心の底からわくわくしてる。夕方だったけど、荷物取りに戻った時は、
建物の変化もあまりなかった。不思議探索ツアーはやる意味がなさそう。徹底的に遊んでやるんだから。
朝倉と話し合って、キョンは受験勉強、有希はゲーム。残り四人で遊びまくった。自然と朝倉のこと
を涼子!と呼ぶようになり、みくるちゃんは相変わらず泣いてばっかり。でもボーリングやらせたら連
続ストライク!!みくるちゃんがあたしのスコア上回ったの初めてだったわ。
そういえば、みくるちゃん見て思い出したけど、こっちでの文化祭どうしていたんだろ?
「それでしたら、光陽院学園にいたころは僕と涼宮さんの二人だけで映画撮影。段ボールでロボットを
作りました。それ使って映画作ってみましたが、結局お蔵入り、去年はステージでオリジナル曲を
演奏していましたね」
意外だなそういうところはあんまり変わらないのね。こっちでも、一年では映画撮影、二年ではライブ
をやって体育館中の注目を集めてた。有希のギターが凄かったからな…
色々はしゃいでいるうちに日も暮れて、有希の部屋に戻った。異世界だから関係ないとはいえ、有希と
キョンがあんなにくっついているのは何か嫌!そりゃあ、あたしだって、この世界のあたしだって、
『恋愛感情は精神病の一種』というところは変わらない。でも、キョンだけは違う。二人のあたしに
きっかけを作ってくれた人。一年の四月から十二月までの分だけ、あたしの方がキョンといる時間が
多いからかな。有希をみて羨ましいと思うのは…あたしは、キョンのことが……。あーもう!
早く元に戻らないかな…。そうだ。光陽院学園の服持って帰ろう。
何か一つ、あたしがここにいたいって思うものを持って帰りたい。
元の世界にいるあたしだって、同じこと考えるだろうし。早く会いたいよ、キョン。
結局その日は有希との対戦ゲームをせず、制服姿で寝た。みくるちゃんと涼子に理由を聞かれたけど、
寝てる間に元に戻ってるなんてことになりかねないわ。
『キョン、起きろ!また出たぞ』
だろうな、古泉、機関に連絡しておいてくれ。俺はその間にハルヒと有希を起こす。「わかりました」
ハルヒと有希を起こし、ジョンが異世界へ転送した。っておい、ジョンまたこれかよ!
『ごめんごめん、すっかり忘れてたよ。でも、キョンなら問題ないだろ?』ったく…っておいハルヒ、
なんでそんなに楽しそうなんだ?
「自分がいた世界でも、今みたいに異世界へ飛びこんで来たなって感じで、面白いじゃない」
それはいいけど、このまま落下したら地面に激突するのに、なんでそんなに面白がってるんだ?
「あんたがちゃんと導いてくれるんでしょう?あたしのこともみんなのことも」
そういってもらえると嬉しいな。俺とは十二月のあの数時間しか、このハルヒと会ってないのにな。
戦いたいと言ってたことだし、ハルヒの腕を掴み俺と同じコーティングを施し、超能力のエネルギーを
三分の一ほど分けた。その後閉鎖空間を作り古泉も飛べるようにした。
「何これ、どうなっているの?」
俺の力を三分の一ほど分けた。空を飛ぶこともできるはずだ。それから、ナイフや弾丸をはじき返し、
身体能力をUPするコーティングをした。これでハルヒも戦えるはずだ。エネルギー残量だけは注意
してろよ。浮いて高いところにいると、エネルギーが切れた瞬間に地面に激突するからな。
と説明すると、俺がハルヒの腕を掴んで、ハルヒを引っ張りあげていた状態だったのが、次第に力を
込める必要が無くなり、俺が腕を放しても大丈夫なように宙に浮いている。俺の場合、最初は変な声
だしていたり、天井に頭をぶつけたりとかなり苦労したんだけどな…身体的センス抜群だよ、全く
「そぉ?そういってくれると嬉しい。はやく神人っていうの見てみたいわ」
じゃあ、長門と古泉で大きいところから回ってくれ、俺はハルヒと神人の紹介と戦闘のレクチャーだな
「わかった」「了解しました」二人がそれぞればらけた後、発生している閉鎖空間に入る。
「これが閉鎖空間か…一灰色の世界。こんな世界をあっちのあたしが作ってるのね」
それと、向こうにいる青白い巨人が神人だ。近くによって見ようぜ。どうせ倒さなくちゃならないしな。
「建物をあんなに簡単に潰してる、こんなの倒せるの?」
なら…少し見てろ。神人が三体集まっているうちの一体に後ろから肩を叩いた。神人が振り向いた
ところに右ストレートをおみまいした。つられて他の二体も倒れ、倒れたところに人差し指から
本当に読みやすくしようと心掛けているのか?
機械的にレス分割してるだろ、これ。
文をぶったぎりとか、何も考えてないとしか思えん。
1レスに詰め込み過ぎ。
1文が長過ぎ。
結果、作品も長過ぎ。
>>106 連投くんにはもう何をいっても無駄だと思うよ。
多分日付代わったら君に対しての文句が書き込まれて場が荒れるだけだよ
・アドバイスを求めてながら活かしているフシが全くない
・長時間スレを専有していつ終わるか知れないSSを投下
・キャラクターを全く理解していない内容
これだけ揃っているから最近は見かけたらIDで消してるわ
投下するのは自由だと擁護したかつての俺を殴りたい
レーザーを発射し上から下へと三体を縦に切り裂き、一気に仕留めた。
「ちょっとキョン、いくらなんでも早すぎるわよ!少ししか参考にならなかったじゃない!」
悪い悪い。それだけの力がハルヒにもついてると思ってくれればいいよ。次のところいこうぜ。
「キョン、今すごい楽しい。自分の力で空飛んでる。街を壊していく神人を倒そうだなんて!」
これから倒すのにもう面白がってどうすんだよ。ほれ、次のあの二体ハルヒ一人でやってみな。
いい終わる前に舞空術のスピードを上げ、真正面から神人に突っ込んでいった。一体に対し、殴る蹴る
を数回行うと力加減がわかったらしい。次の瞬間バスッっと音がして手刀で腹部を切り裂いた。直後、
もう一体に掴まれたハルヒに、俺が腕を切って援護する。「ちょっと!手ださないでよ」といわれて
しまった。じゃあ心配させるような状況作るなよ。
「誰に向かってモノ言ってるの?あたしはSOS団団長よ!ちょうどいいわ、今閃いた技で仕留める」
そういって神人の肩くらいまで上昇すると、『回転連舞』と囁き、フィギュアスケート選手のように回転し、
かかとで胸部を、手刀で首を、ポニーテールの髪の毛で頭部を刎ねた。まさか髪まで武器にしてしまうとは思わなかった。
俺たちが知るハルヒではこれはできないな。俺は呆然としていた。閉鎖空間の天井が避けて元に戻る。じゃあ、後は別れてやろう。
おもっきり楽しんでこい。「わかった」
とはいえ、ほとんど古泉と長門が片付けていたため、ハルヒの出番はほとんどなく、そのまま全て潰してしまった。
「ん〜もうちょっとやりたかったわね」とハルヒが悔やんでいた。
発生源がハルヒのイライラなんだからあんまり発生してもらっても困るのだが…テレポートで長門の部屋に戻り
元の世界に戻って俺たちは寝床についた。
日曜日、今日目覚めても横にいるのはみくるちゃんと涼子、キョンは相変わらずぽっちゃり…
いえ、あたしの世界のキョンが筋肉ばっかりで脂肪率なさそうなのか。あたしも鍛えている方だけど…
性別はどうあれ、走るのもキョンが早かったし。とりあえず制服を脱いで私服に着替えて朝食の準備
を始めた。作りながら今日の予定について考えていたけど、外にでても元の世界とほとんど変わらない
し、六人で話している方がまだ、あたしの知らない相違点が見つかるかもしれない。制服も、こっちの
世界のあたしに伝えてもらおう。
『記念にちょうだい!もし駄目だったら次に入れ替わったときに返すから』ってね。
みんなが起きて来て、涼子とみくるちゃんに手伝いをしてもらった。昨日に引き続き、今日もキョンと
古泉君は寝違えた見たい。有希もなぜかキョンたちと同じ状態になっていた。これじゃ外に出れそうに
ないわね。丁度いいかも知れないわ。みんなでゆっくり休むのも悪くない。キョンは勉強だけどね。
「それにしても、ハルヒはいつになったら戻れるんだ?これだけ料理が上手いとずっとここにいて
ほしいくらいなんだが…俺たちの世界のハルヒが向こうでどうしているのかも心配だしな」
「僕もそうですね。ボードゲームで負けたっきりやってないんですから。勝ち逃げは駄目ですよ?」
そういってくれるのはあたしも嬉しいんだけど…あ!涼子のおでん一度食べてみたい。
「じゃあ、わたしだけコンビニの弁当を……」
「長門さ〜ん?…あなた、わたしが作った料理食べたくないって言うの?」
笑顔と殺気が入り混じっている。有希はそんなになるほどおでんを食べさせられたのかな。
とりあえず一日のやることは決まったし、寝るときは光陽院の制服着るんだ。皆にみせてやらなきゃ。
俺が目を覚ましたときにはみんな既に起きていた。古泉も夜中に散々起こされてるし、長門は論外、
ハルヒくらいは寝不足とか、筋肉痛とかないものかと思っていたのだが、
そんなそぶりが全く感じられない。元気が有り余っているのはいいんだが、今日何するとか決めているのか?
「これと言ってしたいってことはないんだけど、昨日の閉鎖空間がちょっと物足りない感じ。
あと…あるとすれば、何か記念に向こうの世界に持ち帰りたい。多分今あっちにいるあたしも
同じこと考えてると思うわ。ただ…何持って行こうか全然決められなくて…」
「一つ思い当たるものがある、30秒ほど時間くれるか?」
「ええ、いいわよ。何持ってくるの?」みればわかるさ。…30秒後
「部室行ってコンピ研から勝ち取ったノートパソコンだ。あっちの有希の家テレポートしたときに
カーテンの前に本がピラミッドのように置かれていたからな。
向こうの有希に言ってくれ、調べることはサイトで調べて、攻略本なんか売ってしまえってな
2つ持ってきたから、1つはこっちの有希の分。向こうの有希みたいにならないようにな」
「わかった、ネット環境を整える」
長門はどこぞの会社と契約したわけでもないのに既に装備の作り方や戦い方などを調べていた。
「有希の寝室はいったわけじゃないのによく分かるわね。たしかにこれがあれば有希の本棚からゲーム
本を捨てられそうね。でも貰っていいの?何万もするんじゃないの?」
驚きと喜びが入り混じったような表情を浮かべているハルヒ。
「コンピ研から勝ち取って以降、一年半くらいか、ずっと置きっぱなしで誰も使わないからな。
だったら、向こうの有希に使ってもらった方がいいよ。次の機会までに自分で持っていきたい物を考えてメモしておけばいい。それに、こっちきたときに何がしたいかちゃんと書いとけよ」
「キョン!」といって飛び込んできた。「おいおい、恋愛感情は精神病の一種じゃないのか?」
「この世界のあたしがあんただけ特別な理由がよくわかった。精神病でもかまわない。みくるちゃんと
一緒に未来からやってきたあなたと出会った。高一の冬あたしの前に現れたあなたが自分は異世界人
だと名乗った。それからずっとあなたが気になって仕方なかった。この世界につれて来てくれて
ありがとう」
そういうと、俺の頬にハルヒが口づけをした。そのあと、長門が今日は休みだと告げ、俺は勉強せずに
ハルヒ達と会話したり、ゲームしてみたりと一日中遊びつくした。午後には荷物を入れ替えるため、
長門以外の全員がいったん家にもどり、制服や教科書、ノートなど、ハイキングコースを乗り切るため
の軽装をした。また、夕食を豪勢にするため、スーパーで買い物をして長門の部屋へと戻った。
「じゃあ、ハルヒの世界のSOS団発展を願って『かんぱ〜い』」
今日はアルコールを入れていたので、当然酒に弱い朝比奈さんと古泉を見てハルヒが驚いた。服を脱ぎだす古泉に唖然としている。この酒癖が悪いのなんとかしないといくら面が良くても、この姿みたら一気にさめるだろうな。
『キョン、夜中に起きないといけないと思ってセーブしてるみたいだけど、
俺が前出て入れ替えるから遠慮しないで飲んでいいんだぞ』
それは嬉しい提案だな。でもちゃんと入れ替わるか確認したいしハルヒを見送りたい『わかった』
そして…
「みんな、あたしの我儘に付き合ってくれてありがとう。また来るかもしれないけど、元気でね!」
自然と拍手が上がった。「お待ちしていますよ」「今度はわたしが向こうへ行く」「さようなら」
数時間後、二人のハルヒの入れ替わりが行われた。ゲッ!こいつ光陽院学園の制服着てやがる。
今までこっちにいたハルヒと考えることホント同じだったな。明日は驚いた振りしておこう。
翌朝月曜日、一番最初に起きたハルヒは、朝倉が有希に代わっていることに気付いた。「もしかして」
と思いリビングにでた。前にはなかったはずのテレビやゲームが目に映る。
「また違う異世界にきちゃったのかしら?早く元の世界に戻りたいのに!」
次々と起きてくるメンバーが驚く。元には戻っているが、まさか光陽院学園の制服を着ているとは
思っていなかったらしく、とりあえず「おかえりなさい」と告げ、ハルヒが元の世界に戻ってきたことを伝えた。
「よかった…みんなに話したいこといっぱいあるんだけど、時間もないしとりあえず朝の支度しましょ」
そして、遅れて起きた俺はというと、「お、ハルヒおかえり、元気してたか?」「キョン!」
「もう、向こうの世界じゃ涼子がキョンと有希をくっつける作戦に参加させられて、
こうやって腕つかんだり出来なくてイライラしっぱなしよ。あたし駄目だわ、精神病でもいい。
キョンが好き。今日の夜からずっと泊めて!勉強もあたしが見るから!」
「おや、朝から大胆発言ですね。ですが、涼宮さん時間もあまりありませんから後にしませんか?」
「それもそうね。でも何で光陽院学園の制服着てても驚かないのよ!?」
そりゃあ、あれだ、おまえと入れ替わりに来てたハルヒが色々教えてくれてな。今は北高だけど、
元々は古泉と一緒に光陽院学園に行ってたってな。それに、昨日、何か一つ、ここに来た記念に
何か持ち帰りたい。もう一人の自分も同じこと考えるだろうってな。
「それで、何渡したの?」
向こうのハルヒの話で、長門がゲーム好きで攻略本が山ほどあるっていうから、
部室に四台あるノートパソコンのうち一台を持たせたよ。有希の本がそれで収まればいいんだがな。
お前も見たんだろ?
「そうね、片付けなさいよ!って言ったのに、本棚が攻略本でいっぱいだから…っていってたわ。
あ!キョンあんた、あたしより先に不思議体験してんじゃないわよ!
あんたが向こうの世界に行ってたこと古泉君から聞いたんだから。一年の十二月の終わりごろ、寝ていたあんたの寝言が
『ハルヒが転校してくるーー!?』っていうのがようやく納得がいったわ。どうやっていったのか
教えなさい!夫婦に秘密があっちゃいけないわ!!」
おまえと一緒だ、いつの間にか向こうの世界に行ってて俺の後ろの席が朝倉になっているわ、
長門はおまえが見てきたとおりの性格になっているわ、朝比奈さんと鶴屋さんとは初対面になっているわ…
それで谷口からハルヒの居場所聞き出して、帰り道で張ってたらおまえと古泉にあった。
ん??おいちょっとまて、夫婦ってなんだ!
「あんたの誕生日過ぎたら結婚したいってことよ!何か問題でもあるわけ?」
「問題ない」と長門調で言ってみた。とにかく部室のときに話すぞ。おまえら呆然としてないで
早く支度しろって俺が一番できてねぇ。有希、朝比奈さんすまん。折角作ってくれた朝食を
味わいながら食べることを許してほしい。朝比奈さんのお弁当をもって四人で学校へ急いだ、
俺が自転車を置いたところでハルヒがくっついて来る。おいおい、急ぐんじゃないのかよ。
長門と古泉からどんどん離されているぞ。腕組むのは帰りにして今は急ごうぜ。「しょうがないわね」
四人で急いで入り、チャイムギリギリで席に着くことができた。四月なのにこんなに汗かくとは
おもわなかった。それぞれで息をつき、岡部がやって来てHRとなった。授業をちゃんと
聞いてないといけないとは思うのだが、ジョンと話す時間にもってこいだ。
「ジョン、向こうの様子どうなってる?」
『涼宮ハルヒが長門有希にパソコン渡して攻略本は古本屋に全部売り飛ばすそうだ。一番最初に起きた
朝倉涼子が、涼宮ハルヒが元に戻っているのとなんでノートパソコンを抱いてねているのか謎だと
話していたけどな。
「向こうのキョン君からのプレゼントなんだから、早くネット回線つないで、大事にしなきゃね」
なんて朝倉涼子が言ってた。あとは、話したいことが色々あるけどとりあえず学校へ行かなきゃって
ことになったよ。こっちと同じだな』
それにしても、今朝は驚いた。告白とプロポーズ同時に受けるとは思ってなかった。そんなに
向こうの俺と有希の関係が羨ましかったのか…後で古泉と相談だが、毎晩あれだけの閉鎖空間
出していたら、持たないぞ。ハルヒの取り換えは考えた方がいいかも知れない
『そこは臨機応変に対応でいいと思うよ。二泊三日はだめでも一泊ならキョンと古泉一樹と向こうの
ハルヒで戦えばすぐに住む。向こうのハルヒの願望にも答えられるしね。あとは、長門有希が向こうに
行きたがっている。向こうの世界のキョンと長門有希の関係が羨ましいようだな』
「向こうの有希とほとんど話せなかったからな。次は有希がいいかな?」
『そうだな、そういうのも悪くない』
そして放課後、長門、古泉と今後誰を入れ替えるかなどと話していると、バンと扉が開き、当然とんな音を立てて入って来るやつなんてハルヒしかいないのだが…
「みんな、朗報よ!」おまえがいう朗報でよかったことあったか?
「新入部員連れてきたわ!」新入部員?
「即戦力の新入部員、ほら、恥ずかしがってないで入りなさいよ」
ハルヒの力に負けて扉から入ってきたのは、朝倉だった。おいおい、俺は、デビなんとか星の
王位継承者候補じゃないんだが…?殺人犯とターゲットが横に並んだ状態になってどうする。
いつでも殺せる位置になっているではないか。常にコーティングしておこう…。油断大敵だ。
しかしどうして朝倉を連れて来たんだ?
「フフン、向こうの世界にいったとき、最後の食事は涼子の作ったおでんだったんだけど、
それがめちゃくちゃ美味かったのよ。向こうの有希が頼むからおでん以外のものにして
なんて言わせる位だったわ。こっちの世界の涼子がどうか知らないけど…とりあえず、
新規加入、団員その伍 朝倉涼子よ。みんなよろしく!」
そのあとハルヒの体験談からこっちでの様子、長門の部屋に家具が増えた理由とゲームに励んで
いる理由、ハルヒのポニーテールを見て古泉が驚いていたこといろんな話が飛び出て来た。
ハルヒはもう一度伸ばす宣言をしていた。
周りに見られない様に朝倉からルーズリーフの切れ端を渡してきた。内容は、
『よくわからずに加入させられちゃったけど、とりあえず、ありがと』
朝倉にもようやく嬉しい気持ちが入ったか。これで一緒に遊ぶことで、少しずつ長門の気持ちが
分かるようになってくれればいいと思う。正式な団員として認められたんだ。羨ましいとか悔しい
なんて気持ちも少しは軽減されるだろう。
話をしだしたら止まらなくなってしまい、有希がゲームに夢中になっていて、時間に気付いた古泉が
帰り支度をして、回り全員を促した。いろいろ話したせいで今まで忘れていたがハルヒが今日から
泊まりに来ることすっかり忘れていた。みんなと別れた後、ハルヒを自転車に乗せて家まで送り、
準備してでてくるのを待った。昨日の荷物移動で泊まるために必要なものはまとめて置いてあった
らしく大した時間もかからずにハルヒが出てきた。そのまま俺の家に帰って親に説明、学年ベスト10
入りしているハルヒが泊まり込みで家庭教師をしてくれるんだ。異論はないだろう。
ハルヒが夕食の支度をしている間にジョンと話をしていた。強引にとはいえ、家庭教師に立候補
してくれたのはありがたいのだが、ジョンが暇になってしまう。告白どころかプロポーズまでされて
しまったからな…ジョン、どう思う?
『簡単さ、俺があっちの世界のキョンを手伝いに行くだけだ。たまにこっちにもくるから、
また入れ替わりたいなんて出てきたら言ってくれればいい』
すまんな。ずっと教えてもらっていたのに、こんな形になるなんて…
『いいじゃないか、キョンが俺のこと相棒って呼んでくれるように、キョンに一生連れ添ってくれる人
が現れたんだ。あっちに行っててもしかしたら式には参加できないかもしれないが、先に言っておくよ。
キョン、結婚おめでとう』
ああ、ありがとうジョン。『じゃあ、またね。何かあったら夢で会おう』
ジョンは向こうの世界へと戻っていった。
「…ョン。ちょっとキョン!んもう、またどっか行ってる!夕飯できたわよ。食べましょ」
久しぶりのハルヒの食事が食べられる。まさか、料理ができないハルヒになるとは思ってなかったしな。
当然家族は目を丸くしている。こんな食事が一生食べられるんだ、少しはありがたく思ってくれ
そのあとすぐ、ハルヒは俺の勉強に付き合ってくれた。難問にぶつかる度にさりげなくアドバイスを
してくれ、俺が自分で解くようにヒントを少しずつ出してくれた。一日色々あっただけに疲労し眠気
が襲ってきた。ハルヒにそれを伝えて二人で寝ることにした。
「この三日間、ずーっと有希とキョンの関係見させられて、イライラし続けてたわ。向こうの世界に
いる間キョンに抱かれたいってのどから手が出るくらいだったわよ。
だからもうあたしを一人にしないで!ずっとあたしだけ見てて!キョンがいないと駄目なのよ!」
「朝も大胆発言だったけど、今もそうだな。向こうの世界行って羨ましい思いだけして帰ってきたって
感じだ。家庭教師の授業料が、そんな簡単なことならお安い御用さ。いくらでもやってやる。
朝倉入れて六人で同じ大学行くんだ。ハードでいい。その分、終わったらハルヒに苦しいって言われ
るくらいだきしめてやる。手を繋いでほしいなら学校行く時でもいくらでも繋いでやる。
抱いて欲しけりゃ隅々まで愛してやる。嫌だって言っても触れ合っているから覚悟しとけ。
俺の人生はハルヒと一緒に歩むと決めたんだ。おまえの意のまま真っ直ぐ突き進め」
「嬉しい。ありがとう。改めてこれからもよろしくね、キョン」
「ああ、俺たちの夫婦生活のスタートだ」
おしまい
猫は雨や水が嫌いなイメージあるけどぬこハルヒはどうかな
文句をいいながらも飛び出していって、
帰ったあともやっぱり文句を言ってそう
久々の日差しだよハルヒ
夕立ちでずぶ濡れになったハルヒが見たい
夕立で濡れてスケスケハルヒ
慌ててハルヒの頭からブレザーを被せるキョン
こんにちは、前回投下させていたストーリーの続きを
スレッド別162の方に投下致しました。
前々から温めていたものを
>>106様のご指摘を踏まえ、
自分なりに訂正してみました。
OC有り、朝倉による虐殺シーンあり、微エロありの作品ですが、
お時間がありましたら読んでいただけると幸いです。
何卒よろしくお願いします。
やっぱり雨降ってきたよハルヒ
>>119 どっちかというと
キョン「実にエロくて可愛い…。情熱を、持て余す」
そしてハルヒに感付かれて殴られる
お前らひどい奴ばっかりだな。
そんなにハルヒのずぶ濡れ姿を見たいのかよ(棒)
ずぶ濡れで帰ってきたハルヒの頭をバスタオルでわしゃわしゃ拭きたい。
ハルヒの使ったタオルくんかくんか
残念だったな。ハルヒなら俺の家でシャワー浴びてるよ。
>>126 なんかお前んちのハルヒフィギュア濡れてるんだが
キョン「気のせいか首が苦しい」
w
>>120 毎度お疲れ様
細かい所はいいと思う
でもやっぱり長い…かな
日常風景とかも勿論大事だと思うんだが、説明や間に一息入れる程度でいいんじゃないか
まずは物語のあらすじを書いてみて、そこを修正したり肉付けしてから書くといいと思う
そうやった方が全体の話が面白くはなる
あと、改行は段落の節目で切ってね。
>>130 もうこいつにコメントするのやめろよ
ここはSSの練習場所じゃない
キャラへの愛もない、面白くもない、やたらと長いSS垂れ流されてうんざりしてるんだ
>>131 ただ長いだけの投下でも、荒れるコメントよりはいいと思うぞ
自分が読みたいのとは違う内容の投下が嫌なら
スレではSSをNGして、SSはまとめで好きなのだけを読めば解決じゃん
雨上がったよ!
ハルヒのおかげだね。
>>130>>132 連投くん庇護とかオマエラ人間として終わってるな
民主党とか韓国庇護してる売国奴と同レベルだな
こういうバカよりは遥かにマシだな
オリジナリティを否定し、画一的なスレを目指し、オマケに使い古された手段で荒らす
俺は連投君よりも追放君の方が生理的に嫌です
頼むからコテハン付けてください
どちらも黙ってIDでローカルあぼーんするんだ
そうすれば目に入らなくなるだろ?
今日は蒸し暑いよハルヒ
不快指数が高いな。
イライラが爆発しないように気をつけないと。
暑いとキョンにくっ付けないからな。
汗でべっとりになってるハルヒのパシリになってジュース買ってきたい
まあ、枯れ木も山の賑わいと言うしいいんじゃね
見たくなければスルーすればいいしさ
DAT落ちは迷惑
2スレ連続容量オーバーしかもただ長いだけのSSに容量喰われてdat落ち
とかなった場合は連投に対してのルールなり考えないと駄目じゃないかね?
145 :
120:2014/06/10(火) 22:31:35.72 ID:/SCvuzu50
こんにちは
ご指摘いただいた方ありがとうございます。
まだまだ私も足りないところがあり、皆様に同じことを言わせてしまって
大変申し訳ありません。
今回は7レス分にまとめてみました。よろしくお願いします。
夏休みをイベントの毎日を送った俺たちだったが、九月以降は平穏な毎日であった。
当然部活でも何事もなく俺は古泉と一緒にボードゲームに明け暮れていた。
当然、そんな生活は退屈で仕方ないという奴が一人いるわけで…、駆け足と共に扉が開く。
入って早々の第一声、「みんな、これ出るわよ!」
振り返って見なくても分かる。ハルヒは満面の笑みをしていた。
「やっほーっ!みんないるっさねっ!熱心に部活に取り組んでいるのはいいことにょろ〜」
鶴屋さんまで連れて来て何をするのかと思ったら、
今週末日曜日に都内の体育館で開催するバレーボール大会に出るらしい。
去年の野球大会に出ると言いだしたのが、直前の金曜日だったが、
今日は月曜日、そしてバレーに必要な人数の六人目をつれてきているので、ハルヒにしては上出来だ。
「配置も全部決めてあるから、これ見ておいてね。わかったところで、体育館に行くわよ!」
見ておいてね、の紙を見せられても、おそらくコートの中のキに○がついたのが俺のことなのだろう。
まず第一バレーボール経験者が何人いるか調べてからポジションを決めるべきではないのか?
「いえ、決してそういうわけでもありません。涼宮さんのこの配置、僕ら六人で最も攻撃的な配置と
いえるでしょう。」
だから、なんで紙見ただけで攻撃的配置だといえるのか説明してくれ。
「バレーについてはどのくらいご存じですか?」
三回より多い回数で触ったらダメってことと、コート内にボールを落としたら駄目ってことくらいか。
「では、サーブの順番とポジションの役割からですね。右下に涼宮さんの『ハ』と書いてあります。
この位置から反時計まわりにサーブを打っていきます。その回るタイミングですが、
まず、涼宮さんのサーブが、相手からの攻撃を受けてこちらが失点してしまうと、
相手にサーブ権が移ります。逆に、相手のサーブでこちらが得点すると、ようやくここで、
ローテーションで一つずれて、長門さんのサーブになります」
長門のところについているSっていうのは何だ?
「セッターのことです。三球目で相手へ攻撃するために、打ちやすいボールを運ぶ仕事です。
因みにこの配置だと、鶴屋さんと涼宮さんがその攻撃役、僕ら二人は身長を活かして相手の攻撃を
ブロックする防御役、まぁ、そのシチュエーションに合わせて、僕らも攻撃することもあります。
まぁ、ここで解説しているより、実際の練習を見た方がいいでしょう。バレー部との交渉もすでに
してくれているようですしね」
というわけで、体育着に着替えて体育館へ移動、練習を見ながらルールや移動を覚え、
半面が空いている時間に、俺たちのレシーブ練習やフォーメーション確認をするようだ。
ハルヒも提案の仕方が随分と…いやようやくと言った方がいいだろう。まともになってきた。
すでに鶴屋さん、ハルヒ、ルールブックを読んで覚えた長門はバレー部の練習に参加していた。
古泉曰く、スパイク練習だそうだ。長門がボールを上げている。あれがセッターの仕事なんだろう。
時間も下校時間になるころ、試合形式での練習に入った。次々に進む試合に一つずつタイムと
叫びたい位なのだが、そんな訳にもいかない。
しかし、サーブを打つ方の立ち位置がどういうことになっているかが全く解らん。
前の二人は手を上にあげてネット付近に立っていてそのすぐ右後にコートを横に走る準備をしている。
その後ろはなんでそんなことをする必要があるのか、お互い手を握っている。
「あれは、自分たちのチームが一番攻撃のしやすい形にシフトするためです。
さっきのサーブのローテーションの話に戻りますが、立ち位置から、鶴屋さんと涼宮さんはレフト、
僕ら二人がセンター、朝比奈さんと長門さんがライトと呼ばれるポジションになるんです。
それぞれ、サーブを撃つ音がしたとき、レフトはセンターより右にはいけない、
同じく、センターはライトより右にはいけない。
当然逆も成り立ちます。そのルールを守った上で移動する距離を必要最小限とするのが、
彼女たちのさきほどのポジション取りになるわけです。
横に走った娘がレフトで攻撃する準備をするわけです」
…ローテーションやらポジションやら…これだけのことを覚えてそれぞれに合った動きをしろと…
バレーボール、恐るべし。それをあっさり頭に入れて練習に参加している長門はすごいもんだ全く
女子なのに…スパイク…だっけ?あんな勢いのあるものをレシーブせないかんのか。
だめだ、俺の頭がパンク寸前だ。古泉の説明も一つひとつは簡単だったが、
明日になったら全部忘れてそうだ。この頭、なんとかならんもんかね。
月曜日から始まり、金曜日まで練習に参加することになった。
ハルヒも鶴屋さんもさすがと言うべきスパイクの攻撃力、ハルヒがバレー部に勧誘されてる。
俺と朝比奈さんはというと、基本のレシーブをお互いやっているのだが、合わせて10回も続かず。
大丈夫か…これ。俺と朝比奈さんが穴になってるな…4人で頑張ってくれ。
「こぉら、キョン、みくるちゃん!そんな構え方じゃボールの勢いに負けちゃうじゃない!
しっかり構えなさい!」
しっかり構えろと言われても、どうしていいもやらわからん。朝比奈さんもあたふたしてるし。
「ったく、しょうがないわね、いい?まず左手の四本指に右手の四本指を上から乗せる。
それから左右の親指の側面を合わせる。最後に親指をキュッと下に向けると手首のあたりに
力がはいるはずよ。あとは、手首から肘までの間に、下敷を一枚乗せたような面ができると
想像しなさい。かまえた腕は絶対に動かさないこと。上下にも、左右にもね。
ボールが構えている位置に来ないときは足を動かしてそこまで行く。膝を使うことも忘れない」
うーむ、文句を言うだけでなくちゃんと丁寧に説明してくれた。ありがとうハルヒ先生
言われた通りの構え方をして、親指を下に向けた。なるほど、力が入る。
丁寧に教えてくれたハルヒや古泉に感謝しないとな。
そんな練習を5日間繰り返し当日を迎えることになった。もうちょっと練習時間が欲しかったな…
結構やってみると面白いもんだ。とりあえず、俺と朝比奈さんが足引っ張らないようにしないとな。
会場には、ママさんバレーが大多数、男女混合でもいいのかと思っていたが男子6人の大学のサークル
らしき人たちや小学校バレーの子たちまでいる。大人に交じって大丈夫なのか…?
小学生には負けたくないな…いくら初心者とは言え。
八チームでのトーナメント試合形式の一セットマッチ
ネットの高さは215cm。俺も古泉も手を上げただけで白帯より上に手が上がる。
少なくとも一戦はできるらしい。俺たちのチームの相手はママさんチームか。他のチームの試合
見ながら古泉に色々聞こうと思っていたんだが…願い叶わず所詮からゲームに参加することになった。
にしても、肘当てやら膝当て、ユニフォームもしっかり身にまといキャプテンらしき番号の下に
横線が入っている。ハルヒよ、せめて膝当てくらいは準備して欲しかった…。
キャプテン同士のサーブ権決め、やっぱりなと思った。ハルヒのサーブで開始のようだ。
互いに礼をして中央までいって握手した。ハルヒのサーブで試合開始と思ったら、
「みくるちゃん!居る場所違う!」
古泉より右下の位置に朝比奈さんがいた。
「え?でもわたしライトですよね?」
「それは前衛に行った時の話、今はキョンより左にいないと
あたしが撃った瞬間相手チームの得点になっちゃうじゃない!」
「ひえっ、すみません」
俺もそういう間違いやりかねん。ようやく試合開始のピーという笛が鳴った。俺からすれば早い球
のように思えたが、難なくレシーブされ、セッターからレフトにあがる。レフトからの攻撃、
古泉のブロックによってシャットアウトした。
しかし、古泉の奴なんであんなに相手より左にいるんだ??目の前ガラ空きだったのに…
読んだのか?相手の手を。ボードゲームが好きなクセして負けてばっかりの奴が?
と思っているうちにハルヒの第二球目、これも難なく取られ、先ほどと同様レフトから撃たれる。
「ワンチッ」「有希上げて!」長門が上げてハルヒのバックアタック、相手チームがボールを彼方へ
上げてしまい2−0…あぁ、古泉でもいいから誰か俺に説明してくれ。試合の流れに頭が追い付かん。
そんな時間は貰えずにハルヒの第三球目、同じようにレフトに上げる…ワンパターンだな。
今度はクロスではなくまっすぐ撃たれ、ハルヒがレシーブ。
「レフト来いっさ!」「センター!」長門が大きくレフトに上げた。当然相手もその時間にブロック
態勢に入る。鶴屋さんの攻撃も虚しく、ブロック三枚の餌食になってしまった。
相手のサーブは朝比奈さんめがけてやってくる。反応出来ない朝比奈さんが次々と点を落としていく。
さっきのポジションのやりとりで、朝比奈さんがマークされてしまったらしい。
すでに古泉と鶴屋さんが援護に回れるよう互いに寄った。
次のサーブでようやく長門のやや後ろへ上がった。
そのまま古泉に上げるかと思ったが、長門はそのままボールを相手コートに撃ち込んだ。
あまりの速さに周り中が唖然としている。
「ナイス有希」「やりましたね」「有希っこすごいっ!」「問題ない」
おーい、俺と朝比奈さんをカヤの外に出さないでくれ。頼むから。
とりあえず、ローテが一つ回って長門のサーブ、
長門の第一球、レーザー光線のようにボールの軌跡が白く光り、
相手の中央にいる人がレシーブするものの、そのまま後ろのバスケットゴールにあたり長門の得点。
これで3−8そこから長門の独壇場。長門がサーブを打つごとに得点がみるみるうちに追い上げていく。
相手もだいぶ慣れたらしく、どうにかこちらのコートに返すことに成功。
こなきゃいいのに、と思いながら、やっぱりねと俺のところにまっすぐボールが飛んできた。
長門のところへ大きく上げるイメージをしっかりもってレシーブ。
「来いにょろ〜」「A!」とそれぞれ叫ぶ。おいおい古泉そんなに早くジャンプしたら
ネット越えられないだろと思っていると、古泉の手に引き寄せられるかの如く
長門の絶好のトスで点を決めた。今のは何だ??ピー何もしてないのに笛が鳴る。
「タイムアウトですよ。一旦戻りましょう」
「古泉、さっきの何?それよかこれまでのプレー全て実況してほしいんだが…」
「さっきのはAクイック、バレーボールの速攻技です。
セッターのボールに合わせてスパイクしに行くのではなく、
長門さんが僕のジャンプに合わせてくれた互いのことを信頼してないと出来ないようなプレーです。
今のはほとんど長門さんの功績といえるでしょう。
おっと、時間のようですねコートに戻りましょう」
そんな上級技をやったのか、長門のやつ。初心者か?ホントに。
その長門はといえば鶴屋さんとひそひそ話「わかった」の声が聞こえて話終了。何がわかったんだ?
続く長門のサーブ、サーブレシーブでは攻撃できないと見たのか相手から一本で返ってきた。
古泉がそれをふわりと上げて長門につなぐ。
「来いにょろ〜」なんか力の抜ける語尾だが、本人はいたって真剣、満面の笑顔に八重歯が光っていた。
さっきのようなブロックを寄せ付けるようなトスではなかった。
地面と平行に長門がジャンプトスを上げ、
次の瞬間には鶴屋さんがスパイクを打ち終えコートに叩き付けていた。点数は10−8。
長門や鶴屋さんや古泉がいれば勝てる気がしてきた。
まだまだ続く長門のサーブ、相手も一球目で返すのがやっとだ。ハルヒの叫び声が聞こえる
「みくるちゃんアウト!」「ほぇ?」ハルヒに呼ばれて後ろを向いた瞬間、頬にボールが当たった。
当然そのまま床に落ち、長門のサーブ終了。
「みくるちゃん、コートの外側に落ちそうなボールは避けなきゃダメ!いい?」
「気をつけます……」
相手のサーブはまたしても朝比奈さんに狙いを定める。鶴屋さんと俺が朝比奈さんに寄った。
「キョン、あんたはインかアウトかジャッジすればいいの。みくるちゃんの所に来たら、
サイドラインに寄って線より内側ならインでボールをあんたが取る。外側ならアウトって叫んで」
「わかった」
長門のセリフじゃないが、これ以上言いようがない。相手もローテしてサーブを打つ人が変わった。
ドンピシャで朝比奈さんを狙ってくる。その上に威力があるんじゃ、朝比奈さんじゃ取れない。
何本も同じサーブをうたれどんどん点差が開いて行く。俺の横の奴がだんだんイライラしている。
タイムアウトを取ってもらうようハルヒに進言した。
「みくるちゃん、あんなに何本も狙われたら一球くらいとれるでしょ」
「ひぇっ…すいません……自分でも悔しいんですけど………思った通りにできなくて、
わたしのせいでどんどん点差が開いちゃいました。ごめんなさいぃ……」
まいったな。こうも正確に朝比奈さん目掛けて撃たれたらハルヒも長門も古泉も手が出せん。仕方ない。
「朝比奈さん、次、すぐ左に逃げてください」とハルヒに聞こえない様に言った。
ドンピシャでくるならあとは威力おさえればいいだろ。と思ってたら俺も負けそうな勢いだ。
何とか上げられたが長門は間に合いそうにない、すると古泉が俺に向かって俺がレシーブした
ボールを戻してきた。「キョン!!撃って!!」なんか良くわからんが、
さっきのハルヒみたいにすればいいんだろ。タ、タンとステップを踏んで相手コートに打ち返す。
ネット越えることだけを念頭に叩き込みスパイクを打つ。
相手コートに入れる。簡単に上げられ攻撃になるも、古泉のブロックで撃墜した。
点数は11−21、ハルヒのイライラゲージをいち早く察知した男がサーブの準備に入る。
前にでて手を上げながら古泉のサーブの威力を見る。ん?何してんだあいつ…ボールをそんなに高く
あげて大丈夫か?と思ったら、そのままジャンプサーブしやがった。相手プレイヤーがさわって
こっちのコートに戻ってくる球を俺が下へ落として一点追加。あの白いテープには絶対触れるなって
さんざんハルヒに言われてたからな。そういや古泉のジャンプサーブ、
どっかで見たことあると思ったら巨大カマドウマ倒したときにやってたやつだ。
中学でバレーやってたのかね。あいつ。
道理で詳しいわけだ。さて、古泉、付き合うぜそのイライラゲージ対策。
サーブが朝比奈さんに回った時点でアウトだ。最低でも鶴屋さんのところで仕留めないと。
古泉の第二球、渾身の球がエンドラインすれすれに落ちた。さすが、気合入ってる。
第三球は相手につながれるも、先ほどまで見ていたようにすればいいんだろ。
あの古泉の飛ぶ位置がなんであそこだったのかようやくわかったよ。
クロスに撃たれて俺や朝比奈さんにレシーブさせるより、
ストレートに撃たせてハルヒのレシーブの方がいいってわけだ。
前後入れ替わっていまならどこに撃たれても大丈夫。俺はブロックでシャットアウトを狙うのみ。
ボールは俺にあたり、古泉が拾って
「涼宮さん!!」と叫ぶ。舌を上に出してにこやかにしてんじゃねえよ。この気分屋が。
そんな顔してるんならちゃんと決めろよ、団長さん。ハルヒのバックアタックは
相手のセンタープレイヤーの手に弾かれたが、勢いそのままに相手コートのエンドラインを越えアウト。
相手に追い付くにはまだまだ足りない。やれるだけブロックしてやる。撃て古泉。
勢いに乗りたい第四球目、向かって左後方にいた選手がレシーブしたが、
一球目でこちらに入ってくるボールを俺がシャットアウト、
前衛にいたセッターが床ギリギリで何とか真上に上げた。
もう一回ジャンプしてボールに触れたところで審判の笛が鳴った。
俺が白帯に触れていたらしい。みんな、すまん。
「大したことないにょろ」「惜しかったですね」「初心者にしちゃ十分よ」「問題ない」
朝比奈さんは何で俺が皆に謝っているのかわかってないらしい。
とはいえ、スコア13−22、もうミスは許されない。さっきの相手のサーブは強い上に正確で止められ
なかったが、今度の選手はどう来るか…俺たちのフォーメーションは朝比奈さんがど真ん中、
俺のすぐ後ろに長門、後衛にはハルヒと古泉。朝比奈さんを狙おうが後ろ二人でカバー可能。とすれば、
来たよ真正面前に出てサインを送る長門に繋ぐ。鶴屋さんが「ライトー!」と叫んでいる。
長門の正確なトスが鶴屋さんのスパイクへとつながる本日ここまでで一番のキレとスピード。
1点追加で、サーブ権を見事奪取した。
そして、前衛レフトから、ハルヒ 俺 朝比奈さん サーブ鶴屋さん。
さて団長、ようやく見せ場が来たんだ。派手に暴れてもらうぞ。準備出来てんだろうな。
「誰に口聞いてるの?あたしの足引っ張るような真似したら承知しないわよ」
「上等だ!初心者の意地みせてやる」
「キョン君の言うとおりにょろ。試合に出るからには勝たないといけないっさ!」
ハルヒといい鶴屋さんといい超高校級というか男子顔負けというか、その位のサーブ撃ってるんだが…
ことごとく相手にとられてしまうな、考える間もなく、レフトからの攻撃がきた。
後ろ4人がこのメンツなら楽に取れるだろ。ん…?途中から手のスピードが…フェイントか!!
朝比奈さ〜ん…と呼びたかったが俺の後ろで縮こまっていた。
やむなく鶴屋さんがハルヒに二段トス本日初のネット際スパイク!!
相手がレシーブを乱し、大きくアウトしてこちらの得点となった。
「みくるちゃんなに縮こまっているの!!今みたいな球が来たらみくるちゃんが取らないと!!」
朝比奈さんには悪いが、今のは朝比奈さんの方が悪い。
あんなところで縮こまっていても強烈なスパイクは飛んで来ない。
それこそ、古泉たちの仕事であって……と、俺も人のこと言っていられん。
絶対に白帯にはさわらないようにしないとな。スコア15−22
鶴屋さんの二球目、相手レシーブを乱せず。難なく返される。
おっと、俺の前にいる奴が突っ込んできやがった。ボールもまだセッターにいってない。Aクイックか!
そのままセンターに居座り相手と同時に飛んで、ボールが俺の腕に当たり、相手コートに落ちた。
「あんた、初心者なのに速攻止めるなんて、なかなかやるわね」
「何と言っていいか…あなたは他の人の技を吸収してどんどん強くなっていきますね。
僕のAクイックまで吸収されていたとは。あなたが敵にまわったときは使えそうにありませんよ」
そんなに褒められるようなことしたのか?…俺。
「少しは自信持ちなさい。あんたは既に立派なブロック要因よ」
鶴屋さんのサーブは続き、相手が攻撃するも、古泉&鶴屋のディフェンスラインがそれを許さない。
その後の長門の正確なトスによって、ハルヒのスパイクがみるみるうちに決まっていく。
どうやらこの陣形のときが一番点を取りやすく、守りも堅いと言うところなのだろう。
だが、前衛がハルヒのみなので、3枚ブロックがついてこちら側のコートに落ちた。スコア22−23
相手のサーブ、鶴屋さんの柔らかいレシーブにより、長門にピンポイントで向かって行く、
相手コートもこの陣形で攻撃できるのがハルヒ一人と分かっており、
すでにレフトへ移動する準備をしている。ならば……古泉で出来たんだ。
俺と長門の連携プレーを全国放送でお送りしてやる。「よこせ長門!!」
会場中に響き渡る大声で長門に合図を送った。ハルヒだけが攻撃要員だと思うなよ。
ボールが長門に行く前にスパイクの準備にかかる。「キョン!」「無茶です!」
おまえら、少しは俺と長門の連携プレーを信頼しろっての。ダ、ダンと思いっきりジャンプし、
長門が俺の手の動きに合わせる。慌ててレフトにいたブロック一枚が横へジャンプするものの、
元々の身長差もあってかブロックが間に合わすボールを相手コートへ叩きこんだ。
「ナイストス、長門」「問題ない」と長門とハイタッチした。スコア23−23
「キョン!」といってハルヒが飛びついて来た。汗臭いからあまりくっつくなって。
「そんなの関係ないわ。初心者のあんたが有希とAクイック決めたなんて信じられないわよ!」
どうやらイライラゲージも収まってくれたらしい。古泉とアイコンタクトして確認した。
続くサーブ朝比奈さん。何とか相手コートに入れてくれるといいが…ボスッという音とともに
ハルヒの頭に当たり、スコア23−24「みくるちゃん…あたしに何か恨みでもあるわけ?」
「ひぃぃぃ…そそそそんなことはないですぅぅ……」
朝比奈さんのハルヒに対する恨み事聞いていたら徹夜しなくちゃいかん。さて…後がなくなった。
感傷に浸っている間もなしか。相手サーブ狙いは朝比奈さんと決まってる。
鶴屋さんがすかさず入りレシーブ、絶好球が長門に上がる。「有希っ!」「俺にもよこせ!」
声が上がる中、長門が選んだ選択は2アタック。ハルヒに二枚、俺に一枚ブロックが付いており
どちらをとっても、失点が見えていた。
最善策を選んだ長門のツーアタックも、ブロックしようと
準備していた相手プレイヤーが何とか上げ、こちらへのチャンスボール。
ハルヒのスパイク、俺の速攻、古泉&鶴屋さんのバックアタック全員攻撃だ。長門が選んだ選択は
ハルヒのスパイク、古泉が後ろでブロックカバーに入る。
相手ブロックが2枚、ハルヒの渾身のスパイク!
相手の指に当てアウトを狙った球だったが、こっちのコートへ返ってくる。
古泉がヘルプに走るものの、間に合わずサイドラインへ…判定は?
ラインジャッジはINの判定、ということは俺たちの失点。ここまでか…
ピーというゲーム終了の合図で「ありがとうございました」と言い、相手チームと握手した。
負けはしたものの、いい試合内容だった。ん…?
「ハルヒ?」コート内にいて次の試合の邪魔をしているわけではないが、
ぽつんと立ち止まったきり、その場を動かない。頭をポンッと叩き、自分に引き寄せる。
「おい!負けたのは悔しいがな、俺ももうちょい練習して、また出たいと思ったよ。
二人初心者でこれだけの試合ができたんだからな。
だから、誰のせいとかそんなこと他の連中も気にしてない。
また来年とかあるだろ。次は勝ちに行くぞ。泣くな」
「でも、あたしのスパイクが…グス…あたしのせいで…」
「馬鹿、誰のせいでもないって言ったろ。自分のせいだと思うんならな、次のやつすぐ持ってこい。
そのかわり、バレーボールな、俺だって次は勝ちたいんだ」
「うん……」
「ほら、汗拭いて着替え行くぞ。お前が動かなきゃ、俺まで女子更衣室入らないといけないだろうが」
「わかってるわよ、……エロキョン」
ハルヒと更衣室入口で別れ、俺も着替えに男子更衣室に入った。
「お疲れ様です。いい試合でしたね。あそこまであなたが活躍するとは思いませんでした」
「大袈裟だよ。古泉が見本見せてくれなきゃ、相手のAクイックも読めなかったし、自分の実力が
関係ない長門まかせのAクイックなら俺でも出来ると思ってね」
「僕が言ったセリフですが、信頼感のなせる技ですね」
長門との信頼感なら、俺が一番持っているに違いない。あのときはナイストスってハイタッチしたけど
もう一回お礼言わなくちゃいけないな。そういって着替えて外に出ると女四人がすでに揃っていた。
「遅いっ!」さっきの大泣きはどうしたんだおまえ。雰囲気変わるにもほどがあるだろ。
「あんたが言ったんじゃない、次のやつ持って来いって。いつまでも泣いてばかりいられないわ」
それはごもっともだが…いくらなんでも変わりすぎだろハルヒ…。
「わたしがあんなにミスしてなければ……涼宮さんのせいじゃありません、わたしの…わたしの…」
少しずつ涙をため、とうとう泣き出した。あれだけ狙われた上にほとんど捕れてなきゃそうなるよな。
「あはははは…みくるー気にするなっさ。たったの五日間しか練習してないのに十分動けてたよっ!」
「そんなことより、お腹すいたわ。ご飯行きましょ!」
ゲッ!それ誰が支払するんだよ。空腹状態のハルヒと長門の腹考えたら…とんでもない額になる。
「あたしの奢りでいいわ。最後失点したのあたしのせいだしね」
『えっ!?』
ハルヒの発言に全員凍った。しかしこの発言に何か言おうものならすぐ気が変わってしまう。
こういう時にたくさん食べて普段の罰金分にしないとな。
とりあえず、ハルヒのイライラゲージが関係なくなって、古泉もいつものニヤケスマイルだ。
しばらくは平穏だろう。
おしまい
とりあえず、纏める作業をやって欲しい
書く前にSSの内容のあらすじを纏める、書いた後一日以上おいてから読み返して思った事を纏める、
そしてキミが今までに受けた住人からの意見や感想を纏める
面倒かもしれないけどこれらはSSを書く事とはセットだと思ってくれ
あと追放君じゃないが現状では投下はもう少し日数を置いた方が良い
別にスレやハルヒが逃げていく訳でもないし、別にキミに反対する一部の人間が騒いだ所でキミの元に危害が及ぶ訳でもない
キミがちょっとずつここの住人の話を反映してくれてるのは分かる
でも日を置いたり纏める作業をしたりして本当の意味で落ちついてから書けば、もっと良い物が書けるはずだ
ぬこ乙
ぬこ乙!
6月10日『ミルクキャラメルの日』
森永製菓が2000年3月に制定。
1913年のこの日、森永製菓が「森永ミルクキャラメル」を発売した。
それまでは1899年の創業以来「キャラメル」とだけ書いて販売していた。
=======================================================
ハルヒ「ふむふむ・・・(カチカチ)」
キョン 「明日も曇りか、しかも湿度も高いな〜。明後日から少し晴れるか?」
ハルヒ「ほうほう・・・(カチカチ)」
キョン 「あ〜、この時期は自転車通学には憂鬱だぜ全く。傘差しても濡れるし
カッパ着てたら汗だくで結局濡れてるのと大差ねーし!」
ハルヒ「こことこれとこっちとこれも・・・(カチカチ)」
キョン 「・・・ってさっきから人のパソコン使って何やってんだお前は。」
ハルヒ「ん〜、SOS団の活動の予定を立ててるのよ。」
キョン 「予定?・・・こんな雨の中何処にいくんだよ。」
SE:プリンタ〜〜〜
キョン 「って何人んちのプリンターでプリントまでしてんだ!!」
ハルヒ「キョン見なさいコレ!!」
キョン 「あん?何だよ。…【6月10日『ミルクキャラメルの日』】?…っておい!!」
ハルヒ「暇でしょ?ってか暇よね!!キョンが暇以外あるわけないわね!!」
キョン 「行かんし奢らんぞ。」
ハルヒ「えぇ〜〜〜!!」
長門 「えーーーーーーーーー!!!」
キョン 「驚くな!!ってか何処から湧いた長門!??」
長門 「私は先ずこのピザハットとのコラボ商品の『森永ミルクキャラメル&マシュマロピザ』を食べたい。」
ハルヒ「有希も良い所から選ぶわね!あたしはね〜Crazy Crepesとのコラボの『ミルクキャラメルクレージーBBイチゴ』ね!」
長門 「おぉ!素晴らしい!(キラキラ〜)」
キョン 「長門が感嘆符付けて喋ってるのに驚く前に色々とツッコミたいんだが俺は!!!」
ハルヒ「くら寿司とのコラボって一見キワモノに見えるけど意外にガチかもしれないわよ!」
長門 「じゅるり。」
ハルヒ「もぅ有希ったら涎出てるわよ。」
長門 「いけない私とした事が。」
ハルヒ「今年も制覇目指すわよ!!」
長門 「おーーーーーーーー!!!」
キョン 「人の話しを聞けーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
========================================================
森永公式サイトより『キャラメルフェス2014』
ttp://www.morinaga.co.jp/caramel/fes2014/?257
>>145 書き終わった後、一週間ぐらい時間をかけて吟味して、色々手直ししてからUPしたらどうだ
どうも君は性急に過ぎるところがある気がする
な?こうやってとことん空気を読まない。
せめて話が落ち着くまで様子を見るとか、自分も意見を言うとかそんな発想すらないんだぜ?
ただひたすらに自分の気持ちいいように垂れ流すだけ。
こういうのを何て言うかわかるよな?
記念品さん乙
な?こうやってとことん空気を読まない。
せめてスレが流れるまで様子を見るとか、人間らしい言葉で意見を言うとかそんな発想すらないんだぜ?
ただひたすらに自分の気持ちいいように垂れ流すだけ。
こういうのを何て言うかわかるよな?
今日は雨か。
ハルヒと相合い傘して帰ろう。
雨止んでるぞ。
雨が止んでても相合い傘すればいいさ
雨が止んで悔しいので黒板の日直のところに落書きするハルヒ
乙乙
全部キョン顔なのかな?
ちゅるやさんのキョン顔……
なんか一個変なのがいる
>>161 他人のことを失礼とか言う前に、自分のレスを見直したほうがいいぞ。
自演乙
多い日も安心、はスルーかよ(笑
ぬこ乙!
乙乙
やっぱりキョン顔www
久々に晴れたな
ハルヒにいい事でもあったのかな
ぬこ乙!
乙乙
キョンてる効いたな!
ミニはるひにプチはるひさんか
てるてる坊主の効果凄いな
ぬこ乙!
この季節の天気の落ち着かなさはハルヒに通じる
乙乙
191 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2014/06/15(日) 12:10:04.18 ID:2Y0bl6/40
対コートジボワール戦を観てたら、
ソフトボール大会で直球しか投げられずに、終盤ジリ貧でやられるハルヒを思い出した
いい意味でも悪い意味でも、ハルヒは日本の女の子だな
負けちゃったよハルヒ
まさしく「猪突猛進」という言葉が似合うよな
一度始めたら止まれない
最近は始める前にちょっと考えるようになったけども
作者にパチ屋に権利を売られ甚だ機嫌の悪いハルヒ
最近その日空はきっと青いがマイブーム
歌詞がハルヒの気持ちそのまんまな感じでいいわぁ
ぬこ乙!
ハルヒのパチ版権10億円ですってよ
このお金でぜひ3期をお願いしますw
暑いよハルヒ
202 :
152:2014/06/16(月) 21:41:43.37 ID:FIhPaR6o0
皆様こんにちは。
新SSを投下させて頂きます。
タイトルでわかると思いますが、私の前の作品の続編です。
OC(オリジナルキャラクター)あり、現実世界と消失世界の入れ替え第三弾です。
宜しくお願い致します。
3年目の高校生活も二ヶ月が経ち、定期考査を終えてテストが返された。毎回満点の有希、
それに並んでもおかしくないジョン、こちらも同じ毎回トップ10入りのハルヒを家庭教師に持った
俺は高得点を叩き出し、自他ともに満足の行く結果となった。
テストが返されてしばらくしたころ、勉強もちょっと休憩というところで、あることを考えていた。
四月そしてゴールデンウィークに行われた、ジョンプロデュースの消失世界と俺たちの世界の取り換え企画。
ハルヒと有希がそれぞれ入れ替わったが次は誰が入れ替わろうか検討していた。
真っ先に立候補するであろう古泉は、向こうの俺に散々負けた分の金を巻き上げられるだろう。
もちろん入れ替わると機関が利用できない。
向こうの古泉からすれば、ボードゲームの対戦もハルヒにはリベンジ、有希にはなんとか勝つことが
出来ないだろうかと何度も対戦を試みるだろう。
しかし、ハルヒや有希が古泉に挑戦した、将棋というメジャーなボードゲームならいいとして、
マイナーなボードゲームでは強さ以前にルール説明が必要な物も多い。いくら強くても相手がいなければ勝負にならないのだ。
朝比奈さんは北高には行けないし、こちらの朝比奈さんより運動神経抜群と聞く。野球大会の時のように、
ハルヒが何かの大会を持ってきてくれればいいのだが…それもない以上取り替えても外見も変わらないし、
料理もこちらの朝比奈さんの方が上手となれば、入れ替える意味がない。
あとは俺と朝倉だが…どちらを入れ替えても向こうの俺に被害が出る…。
『キョン、それはない。向こうのキョンでは、涼宮ハルヒの情報爆発は誘発できない。
それに朝倉が殺意を抱いているのはおまえであって超能力も使えないキョンは殺す価値がない
と思われるだろう。それに朝倉自体、そんな世界があるんだったら行ってみたいなんて、
涼宮ハルヒの取り換えのとき言っていただろ?万が一のときは俺がついて戦うよ。
長門有希とのおでん対決も待ってることだし、涼宮ハルヒも朝倉涼子も折角、おでんのレシピ
を持っているのに使えないなんてもったいないしな。俺は朝倉でいいと思うよ』
ジョンの提案により、ハルヒを除く、四人で集まり、次の入れ替えは朝倉だと告げた。
当然古泉はガックリ、有希はおでん対決に燃えていた。
そして、入れ替わる本人は…以前本当にそんな世界に行ってみたいと言っただけあって、満面の笑みを
浮かべていた。決行は水曜の夜、朝倉なら学校に行っても問題ないだろう。
ハルヒのときは月曜の朝に反省会をしていたので、土曜の夜戻して、日曜に反省会をすることにした。
ジョンに向こうの朝倉には、ハルヒが気付くまで入れ替えは黙っていることを連絡してもらった。
木曜日、いつもの教室に二人で入る。さすがにもう慣れたが、ハルヒと腕を組んで登校するのも、二ヶ月近くになる。
「なにしてんのキョン、さっさと勉強始めるわよ。岡部が来るまでちょっとしかないんだからさっさと 広げなさい」
朝倉本人はもう席に座っている、一年のこの時期はもっと大勢集まっていたが、向こうの朝倉は今どうなんだろう。
とりあえず、ハルヒの言う通り学習に専念せねば。ハルヒは俺の勉強の方に目が行っているようだ。
その後の朝倉の委員長振りは流石と言ってもいいだろう。みるみるうちに人を集めていく。
「長門さん準備は万端?」
「問題ない」
などと、金曜の夜に控えたおでん対決に火花を散らしていた。
向こうで対決した時のおでんがどんなものだったかは知らないが、
両者とも同じものを出してくるとは限らないだろう。
対決後に前の対決のときのおでんについて聞いてみよう。
放課後になってもおでんの雑誌を読んでいる朝倉に気付かず、ネットサーフィンをしている。
まぁ、朝倉が入れ替わっても長門以外に分かる奴なんて絶対にいないだろう。俺は殺気で分かるか。
全員とアイコンタクトしてハルヒに打ち明ける。
「ハルヒ、明日の夜から有希の家に泊まることを皆で話していたんだけどいいか?」
「ちょっと、なんであたし抜きでそんな話になってるのよ」
ガダッと音がしてハルヒが立ち上がる。
「お前が気付かないから、こうやって打ち明けているんだけど…まだ気付かないかな?」
「どういう意味よ」腕を組みながらへの字に口を曲げながら語る
「明日の夜、おでん対決しようとしてると言ったらわかるか?」
「まさか…今度は涼子が?」あんまり人を指差すようなもんじゃないぞ。
「うん、それ、正解。でも涼宮さん気づくのがお・そ・す・ぎ!」
「入れ替わったならすぐに言いなさいよ!」
「朝来たら言おうと思ってたんだけど、皆に囲まれちゃって…ごめんね」
指と指の間にもう片方の指を挟みこんだ朝倉独特のしぐさだ。
「まぁ明日は、僕の方で車を呼んで…」
「古泉、それ待った。今日の晩に泊まるための荷物整えて、明日の放課後みんなで有希の部屋行こうぜ」
「なんでよ。その方が楽じゃない!」
「あのな、俺たちあまりにも、新川さんや森さんに助けてもらいすぎだ。あっちの苦労も少しは考えろ」
向こうの世界には機関なんてないんだ。朝倉は当然歩いて行くものだと思っているだろ。
まぁ、有希の部屋の二階下だから、自分の家に帰るのとなんら変わりはない。
「そうですね、これまで『楽だから』と少し甘え過ぎていたかもしれません。そうしましょう」
入れ替わって翌朝、家具や電化製品キッチン周りなど、見事に場所が同じのようね。
そんなにわたしはこっちの世界のわたしと同じなのかしら。とにかく学校にいかなきゃ。
教室に入るなりすぐに女子生徒に囲まれた。わたしも一年の最初の頃はそうだったけど、
ここまで私を中心に集まるなんて思わなかったわ。前に彼に言ったこと。
『もし本当にそんな世界があるなら、行ってみたいわね』今、それが現実になっている。
「涼子、おはよう!」とポニーテールの涼宮ハルヒがわたしに声をかけて来た。
本当にそんな世界にきたんだ。委員長スマイルじゃない、自然な笑顔が表情に現れた。
学校生活がこんなに楽しいなんて思ってもみなかった。日曜の朝に戻されるのは残念だけど、
わたしの任務なんだからしょうがないわよね。
それに、視線をちょっと向けただけで怖がっている今の彼じゃ、
殺す気にならないし、殺しても涼宮ハルヒの能力がない以上、殺す意味がない。
「キョンどうしたの?さっきから脅えてるけど…」
「いや…、ちょっとな(ジョン、話は聞いてたけどこんなにもの凄い殺気だとは思わんかったぞ!)」
『まぁ、殺気だけで殺されることはないから心配しなくていい。なんなら俺に代わっておくか?』
「俺がなんとかするよ。しかし、視線がこっちに来ただけでこんなに怖いのに、よく平静を保っていられるな、向こうの俺」
放課後、ようやくクラスメイトから解放され、SOS団の部室に向かう。本棚には、長門さんの読む本と
ゲームの攻略本、あとは全ておでんの本…向こうでおでん対決するって言ってたけど…
これだけ極めたこっちの世界のわたしに挑もうなんて長門さんも相当な負けず嫌いね。
それに…部室の机もイスも変わっている。長門さんが見せた方が早いと思ったらしいわね。
「教室じゃあんなに囲まれているんだもん。話しかける隙がないわよ。とにかく、涼子!こっちの世界へようこそ!」
「よろしくお願いするわ」
「ところで涼子、こっちにきてやってみたい事ある?来る前に決めていたこととか」
「そうね、古泉君とのボードゲームと長門さんの部屋の掃除と涼宮さんへのお礼かな」
「あたしに?なんで?」
「あなたと向こうの涼宮さんが入れ替わったとき、そのときまではSOS団はわたしを除く五人だった。
長門さんから聞いているでしょうけど、わたしは宇宙人、当然今のこの部室も元に戻すこともできる。
それに、さっきからずっとビクビクしているけど、わたしと向こうの彼の関係は殺し屋とターゲットの
関係にある。もっとも、何度襲っても逆にやられるんだけどね。涼宮さんが入れ替わって、彼が長門
さんのマンションの屋上にいるとき、わたしはナイフを持って彼を殺す気で行った。100%純粋な殺
気だった。でも、彼と話しているうちに殺気が薄れていったの。この世界では当たり前のように朝倉
がSOS団にいるんだって。有希のお母さん的な存在だって。屋上からポニーテールの涼宮さんが見えた。
本当にそんな世界があるの?わたしはそこに居ていいの?って聞いて、彼はこう言った
『今あの部屋には向こうの世界のハルヒがいる。あっちの世界のSOS団では当たり前のように
おまえがいる。これから一緒にいって確かめてくるか?歓迎されるぞ』ってね。今その世界にわたし
がいる。ここにいるだけで嬉しいと思う。最も今向こうにいるわたしのおでんがきっかけで、向こう
の世界でもSOS団に入ることができた。わたしが羨ましいと思っていた世界に来れたこと、
元の世界でもSOS団に入れたこと、あなたのおかげよ、涼宮さん。ありがとう」
「殺し屋とターゲットの関係って吃驚したけど、キョンが屋上に行った時そんな話をしていたのね。
向こうの世界でもSOS団に入れたならよかったわ」
「ハルヒ、おまえが良くても俺は良くないだろ。視線だけでこんなに怖いのに…」
「今のあなたじゃ殺す気になれないから安心していいわ。向こうの彼とまた勝負したいんだけどね。
彼の方が強くて。本気出されたらおそらく一発で命がなくなるでしょうね」
「向こうのキョン君そんなに強いんですか?」
「ええ。だからこうしてSOS団内にいても手が出せないのよ。それより長門さん?ちゃんと部屋の
掃除してるんでしょうね?彼でさえこうなる殺気をあなたにも味わって貰おうかしら?」
長門さんの顔が青ざめていく。ちょっと脅し過ぎたかしら?まぁいいわ、こっちのわたしの負担が減るならいいか。
「いやはや、これはもう毎日整理整頓するくらいじゃないと駄目そうですね。僕もちょっと怖かったんですが、
ゲームと言うなら話は別です。涼宮さん、長門さんと負けっぱなしなので、そろそろ挽回したいですね。将棋でいいですか?」
「もちろん、かまわないわよ」
帰った後、ハルヒが俺の勉強に付き合い、明日以降の身支度を整えてハルヒと一緒にベッドに横になった。
「あんたもだいぶ理解力が上がっているわね。わたしが付きっきりでなくてもいい科目も出て来たみたいだし。
少し妹ちゃんと遊んだりしようかな。そういえば、明日のおでんが楽しみね。
二人ともどんなものを作ってくるのかしら」
「明日になればわかるだろ。それより、日曜まで抱き合えないんだ。今夜は楽しもうぜ」「…バカ」
「あれ?嫌なら強要はしないけど?」
「も〜女の子に言わせないでよ!良いに決まってるでしょバカ」
「なら、遠慮なく…」
翌日、相変わらず朝倉周辺はクラス外からも大勢集まり、俺たちが入っていく余裕がない。
ようやく放課後になって朝倉が解放され、SOS団の部室についた。
「先に二人家に送ってくる」といって、上履きと下足をテレポートで入れ替え、長門の部屋のドアの前にテレポートした。
朝倉には五階に戻って二人でスーパーへ行くよう伝えたが…おそらく耳にはいってない。
「な…長門さんからあなたの能力のことは聞いていたけど…さすがに吃驚よ。靴まで変わってるし…」
「とりあえずテレポートはここまでだ。スーパーの前に行ったら人に見られる。俺は部室に戻るよ」
と言って部室に戻り、ハルヒが来る前に戻れたことにホッとした。
ハルヒが入って来て第一声「あれ?有希と涼子は?」当然の質問である。
「二人なら先に帰ってもらった。それぞれの買い出しがあるし、明日の分も含めてな。おでん対決な
だけに少しでも煮込んだ方がおいしいだろ?」
それもそうね。どうやら納得してくれたようだ。古泉の合図と共に有希宅へと向かった。
「どうだ?古泉、調子は?」
「この二日で四戦やって二勝二敗、全くの五分と言いたい所ですが、王手をかけられるたびに、
胸にナイフが突き刺される思いですよ。あなたが脅えていたのがよくわかりました」
「あなたも大袈裟ね。今日はもう時間もないし、長門さんの家で五戦やって三回勝った方の勝ちでどうかしら?
長門さんが勉強した、あっちの涼宮さんの料理の味が出てるか知りたいしね」
「じゃあ、一旦家に帰ってから泊まる用意して有希の家に集合ね」
「なら、有希、家にいったあとスーパーに送るから、自転車に乗れ」
「わかった」
しばらくして、長門さんの部屋に入ったわたしはカーテンの前の本の山に驚いた。
「長門さん?攻略本は全て売って、向こうの彼からノートパソコン貰ったんじゃなかったかしら?
あれはどういうことか説明してほしいわね…?」
「ひぃぃっすぐ片付けますっ!!」
全く、わたしが母親役っていうのもよくわかったわ。毎日おでんは別として。冷蔵庫の中とか大丈夫なのかしら…
冷蔵庫の中を空けて唖然とした。レトルトカレーだけ…野菜を入れるところも空っぽ。
わたしのおでんと長門さんのカレーは似たようなものらしいわね。さすがに調味料は賞味期限切れてなくて良かったわ。
まぁ、今の状態考えると、涼宮さんが入れ替わったときに買ってきてもらったというのが一番妥当のようね。
成果が出たといえるほど研究したんだか…
そのあと、涼宮さん、彼、古泉君、朝比奈さんの順で入ってきた。彼は涼宮さんと一緒に勉強。
彼一人でももう一つの意識がアドバイスしてるみたいだし。大丈夫そうなものだけどね。
わたしは早速古泉君と将棋の勝負再開。気を利かせた彼がオセロも持ってきているから、勝負が終わったらオセロに変えるものいいかもね。
今回は自宅まで自分の足で行って、有希の部屋へと集まった。運動不足解消にもいいし、
『いつも車で』というありがたみを、みんな実感しなきゃな。エレベーターが七階についた時点で
俺とハルヒにおでんのいい香りが漂ってくる。朝倉はまだ部屋にいるとして、
自転車を使った俺とハルヒが一番乗りだったようだ。
「先に匂いを嗅がれるとハンデがつくから寝室で待ってて」と、理由もなるほどといっていいものだが、
何で寝室なんだ?和室だろ?普通…
「いいじゃない。折角の機会なんだし、二人で抱きついていれば」
ハルヒといちゃつきながらリビングから声が聞こえて来た。
「おや?皆さんはまだですか?」「あなたで最後」
そこに朝倉が「できたわよ〜」と言って部屋のドアから入ってきた。俺たちも寝室から出る。
和室からは朝比奈さんが出て来た。皆で食器を準備して、俺たち審査員四人がどちらの鍋も食べやすい
位置につく。
ここで朝倉からルール説明、
「どちらでも自分の好きな物を食べてOK、先に空になった方の勝ち」至って単純だ。
ハルヒと古泉が両方の鍋の蓋を取ろうとすると、
「待って。わたしの鍋はまだ完成していない」完成してない?それなのに俺たちの前に出して来て
どういうつもりだ?有希以外の五人が答えを出せないまま、「いい」という合図を待った。
蓋を開けたと同時に朝倉の鍋からピリピリしたにおいが漂ってくる。
鍋全体が朱に染まり、朝倉の辛口おでんが俺たちの唾液の分泌を促した。
対する長門の方は、通常のよりちょっと薄めの和風おでんらしい。
両方の鍋を見比べて分かるのが、両者とも大根をそのまま煮込んでないこと。
通常の大根を半分にし、間に連根を挟みこんだ。連根の穴の中にも何か詰まってそうだ。
他にははんぺん、こんにゃく、とり団子、ロールキャベツなどいわゆるおでんの具材をいれてきたが、
なぜか有希のロールキャベツだけ数が多い。有希、このロールキャベツの量は何?
「食べてみればわかる」
長門の返答に合わせて四人全員ロールキャベツを食べる。ロールキャベツは食べたときの熱さから、
最初に手を伸ばしたくはないものなのだが、量が多いだけで何の工夫もないわけもなく、猫舌じゃなく
ても冷ましてから食べたい物だ。にもかかわらずアツアツに強いハルヒがキャベツの中身を叫んだ。
「卵?」「そう、キャベツの中に卵を入れてある」
「どうしてわざわざそんなことしたんだ?」朝比奈さんは熱くてまだ手がつけられないらしい。
「謎が解けましたよ。なんでわざわざ蓋を開けるのを止めたのか。なんでキャベツに包んだのか」
「古泉君、もったいぶらずに説明しなさいよ」
言葉を紡ぐ前に卵の中身を俺たちに見せた。『半熟!?』流石の朝倉も驚いている。
「ねぇ、みくるちゃん。おでんに半熟卵なんてあったかしら。見たことある?」
「いいえ、わたしも汁で色が茶色になったものしか見たことがないです」
「長門さんは、この半熟卵を出すために、時間をはかり、キャベツを巻いたんです。
いいですか?まず殻のついた生卵を白身の半分ほどだけ別の鍋で熱した後、
黄身がこぼれてこない様に丁寧に殻をむいた。
その後鍋と一緒に汁をしみこませたキャベツを巻き、あとは余熱で半熟になるのを待った。
そのままではただの半熟卵なので、汁のしみ込んだキャベツを巻き、おでんなのに半熟という
我々の概念を覆したんです。秒単位の時間や火加減まで長門さんしかできない技ですよ」
「ンフ、ホントに半熟卵なのにおでんの味がしみ込んでます。」
ホントに半熟卵のおでんは、さっきの古泉じゃないが俺たちの概念を覆すといってもいいだろう。
とろとろの黄身とだし汁がマッチしキャベツの歯ごたえも一緒になって美味い。
「それでは朝倉さんの方も…」古泉の言葉を皮きりに、両方のおでんにどんどん手がかかる。
朝倉のピリ辛鶏団子、有希の連根の穴に大葉を挟んだ大根などなど、有希は欠いたものの
大食漢のハルヒがいるので開始から20分も経過しないうちに軍配は、朝倉に挙がった。有希のほうはまだ三分の一ほど残っている。
「しかし、軍配は朝倉さんですが、審査員が我々だったからでしょう。同じ勝負を年配者の方に
お願いしていたら、結果は逆転していたでしょう。辛いものにそそられたというのが適切です
中学で食べたキムチチャーハンを思い出しましたよ」
「これでお互い一勝一敗ね。長門さん。でも私も食べたかったな。半熟卵のおでん」
「それなら問題ない。自分用にもう一つ作った。」『もう一つ作った!?』
「前回もそうだった。勝負しているときはわたしは手が出せない。匂いだけ伝わってくる。ずるい」
有希はキッチンの下の空きスペースになぜか隠しておいたもう一つの鍋を出してきた。
「さっきよりも出汁が染みてるはず」と残った料理を有希と朝倉も入れてみんなで有希の鍋を食べた。
将棋も中盤に差し掛かる頃、料理が出来たと長門さんからの合図があり、みんなでそれを運ぶ。
涼宮さんの「いただきます」と共に、全員が舌鼓を打つ。
「まさしく向こうの涼宮さんの味ですね」
「もう完璧といってもいいんじゃないか?」
「研究の成果が出ているようね。冷蔵庫の中はレトルトカレーしかなかったから
どんな味か心配だったけど、もうマスターしているようね」
「え!?半熟卵のおでん?!」
「あんた、いきなり何をいいだすのよ。なんの脈絡もないから吃驚するじゃない」
「ああ、ごめん。ジョンから向こうの様子聞いてたんだけど、おでん対決の軍配は朝倉。
でもおでんに半熟卵なんて技をやってのけた有希にみんなびっくりしたそうだ」
「わたしもそんなおでん食べたことない…どうしたのかな?」
「まぁ、今あっちにいる朝倉が作り方聞いてくるだろ」
「それよりも、こっちでは僅差で負けていた朝倉さんにエールを贈りたいですね」
わたしに贈っても仕方ないじゃない。こっちの世界のあたしとはいえ、長門さんに勝ったか…。
ふふ…今頃ぼやいてなければいいけど。後はわたしと古泉君の勝敗だけね。
それもいいけど、こんなに自然と笑顔になれるなんて今まであったかしら。
なにか記念になるものがほしい。
「ねぇ、記念に写真撮りたいんだけど…長門さんカメラとプリンターない?」
「どちらもないです。プリンターは買いたいとは思っているんですけどなかなか買えなくて」
「じゃ、向こうのあなたが負けた分、わたしからプレゼントよ」
彼から受け取ったノートパソコンのそばにプリンター、デジカメ、三脚を用意し組み立てた。
「あとは俺がやるよ。今日の主役は向こうで待ってな」
この彼がターゲットでなく味方だったらわたしは彼のことをどう思っていただろう。
長門さんのように好意を抱いていたのかしら。宇宙人と人間の決して叶わない恋なのだろうけど、
こんな彼がみんな好きなんだろうな……
わたしがみんなの中に入り、ピントを合わせる。
全員入るようにセットした所で彼が戻り、記念に残る写真ができた。12枚印刷して6枚を皆に渡す。
向こうのわたしの分は長門さんに渡し、長門さんからは研究用に撮影したデータの入ったSDカードを
預かった。
翌日は古泉君とのボードゲーム。わたしの100%の殺気を込めた第五戦も僅差で彼に敗れた。
「ふー。ここまで気力を尽くした戦いは初めてですよ。もちろん向こうの涼宮さんや長門さん込みですけどね」
「そんなに涼子が強かったの?」
「対峙したら分かります。一手毎に殺されるような気分になるんですから」
「わたしの殺気に耐えられたの、向こうの彼に続いて二人目かしら?それでも勝負に勝つんだから…」
「あたしもやってみようかな。涼子一局お願い出来る?」
「ええ、いいわよ」
もう少し平日を楽しみたかったけど、わたしの目的は達成できたし。楽しさと嬉しさでいっぱいだわ。
こんなに気分がいいなんて思わなかった。
来週からまたクラスメイトとの関わりを深めていけばいいだけ。
たったの二ヶ月で彼を襲ったりしなければよかった。
これが、わたしの望んだ世界だったのかもしれないわね。
翌日、俺とハルヒは勉強、有希はゲーム、朝比奈さんは土曜の講義のため大学へ行った。
残る古泉と朝倉がどうしようか悩んでいたところ、
「ね、古泉君。ボードゲームやらない?」
「ボードゲームといって…」
「古泉!ボードゲームなら和室にあるだろ?」
驚いて振り向く古泉に、俺がアイコンタクトした。
「あ、ああ、そうでした。和室にありましたね。朝倉さんなにがいいですか?」
「じゃあ試しに将棋と…オセロとかもあればいいわね」
「ではちょっと取ってきましょう」
「ハルヒちょっとここ動かないでくれ。古泉に置いた場所教えてくる」
と言って古泉と一緒に部室へテレポート。将棋盤とオセロを持ってすぐ戻る。
「すいません、手間取らせてしまって…」「ハルヒ、ごめんな。続き頼む」
しばらくして…
「古泉君これで何敗目?外見同じなのに吃驚するほど勝っちゃうから嘘みたいだわ」
「参りましたね。ここまで勝てないとは…僕の何がまずいのか御教授願いたいくらいです」
古泉にボードゲームの勝ち方教えるって今のハルヒやジョンみたいに付きっきりで指導しないと
多分無理だろうな。と思っていたら朝倉が指導碁ならぬ、指導将棋を始めた。守りの形の作り方など
意外と良く知っているもんだ。向こうの古泉に習った…か?
そのあと、朝倉のお別れ会(当然ハルヒには只のパーティだと伝えてある)を開き、
毎度の事ながら、朝比奈さんも古泉も酒に弱い…
大学のコンパかなんかに連れ出されてお持ち帰りなんてされなきゃいいけど。
古泉は当然脱ぎだす前に、絶対脱ぐなよ!ときつく念を押しておいた。
長門は当然空いた俺の左側にちょこんと座り、ハルヒに文句を言われつつも、
「有希なら許す!」と許可を出し、その間ずっと俺のそばに抱きついていた。
なぁ有希、おでん対決で負けて悔しくないのか?
「悔しい。でも今回は、あなたを含めた四人が食べたそうなおでんを作った、朝倉涼子の勝ち。
わたしはおでんのことしか頭になかった。古泉一樹が言った通り、熟年層には支持されそう。
前回はおでん慣れしてる向こうの皆が審査員だったから、僅差で勝った。でも、ハンデ付き
の勝負で一勝したとはいえない。また機会を作って欲しい」
だそうだ。ジョン、どうする?
『審査員を誰にするかで困るってところだね。それさえ決まれば対決出来るんじゃない?』
審査員ねぇ…それは困ったな。朝倉も有希もあてはあるのか?「ない」「わたしも」
それじゃ対決できんだろうが……結局この話はお流れとなり、誰も風呂に入らないままそれぞれ就寝となった。
当然、古泉を和室に閉じ込め、朝比奈さんはお姫様抱っこで寝室へ移動した。
ハルヒを抱いて数時間したところで朝倉を戻す。
入れ替えに気付いたせいか、朝倉が起きて来た。悪い、起こしちゃったか?
「ん…ただいま。あなたの気で目が覚めたわよ。」
向こうの様子も知りたいが、横で寝てる二人を起こすのはまずい。リビングで話そうぜ。どうだった?
「平日がもっとあればなぁなんて思っていたわ。あなたの言った通り嬉しさと楽しさで充実した毎日だった。
物足りないとすれば、あなたを殺したくても殺せなかったことかしら?」
そりゃあ、向こうの俺じゃ殺したくなくなりそうだな。なら物足りない分、闘るか?
「面白いこと言うわね、あなたからそんな提案されるなんて思いもよらなかったわ」
こっちにもおまえと同様、うずうずしているのがいるんだよ。地上戦と空中戦どっちがいい?
「そこまでアドバンテージをくれるなんて、あなたも自信家ね。余計なエネルギーを使わない地上の方にするわ」
相棒を信頼してるだけさ。テレポートする、というと、ポケットから数枚の紙のようなものを投げた。
「向こうからのお土産よ。明日になればじっくり見られるわ」
聞き終わると同時に北高のグラウンドにテレポートした。これで得意の千本も出せるだろ。
閉鎖空間を展開し、ジョンとバトンタッチ。『全く、気配りが隅々まで効いた良き相棒を持ったもんだ』
「うずうずしてる奴ってあなたのことだったの。最初に戦ったときは色々苛立たせることいってくれたものね」
『能力の分からない相手には駆け引きは必要だ。間違えれば自分の命がなくなるんだからな。
生憎と今度は心理戦抜きで戦えそうだ。あんたと闘るのは二年ぶりだ。思いっきり闘ろうぜ!』
「駆け引きしないことを後悔させてあげるわ!」
それを気に二人のバトルが始まった。格闘ゲームじゃない、実際の宇宙人対超能力者の戦い。
しかし、百戦錬磨なジョンだけあるな。最初から朝倉のパワーと互角に渡り合うレベルまで下げて
相手をしている。俺だったら力の調節間違えて物足りなさを解消するどころか逆にイライラさせている。
…三時間が経過したころ、お互い肩で息している。ここらが潮時のようだな。
ジョンおつかれ、タッチだ。
「ちょっと、わたしはまだ闘れるわよ。どうして変わったのかしら?」
こういうのは、もうちょっとやりたかったって余韻残すくらいがちょうどいい。
三時間もバトルしてたんだ。帰って寝ようぜ。朝倉がもってきたお土産も早くみたいしな。
「そう。じゃあまた相手になってよね」もちろんだ。
朝倉と一緒にリビングに戻り、それぞれで服や傷の修復をする。互いにおやすみといって床についた。
翌日、一番に起きたハルヒの第一声、「なにこれ!?」
あまりの大声に起こされたメンバーが集まる。当然俺と朝倉は眠ったままだ。
「どうやら、向こうの世界のこの場所で写真を撮ったようですね。人数分あるとみて間違いないでしょう。
これは記念になりそうです」
「向こうのあたしこんな感じなんだ。髪切らなきゃ良かったな」
「僕も見て驚きましたよ。ここまで似合う人がはたして他にいるでしょうか?」
「大袈裟よ。それよりキョンと涼子遅いわね」
「昨夜戻ってきた朝倉涼子とずっと話していたから今起こしても二人とも寝不足」
ったく、その寝不足もあまりに大声でしゃべるから起きちまったよ。さすがに三時間も戦えば、
いくらアスリート並に鍛えた体でも負担はかかるらしいな。それにしても朝倉もいいお土産を持って
帰ってきたもんだ。写真に写った全員が笑ってる。朝倉がこんな笑顔が作れるようになってなによりだ。
そのころ、一番最後に起きて来たわたしは皆に向かってただいま!と叫んだ。
それを聞いてようやくわたしが戻ってきたことに気付いた。そんなにわたし似てるの?
「似てるどころか瓜二つです。見てください、あっちの世界の朝倉さんが記念にと12枚の写真を作ってくれました」
長門さんから、わたしの分と言われた一枚の写真を見た。本当にわたしがその場に立っていたとしか
思えないわたしがそこにいた。
「それで?涼子は何か持って帰ってきたの?」
おでん対決のことで頭がいっぱいですっかり忘れていたわ。どうしようかしら…
「半熟卵のおでんが食べたい」
え?長門さんがおでん食べたいなんて言うのも久々ね。まぁ常識を覆す一品であることは確かだし、
向こうの長門さんのように上手く作れるか分からないけどやってみる!
失敗しても他の料理につかえばいいしね。
おしまい
梅雨入りしてるのに雨が少ないな。
ハルヒは一体何をやらかしたんだ?
213 :
SS[風物詩」:2014/06/16(月) 22:28:21.31 ID:oeLonim90
プール開き
もちろん、体のいいプール掃除の上品な表現方法だ。
昨夜、押入れをかき混ぜ出陣頂いたのは、ビキニ風男用水着。恥ずかしさはSS級と言っておこう
掃除しても汚れない格好でプールに来い。それも体育の時間割でだ。当然水着となるが、
俺は結構楽しみにもしている。
・・・どうゆうつもりだ?
「風邪よ。掃除しないつもりなんてないし、結構楽しみにしていたイベントだったのよ?」
ハルヒは制服で見学と相成っていた。風邪にしたら健康そうに見えるが
「無粋」ってびっくりした。長門か?そういや合同体育だったな。
プールの隅を掠めるようなカーリング技術で清掃する長門が通過間際に発した言葉だった。
振り向くとそこにいたのは真っ赤な顔のハルヒだった。
風邪か?大事にな
・・・・・
その日の晩は嵐だった。せっかくの掃除も落ち葉で台無しだろう
翌日、次の体育もまた掃除となったらしい、やれやれだ
プール掃除でゲンゴロウとタガメとヤゴを捕まえるハルヒ
ヤゴを見ただけでトンボの種類を言い当てるキョン
ぬこ乙
キョンは博識なのか無駄な雑学に精通してるだけなのか
キョンは昔昆虫博士だったからな
佐々木スレによると、キョンのウンチクは佐々木に教わったものという説
分裂に「君は適度に物を知らない(からいい聞き役になってくれる)」というような台詞もある
実際、「アンドロメダ病原体に感染したような」とか間違った知識もある
さすがに全部ってわけじゃないだろ
表にはでないがキョンも不思議なことには人並み以上の興味があって、あれこれ調べるのが趣味じゃないかと思われる
>>220 小説憂鬱
>中学を卒業する頃には、俺はもうそんなガキな夢を見る事からも卒業して、この世の普通さにも慣れていた。
憂鬱のこの文の前に色々やってる描写があり、内容的に保育園〜中学卒業までにそれをやってたっぽい
佐々木と小学校も同じとかならわからないが、中学の頃にはもうキョンは不思議な事に対して興味を失ってきてるのも考えると
佐々木との会話でその手の話題になるとは考えにくい
その辺からキョンのモノローグに出てくるミステリ、宇宙関連のネタは自分で調べてる物じゃないかと思った
今日も晴れたよハルヒ
てるてる坊主の威力凄ぇ
>>221 キョンと佐々木は小学校は別々
詳細は驚愕(後)参照
ハルヒと佐々木は小学校同じ
ハルヒとキョンは小学校違うからキョンと佐々木は小学校違う
台風だよハルヒ
コロッケを買いに行くハルヒ
コロッケ買って帰ろうかな
キョンは古泉に対しても話題を振られればとりあえず応えちゃうほどの聞き上手さんだからな
普通にスルーしてる対応も含めてw
ぬこ乙!
乙乙
一番よく話したのが古泉らしいから。同じクラスの谷口や国木田より話してるのかもね
台風いなくなったよハルヒ
さすがに天気崩れそうだな
ハルハル坊主の効果もここらまでか
台風7号は復活したらしいよハルヒ
台風が来ないなんてつまんないわ!
↓
台風発生、当然直撃
↓
ねえキョン、用水路見に行きましょう!
↓
誰か続き求む
台風7号さん低気圧になったけどまた台風に戻らないかな?
台風消すとかハルハル坊主はとんでもねえな
キョン坊主じゃなかったのアレ?
キョン坊主って何か語呂がよくないな
特大のキョン坊主を抱いてゴロゴロするハルヒ
乙乙
ぬこは水嫌いだが、ハルヒぬこはどうなんだ
今はいい天気だよハルヒ
246 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2014/06/19(木) 12:29:09.47 ID:xai+vOeAI
>>236 みくる(大)「色々あったけど、今はいい思い出です」
大気の状態が不安定らしい。
まるでハルヒの気分みたいだ。
ハルヒがゲリラ豪雨に遭ってないか心配だ。
グズ濡れになってすけすけハルヒにクラスチェンジ、
目のやり場に困るキョン
乙乙
いつもの仕返しにハルヒの制服のリボンを引っ張ろうとしたら、
誤っておっぱいを鷲掴みにしてしまったキョン
キョン「いやぁハルヒすまnブベッ))з゚)∵」
今日も晴れだよハルヒ
キョン坊主の仕業
SSお勧めしてくれたら読んで感想書くよ
とりあえず3個くらい募集
自選他薦は問いませんが、とりあえずここかここのまとめに投下したSSからでよろしく
URLも貼ってくれたらなお嬉しい
>>252 殴られたあと前を見るとそこには顔を真っ赤にして涙目で恥じらうハルヒが!
でもって夜、おっぱいの感触やハルヒの様子が脳裏を離れず悶々とするキョン
257 :
202:2014/06/20(金) 18:53:17.90 ID:O6blyh3z0
こんにちは。
新作が書き上がりましたので、投下させていただきます。
宜しくお願いします。
ジョン、おまえに頼みたいことがある……
「あなたから呼び出しなんて珍しいですね。どうしたんですか?」
なに、閉鎖空間についてと…俺たちの入れ替えについてだ。
「もう一人のあなたが消失世界との入れ替えをやってくれたおかげで至って平穏そのものです。
異世界の自分と入れ替える体験なんて、あなた以外誰にも出来ませんからね。涼宮さんも
機会があれば入れ替わりたいと思っているんでしょう。
もちろん、僕もその一人なんですが、次はいつ、誰が入れ替わるんですか?」
古泉のこの表情は初めてみる。いつものニヤケスマイルは今までそんな表情をしたことがない位になくなり、
小さい男の子が新しい遊びを見つけたときのように目を輝かせて俺を見つめてくる。
顔が近いし、その視線をやめろ。まあ、その話をするために古泉を中庭に呼び出したわけで、
話を是非とも聞きたいを顔に書いてあるような気がする男に話を切り出した。
中間テストから約一ヶ月が過ぎ、期末テストの試験期間となり、全部活は中止の中、
暑さで集中なんてできない部室で俺たちは勉強に励んでいた。
「あっついわね〜髪がもう汗でべたべたよ。なんとかならないのかしらこの暑さ」
ハルヒの言う事も最もであり、さっさと皆で帰ればいいのに、真面目に部室に来る。
一般生徒は全員下校だ。そう言うハルヒの髪も、少しずつ伸びてきてはいるが…
消失世界のハルヒのポニーテールには程遠い。
二つまとめて、用件を有希に進言してみるか。有希の耳元で囁く。
「わかった、全員泊まる用意をしてわたしの部屋に集合、リビングで勉強会をする」
満場一致で賛成となった。当然古泉が車の手配をする。さすがにこういうときは、甘えさせて貰おう。
車のルートは、まず有希と朝倉を下ろし、有希がクーラーをつけて皆を待つ、
その後スーパーの買い出しにハルヒを下ろし、古泉が降りて、その後朝比奈さんに連絡、
俺の家でハルヒの分の洋服や下着も用意した。
スーパーで買いだしを終えたハルヒを連れ、有希の部屋へと急ぐ。
「あんた、あたしの下着に変なことしてないでしょうね?」などとハルヒが言ってくるのだが、
下着で何かをするどこかの変態ではないので、ハルヒを抱きよせて
「いつでもこうやって出来るだろ。お前の下着だけで妄想を抱くような変態野郎と一緒にするな。
それにな、ハルヒの下着ならいつも俺が脱がせているだろ?」
頬を紅く染め「バカキョン…」と呟く。ほどなくして有希の部屋へと着き、快適な部屋で学習する。
しばらくして朝比奈さんも到着した。電気代がかかるから、一人だとあまり冷房は付けたくないのだという
そんなことを言ったらこんな広い有希の部屋にエアコンなんてとんでもない額になりそうなものだが、
パトロンがいるんだ。金には困るまい。
そうして、期末テスト期間中の臨時合宿が始まった。
夕食は当然ハルヒが味付け担当と、思いきや、なんでこんなエアコンの効いた部屋にそんなものを
と思うのだが、有希がおでんを作り始めた。
なんでも、向こうの世界の朝倉から一番スタンダードなおでんを習ってきたらしい。
六人で食卓を囲むため、向こうで対決したときに朝倉が出してきたおでんも作ってきた。
ハルヒはそのサイドメニュー作りといったところか。有希とハルヒがいるんだ。余るなんてことはない。
朝倉がおでん作りを手伝っていた。ちなみにその間の俺は朝比奈さんに付き添われての学習。
これほど癒される時があるだろうか。「できたわよ!」という言葉で癒しの時間は終わってしまった。
だが、その後、全員で食器を並べておでんを一口。全員の顔がにやけている。
「何このおでん、有希、こんなおでんに勝ったの!?」
「ハンデがあったから、勝ちとは言えない。この前も負けた。わたしにとっては二連敗」
「部室にあんなにおでんの本がずらりと並ぶほど研究してるんだもの。
向こうのわたしはおでんで大学の卒論かけそうな気がするわ」
「あたしが行ったときはそんなの全然見向きもしなかった…いいえ、できなかったわ。いつの間にか
キョンは太って、有希は怯えてて、委員会で遅くなったって涼子が入ってきた。
驚いていたらそんなに細かい所まで気がつかなかったわ」
女子三名が喋る中、黙々と食べる朝比奈さんがいた。なんで何も話さないのか聞いてみた。
「全部おいしくて涙がでてきちゃいそうです。早く食べないと皆に取られちゃいます」だそうだ。
それ以外は誰も話そうとせず、一つも残らず全て平らげた。片付けは当然俺と古泉。
「しかし、鍋料理になると洗う食器が増えて大変だな…」
「いいではないですか。どの品も本当においしかったんですから。向こうの朝倉さんの気持ちが
少しわかった気がします。それより例の件はどうなんです?」
「細工は隆々、後は流れにお任せあれってな」
「それはそれは。驚くでしょうね。どちらも」
あまり喋り過ぎるとバレてしまう。すでにハルヒと有希が互いにブローしていた。
「早く伸びてくれないかな…この髪、古泉君まで絶賛するようなポニーテールだなんて、あの写真見るまで気が付かなかったわよ」
「わたしのトリートメント使う?育毛効果もあるトリートメント。使いすぎ注意」
「有希のお勧めならぜひ使ってみたいわね。お願いするわ」
有希がトリートメントを後頭部から首の後ろに向かって伸びている毛だけにトリートメントをつけた。
前髪に付ければすぐに邪魔になってしまうからな。女性陣が風呂からあがり、古泉に先に入るよう言って
俺は自分を含め皆にコーヒーをふるまってから、学習開始。
トリートメントの取扱説明を読んでいるハルヒを尻目に有希が俺に付き添ってくれた。
今日の残り時間は眠くなった人からそれぞれ寝室、和室で床になった。当然俺の隣にハルヒ、
「有希も一緒に寝る?」の一言で有希まで入ることに。さっきのトリートメントのお返しだろうか。
寝返りのうてない状態のまま寝息を立てていた。
翌朝、「何これ!?」のハルヒの大声に全員が飛び起きた。洗面台の前にいたハルヒが戻ってくると、
後ろ髪が2〜3cmくらい伸びている。さすが有希の愛用するトリートメントだけはある。
というのは冗談で、こっちの世界のハルヒにももう一度ポニーテールをと思い、
有希にトリートメントと一緒に育毛促進ナノマシンを浸透するよう頼んでおいたのである。
しかし、ちょっと伸びすぎじゃないか?不自然に思われそうだぞ。
「問題ない。今日から髪をまとめて短く見せていれば、自然と時間が経過して長髪になっても不自然にならない」
ホントにそんなもんなのか周りに聞いてみたいもんだが、谷口あたりからは
「涼宮だし、今さら驚かねぇよ」と一蹴されてしまいそうな予感がする。ハルヒ耐性のある奴ばっかりだし。
数日後、明らかに不自然な伸び方をして、入学式当初の元の髪に戻った。
しばらくは髪型をいろいろ変えて伸ばしたことにしないと違和感があり過ぎる。俺の理想まであと一歩。
試験当日、俺は各教科が終わるごとに試験監督に余った試験問題と答案用紙を貰っていた。
何をするか、長々とした説明の必要はない。単純に自分で解くためだ。じゃあテストはというと、
ジョンと交代してジョンが試験を受ける。ジョンの実力が知りたかったのと、
どうやって解けばいいのか見本になるからな。
余った時間はジョンの確かめといくつか問題をピックアップしてジョンの講義を受けた。
その後長門の部屋に帰って、今度は自分の力で何点取れるか解いてみる。ジョンの書いたテストが、
帰ってきた時点で、答え合わせをすることにした。結果、全教科満点!
長門と並んで一位、しかもあいうえお順なので俺の名前が右端に書かれた。不正行為とはいえ、
ちゃんと目的をもってやったわけで…それにしてもジョン、全教科満点とは思わなかったぞ。
『一,二個間違えてるかもと思ったけど杞憂に終わったらしい。さて、不正行為をしたからには
キョンもその分目的を果たさないとね』
ああ、帰って答え合わせだ。長門、古泉、朝倉にはジョンがやったとバレているだろう。
一番不満を言っていたのはハルヒだ。
「なんで教えているあたしよりキョンの方が上なのよ!しかも有希と並んで満点だなんて!」
「ハルヒが毎晩付き添ってくれたからこその点数なんだが…それじゃだめか?」
「納得できない!決めた。今日から自分の学習に取り組むことにするわ」
「あ、そう。それじゃ俺は有希の部屋に泊まり込んで習うことにするよ」
「なんでそうなるのよ」
「家にハルヒがいないと俺一人でまた頭抱えないといけなくなる。皆に助けられてこそとれた点数だ。
ハルヒが俺に時間を割いてくれた分の点数だと思ってハルヒに感謝してたんだが…そう言われると、
流石に俺も落胆してしまったよ。残念だ。今日から有希のところに毎日泊まるからよろしくな」
「問題ない」
「あ〜もう!わかったわよ!前言撤回、これからもあんたに付き添うんだから、感謝しなさいよ!」
下着の件といい、テストの件といい、言い方一つでここまで反応が違うと見てて面白い。
さて、帰って本当の自分の点数確認しなくちゃいけない。ジョンの解答を見て答えを知っているものもあるが、
その分を差し引けば俺の本当の点数になるだろう。ところでジョン、例の件順調か?
『ああ、あとちょっとってところだ。ほとんど変わらなくなった時点で決行する』
「ふん〜」といいながらハルヒが背伸びをする。ようやく期末テストも終え、有希の部屋に集まって勉強会を行うのも今日で終わりか。
「キョン君何言ってるの!この後もついてないと、しばらくしたら今冷蔵庫にあるもの全部腐るわよ?」
「朝倉さんそこまで言わなくても…」
「古泉君から聞いたわよ?向こうのわたしの殺気が物凄かったって。またあたしを取り換えてもらおうかしら」
「あの殺気は一生忘れられませんよ。僕の方が勝ち越してますからね。また朝倉さんの可能性もありますね」
有希の顔がどんどん青ざめていく。
「最低でもキョンと二人でいないと涼子が許さないみたいね。そういえばキョン、ちょっと痩せた?」
「ジョンに聞いて向こうのキョンがやってる筋トレ中だ」
「どんな筋トレよ。よかったらあたしもやってみたいな」
「弱い低周波を一定の間隔で全身に浴びせて筋肉を弛緩・収縮させるものだ。テレビの宣伝でやってるだろ?
『これがあれば筋力UP間違いなし』なんてCM。あれの全身Ver.。向こうの俺から他のメンバーには、
使わせないでくれ。折角スタイルがいいのにこれ以上トレーニングは必要ないだそうだ」
「じゃあ、今どのくらいか有希に判断してもらいなさい。何せあの筋肉で抱かれたらねぇ」
といって有希は顔を真っ赤にして、朝倉とハルヒはニヤケたまま俺たちを見ている。
しかし、テスト後も有希の部屋で受験勉強生活というのも悪くない。授業はこれからは午前中で終わるし、
エアコンの無い部室にいても仕方がない。向こうの有希や朝倉にエアコンをつけてもらうんだった。
『それはちょっと都合が良すぎるんじゃないか?これだけ豪華な部室にしてもらっておいて』
確かにな。でもあれだけのもの見せつけられたら、こうだったらなぁって思ってしまう。
それより、ハルヒに気付かれたんだ。もういいんじゃないか?
『わかった。いきなりでも驚くなよ?』解かってるって。
翌日、当然目の前には眼鏡をかけた有希が寝ていた。俺の腕に眼鏡の跡が残るから外してほしいのだが。
腕を外したところで有希が目を覚まし、互いにおはようと挨拶をする。有希のあっちのハルヒから
盗んだ料理が食べられるのに、なんで未だにレトルトカレーを買い込んでいるんだか。
朝倉のおでんとにたようなもんだ。だが有希の方はカレーの研究をするわけではなく、
ただの嗜好品のようだな。そのあと、ハルヒ達女性陣と最後に古泉が起きて来た。
いつものニヤケスマイルがパワーアップしている気がする。
身支度を整えて学校へ進む。いつも通り有希が抱きついて来て、
後ろの朝倉やハルヒはもうニヤケたりせず、普通に俺たちのことを見守っているという感じだ。
全くハルヒが入れ替わってしまったときと比べたらえらい違いだ。
教室に入り、朝倉は女子生徒から囲まれ、俺は谷口に、
「よぉ、お二人さん。あれ?キョン痩せたか?」ああ、ちょっと筋トレするようになってな。
と谷口との会話を強引に切る。朝倉だけ遠い席だが、女子生徒から囲まれなくなれば朝倉の方から
こっちに寄って来てみんなで談笑していた。授業後はそのまま生徒玄関へ。
古泉はボードゲームを少しずつ持ちこむらしい。そのまま俺は有希に付き添われて勉強していた。
古泉と朝倉で買いだしに出かけ、夕食前に朝比奈さんが帰ってきた。
そんな生活が数日たったある日のこと、暇になってしまった朝比奈さんが古泉にボードゲームに挑んだ。
朝比奈さんも負けると分かってて暇つぶしのようにやっている。当然掛け金は無しだ。
「あれ?古泉君にオセロで勝っちゃいました」
『えーーーー!?』全員の視線が二人に注がれた。受験勉強も一旦やめ、朝比奈さんVS古泉の2回戦。
今度もあっという間に古泉が負け、朝比奈さんが怒った。
「いくら強いからってわざと負けるなんてひどいです!」
「それもそうね。ちょっと紳士的とは言えないんじゃないかしら?
そういえば確か、向こうの世界の古泉君と将棋したけど凄く弱かったな…」
「ってことは、次は古泉君が入れ替わったってこと?」
「それはありません。わざと負けるなんて真似をして済みませんでした。無礼をお許しください」
古泉はそのままボードゲームを和室に戻した。
両腕にハルヒと有希の腕が乗っている状態で朝を迎える。俺は基本的に寝相がいいとは決して言えないのだが、
こうも固定されてしまうと、次の日腰が痛かったり、首が変な方向向いて動かなかったりなんて事になりかねん。
しかし、この二人より先に起きるなんて珍しいな。夜中に何かされてないと良いんだが…。二人の頭が乗った腕を
そぉっと外し身支度を始める。しばらくして…
「キョンにしては早いじゃない、どうしたのよ?」
「にしては」は余計だ。それより、ハルヒの髪が随分と伸びたものだ。これでポニーテールなら魅力度30%UP、
髪を洗ったり手入れをするのは大変だろうが、俺のためにも二度と切らないでほしいものだ。
顔を洗って、歯を磨いていると、起きて来た有希と朝倉が目を丸くして俺を見てる。どうかしたか?
と聞いても、「問題ない」すら返ってこなかった。全員起きたところで朝食、身支度を整え学校へ向かう。
朝倉もだいぶ人気者になったようだ。他クラスからも来ているみたいだし、
男子生徒からすれば、あの立場が俺だったら…なんて、谷口が真っ先に言いそうだ。
通常授業の合間も有希に頭をかかえている問題を質問し、わかりやすい丁寧な指導が行われた。
その後も通常通り授業を受け、お昼のお弁当は有希の部屋で食べた。
「なんでそうなるのよ!」とかなんとか、ハルヒが言ってきそうだったが、これだけ暑いと、
あのリビングが恋しいらしい。しかしジョン、いくらなんでもこっちは不利過ぎないか?
『そうだな、長門有希と朝倉涼子はすでに気付いているが放置している。ゲームにするなら、
異議を唱える所だけれどいいんじゃないか?全員連れて行くみたいだし』
それは嬉しいが…そんな状況、こっちのハルヒが受け止められるのか謎だ。
『あっちにいるキョンも、こういう事に関しては頭が回る策士だからな。まぁ、なるようになるさ』
「ちょっと古泉君、あたしに何かついてる?」
「いえ…ポニーテールがあまりにも似合っているのでつい見惚れてしまいました。すみません」
「古泉君がそこまでいうなんて珍しいわね。キョンにもしっかり見られたいな」
すでに魅力度130%、見惚れているよ。その髪型でずっとそばに居て欲しいもんだな。
「あんたのそばにずっといるって言ったじゃない!忘れたの?」
馬鹿、こっちが恥ずかしくなるようなこと皆の前で言うな!なんてハルヒに言い返していると、
勉強に付き合ってくれてた有希が俺の左腕にしがみついてきた。「彼女ばっかり、ずるい」だそうだ。
しばらくして朝比奈さんが帰ってきた。帰ってすぐ、ハルヒの変化に気付いた。
「どうしたんです涼宮さん、そんな顔して…」どんな顔なのか朝比奈さんには表現できなかったのだろう。
「いや…嬉しいは嬉しいんだけど…さっきからずっと古泉君の視線が痛いほどなのよ。恥ずかしくて」
「あれ?涼宮さん、前にも同じこと言ってませんでした?古泉君の視線が気になるって」
「そんなことあたし言った覚え……あーーーー!!」
ハルヒのいきなりの大声に耳を塞ぐ。一体どうしたんだハルヒ。
「あたしは言った覚えがないのに、みくるちゃんはあたしが言ってたということは、
向こうの世界のあたしが皆の前で話したってこと。つまり、今ここにいる古泉君は、
向こうの古泉君。とっくの昔に入れ替わっていたのにあたし達に内緒にしてたのね!?」
「推理としては成立していますが、証拠はあるんですか?」
「それなら試せばいいわ。この間の負けた分、ずっと反撃の機会を待ってたんだから」
「ひいぃぃぃ…」
朝比奈さんが脅えるのも無理はない、朝倉の殺気が部屋中を一瞬で占拠した。
「これはまいりました。ここで辞退すれば本当にナイフで刺されかねませんね、お見事です」
「それで、なんで内緒にしていたの?」
「今、向こうにいる彼とちょっとしたゲームをしたんですよ。
『もし俺たちが入れ替わるようなことがあったら、周りに内緒にしてどっちが先にバレるかゲームをしよう』
とね。朝倉さんとも対戦したいんですが、僕は先に涼宮さんに勝ちたいですね」
「今向こうにいる彼…ってことはキョンも?」
「ああ、こっちの方が不利なゲームなのに、こっちの方が先にバレるとは思わなかったよ」
「不利ってどういうことよ?説明しなさいよ」
「有希と朝倉は俺たちの少しの違いでもバレてしまう。こっちに来た朝、歯を磨いているときには
二人とも目を丸くして気づいていたよ。もちろんそれでバレるのは面白くないから、
二人には内緒にしてもらった」
ハルヒは、古泉の入れ替わりを自ら暴いたにも関わらず、ゲームに強制参加させられてご機嫌斜めのようだ。
「涼宮さん?僕の挑戦状受けてもらえませんか?」
「古泉君も随分大きく出たものね。いいわ、また負け越しても知らないわよ?」
「望むところです!」
一方、『キョン、向こうの方がバレた。朝比奈みくるの一言で涼宮ハルヒが気付いてしまった』
こういうことに関してはハルヒは察しが悪い方なんだが…
まぁ、いい。この後のイベントでさらに吃驚してもらうことにするさ。
『何度もそう思うんだけど、なんでこういうときは頭が回るんだ?ちょっとは勉強面に…』
それ以上は言わんでくれ。それより、ハルヒが何かおかしい。ハルヒ、何かあったのか?
「なんかおかしいのよ。さっきから。違和感があるって言うか…」
「まさか、また入れ替わったわけじゃあるまいし。わたしが入れ替わったときは向こうの涼宮さん、
キョン君がバラすまで全然気付かなかったわよ?」
ハルヒの中で閃光が走った。技を閃いたときに頭に豆電球がともるどっかのRPGに似ている。
「それよ、それ!古泉君、あなた入れ替わっているのに内緒にしてるでしょ?」
古泉に指を刺して声を荒げた。話の流れからして、古泉の名前が出てくるのはおかしい。当然言い返す。
「なぜ僕が入れ替わっていると…?」
「いつもあなたからくる視線が全くなかったのよ。あなたには話したはずなのに、こっちの古泉君になりきれなかったようね。みくるちゃんがあなたに勝ったのも納得がいくわ。あれがあなたの本気なんだからね」
「…そのあと、わざと負けたと謝ったはずです」いつものニヤケスマイルが引きつっている。
「じゃあ、あたしと勝負しなさい。掛け金は一万円よ!」
事情の知らない周りの三人じゃないが、俺も流石に吃驚した。
そんな推理の仕方なんて殺人犯も吃驚だ。証拠の提示が賭けゲームをすることだとはね。
『俺も唖然としたよ。こっちは涼宮ハルヒの掛け金、向こうは朝倉涼子の殺気でバレたんだから』
「流石にそこまでの大金は持ち合わせていませんね…あなたの言う通り、ずっとあなたを見ていなかった
僕の演技力不足でしょう。参りました、お見事です」
そのあと、俺も入れ替わっていることを話し、これからのイベントについて話した。
「なによその、面白い企画。あたし達も行っていいの?」
もちろんだ。そのかわり、あっちのハルヒに気付かれないように、みんな頼んだぜ?『分かった』
そのあとジョンが頃合いを見て俺と古泉を入れ替える。元の世界に戻ってきた俺たちを見て、
ハルヒと朝倉が「あーーーー!!」と叫ぶ。一体何だ二人して…
「まだ将棋の勝負の途中だったのに!!」と朝倉がさらに殺気を増した。古泉がこの後のことを耳打ちする。
どうやらそれで納得したようだ。朝比奈さんはずっと脅えたまんまだ。
ハルヒの方はというと、「キョンのクセによくもあたしを誑かしたわね!どんな罰がいいかしら…?」
何言ってんだ名探偵。お前が朝比奈さんの一言に閃いて、古泉が偽物だと解明、
こっちのほうが不利なゲームなのに勝ったんだ。おまえの功績だろ?
「そっ、そうね。あたしにかかればこんな簡単なことすぐに分かるわよ!」
ほんっと、言い方次第で持ち上げたり、イライラしたり…分かりやすい奴。
夕食の準備も進み、料理や食器が机に並んだ頃
ピンポーン
「こんなときに誰よ…SOS団全員揃っているのに誰も入る隙なんかないわよ?」
有希が電話に出て目を丸くした。一度こっちを振り向き、「わかった」と言ってオートロックを開ける。
「有希、誰が来るの?」「『あたし!』としか聞いてない、でも多人数で来るかも。迎え入れればわかる」
「誰が来るって言うのよ……」
そのあとすぐに玄関の呼び鈴がなり、来訪者を部屋に招き入れた。ハルヒと朝比奈さんが呆然としている。残り四人は知っていたからな。
「改めまして、向こうのSOS団全員で来ちゃいました!よろしく!」
ハルヒが固まったまま動かない。自分自身と会えばそうなるわな。
「これは驚きですね。入れ替わりではなく、今度は全員揃ってくるとは思いもよりませんでした」
「明日から夏休みだしプールで泳いだ後、勉強合宿のつもりで有希の部屋に集まろうと思ったら、
いきなり全員北高の部室にいたのよ。もしやと思ってきてみたら、案の定皆揃っていたわけ」
「よもや自分自身と対面できるとは考えていませんでした。これで朝倉さんとの将棋の続きもできますね」
相変わらず大袈裟な奴だ。どっちの古泉もな。とりあえずこの量じゃ12人分にはならんだろ。
こっちの有希に材料あるか聞いて、足りないものを向こうの有希を連れて買いだしに行く。
その間に箸をさらに六人分情報結合して食器もだした。
消失有希を除く五人は荷物を和室、寝室に置き、テーブルについた。
別に自分自身の隣にいなくてもいいのにと思いながらも、
先に夕食食べててくれと伝え、スーパーに出かけた。帰ってきたときには皿が全て空になり、
冷蔵庫の食材でできることをやって、俺たち二人が帰るのを待っていたようだ。
朝倉と古泉は将棋の続きをしていた。ようやく料理が出来上がり、
食べ足りなかった全員が元の位置に戻る。しばらくして俺が全員にバンダナを皆に渡し始めた。
「キョン、これ何よ?」
「全員の見分けがつくようにするためだ」
現実世界と消失世界なんて言い方したら、向こうの六人は良くは思わない。
それにこっちの有希がその世界を創造した神様なんて言えるわけがない。
「何であたし達は黄色なの?それに何でそんなに的確に色を渡せるのよ」
「俺たちは髪伸ばす前までずっと黄色のカチューシャつけたハルヒだったから黄色、
向こうの世界の方はハルヒ入れ替えの時に俺の青の体操着を着てやってきたから青色、
判別方法なら、ハルヒは身長、有希は眼鏡、俺はいわずもがな。
それから、古泉はハルヒに視線が行ってない方が黄色、二人のハルヒをずっと見ている方が青色だ
朝倉は、殺気がある方とない方、朝比奈さんはその殺気の怖がり方で判別がつく。
それぞれ、自分のどこでもいいから、見える所につけてくれ。例えば、俺は手首に巻いているし、
青有希はご覧の通り、首に巻いている」
「すごいわね、黄キョン君全員判別できるなんて思わなかったわよ。気配りがいいのは両方同じようね」
「涼宮さんが二人同時に見られる機会なんて今しかないですからね。しっかりと目に焼き付けて
おきたかったんですが、まさかそれを見抜かれるとは」
「それより黄キョンなんて言いにくくて仕方ないわよ」『』全員で俺のあだ名を連呼すんな!
「でも黄キョン君、バンダナまで用意してこの後何かあるんですか?」青朝比奈さんが聞いてきた。
その説明は黄古泉からしてもらった方が早い。
「明日から全員で孤島に三泊四日の旅を全員で行きます。黄色チームの方は一年の時にいってますから、
お分かりでしょう。新川さんの豪華料理を皆さんに堪能してもらおうかと思いまして」
「あの料理がまた食べられるんですかぁ!?うふふ…楽しみです」
「そんなにおいしいの?あたしは青有希が学んできた黄色のあたしの料理で十分おいしいんだけど」
「行ってみれば分かります。それから、明日の朝、僕たち黄色チームは水着を用意していませんので、
明日の朝、青長門さんに朝食を作ってもらっている間全員の家をまわって準備、そのあと、駅前公園から
大型バスで移動し、現地へはフェリーとクルーザーですね。リムジンでは12人入りきれませんから」
「わたしは1年のときはまだSOS団じゃなかったから…楽しみね」
「黄古泉君、向こうに行ったらなにかイベントがあるの?前行ったときみたいな推理ゲームとか…」
「それは今回はなしです。先ほど既にやってしまいましたからね。そのかわり、提案は黄彼ですが、
僕も楽しみで仕方がありません。孤島で、水着で海で泳ぐ、加えて6対6でやるスポーツといえば、もうお分かりですよね?」
『ビーチバレー?』
「ご名答、折角6人でやれますし、ただのビーチボールではなく、バレーボールに近い球を用意します」
「今日は眠れるかしら?」「明日が楽しみです」「問題ない」「このあと6人で作戦タイムよ!」
青ハルヒの指示のもと、夕食終了後、青チームは朝倉の部屋で寝ることとなった。
翌日、森さんが運転してきたリムジンで各家を回る。リムジンには田丸兄弟が同席しており、
事情をきいたところ、森さんもバスに乗り込むため、リムジンを動かすのと、
久しぶりに俺たちと話したかったらしい。朝食を終え、森さんを含めバスに乗り込んだ。
バスの入口には『SOS団御一行様』としっかりプレートにかかれていた。
運転手は新川さん…?黄古泉、新川さん向こうで料理してるんじゃないのか?それとも途中で昼食を買う気か?
「その設問には私がお答えいたします。前日既に料理を作り上げ、あとは切り分けるだけの作業でございます。
この時期ですから皆様には冷たいものをと思いご用意させて頂きました。お口に合えば幸いです」
なるほど、それなら説明がつく。そのあと森さんがメイド服でバスガイドを始めた。
その後フェリーに乗り、数時間の船旅となったが、今回は寝れそうにない。
黄朝倉対青古泉の勝負の決着がつかないのだ。当然その間純度100%の殺気を放っており
朝比奈さんは別の場所に避難してしまった。当然他の客も殺気を浴びせられて避難していた。
「わたしの100%の殺気に怖気ずにここまで互角に渡り合えるなんてあなたもやるわね」
「実戦ならあなたのナイフで瞬殺でしょうが、ボードゲームなら話は別です」
俺はハルヒのイライラゲージだけでなく朝倉のイライラゲージにも注意してないといけないのか?
『それはない。もはや朝倉の中には卑怯な手を使ってキョンを殺そうとはしないだろう』
そう言ってくれるとありがたい。朝倉入れ替え時に青俺よりも青古泉に殺気浴びせてたみたいだしな。
ようやく孤島に到着、部屋割を決め、水着に着替えて昼食を待った。俺たち男性陣はTシャツを、
女性陣は濡れてもいいようなパーカーを羽織り、昼食の座席に座った。
当然、黄朝倉と青色チームは呆然として手がつけられないらしい。各々が見た感想を話し、ようやく食べ始めた。
いよいよビーチに出てバレーボール対決。クルーザーで向かってきたときに確認していたが、
ちゃんとバレーボールが出来る支柱やネットが立っていた。
既に男性陣はTシャツを脱ぎ、黄ハルヒと青有希が2人の俺の上半身を見て顔を紅く染めていた。
黄古泉のコイントスでサーブ権を決めたが、流石に能力のあるハルヒの方がサーブ権をゲットしてきた。
黄色チームサーブ順:ハルヒ、有希、古泉、朝倉、朝比奈さん、俺の順、セッターは有希。対する
青色チームサーブ順:朝比奈さん、古泉、ハルヒ、朝倉、有希、俺の順、セッターは古泉のようだ。
ハルヒのサーブでゲームスタート、森さんがメイド服そのままで、審判をしている。暑くないのか?
サーブは青有希めがけて一直線だが、すかさず動いた青朝倉にレシーブされ、青古泉の所へ正確に
球が上がる。それに合わせたハルヒが駆け込み、すかさずAクイック!サーブ権が青チームに渡る。
朝比奈さんの一球目、俺目掛けて鋭い球が来る。朝比奈さんからこんな球がくるとは思ってなかったが
何とか長門が間に合い、レフト朝倉への高速トス&スパイクにもかかわらず、サーブを撃ってすかさず
レフトを守っていた朝比奈さんが難なくあげてしまった。
そのまま青ハルヒ、朝倉、朝比奈さんの三人が一斉に動く。
青古泉の選択したのは青朝比奈さんのバックアタック。
ハルヒがレシーブするも、球は大きくそれて岩にあたった。
「青みくるちゃん強すぎない?」「自分でもびっくりです」
青朝比奈さんの二球目、黄ハルヒがレシーブし、絶好の攻撃チャンス、青朝倉と青ハルヒがそれぞれ
レフトとセンターに一枚ずつブロックが付いている。有希が選んだのは黄古泉のAクイック、
それにばっちり合わせた青ハルヒだったが、黄古泉がフェイントでブロックの直ぐ横に落としこちらの得点。
その後、有希の高速サーブ、古泉のジャンプサーブで点数を稼いだものの21−25で青チームの勝ち。
コンビネーションの差かな。司令塔のセッターがボードゲームに強い古泉だからな。
どこから来るか分かったもんじゃない。砂場でジャンプする負担もあり、全員が疲れていた。
涼みに皆で海に入り、新川さんの豪華ディナーを満喫、そのあと遊戯室でゲームをしながら、
全員で喋って楽しんでいた。
楽しい三泊四日もあっという間に過ぎ、帰りのバスでは誰一人として起きているものはいなかった。
有希の部屋に戻ってから古泉が手配したジャンクフードとお酒で大いに盛り上がり、
気がついた時には、黄色いバンダナをつけた六人に戻っていた。靴忘れてるぞ!どーすんだジョン。
『古泉一樹じゃないけど、ちゃんと一緒に向こうに送っておいたよ。それに、皆で撮った写真もね』
配慮が効いていて言葉がでないよ。古泉じゃないけどな。でも今回の一連の入れ替え、ホント助かった。
後で古泉から改めて礼を言われるだろうけど、俺からも言わせてくれ。ありがとう。
受験勉強に必死になってなきゃいけないのに、ここまで3年の前半を楽しめるとは思わなかった。
『どういたしまして。俺も楽しかった。久々にいい気分になれたよ。ありがとう』
孤島に別れを告げる直前、12人全員での集合写真が、六枚置かれていた。
おしまい
結局雨降らなかったよハルヒ
ハルヒがてるてる坊主をぶら下げてから雨が降らないので
心配になるキョン
今日一日中機嫌の悪いハルヒ
また長門たちと異相空間に行って
てるてる坊主の怪物相手に古泉がふんもっふする のか。
乙乙
275 :
255:2014/06/21(土) 07:12:56.40 ID:3aMvpcT20
>>273 涼宮ハルヒの温泉旅行
http://wikiwiki.jp/haruhi/?%CE%C3%B5%DC%A5%CF%A5%EB%A5%D2%A4%CE%B2%B9%C0%F4%CE%B9%B9%D4%A1%A1%A1%CA155-222%A1%CB ストーリー
団長様の思いつきにより、とある場所へと旅行に出かけたSOS団ご一行様
旅行先での楽しくも平凡な時間は過ぎていく
夜中にふと目を覚ましたキョン、暗く静まり返った部屋には・・
,、
/ ヽ _..-z‐…ー- .
「了¨ヽ |´.:.:.:/ ̄ ̄ ̄ ̄¨`ヽ、
|ヽ/|_.|─ Y.:\:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:ヽ-‐'7
/,コ⌒'´ `i:.: ,'\'.:.:.:_,/.:.:.:.:.:. ノ.:.:.:', 〈
r' /,ハ. |:.:.|厶>Z__..イ.:/ |:.:|く´
|_|':/| |:.:.| /`i 、」ィ_l_リ >
/:/ ,_イ__!_:.| し' /`i|:.:/:∧_]
|/|| |⊃ .へ、 し'.|/レハ_厶._
|| |:.|、{ ̄ヽ`ァ ⊂.:.:/´ {.{. ノ
レ____j、|. ト ー-' _.ノ.:./ ヾィ
| | | i ̄| ̄ |/|/ __/
ノ | | | ,ハ _,. ´
r‐〈 __ ヽ. | /, ' r ´
| 、__|.r`ヽヽレ__厶-ヘ
| /./〉ニ才ハ ト、/ ̄ ̄`.
7ヽ、/_/ `く_〈〈〃 〉′, 〉
,′ >、___/ ̄7ヽ、_,/
∧ / / /
. ,′ ア |` ァ´
ト-./ ー′
ー'
台詞といい表現といい地の文といいかなりのハイレベル
特に主要キャラクター達に細かく振られたエピソードの内容が実に面白かったです
もちろんハルヒ、キョンの扱いは言うまでも無くにやにや・・ではなく何かジーンと来ました、胸に
作者不明なのがおしいくらい、この人の他のSS読んでみたいです
276 :
255:2014/06/21(土) 07:25:22.40 ID:3aMvpcT20
>>274 ある日の「SOS団団長のブログ」
http://wikiwiki.jp/haruhi/?%A4%A2%A4%EB%C6%FC%A4%CE%A1%D6SOS%C3%C4%C3%C4%C4%B9%A4%CE%A5%D6%A5%ED%A5%B0%A1%D7 ストーリー
SOS団団長による、SOS団団長の日常を綴った、SOS団団長ならではのブログです!
宇宙人、未来人、超能力者が居たらコメント残して行きなさい!
・・まあ、上記に該当しない一般人でもコメントしてってもいいわよ
/:::::::: -―――‐-\:::::::::::::\
/::::::::/ .-―――─-、}:::::::ヽ:::::::',
/::::::::::レ'::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::| ̄ ̄/
,'::::::::::::::: /:::∧:::::::::::、:::::::ヽ:| ::::::::| _,/
::::::::::::::::メ{::厶:::、:::::、:|\_:::ハ::::::::::| \::|
レl::::::::::::::::レ,_,_Vヘ::::リ,_,_∨ |::::::::::|、 〉
|:::::::::::イ(__) ∨(___):::::::: ハ/::|
|::::::::::::j⊂⊃ ⊂⊃::::::/ノ:::::::|
|八:::::( |:::::/:::::::∧|
(⌒) ∨l\个r::..._f^)`^′_... イ::::/ :/::/
(⌒  ̄| ∨レく三] ̄/ /,|/∨|/
゙て_) ̄ / ` || ./// /ヽ
最初は一人で、後に複数の書き手がお題的に繋いでいったブログ形式の団長様日記、かな?
本当に他人の日記ブログ見てるみたいで気楽に読めます
こっちは
>>275とは逆に毎回にやにやしてました
是非是非流れのテンプレ化+再開していただきたい
このタイプのSSで「継続型」とか「リレー形式」みたいなカテゴリーでwikiにまとめるとか無理かなー
AAのチョイスに特に意味はありません
277 :
255:2014/06/21(土) 08:16:02.33 ID:3aMvpcT20
あと5〜6個SS募集
タイトルと出来ればURLもらえたら感想書きます
面白いSSを読みたい+広めたいという趣旨なのでマイナス面は基本書きません
SSが紹介される→感想を書く→スレに感想が増えたらまたSSが増える→面白いSSが増えて
>>255が喜ぶ という流れを狙っています
スレに感想が増えればその流れは加速するでしょうし、感想を書くのは
>>255でなくてもいい、同じSSにいっぱい感想がついてもいい・・何が言いたいかはお分かりですね?
なお、SSが自分の趣向とは合わない内容だったり、知り合いのSSだったりした等々一身上の都合で感想しにくい場合は
_,..:-:‐:────::‐-:、_
_,,.イ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/ ̄/: : : :.:/ニ二二二二二二|: : : : : :ヽ,-‐┐
ヽ,/: : : : : : i: : :.|V: ::|: : :|: : ;-‐|: : : :|:/ __,|
/: : :i: : : ::||:\| V::|\:|/: : :| : : : | <::}
_________j: i: ::|: : :;/リ ヽ:{ヽ ∨ '´` \;/|: : : ::|\ `>
============ュ | |:/|: ::|:::/::} ,=====゛ , '=====|: : : ::|:.: :ヽ.,イ
|| | | |: :|:.:;{:::j ' |: : : :|^ヽ:: : :|
|| | | ∨|/:`ノ |: ::i::|_,,ノ:i::.:i:|
|| | |. |::::ヽ、 ゝ-'ー( ,|: ::|::|:: : :|:/`{ ごめん、パス
|| | | |:;γ'"´ゝ-'"ヽ--─‐‐'" |: ::j;/:;∧{'
|| | | _,/´ { }ュ/ //j;/´~`ー--、
|| | |r'´ ,r',^`ヘ.__,,ノ // ,_ }
|| | | __,/ヽ--'"} |"/ // ,-r,-─'i"~|` |
|| | | ヾニ二,,/ |/=='"/ /´ ,i | {
|| | | ,イ > r-‐‐'´ 〈 |__,,〉
||:__|__|`─‐'´ {/rュ\ー-、_____,,} |===}
で、スルーしますので察してください
自作で評価希望なら「評価希望」と書いてくれれば上から目線で突っ込み+修正したらいいなと思う場所等も指摘します
ご希望であればどうぞ
>>255氏
うまく感想をレスしてますね
感想の整理や文章が苦手だからレスできなかったりするんです
AAも賑やかでいいですね
SSの感想は、時間がたつといいにくいからでしょうか
自分と同じ感想も違った感想もおもしろいのですけどね
午後には時間ありそうだからSSを探しときます
280 :
255:2014/06/21(土) 12:07:25.61 ID:3aMvpcT20
>>279 涼宮ハルヒの『家族ゲーム』
ttp://wikiwiki.jp/haruhi/?%CE%C3%B5%DC%A5%CF%A5%EB%A5%D2%A4%CE%A1%D8%B2%C8%C2%B2%A5%B2%A1%BC%A5%E0%A1%D9%A1%A1%A1%CA158-429%A1%CB ストーリー、というかあらすじ
長門は俺の○でハルヒが俺の○だ、朝比奈さんは俺の可愛い○であり、もう一人については特にコメントは無い。
……突如として非日常に巻き込まれるってのは、いったいこれで何度目になるんだろうか。誰か暇な奴が居たらカウントしてみてくれ。
その世界では誰もハルヒの事を知らないわけじゃないが、今度の世界もまた俺を十分に混乱させてくれたのは間違いない。
あらかじめ言っておく。
その世界の寝室で、俺は人生において最も緊張する事になる。
─━━ ミ
__/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.\
マ:.:.:.:./二二二 ヽ:.:.:.:.L_ハ __
/ィ:.:.:.':.:.、:.:.:.!:.:.:.:ヽ!:.:.:.:l<:.:.、/ヾi}ノ
|:.:.:l:.Χヽ:.| /:.:.|:.:.:.:|\_}:.:.ヽ/
_|:.:.:N◯ ◯ |:.:.:.:| ):.:.:.∨
廴i:i} |"" ""|:.:.:.从:厂/
 ̄父ト く⌒ア.イl:.:// 〈 安心しなさい!ドラマ「家族ゲーム」とは関係のない内容だったわ!
\: Yイi/ ,∧
ヽ芥´__ /: : \
/V: ヽ/: : : : : : : :ノ
. -〈: : : : : : : : : : 才´
( _〕iト ----彳 l__ __
\/ハ 乂 // イ }
`し’  ̄  ̄
行間を読むという言葉がありますが・・全力で読んでやろうじゃないか、エピローグの前に何が行われたのかをなぁ!!
・・さて、改変された世界でキョンが目覚める所から始まる日常という名の非日常
元の世界へと戻ろうとする登場人物達の奮闘と、どうしてこんな世界になってしまったのかという考察
状況に翻弄されながらも、登場人物達への優しさが垣間見れるキョンに好感が持てました
小ネタバレ
魚屋のおっちゃんのコメントに喜んでいたハルヒ、俺にはあの時のお前は本当に喜んでいる様に見えた。
もしかしてハルヒ、お前にもあるんだろうか?
外見を褒められると嬉しい、そう思う気持ちが。
まだそれほど神経質にならんでもいいと思うけど
AA貼り付けるなら容量に注意な。
あとURLは先頭のhを抜いた方が容量節約になる。
今の流れはいい感じなので続いて欲しい。
自分もまとめサイト読んでこようかしら。
今日は夏至だよハルヒ。
>>281 ひとつめ
未来人侵略
ttp://wikiwiki.jp/haruhi/?%CC%A4%CD%E8%BF%CD%BF%AF%CE%AC%A1%A1%A1%CA126-163%A1%CB ストーリー
俺の周りには、極々平凡な人生を送る上で遭遇する可能性など微塵も存在しない異質な存在が、何故か複数でうろうろしているのが日常だ。
宇宙人、未来人、超能力者。非日常のバーゲンセールは、どうやらいつになっても閉店セールにはなってくれないらしい。
ただ、その中の未来人に関して言えば、特に注意しなくてもいいと考えていた。
彼等はただ未来に済んでいるだけの人であり、向こうからすれば過去の存在である俺に何かしてくるとは思えない。
ずっとそう思ってたんだよな……いいか、俺。その認識は大きく間違っている。
何よりも恐ろしいのは宇宙人でも未来人でもない、未来人なんだ。
-----ミ
rv':.:.:∠二二ス‐┐
にス:/:.:l:.:.l:.:.:.ハ:.:.:V
|:.:.:|:.:.:lΧヽ:l厶:.:ハ
|:.:.:|:.:.:|廿 廿l:|
ハ从:.:.|、 (` ァ イ:| ちなみに韜晦の読み方は「とうかい」よ、簡単に言えば隠してるってことね
{⌒m≧ナlY
.}ゝニニィ_.ノ
イ__ く芥ト、
/: : : : : :_:、: :厶
──`ー‐─イ_Yl_|──
|::::::| |:::::|
lZZ) lZZ)
勢いのある会話の連続で進むストーリー
話が進むにつれて地の文が減り、いい意味で更に加速して行きます
一方、その会話を隠れて聞いていたのであろうあの人には涙せずに居られません
実際問題、キョンが惚気話をするとしたら確かにこの相手しかないよなぁ・・
>>282-283 把握、ありがとう気をつけるよ
>>285 宇宙人でも超能力者でもないと書いたつもりが・・
残り二つは週明けくらい予定
自薦推薦SSまだまだお待ちしてます
風が吹くと涼しいよハルヒ
乙乙
ぬこ乙!
今日も雨だよハルヒ
293 :
255:2014/06/22(日) 12:43:48.81 ID:P2UsbEgw0
スマホから書き込めた…だと?
時間取れたので
>>281の残り読み終わり、感想は夜に書き込みます
今日はまだ時間あるので「これ面白かったぜ?」とか「これの他の人の感想が見たい」とか「俺のSS読め!」でもいいので紹介待ってます
梅雨時らしい空模様だよハルヒ
ハルヒの機嫌が悪いのか?
低気圧だとイライラしてそうだな
うーん、ちょっと思い出せないなー
このスレ以外のSSかもしれないし
あとで読み返そうにも見つからない場合もおおいよね
夕方になって晴れてきたぞ。
流石ハルヒだぜ!
妙な天気が続いているよな。
まるで誰かさんの気分みたいだね。
こんな日はハルヒを撫で撫でしてマターリしたいものだな。
>>281 ふたつめ
がんばれハルヒちゃん
ttp://wikiwiki.jp/haruhi/?%A4%AC%A4%F3%A4%D0%A4%EC%A5%CF%A5%EB%A5%D2%A4%C1%A4%E3%A4%F3%A1%A1%A1%CA140-198%A1%CB ストーリー
質量保存の法則、それは涼宮ハルヒにも例外なく適応されている。
何かを摂取すれば質量は増大する、それは避けられない。
同時に、エネルギーを消費する過程においてその質量が減少するという事でもある。
頑張って。
___ _
.ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..、
./:.:/二二二二\:.:.:.:.:.\
/:.:.:.:':.:.:、:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.ヽ
「 /:.:.:. l:.、/ \:.:.:.:.| ヽ/:.:.:.:.:.「 ̄〉
/V:.:.:.:.:.N \ }\:.l/ lハ:.:.:.:.| ∨
ヽi:.:.:.:.:.:|── ──‐i|:.:.:.:ト 〉
|:.:.:.:.:.:|‐=== 、 ====‐:|:.:.:.:|:.:.:|
|:.:l:.:.:.:| 、__ u!:.:.从:.|
|:∧:小、 │ l |:.:/:.:.:.:′
ヽ:.:.:≧‐┴─ ┴=≦':/:./レ
/⌒マ V 才:´: |==/: : :/X∨
{、__.ィv’ |i:i : : | ./: : :/i/ ヽ
V:i:i:i/、 Vハ : |/: : :/iイ
} ̄ !ヾヘ:i: : 才’ 、 \
ゝ __ノ| イ芥ト、 {\
}ーV::ハ::「ー‐イ ヽ _ム
/: /:/: : l::l: : : : | V:i:i:i:}
': : V: : : レ: : : : :| し_ノ
台本形式で送るハルヒちゃんの奮闘記
今回は女子の永遠の命題に挑むハルヒちゃん、そして巻き込まれる某雑用係
ハルヒちゃん特有の「コメディな展開」+「ハルヒ可愛い」が上手く再現されています
この作品の中で床に伏せているシーンがありますが、そこだけはリアル等身で脳内再生余裕でした
キョンが狙撃されたのは頭だけだったんでしょうかねぇ・・
真面目な話、ハルヒちゃんのアニメって新作出て欲しいです
谷口のミニ同窓会
ttp://wikiwiki.jp/haruhi/?%C3%AB%B8%FD%A4%CE%A5%DF%A5%CB%C6%B1%C1%EB%B2%F1%A1%A1%A1%CA62-339%A1%CB ストーリー
別によ? 俺だってそれが悪い事だとまでは思っちゃいねーんだ。
年金だの少子高齢化……だっけ? よくわからんが、とにかく最近は産めよ増やせよって空気なわけだしさ。
俺だってナンパに勤しんでる身なんだし……いや、成果は出ちゃいねーけどよ。
まあつまりはあれだ。俺が言いたいのは、さっさと認めちまえって事だ。
--=======ミ
ィi〔:.:.:.:.イ 二二二二 ヽ
厂 ̄ `寸:.:.:.://:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.マ´ ̄}
>─‐ イ:.:.:.:.':.:.:l:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:ヽ.‐く
\ィi〔:.:.!:.:.:. |廾ト::ハ:.:.:.:.:.:厶斗匕:\/
|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.| ___ \:/ _V |:.:.:.|:|
|:.:.:.Y |:.:.:.:.| (__) (__) |:.:.:.|:|
|:.:.:.:ゝ|:.:.:.::| "" _____ "" |:.:.:.|:|
|:.:.:.:.:.:|Y⌒l / V |:.:.:从
|:.:.:.(`ヽ. レ'⌒i / ィi〔l:.:/:.ハ
V( ̄` /=====彡く:.:l:W|/V
`て _ イ}ト:、: :|==|: : /ハ
乂i:i:i:i:ノ} ヽ: :| |: // ヽ
頑張れ谷口、きっとあいつらのゴールはすぐそこだ
すぐそこに見えてるってのに、一向に近寄ってない気がするから腹立たしいんだろうけど
それは他のクラスメイトも同じだ、多分
丁寧に状況描写された無自覚カップルの行動、あれを日常的に見ているであろう谷口には頭が下がります
日々積み重なっていく鬱屈した欲求を糧に、彼はナンパを繰り返すのでしょう
乙乙
SSのキョンは大人びた落ち着きがあるのが多いよね
ハルヒとの距離も原作より近いし
今朝は晴れてるよハルヒ
予報みると後で崩れそうだな。
キョンがまた何かやらかしたのか?
ハルヒ達がゲッターロボに乗るなら
真・ゲッター1=ハルヒ
真・ゲッター2=長門
真・ゲッター3=みくる
ブラックゲッター=キョン
ゲッター1=古泉
実は3ゲットロボ のファンだったハルヒ
キョンのAAを掲示板に投下しまくるハルヒ
まとめサイトを読んでベッドの上でゴロゴロ悶えるハルヒ
ハルヒとキョンは周りからは恋人同士に見えるかも
東中のOBにはわけがわからないだろうよ
サイレントヒルリベレーションズ見てるけど、金髪のハルヒも可愛いだろうな
ぬこ乙!
今日は雨が降りそうだよハルヒ
ハルヒの雷も落ちそうです。
サンダーブレイク?
雹が積もるぐらい降るとか
一体キョンは何をやらかしたのか?
雨上がったよハルヒ
ハルキョン仲直りしたか。
喧嘩の原因は何だったんだ?
きのこたけのこ論争
そんなSSあったね。
まあ、古泉のバイトも忙しくもなしで、安定してるんじゃね
ハルヒは活動しにくい梅雨は嫌ってるのかね?
お、ちょっと俯瞰だ
乙乙
ながるん新潮文庫の新レーベルで新作書くみたいね。
ハルヒの続きもかいてくれえええええ
今日も大荒れとか勘弁してよハルヒ
ちょっと涼しいよハルヒ
331 :
257:2014/06/25(水) 13:04:16.99 ID:xqbjGkYm0
こんにちは。
続編が書き上がりましたので投下致します。
宜しくお願いします
12人での孤島ツアーから数日が経ち、そのとき撮った写真で思い出に浸りながら、夏休みの宿題に6人で取り組んでいた。
当然有希とハルヒはすでに終えてしまい、ハルヒが俺についてくれる時は、有希がゲーム、
ハルヒが食事の用意をしている時は有希がついてくれて、スピードは遅いが一問ずつ問題を解いていた。
そんなある日のこと……
「あーあ、また6人で遊びに来てくれないかな……」
「異世界からくるなんて、滅多にないぞ。そりゃあ、あの時は楽しかったけどさ。
バレーも何セットやっても向こうの勝ちだったし…リベンジしたい」
「そうですね。涼宮さんが入れ替わることから始まって、今まで不思議続きでしたから…
もう少し…と欲が出ても仕方ないかも知れません」
「向こうの古泉君との勝負まだ決着ついてないのよね…」
「向こうのわたしがあんなにバレーで活躍するなんて、吃驚です!」
「そういや、皆あの時のバンダナ、ちゃんと持ってるか?」
「全員の荷物見れば分かるでしょ。いつでも行けるように準備万端よ」
寝室を見ると、荷物に巻かれた黄色いバンダナが見える。ハルヒからすれば不思議だったけど、
みんないい思い出として、余韻を残しているのかもしれない。
「また、しばらくしたらくるかもな。夏休みの終わりごろとかに」
「是非とも来ていただきたいですね。もしかすると、既に入れ替わっているのに、
内緒にしているのかもしれません」
「あたしを騙そうなんて100億年早いのよ!」
だそうだ、ジョン。古泉と話してもう一度くらい…
そうだな、今度は俺たちが向こうに行くとかというのはどうだろう?…?…ジョン?変だな。
あっちの世界行く時はいつも一言入れるんだけど…
「…ョン。キョン!もう、またなの!?あたしが教えてるのに考え事なんて言語道断よ!」
「え、ああ。すまんすまん。今度は俺たちが向こうへ行ってしまうと皆で何するかな…と考え事を…」
「だから、それが言語道断だって言ってるんじゃない!このバカキョン!」
『キョン、緊急事態だ!』
いないと思ったらいきなりなんだ。何が起こっているのか簡潔に説明してくれ。
テレポートしていったら、敵に囲まれていましたじゃ話にならないぞ。
『今回はテレポートじゃない。時間跳躍だ。大人版朝比奈みくるが危ない!』
なぬ!それはつまり、ここにいる朝比奈さんもいずれそうなる運命ってことじゃねえか!
『とりあえず、今朝比奈みくるがいるタワーに武装した集団が襲っている。
ナイフや拳銃じゃない。未来の武器だ。今のコーティング位なら簡単に貫通される。
みくるビームのようなものと思ってくれ』
おいおい、貫通しちゃうんじゃ、大人版朝比奈さんが俺の後ろにいたらアウトだろ!
『コーティングを分厚くすればガード出来るが…それだとすぐエネルギーが尽きてしまう』
なんだ。あるじゃねえか。ガード出来る方法が。
ったく、俺は仲間を石にされて相手の宇宙船の中へ入っていくような戦闘民族じゃないぞ。
それで、現在の状況は?
『タワーをガードしている人達がほとんどやられ、タワー下層部はほぼ壊滅、中層部に向かって
少しずつ進んでる。大人版朝比奈みくるは上層部だ』
分かった。上層部の座標を教えてくれ。すぐに時間跳躍する。ジョンのタイムマシン出してくれ。
『察しが良くて助かるよ。紙の破片でもいい。今この状態にあることを念じて長門有希に渡し、
キョンがいなくなっても大丈夫なようにしておいてくれ』
わかった。しかし、有希に紙の破片を渡せ…って、そうすることで死神が見えるんじゃないだろうな。俺の場合死神じゃなくてジョンか。『いいから早くしろって』
さすがのジョンもこういう漫画までは知らないらしい。だが、
ハルヒの怒鳴り声が聞こえてくるが、大人版朝比奈さんの危機とあっては、
出動しないわけにはいかない。ジョンの言った通り、紙の破片に今の状態を記録させる。
「ハルヒ、怒らせてごめん。すまんが緊急事態が起こった。出かけてくるから、後を頼む。
それから、有希、これを…」「……わかった」
「もう婚約破棄してやる〜〜〜!!」
靴を履いて外に出て、屋上へと移動する。雲ひとつない快晴で、蒸し暑いが、なんだか気分は清々しい
これから戦場へ向かうってのにな。嵐の前の静けさって言うのかね。こういうときは。
ジョンの教えてくれた時間軸に飛んだ。今この時空平面にキョンというあだ名の付く奴はいなくなった。
有希、朝倉、朝比奈さんの三人が、俺の時間跳躍に反応していた。
一瞬のブラックアウトの後、目の前に大人版朝比奈さんが立っていた。朝比奈さんの上司みたいな人が
その横に立っている。大人版朝比奈さんは俺が見慣れた女教師風ではなく、どこかのRPGの王女様のような格好をしていた…。
ジョンが朝比奈さんに気付かれぬよう、タイムマシンを隠す。
「キョン君!来てくれたんですか?」
「ええ、朝比奈さんのピンチだって聞いたもので。大体の事情は把握しました。
確認したいことがあります」
「確認したいこと?」
「俺は今から襲ってきている奴等をなぎ倒し、アジトまで破壊します。単刀直入に聞きます。
敵を殺してかまいませんか?TPDDを爆破してもいいですか?」
「既にこちら側にも負傷者は出ていますが…キョン君はもう覚悟を決めているようですね。
キョン君に全てお任せします。わたしたちを、いえ、この未来を救ってください」
「わかりました」
といい、俺は振り返る、朝比奈さんから姿が見えなくなったところで停止し、壁に触れて、
サイコメトリーを行った。タワーの全構造が俺の頭に入ってくる。どうやらここから螺旋状に
廊下が続いているらしいな。部屋の扉があればそこを開けて敵を確認すれば良いか。
エレベーターは壊れていて使えない。廊下を歩いて行けば朝比奈さんに危害が及ばないってことだ。
ジョン、敵と遭遇する前に確認しておきたい。この時空平面上に機関はあるか?火器や車なんかは
壊すより奪い取った方がいいか?
『いや、この世界はもう、一部の反乱者以外は平和そのものだ。奪い返されることを考えれば、破壊
した方が妥当だろう。それに機関はキョンの時代からしばらくして無くなったと聞いている』
ジョンのさっきの話じゃないが、武器をテレポートで奪い取るなんてやっているとすぐエネルギーが無くなってしまう。
俺が加わってどこまで出来るかわからんが、やってやる。
「待って!!」
振り返るとさっきまで一緒にいたはずの人物の姿があった、さっきリビングでいたときと服装が違う。
この時空平面での彼女の衣装なのだろう。「よう、久しぶりだな。元気してたか?」
「挨拶はいい。あなた一人に全てを任せるわけにはいかない。わたしも戦う」
魔法使い長門有希が加わった。ってドラ○エか!お前まで出てくるってことは結構やばいらしいな。
「中層もほとんどやられた。ここに来るのも時間の問題」
そりゃあいい。お出迎えに行きますか。前方から敵三人、すかさずレーザーを撃ってくる。
全身は無理でも手の甲位なら分厚くして弾き返せばいい。レーザーの軌道を変え、一人は長門が仕留める。
後の二人は顔を掴んで後頭部を床に叩きつけた。すかさずサイコメトリーをして、相手の情報を奪う。
タワーに来ている人数、突入作戦、目的、アジトの場所、いろいろと教えてくれるもんだ。
俺がゆっくりしている間に有希はどんどん先に進む。後ろからの攻撃を避けるため、窓ガラスを割って
三人を外に放り投げた。建物の崩壊に加担してしまっているが、有希がいれば全部戻せるだろ。
しかし、俺たちの時代より発達した未来のはずなのに、空からの襲撃がないのはなぜだ…?
わざわざ下から攻めてくる意図がわからん。
『周りはパニックだっていうのに冷静にも程がある。けど、キョンの言う通りだ。
俺たちを下層部に目を向けている間に上層部を一気に爆破することだってあり得る』
だが、さっきのサイコメトリーでは作戦に上空からの攻撃というのは無かった。
『末端には知らされてないなんてこともあり得る。多少の犠牲なら味方もろとも…ってやつかもね』
なら、上空から来た時点でテレポートすればいいな。有希を追う。
その頃…
「なによ、なによ!なんなのよ!いつもいつも考え事してるといくら叫んでも声聞こえないなんて!
キョンの耳はただの飾りなわけ?集中するのはいいとしても、勉強以外に集中しているって
どういうことよ!このあたしが傍について教えてあげているのに!」
地団駄を踏むハルヒに古泉が立ち上がり、冷静に分析したことをハルヒに伝える。
「まぁまぁ、涼宮さんも落ち着いて。僕も彼に一体何が起こっているか分かりませんが、
婚約しているあなたを怒らせた上、それを放ってまで、行かなければならない所がある…
それほどの緊急事態なのでしょう。先ほどの話ではないですが、向こうの世界の
僕らが危ないと彼に救助信号が届いたと言っても不思議ではありません。
我々は既に多くの不思議を体験しています。向こうのあなたから『助けて!』という
言葉が届いたとしても、もう不思議ではないんです。向こうのあなたから、
向こうの世界に行く方法を聞いて出ていったとしてもおかしくはありません」
「そうだとしても、わけがわからないわ。不思議体験はあたしも望んでいたけど、
自分も体験できて嬉しかったけど、今までのことも含めてどうやったら異世界に行けるわけ?
不思議を解明しないと意味がないじゃない」
「あなたの言う事は正しい。わたしにメモを残して彼は今北高へ向かった」
「夏休みに入っているのに何で学校に向かっているのよ!」
「詳細は不明。メモにも『部室に行く』としか書かれていない。それほどの緊急事態。
これまでのことを考えれば、わたし、彼、古泉一樹はこの部屋で、朝倉涼子は自分の部屋で
涼宮ハルヒは部室で異世界と入れ替わっている。また向こうの六人が来たときも気付いたら、
部室にいたと言っていた。この部屋に時空の歪みのようなものが無い以上、部室に行けば
向こうと繋がる何かがあるかもしれないと、彼は判断した」
「キョンにしては冷静な判断ね。こういうときにしか頭が回らないんだから。
いいわ。帰ってきたらどこで何をしてきたのか白状させてやるんだから。
有希、キョンが戻ったら起こして。ちょっと昼寝してくるわ」
そういって寝室の戸を閉めベッドに横になった。
リビングでは残りのメンバーが長門の周辺に集まり、小声で話し始めた。
「で、本当はどこに向かったんですか?」
「異世界ではなく、未来へ向かった。朝比奈みくる、あなたがいた時代よりさらに未来へ。
彼は年を重ねたあなたが窮地に立たされていることを知り、大人のあなたを助けに時間跳躍した」
「でも、なんでそれで、キョン君に連絡が来るんですか?」
「彼のもう一つの意識がそれを可能にした。異世界だけではなく現在、過去、未来の様子を見ることが
できると考えるのが妥当。それ以外に説明がつかない」
「なるほど、テレパシーではなく、もう一人の彼が朝比奈さんの危機に気付き、彼に連絡した。
ようやく納得できました。しかし、超人的なパワーがあるとしても、一人で大丈夫でしょうか?」
「問題ない。その時空平面にいるわたしと一緒に闘っている。朝比奈みくるのいる上層部から
下に降りて行き、敵に遭遇したら倒して窓から放り投げている。それにより朝比奈みくるの危険度が
一気に下がった」
「おっと、閉鎖空間が出たようです。もう少し話を聞きたい所ですが、僕はこれで」
「でも、キョン君がわたしを助けに涼宮さんに怒られるの承知で行ったなんて…すごく嬉しいです」
朝比奈さんの目からは大粒の涙がこぼれ落ちていた。
随分と敵が倒れているもんだ。有希もしばらくぶりで戦いたかったのかもしれないな。
とりあえず全部窓から放り投げる。中層まで来たところで、有希を発見、五人相手に闘っている。
こんな狭い通路でそんな武器じゃ有希に勝てるわけがない。もたもたしていた二人を殴り倒し
外へ放り投げる。他の三人も蹴り飛ばした。
下層に入り、タワーで殺された犠牲者たちが増えていく。怒りがどんどんこみあげてくる。
「有希、タワーの中に生存者はいないのか?」
「手傷を負ったものはすべて死亡、ほぼ無傷で残っている人間は全て人質にされている」
ロビーに到着し入口で数人を人質に取っている残りの連中が姿を現した。
なんで人質を取っているのに建物の入口で構えているのか謎だ。さっきサイコメトリーした情報では
俺たちの時代にいる朝比奈さんのように、規定事項を満たすためのエージェントを殺すこと。
ならさっさと上に行って大人版朝比奈さんを人質にとればいい…俺の推理どっか間違ってるか?
『いや、冷静な判断だ。キョンの方が正しいよ。おそらく、逃げられないようにするためだろう』
「なんだおまえは。どうやってここまで来た!」
「なぁに、普通に上から歩いて来ただけだ」
「俺たちの仲間をどうした!?」当然の質問。声を荒げている。
「ぶん殴って、外へと放り出した。その辺に転がっているはずだ。一人くらい確認しに向かわせろ」
「おまえ、俺たちの仲間を殺したらしいな。どうなるかわかってるんだろうな?」
「やれやれ、こっちも犠牲者が出ているんだ。まさか、先に言われるとは思わなかったよ。
一つ聞く、おまえら普通の人間か?宇宙人だったりしないのか?」
「てめぇ何を言ってやがる。見れば分かるだろ」見て分からん例が、俺の隣にいるから聞いてるんだ。
「やれやれ、同期出来ないのか。面倒だな。おまえら、俺に人質は通用しないとボスに伝えろ」
「はあ?おまえ今の状況見てわからんのか、人質をどうやってた……」
「俺には助けられるといってるんだ」めんどくさい奴だ。あいつが言いきる前に被せてやった。
「冗談も大概にしろ。どうやって助け…」
「こうやるんだよ」俺、有希、人質数名を一気にテレポートさせ、敵グループの斜め後ろをとった。
そのまま振り向きもしない間に、拡散エネルギー波を放ち、敵の大多数を壊滅させた。
「さて、今のを残りのおまえらにもう一度放つ。ボスに伝えろ。俺に人質は効かないってな」
敵グループのうちの何人かが連絡を取り合っている。「伝えた、これでいいだろ?…ヘヘッ」
と言ったところで右手にエネルギーを集中「おい、待て!話が違うじゃ……」
敵の言葉も最後まで聞かずにもう一発放ち、敵の全てを殲滅させた。
ボスに伝えたらエネルギー波を放たないとは言っていない。といっても、もう塵になっているか。
上はどうなっているかと気になったが、人質にされていた人間と朝比奈さんたちを有希の異空間に
連れて行くのが一番安全だろう。長門にそれを伝え、情報結合を弄ってタワーの修復も頼んだ。
部分毎にやっていくのかと思ったら、ロビーに手を当てて高速詠唱、タワーが一気に元に戻る。
一度朝比奈さんのところにテレポートした。とりあえず、これ以上の犠牲は防ぎました。
有希の異空間に隠れていてください。俺がアジトを滅ぼしてきます。
「ありがとう、キョン君。でも、この時空平面の紛争をあなた一人に任せるわけにはいけません」
「俺はさらなる犠牲者を出したくないだけです。特に朝比奈さんや有希には死んでもらいたくない。
それに、俺のいる時空平面で、昔のあなたの他に未来人を名乗る連中が朝倉涼子の手によって
全滅させられました。ほとんどは俺と古泉がやったんですが、とどめを刺したのは彼女です。
過去の出来事の影響で未来が変わっていることも十分ありえる。既に俺には関係者です。
あなたが何を言おうと、俺は行きます」
「解りました…なんて言えません。わたしだってキョン君が死ぬのは嫌です!
でも…それでもあなたを止められないのなら、一つだけ約束してください。
もう一度、わたしのところへきて下さい。ずっと待ってますから……お願いします」
両手で祈りを捧げながら涙を流すその姿は聖女にも見えた。その約束、絶対に叶えて帰ってきます。
テレポートで高いビルの屋上へと来ていた。朝比奈さんと指切りしておけば良かったと悔やんでいた…
さっきは、タワーのことにしか頭がいかなかったが、周りを見ると高層ビルが幾つも立っている。
そんな中に見慣れた場所が目に移った。いつも集まる駅前公園。ここが俺たちの住んでいた場所?
都心とはずいぶん違う場所のはずなのにここまで発展するとは思わなかった。
空から次第に雨が降ってくる。俺はその雨を受け止めた。
ここまでのやりとりで、被害に遭った人、俺や有希が殺してしまった人間、自称藤原のグループ
俺とあいつらとどっちが正しいかなんてことは言えない。
朝比奈さんを守るという目的でも、俺はただの大量殺人犯。罪を犯した人間だ。
そして、それを繰り返そうとしている。時間が経てば経つほど、朝比奈さんの危険がどんどん高くなる。
人質を捕えていた奴から情報が移ったらしく、人質から相手の情報を取り出すことができた。
アジトは藤原たちが使っていた海岸沿いの工場跡地、そしてボスは…
なんで、あいつなんだ……どうしたらこうなった。あいつは……俺たちの……
悩んでいる暇はない。すぐにあの工場跡地へ向かう。誰にも邪魔されず、あいつとサシで話がしたい。
邪魔な連中は一瞬で消し飛ばす。入口に二人、一人は頭をそぎ落とし、もう一人は心臓を抉った。
中に入ってあたりを見回す。大量の武器、奥には車が三台、ヘリはないのか?
それとも車が宙に浮くのか?ジョン、アジト内部にトラップはあるか?
『冷静な判断だね、一通り見渡す限りは無いようだ。入口に二人張り付いていたからね』
すまん、助かる。ここまでくればエネルギー残量を計算にいれなくてもいい。
一人ずつ剥いで、金縛りにして行った。最後の一人を剥いで手下を一か所にかき集める。
ボスは身動き一つせず、驚きの表情もない。相変わらず冷静な奴だよ。
前に一度ここで同じことがあったかのようにな。ワインを片手に持っているその人物に話しかける。
「さぁ、これで邪魔者はいなくなった。腹を割って話をしようか……」
「やぁ、どうも。お久しぶりです。あなたと別れてからどれくらい経ちましたかね…適当な場所に
かけてください。僕の飲んでいるワイン一緒にいかがです?」
「まだ未成年だしな。お酒は遠慮しておくよ。それよりお前、今いくつだ?」
「25になりました。大分酒に強くなりましてね。あなたから忠告された服を脱いでしまうことも
もうすっかりなくなりましたよ。ご忠告感謝します」
「酒に強くなったのなら、それでいい。折角のイケメンスマイルも効果がなくなってしまうしな。
それより、なんで俺と同い年のはずのおまえがこの時代にいるんだよ……古泉ぃ!!」
「そうですねぇ、それを話すには、あなたが今何歳なのかを聞かないといけませんね」
「もうすぐ18歳夏休みのまだ七月だ」
「それはそれは。消失世界の僕たちと孤島に遊びに行った後ですか。あの時は本当に楽しかった。
あなたのもう一つの意識が僕たちを入れ替え、最後は六人全員連れてくるんですから。
楽しかったんですよ?あのときのバレーボール。確かあなたが提案したんでしたね」
「ああ、それから四人で朝比奈さんの大学へ入ったんじゃないのか?」
「そうです。あなたの必死な努力にまわりが駆り立てられましてね。あなたが一人で学習する状態は
ほぼ無かったと言えるでしょう。
一人に見えてももう一つの意識が教えているといったところでしょうか」
「そうだな。今まさしく、その真っ最中さ。ちょっと安心したよ。俺でも合格できたんだな」
「もちろん、それ以降もあなたが必死に頑張ったからですけどね。話は少し飛びますが、
大学生活が二年ほど続いて、突如涼宮さんの能力が消えたんです。ホントに、いきなりなくなるんで、
吃驚しましたよ」
「ハルヒの能力がいきなり消えた?誰かに譲渡されたのか?佐々木とか…」
「いえ、誰にも譲渡されていません。もちろん妊娠していた子どもにも…」
「子供って俺とハルヒのか、いや、そんなことは今はどうでもいい、ハルヒから能力が消えたなら
おまえも普通の人間に戻ったんじゃないのか?趙能力者とはいえないだろ?」
「ええ、彼女の能力喪失と共に、機関のエージェント全員が能力を同じく喪失、
朝比奈さんは未来へ帰り、長門さんは撤退命令は来ていたものの、そのままここに留まった」
「納得のいく説明で嬉しい。が、この時代にいて、反乱軍のボスをやってることに関しては
全く意味が分からん。超能力が無くなった代わりにTPDDが備わったとでも言うのか?」
「ご名答。さすがこういうことに関しては察しがいい。みなまではいいませんが」
「そりゃ、助かる。ついでに俺の予想を話してみようか。超能力がなくなって機関が解散、
資金はスポンサーに返したが、武器や乗り物については取引するのはまずい。なら自分が持って
これから新しい組織を立ち上げればいい。涼宮ハルヒに復讐するための組織を」
「そこまで見抜かれていたとは思いませんでしたよ。驚愕というのはこういう時に使う言葉といえます。
朝比奈さんは未来へ帰った、長門さんは残りましたが、僕はどうしようかと思いましてね。
ぽっかり穴があいた気分です。死ぬまで彼女と付き合わなければいけないのかと思っていました。
そのまま大学生活を送るのも悪くないと思っていたんですが、その穴の中に埋まったのが、
これまでの涼宮ハルヒに対する恨み、復讐心、憎悪。そんな感情が僕を襲いました。
色々考えましたよ。どういう方法で復讐してやろうか、どうやって殺してやろうかとね。
折角TPDDも僕の中に宿ったことですし、使い方をいろいろ考えたんですよ。
行きついた先がどのルートを辿っても涼宮ハルヒは20代前半で命を落とすという、
未来に作り変えようとしたんです。それによって僕の大事な人が涙を流すことになったとしても。
あなたもその一人なんですよ?たとえ彼女の夫であっても」
「なるほど、全てハルヒのBad Endに作り替えようとすれば、朝比奈さんたちの確定した未来を
捻じ曲げることになる。それで対立し、自称藤原を俺たちの時代へ送った。俺があいつらのTPDDを
破壊しただけならまだ良かったが、朝倉に殺されて情報を聞き出すことも出来なかった。
それで今いる朝比奈さん側のエージェントを殺し、規定事項を邪魔するため、あのタワーを襲った」
「その通りです。本当にあなたとは話が合う。佐々木さんの影響でしょうか?」
「それは俺にだってわからない。それで、おまえこれからどうする気だ?
放置している連中もいることだし…どうする?」
「そうですね…ほとんど駒を失いました。僕にはTPDDはありますが、あなたと闘えるだけの超能力は、
もうないんです。たとえ、あなたが閉鎖空間を展開したとしても」
「古泉…有希に情報操作してもらってハルヒの記憶を全部消して、
朝比奈さんのエージェントにならないか?涼宮ハルヒがいないこの世界なら
やっていけるだろう?おまえもいい彼女作って結婚式あげればいい。
涼宮ハルヒ一人にいつまでもこだわる必要はない」
さすが、というべきか。古泉のニヤケスマイルに全くぎこちなさがない。
「断るといったらどうします?」
「簡単だ、そこの金縛りにかかっているやつ全部消して、おまえの記憶からハルヒを削除。
抵抗するならTPDDの破壊も可能だ。この時空平面でのボードゲームは終わりだ。
チェックメイトだよ」
「困りましたね。ボードゲームは少しは強くなったんですが…」
「なら見せてくれよ。強くなったボードゲームを。
俺が元の時代に戻ったら、俺がおまえの負担をなるべく小さくする。学生生活は色々あったけど、
でもやっぱり楽しかった。おまえがそう思えるようにする。いつまでもあいつにこだわる必要はない。
あいつの能力が無くなったなら、おまえは自分の好きな道に進め。
もちろん、マイナスの方向じゃない、プラスの方向に進め」
「僕は本当に悪い記憶を捨て去ることができるんですか?そんな都合のいい事できるんですか?」
ようやくここで、古泉の表情が変わる。真剣というより驚きといったところか。
「おまえ、今までのこと思い出したら簡単だろ?困った時の長門大明神だよ」
「そうでしたね。すっかり忘れてました。彼女にお願いすることにしましょう」
それから、古泉を先にテレポートさせ、金縛りにした連中も消し飛ばした。
金縛りをとき、組織のボスがいなくなった、好きに暮らせといいたいところだったが、
それでまた、あのタワーを襲撃しないとも限らない。最初から決めていた。組織の人間を全て潰すと。
俺が今しなければならないことは、古泉の憎悪をなくし、ボードゲームで遊ぶこと。
そのあとなら、いくらでも懺悔し、自分のしてきたことに後悔し、俺の今後の幸福を捨て去ろう。
今はただ、三年以上も密度の濃い生活をする仲間を浄化させてくれ。それが俺の願いだ。
古泉を送ってすぐ俺たちは朝比奈さんの所へ戻った。朝比奈さんが何か言いたげだったが、
先に長門に事情を説明し、古泉の記憶操作を行った。みんなで遊んで楽しかったという思い出を残して。
「彼はしばらく眠りにつく、その後は反乱軍ではなくこちらのエージェントとして動いてくれるはず」
「朝比奈さん、反乱軍は全て潰しました。未来はほぼ確定です。後は規定事項をよろしくお願いします」
「キョン君…あなたに重荷を背負わせてしまったこと……本当にごめんなさい」
「いいんです。朝比奈さんも、有希も古泉も幸せになってくれれば、それで…
古泉が暇なときにでも、ボードゲーム相手してやって下さい。結構強くなったって言ってますが、
どのくらいかなんてやってみないと分かりませんからね。後のことはお任せします。
俺の時代にハルヒを待たせているので。何かあれば俺の時空平面上の朝比奈さんに伝えて下さい」
それから、元の世界に戻った。当然かなりの時間経過しているため、ハルヒの第一声、
「こぉんの、バカキョン!!未来の妻を待たせるなんてどういうつもりよ!
何時間待ったか分かってるの?どこ行ってたかちゃんと説明しなさい!」
っていうかおまえ、俺が時間跳躍する前に婚約破棄とか言ってなかったか…?
とりあえず、古泉。すまん、今帰った。元栓締めておくから、後頼んだ。
『ようやくおかえりですか。何よりです。涼宮さんのことお願いしますよ?』
分かってるって。さてと…どうやって事情説明したものか…
「ハルヒ、まず座れ。今日一日で一体何が起こったか全部説明してやる。
おまえが落ち着かないとちゃんと話せないし、納得ができないだろう。
深呼吸して聞く準備をしてくれ。俺だって吃驚してばっかりだったんだ。
ハルヒも当然そうなるだろ。俺の話がちゃんと聞けるように準備してくれ」
ハルヒを落ち着かせ、座って話を聞く態勢を作った。これで少しは緩和されたかな?
『ええ、閉鎖空間が一気に消滅していきます。僕もすぐそちらに戻れそうですよ。お見事です』
机やラグから、俺がいないときにしていた話をサイコメトリーし、その話に上乗せする。
あっちの世界のハルヒからのテレパシーがなぜか俺に届いたこと、
すぐ助けに行きたくても方法が分からないこと、時空の歪みみたいなものがないか検討を立てて、
ここじゃないなら部室だろうと行ってみたら、大当たりだったこと。その後異世界の他のメンバーと
協力して誘拐されたハルヒを無事奪還できたこと。
とりあえず、向こうの世界に行くこと考えていたら、ハルヒの声が聞こえなくなっていた。すまん。
「一応、筋は通っているわね。前にも向こうの有希が拉致されて、キョンが助けて戻ってきた。
でも、あのとき言わなかった?今度あたしを待たせたらただじゃすまないって…」
「ああ、覚悟の上で行った。おまえの好きなようにしろ」
ハルヒが俺に抱きついてきた。目から涙がこぼれ落ちている。相当な罰を受けるつもりだったんだが。
「あんたへの罰が決定されたわ。死ぬまであたしの側から離れないこと。離れたら承知しないわよ!」
「わかった。死ぬまで離れるな…だな?」
そのあと、トイレは無理でもお風呂にはついて行こうとしたら、顔を真っ赤にして、
「このエロキョン!何考えているのよバカ!みんなだっているのよ?」
「おまえ、周りの視線気にするようなやつだったか?それに、大声だしたら皆に聞こえるだろ」
「……とにかく出てけーーーー!!」
それから…頃合いを見計らって、有希と朝比奈さんに今回の事件の事情説明、
さすがに今回は古泉と朝倉にも話せない内容だ。反乱組織の首謀者が古泉であることも全て話した。
ただ一点、時期までは分からないがハルヒの能力が消失してしまう事を除いて。
「ほえ…そんなに偉くなっているんですか?わたし…」
「現在の古泉一樹から涼宮ハルヒの存在を消すことは不可能。
だが、憎悪や復讐心なら消し去ることができる。彼の中学時代も含めて…」
今の時点でそれができるならそれに越したことはない。反乱軍の首謀者になってしまった古泉でも
あそこまで話が出来て良かったと思う。これまでのイライラ対策を解決することはできないが、
これからのハルヒの閉鎖空間ならいくらでも対応がきく。ジョンもたまには暴れたいだろうしな。
『それは光栄だ。全く、良き相棒をもって俺は幸せ者だ。ありがとう、キョン』
「それよりも、キョン君、一つ聞いていいですか?」
「朝比奈さん突然どうしたんです?」
「どうやって時間跳躍したんですか?TPDDの反応もないですし、また隠しているみたいです。
わたしこれでも怒ると結構怖いんですよ?話してもらえますよね?……ね?」
ゲッ!!二年前のことすっかり忘れてた。ジョン!これはどうしたらいい!?
『正直に俺のことを話すしかないらしいね。キョンだって朝比奈みくるに嫌われたくないだろう?』
うっ!それを言われると……。仕方ない、朝比奈さん前回は騙してしまってすみませんでした。
といい、ジョンの本当の正体、ジョンの何でも可能にしてしまう超能力。それを用いたこれまでの一件。
朝比奈さんより未来から来た人間でTPDDよりも高性能なタイムマシンを持っていること、
俺たちより未来から来た朝比奈さんでも、ジョンよりも過去の人間に当たるため、禁則事項になること。
「ようやく納得ができました。それで話せなかったんですね。まさか禁則事項だとは思いませんでした」
これで朝比奈さんの怒りは鎮まったか…
しばらくして、古泉が寝静まってから、有希による記憶操作がなされた。
超能力が身について機関に入るまでのこと。中学時代のこと。俺たちと一緒に行動してからのこと。
楽しかった思い出を残して、古泉のこれまでの歴史が改ざんされた。
次の日、古泉の第一声「おはようございます!」がリビング中に響き渡り、みんなから文句を言われた。
「すみません。いやあ、こんなに気分のいい目覚めは久し振りでつい…失礼致しました」
これまでのニヤケスマイルとは違う、古泉の笑顔がこれまでの辛い人生の記憶が無くなったことを
証明していた。
おしまい
ゲリラ豪雨凄かったよハルヒ
ハルヒが子連れのイノシシに襲われないか心配だ。
イノシシに出くわすも
咄嗟に食べ物で注意を惹き付けて難を逃れるハルヒ
何処かで見たシチュエーションだな
でも何処てで見たんだっけか?
思い出した、やるおスレだったわ
しかもこのスレ向きじゃなかった
自分でネタ振っておいてすまんかった。
ハルヒ「お風呂入るわよ、キョン!」
ぬこ乙!
赤いてるてる坊主でググったらなんかエロいサイトのリンクばかり並んで焦ったよぬこ
元ネタはウルトラ怪獣の方だよね?
乙乙
キョンから誕生日プレゼントにサボテンを貰って最初は「意味わかんないわっ」とプクーッとしてたけど、
毎日見てるうちに「まぁちょっとはかわいいわね」と思うようになったハルヒ
クワトロ「サボテンの花が咲いている」
クロトワ「うだつの上がらねぇ平民生まれにやっと回って来たチャンスか、破滅の罠か」
ハルヒ「人呼んで人間コンピューター、パタリr…ハルヒの辞書に敗北の文字はないこの間切り取ったからな」
乙乙
ぬこ乙!
乙乙
タイキの絵を見ると吐き気がする
ぬこ乙!
365 :
331:2014/06/30(月) 15:23:50.52 ID:UlfCJ5YO0
こんにちは。
続編が書きあがりましたので、投下致します。
宜しくお願いします。
夏休みの宿題も何とか七月中に切り上げることが出来た。
俺には、ハルヒ、有希、朝比奈さん、ジョンという四人の優秀な家庭教師に恵まれ、
受験勉強に勤しんでいたある日のこと…
ジョンが未来大人版朝比奈さんのピンチを聞きつけてから、紛争の末、現在と未来の古泉を改心させることができた。
それからというもの、ニヤケスマイルが無くなり、喜怒哀楽の感情が表情に現れるようになった。
事情を知らない、ハルヒ、朝倉、そして古泉自身もその変化に驚いていた。
「おかしいですね…そんなに僕の感情が顔に出てますか?」
「前は怒ってもちょっと笑顔が歪むくらいでしたよ?」
「問題ない。表情が顔に出ている方がわかりやすい」有希!おまえが言うな!
とにかく、古泉に超能力が備わってからこれまでの、ハルヒに対する憎しみや復讐心が消えたんだ。
ハルヒの力が突然無くなっても、古泉は俺や有希、もちろんハルヒも一緒に大学生活を満喫するだろう。
話は変わって、俺は正式に機関のエージェントとなった。
これまでも古泉から、機関に入らないかという誘いは受けていたものの、
夜間の出動だったりあちこちに振り回されたりするのは疲れるので断っていたが、
未来での一件で古泉の負担を少なくしようと思い、自ら願い出たのだ。
よくよく考えれば、テレポートですぐに閉鎖空間まで跳ぶことが可能。
古泉たちよりも強力なジョンの超能力で一気に神人を倒し、大量発生しても余裕で片付けてしまう。
さらに、俺がハルヒの全閉鎖空間を包みこむことで、エージェントたちが超能力をそのままに、
別の閉鎖空間へ飛びこむという事が可能になった。
古泉がいうには、
「あなたが閉鎖空間を創造してくれることで、我々エージェントの移動の手間が省けました。
一番最初にあなたに閉鎖空間を紹介したときのように、森さんや新川さんが車を運転して、
移動していたんですから。全く、機関に革命を起こしたと言っても過言ではありません」
なおかつ、古泉のように携帯の着信で起こされることなく、ジョンが出撃する。俺は寝たままなので、
次の日は寝不足にはならない。たまにちょっと筋肉痛のときがあるんだが…どんな暴れ方したんだか。
『キョン、それは謝るよ。すまない。あまりの大量発生に全速力でやってしまった』
まぁ、学校に行くのに不都合のない筋肉痛ならそれでいいんだが。
当然歩合制の給料も出て、数十万単位の給料に唖然としていた。
とりあえず、貯金して、不思議探検ツアーのときの罰金にあてよう。
…あれ?そう言えばハルヒが入れ替わった後、探検ツアー行ってないな。
『あれだけ異世界の皆とやりとりすれば当然だよ。涼宮ハルヒからすれば、二年間何も出ないツアー
より、異世界の自分たちと話しをしたり、ボードゲームで戦ったり、バレーしてみたり…』
それもそうだな。
「……うーーーん…」
ここ二、三日、ずっと考えこんでいるハルヒ。俺が分からないところ聞いても、有希たちに聞いてと
断られるばかり。何をそんなに悩んでいるんだお前は。
「青チームの世界への行き方よ!それさえわかってしまえばいつでも好きなときに遊べるじゃない」
それは至極もっともな意見だが…俺だって良く分かってない。ジョン、どうやっているんだ?
『説明し辛いんだよ。2つの世界をTVで同時に見て入れ替えるようなイメージを創ってやってるから、
本人でもこんな風にしか説明できないんだ原理や理論では説明できない』
それを解明しようとしているなら、一生かかっても無理なんじゃないか?未来にでも行かない限り。
『そういうことになるかな。それにしても、この前のは驚いた。無限にある時空平面の中で、
一つの時空平面が緊急信号だしているんだから…』
この前の未来での紛争に気付いたのはそういうことなのか。
『各時代の規定事項を満たすために派遣されているエージェントを呼び戻そうとしてたみたいだ。
もっとも、今の朝比奈みくるみたいな、非戦闘員は呼ばれなかったみたいだね』
「涼宮ハルヒ、それならやりたいことをまとめて今から準備しておけばいい」
ゲームしながら良くこの話に入って来れるな…
「準備って?」
「例えば、孤島の時は1セットも取れなかったバレーボール。あれはわたしも悔しい。向こうの
古泉一樹の方が上回っている。この次に来たときの準備として、バレーボールの練習をする」
提案としては悪くはないが、そんな場所あるか…?学校の体育館は当然部活の連中でいっぱいだろうし。
バレー部の練習に参加させてもらうつもりか…?
当然ハルヒも疑問に思ったらしく、「どこで練習するの?」という質問に対して
「簡単、お盆休み中に北高の体育館で練習すれば良い。
教員もいたとしても二、三人。体育館の扉さえ閉めてしまえば、職員室に音が漏れることはない。
お盆で予定があったとしても受験勉強すると言えば、家族も納得する」
「うん、それ、名案。練習中に、もしかしたら青チームがやってくるかもしれないわね」
「練習ついでに学校までランニングで向かうのもいいかもしれません」
「わたしもいきなり試合よりは練習したいです!」
「じゃあ、有希の案に賛成の人!」『異議なーし』
と、解決したかに思えたのだが、またもやハルヒが悩みだした。それもそのはずで、
次の機会のときまでに練習をするのはいいがいつ、六人で来ることになるか分からない。来たとしても、
今度は朝比奈さん取り換えるだけという事も十分にある。ハルヒの脳裏にそんな考えが宿っていた。
さて、ジョン。俺はお盆に練習するのは賛成なんだが、六人こっちに来させるでいいのか?
これ以上やると、ハルヒが真相の解明に向いてしまう。どう思う?
『確かにこれ以上は、どうかとおもうけど、来ないなら来ないで、涼宮ハルヒはイライラするだろう。
まだ各々やりたいことはあるみたいだし、もうしばらくはいいんじゃないか?
もちろん、この前の孤島みたいにタイミング良く行事を入れるのはどうかと思うけどね』
とりあえず、これからどうするか、みんなで話した方がいい。できれば向こうの六人も入れたいけど…
『じゃあ、こっちの五人が向こうへ行ってしまったことにするか?
涼宮ハルヒの風呂の時間を見計らって…』
うん、それ、名案、って俺は朝倉じゃないぞ。けどハルヒを困らせる意味でもいいかも知れん。
夕食後、決行しよう。青チームに話しておいてくれ。あと、バンダナつけること。ハルヒ以外な。
『了解』
ハルヒが浴室に入ってシャワーの音が流れだしてから全員に事情説明、すぐに異世界へ移動した。
いきなり現れたのにあんまり吃驚してないな。まぁ先に言っておいたことだけど。
「キョン、久しぶり。また面白い企画持ってきてくれたの?」
「ああ、黄有希の部屋に置いてきたハルヒが、自分たちの入れ替えや、
この前の孤島旅行に12人で行ったことは、自分でも楽しかったらしいんだけど、
何度も入れ替えがあり、青チーム六人がやってきたことに対して、不信感をもっているようなんだ」
「黄涼宮さんにバレたらまずい…でしたか?さすがにそろそろキリのいいところで終わりにしないと
ダメみたいですね」
「でも、どうするんです?わたしたちだって黄チームとやってみたいことたくさんあります」
「黄有希の案なんだが、お盆に入ったら北高の体育館に忍びこんで、バレーの練習をしないかという事になった。
青チームには今度の13日〜17日まで、こっちに来てもらって、バレーの練習と
いつ戻るか分からないからという理由をつけて、最後に1〜2セット試合をするのはどうかと
思ってる。その後は冬休みくらいまで、当分の間、入れ替えや12人での行動は控えたい」
「うん、それ、名案(出た。本家本元)そのあとみんなで食事してボードゲームに勤しんだり
話したりするのがいいんじゃないかな?青古泉君?わかってるわよね?」
「ええ、もちろんです。あなたとの決着、そろそろつけなければと思っていました」
青古泉もニヤケスマイルがなくなったな…こっちの世界の影響か。
向こうはハルヒに能力が無いから、古泉も能力が発動しない。憎悪や復讐心なんてないと思うのだが…
「ところで、青朝比奈さんは何をしたいと思っているんです?」
「黄キョン君が言ってくれました。その意見わたしも賛成です」
「じゃあ、青チームには、13日に荷物や水筒、タオルを持って遅れて体育館に来てもらう。
そのあと、長門の部屋で夕食食べて、一通り遊んだら朝倉の部屋も借りて、17日までお泊まり会
こんな感じか?」
『問題ない』黄有希の口癖が青チームにまで移ってしまったらしい…
「黄朝倉さん、今、来たついでに一局どうです?」
「ええ、いいわよ」
おいおい…あんまり長居して黄ハルヒがイラつくのはやめてくれよ…
「すぐに終わりますから大丈夫ですよ」
「あら、あなたにしては随分な発言するわね。こっちだって容赦しないわよ?」
「望むところです」
そのあと黄朝倉VS青古泉の一局が終わるまで11人で話し合い、今回は朝倉が勝利を収めたようだ。
区切りのいいところで元の世界に戻ると、当然ハルヒが怒っていた。
今回は自分だけ向こうに行けなかった、という意味でもイラついていたんだろう。
ところでジョン、透明な閉鎖空間って作ること出来るのか?
たとえば、ハルヒの閉鎖空間の場合は灰色、俺の場合は赤紫色なんだが…
『それは、色を気にしてないだけで、長門有希のように、透明な異空間を張ることは可能だ。
彼女はそれをステルスモードと呼んでいるようだね。何も考えずに閉鎖空間を出せば、その人の
本心が色になって出るはずだよ。涼宮ハルヒは灰色の人生だけどキョンと出会って明るくはなった。
それでも退屈な日々が続いているせいで、灰色に定着したんだと思う』
じゃあ、俺の場合はどうなるんだ?赤紫って。
『紫は赤と青を混ぜた色、赤は熱血漢、青は冷静沈着。
赤紫ってことは、どちらかと言うと熱血漢に近いらしいね。
血液型の性格判断じゃないけど、俺から見ると納得の色だと思うよ。
この前みたいに朝比奈みくるの危機に憤怒し、敵を全滅させたのに、
タワーの構造把握したり、空からの攻撃がないと疑問に思ってみたり。
怒っていたのに冷静な判断をしていると思っていたよ』
そんなもんかねぇ…まぁ透明な閉鎖空間が張れるなら、部活で使っていたとしても閉鎖空間でバレー
ができるだろう。と思ってたら耳を掴まれて「キョン!」と叫ばれた。
ジョンの大声と一緒で防ぐ手立てがない。
で、ハルヒどうかしたか?
「なんであたしだけ向こうにいけなかったか考えていたのよ。距離もそんなに離れてないし…」
でもおまえ、風呂入っている時に移動してしまったら裸見られるだろ。いいのか?それで。
「すぐ隠せば…ちょっとくらいは。異世界に行けること考えればね。それに、見られたとしても、
キョンと古泉君だけなら別にいいわ」
いいのかよ!確かにこれまでのSOS団の活動考えれば身内みたいなもんだが…
「…でも法則や移動する原理が不確かなことは間違いない。頭の中整理したいから、先に寝るわ」
『おやすみなさい』
「超能力を科学で解明するのは無理かもしれませんが、そこから新たな発見が出てくる可能性も否定できません」
「馬鹿、声が大きい、っと逆にいい機会だ、試してみたかった事をちょっとやってみるか」
「試してみたいこと?キョン君何を試すんです?」
閉鎖空間を透明にするイメージで展開した。
「お、出来た」「閉鎖空間のようですね。僕の超能力も発動できます。でもこれが何になるんです?」
「もし、お盆期間中部活をやっていれば、この空間を発動して、
わたしたちは閉鎖空間内でバレーが出来る。もちろん涼宮ハルヒにもこれなら気付かれない」
「キョン君、なんでここまで頭が回って…」
「朝比奈さん、みなまで言わんで下さい」
『こういう所が青色の部分なのかもね』ジョンまで何言ってんだ。
まあいい、とりあえずお盆は勉強休みになるから、それまで受験勉強に精を出さなねばならん。
お盆までの間、ハルヒと有希は異世界への移動の原理は方法を調べるため、二人で研究に没頭した。
俺は朝比奈さんにサポートしてもらい朝倉と古泉も受験勉強をやっていた。
『キョン、閉鎖空間だ』というジョンの合図に、古泉とアイコンタクトをとり、
「屋上で少し休憩してくる」と言って玄関から出たあとにテレポート、古泉はそのまま閉鎖空間に入り、
俺は上空から全閉鎖空間を覆う閉鎖空間を発動。今度は透明ではないが少し空調を弄ってみた。
『面白いことするね。でも、これが出来るならお盆の練習でも熱中症にならなくて済む』
ハルヒの閉鎖空間内でも効果があるといいんだがな。まぁ、今から確かめに行くか。
「透明だと閉鎖空間の梯子するときにエージェントが危険になるからな。
とりあえず、俺は朝比奈さんを待たせてる早いところ戻ろう」
「了解しました」
「二人とも休憩が長すぎよ。もうみくるちゃんがお昼作ってみんな食べちゃったわよ。
あんたたちも早く食べなさい」
「すまん、片付けはこっちでやるよ」「ちょっと長くしゃべりすぎましたか」
8月13日、俺たちは朝から動きやすい格好をして朝食を済ませると、北高へ向かった。
なぜか俺は自転車で全員の荷物持ち…何でかと言うと、
「あんたは筋力あるしハンデよ。その代わり自転車置き場までは自転車でいいわよ」だそうだ。
あのハイキングコースを6人分の荷物もって走れっていうのか…こっそりテレポートして先に行ってし
まおうかと悪知恵を働かせたが、孤島でのバレーボール以来、運動不足だったのでランニングを
することにした。しかし、ハルヒが先に体育館に着いて部活やってました、じゃ話にならん。
ジョン、ここから分かるか?『問題ない。鍵がかかってるだけだ。長門有希が開けるとおもうよ』
なら、先に体育館を閉鎖空間で覆っておくか。透明で涼しくて関係者以外誰も入って来れない空間に。
「キョン!遅いわよ!さっさと準備手伝いなさい」
ハルヒはタオルでかいた汗を拭いた。準備は古泉中心に動いており、俺は暗幕を閉める係に任命された。
何で暗幕締めるんだ?太陽光で暑くならない様にか?
「いえ、あなたの閉鎖空間で体育館が暑くなるということはないでしょうが、バドミントンと同じく、
太陽がまぶしくてプレーに支障をきたすなんて事になりかねません。それで暗幕を閉めるんです」
なるほどね。しばらくしてネットが張られ、準備体操を始めたところで声が聞こえてくる。
「ほら、もう開いているじゃない!他の部活がいるわよきっと」
「このクソ熱い中無駄足にならないといいんだが」
「とにかく!開いているだけかもしれないんだからさっさと確認しましょっ」
小芝居どうもありがとう。打ち合わせしといて良かったよ全く。
「あーーーーー!!」と叫ぶのは当然黄ハルヒのみ。青チームも一応ビックリしてくれた。
とにかくSOS団合同練習のスタートである。が、バレーの練習ってこんなにレシーブばっかりなのか?
「レシーブ出来なければ、攻撃できませんからね」当たり前と言えば当たり前か。
朝比奈さんから球をもらった古泉が下から球を撃ち、セッターの有希のいる所へレシーブ。
その球を空いた籠に入れる。しばらく撃ったら籠の無くなるくらいでボール籠をチェンジ。
残った俺たちはボール広いをしていた。当然レシーブする人は、自分が取ると周りに主張するため、
「はい!」と返事をするのだが、味方の誰が取るのか並んでいる人間で名前を呼んでいるのだが…。
ハルヒ、有希、キョン…はまだいいよ。涼子、みくる、一樹…おいおい。朝比奈さん呼び捨てかよ。
しかも古泉まで名前で呼ばなきゃならんのか『あだ名で呼ばれるキョンよりはマシじゃないか?』
「バレーの練習中は先輩後輩関係なく呼び捨てです。多少やりづらいですが、それで通して下さい」
人差し指を顔の前に立てて説明した。文化祭のクラス劇でこんなことやってたな…コイツ。
結局レシーブだけしか練習せずに午前の部おしまい。
お昼は当然朝比奈さんのお弁当。豪華特製サンドイッチ!動いたあとの朝比奈さんの手料理はどんなに高い食材で作られた料理よりもおいしい。俺がその余韻に浸っていると、
「あの……えっ…と、…皆さんに提案があるんですがいいですか?」
「青有希、提案って?」
「ええと…わたしたちいつ向こうへ戻っちゃうか分からないし、今日みんなでパーティしたいんです。
できれば記念撮影も含めて…」
「それ、いいわね!じゃあ、頃合い見計らって1セット試合やって四時ごろ帰宅でどうかしら。
有希とキョンで自転車で買い出し部隊、あたし達はある材料を切ったり、交代でお風呂に入ったり」
『問題ない』だから浸透しすぎだ。
そのあと午後からスパイク、サーブ練習。初心者の俺と朝比奈さんは徹底的にスパイクのステップ練習。
そのあと俺がテレポートで森さんを呼び、久しぶりの青チームとの1セット。
サーブ権は当然ハルヒ、そのサーブも孤島の時と同様
難なく取られ青ハルヒの速攻で1点取られてしまった。
しかし、何か違和感が、ハルヒが速攻で来るって、何でわかったんだ?俺。
『あれじゃない?野球のときの…バッター見てたらどの辺に撃つか分かったって言う…』
そうだ、その時だ。ただでさえジョンと会話するときは周りの声が聞こえない集中力。
古泉がゾーンとかなんとか言ってたっけ…それなら青古泉見ていればどっから来るか分かりそうだ。
続く朝比奈さんのサーブ、狙いは…俺か。真正面で受けて有希にまわすと「有希、バックよこせ」
と合図をして、俺に飛んできた球をそのまま相手コートへ撃ち返した。身長もある分。
放物線を描くような球ではなく、床めがけて直線を描く球を打ち返した。
青朝比奈さんも青ハルヒも反応出来ずにそのままこっちにサーブ権が渡る。
ハルヒのサーブでさえ軽々と拾われて撃ち返されたんだ。
青チームも有希のサーブに対応できるようになって来ているようだ。今度は青古泉を見る。2本目か。
すかさず古泉の後ろに行き、ツーアタックを受け止める。有希のトスで古泉がフェイントで落とし、
2点目をゲットする。「キョンどうしたの?」「ツーアタックなんて僕にも読めませんでしたよ」
「まだまだこれからだ」という間に有希の2本目サーブ、これは青有希がレシーブを乱し3点目。
このあとも有希のサーブで得点を重ね8−1となったところで青チームのタイムアウト。
「すごいわねぇ…黄キョン、超能力使ってるのかしら」
「彼がそう言う事をしないのはあなたが一番よく知っているのでは?もしプレコグ(予知能力)
だとしても予知してから動いても間に合いませんよ」
「ジョンから聞いたんだが、あっちの俺がジョンと会話しているときは周りの声が全く聞こえなくなるそうだ。俺もたまにあるんだけど、多分その無意識的な集中力だな」
「それは怖いですね。僕の一挙手一動足でツーアタックを読まれたとでも?」
「じゃああんたも使えるってことじゃない。さっさとやんなさいよ」
「向こうみたいにやれるかわからんが、やるだけやってみるか」
森さんのタイムアウト終了の合図が鳴る。黄有希のサーブから試合再開。
青ハルヒの自分のレシーブからの速攻。さすがにこれは読んでいた古泉に弾かれたが、
後ろからブロックカバーに入った青朝比奈さんに上げられ、レフトから青朝倉のクロススパイク、
それを読んでいた俺がレシーブし、黄有希へ渡す。「有希、バック!」と
自分にも撃たせろと言わんばかりの顔でハルヒのバックアタック。だが青朝倉にレシーブされる。
おいおいいつまで続くんだこのラリー。あ、まずいツーアタック…と古泉に言おうとしたところで落とされ、8−2となった。ここまでラリーをしていたらとっくに時間が経っていたらしく、将棋の封じ手ではないが、続きは明日に持ち越された。
「しっかし驚いたわよ。なんでいきなり体育館にきたわけ?」黄ハルヒが青ハルヒと喋っている…
「多分お互い同じこと考えていたんじゃない?靴履いて有希の部屋を出ようとしたら北高の前に
いたんだから。とりあえず、行く手間が省けたし体育館に行こうってなったわけ」
しかし、この二人身長違いの双子姉妹にしか見えん。もう両方ともポニーテールだしな。さて、
俺は黄有希つれて買いだしに出る。有希のマンションに遅れて到着した後、異世界の有希の部屋から
カメラと三脚、プリンターを拝借し元の世界へと戻った。
「あんた何でそんなもの持ってるのよ」有希をここで降ろした後、家に帰って持って来ただけだ。
まわりは普通に納得している。青有希の部屋から持ってきたのもばれているだろう。朝倉の殺気が
俺に集中してるからな。『安心しろ、撮影したら元に戻す』『そう、ならいいわ』
ハルヒと青有希が調理していると、
『キョン、閉鎖空間だ』了解。古泉とアイコンタクトをとる。
「少し屋上で涼んで来るよ。青ハルヒおまえもどうだ『涼むついでに神人退治』」
「いいわね。行くわ」目を輝かせるな。他の奴にバレてしまう。
靴を履いて玄関をでたところで上空へテレポート。
「こんなに上空にしなくても良かったのでは?」
「ハルヒへの力の受け渡しと俺の閉鎖空間の展開のためだ。あとはハルヒに楽しんで貰おうと思ってな」
「なるほど、隅々まで配慮が効いてありがたいです」
「ハルヒ、前より多くエネルギーを渡した。思いっきり暴れてこい」
「わかった」ハルヒにしちゃ随分と言葉がないな。大分降りて来たところで閉鎖空間を展開、
三人揃って宙に浮いた。もう少しぎこちない感じがあるかと思ったが、さすが何やらせてもセンスいい。
「涼しいわねぇ。落ちてるときは風を受けていても暑かったのに」
「彼の閉鎖空間のおかげです。閉鎖空間内の温度を弄ってくれているので汗だくで戻ることなく闘えます。
本当に彼が機関に入ってくれて助かりました。
因みに長門さんの部屋も、エアコンを 動かしているんじゃなくて、彼の閉鎖空間なんですよ?」
「どうして?…って、気温も弄れるなら色も弄って透明にできるか」
「察しが良くて助かるよ。古泉、俺たちは大きいものからやっていこうぜ。ハルヒに堪能させたい」
「了解しました」
その後大きい閉鎖空間から1つずつ潰していった。わざわざ一体ずつ時間をかけて。当然その間、
神人とのバトルを楽しんでいたハルヒは満足そうにしていた。『次もさそってね』だそうだ。
しかし、本当に暴れ回ったらしい。力がほとんど残ってない。これでは俺の方が枯渇してしまう。
『一晩寝れば満タンになってるよ』今晩中に閉鎖空間が出ないといいのだが…。
戻ったときには晩御飯が揃っていた。丁度いいタイミングだったらしい。
青有希も完全にハルヒ料理をマスターしたようだ。全く違いが感じられない。
12人分の片付けが大変なので、青の男性チームと交替で片付けることにした。
夕食後、青有希が言っていた記念写真の撮影会。12人全員で撮るものが数パターン、
自分と二人でとったのがハルヒ、有希、古泉、朝倉の四人…古泉と朝倉は双子にしか見えない。それより撮る意味あるか?
とにかくいろんなパターン多すぎて写真の印刷が追い付かないくらいだ。
朝倉が写真用の用紙を情報結合で追加して何とか全員に配り終えた。しかし、こんなこと今後ないから曲がってたりするのは困るな。
「それもそうですね。折角の記念写真が台無しです」青朝比奈さんが俺の意見に同意した。
「でも、黄チームは明日の朝あたり自宅に置いてくればいいけど…
あたし達はずっと持ってなきゃいけないの?」
「とにかく鞄にしまうしかないでしょう」
「また記念品が増えて嬉しいです」と黄朝比奈さん。
誰が話しているのかいちいち言わないと分からないくらいだな…
写真撮影とそのプリントアウトで大分時間をくってしまった。勉強する時間がない。
青古泉と黄朝倉も将棋の続きをやりたくてもできないようだ。
殺気を出されて朝比奈さんが脅えるのは勘弁してほしいもんだが…仕方ないか。
黄チームがここで、青チームが朝倉の部屋で寝ようという話になったが、そこでストップをかけた。
「何よ、何か都合の悪いことでもあるの?」
明日の朝、誰がどういう行動に出るか全員考えてみろ。
『あーなるほどね』黄ハルヒ以外の全員が気付いた。「みんなで一体何に気がついたっていうのよ!」
「黄ハルヒ、おまえの場合朝起きてすぐ五階に降りて、青チームがちゃんといるかどうか呼び鈴を
鳴らしまくるだろう。目覚ましよりタチが悪い。だから一人ここで寝てもらって、それで確認する」
「あんたにしては冴えてるわね、みなまで言わないけど」侮蔑の眼で見下してきた。
「じゃああたし残る!黄キョンと一緒に寝るわ」
「これは驚きです。婚約者二人と眠ることができるとは。こんな経験あなた以外できませんよ」
青古泉が羨ましそうにしていた…変わってみるか?
「代わりに私が五階に降りて彼と寝る」
全員開いた口が塞がらない。両手に花が二つ咲いた。
『長門さんがうらやましい』と朝倉二人で息を合わせる。
『わたしも入れて欲しいです!』こっちも朝比奈さん二人で息を合わせる
『やれやれ…』俺まで息ぴったりかよ!
というわけで古泉には申し訳ないがハルヒ二人を抱いて、遮音膜を張っておいた。
『青チーム全員聞こえるか?テレパシーで頭の中に話している』
『これ、黄キョン君?』『聞こえてますよ』
『さっき撮った写真だけどな、明日の朝黄チームが家に帰ったら青チームも一旦向こうに戻って、
テレポートで各家に送る。持って来るのを忘れたものがあったらついでに取って来てくれ』
『了解、おやすみなさい』小声で青ハルヒからお疲れ様、と聞こえた。
しかし、大胆発言だったな。前にハルヒが入れ替わったときは精神病でもいいって抱きついてきたけど。
「まぁ、あたしにとっては、自分の世界を明るく照らしてくれた存在だからね。
青キョンは有希とくっ付くし、あなたじゃないと駄目なのよ。二人が婚約しているのが羨ましい」
「そんなに言われると照れるわね。キョンが何したの?」
『七夕の件は内緒な』『わかった』
「12月の終わりごろ、退屈な毎日と感じながら古泉君と下校しようとしていたら、キョンが来たのよ。
初対面で何だこいつと思ってたんだけど、キョンの話聞いてると面白くなってきてね。
あたしたちもSOS団を立ち上げたいと思ったのも北高に転校することを決めたのも、
きっかけは全部キョン。あたしの世界をガラリと変えた立役者みたいなもんよ」
「あたしと一緒か…恋愛感情は精神病の一種だと思ってたけど」
「キョンなら別……でしょ?」「そうね」
その後の行動は言うまでもなく、いくら遮音膜張っているとはいえ、よくやるよ二人とも…
でもまぁ、双方のハルヒからこうやって好意を抱かれているのも嬉しいもんだ。ありがとな、ハルヒ。
翌朝、青ハルヒがいることに喜んでいた黄ハルヒだった。すぐに朝食の準備に取り掛かり、
その間に順番に身支度、朝食後、昨日撮った写真を家に置きに行った。当然俺はテレポートで済ませる。
青チームも昨日の打ち合わせ通り、カメラ等も一緒に送り、黄ハルヒが戻る頃には全員が揃っていた。
体育館に移動し、準備体操のあと、昨日と同じレシーブ練習、昨日の続きは午後だそうだ。ありがたい。
いくら読めても、レシーブできなきゃ意味ないしな。
スパイク、サーブ練習を終えて昨日の続き、青古泉のジャンプサーブからスタート。
それを古泉が受ける。自分のサーブを自分で受けるってどんな気分なんだろう…
スパイクも含めて機会があればやってみよう
レフトから朝倉がスパイクするものの、青ハルヒのブロック、ブロックカバーに入っていた俺が拾い、
撃つ準備を整えた古泉がAクイックでこちらの得点。同じくこちらも古泉のジャンプサーブ。
ようやく出番が回ってきたよ。青古泉のツーアタックに合わせて飛び上がり、スコア10−2
古泉サーブのまま連続得点し、青チームが2回目のタイムアウト。点数は15−2まで広げていた。
「参りましたよ。彼の前ではツーアタックもAクイックも通用しそうにありません」
「バック中心でいく?」
「ええ、朝比奈さんにボールを集めましょう」
「キョン、あんた本当に初心者?」
「まぁ…向こうの古泉見てたら何が来るかわかるんでな。それだけだ」
「それだけでも十分です。向こうはもうバックからの攻撃に絞るしか無くなったも同然です」
プレイ再開、勢いに乗る古泉は撃つたびに威力が上がっていく。バックにいた青俺が拾って、
古泉がトスをするために取りに行く。さっき話した通りバックらしいな。
すかさず下がってレシーブの準備に入った。狙いは…俺と朝比奈さんの間か。
サイドステップでレシーブし有希へとつないで、
「俺によこせ」とAクイックでステップを踏み飛び上がる。
青ハルヒがブロックに入るがそれよりも上から、有希の球が見事に俺の手に納まった。
『あ``』
Aクイックで撃った球が青俺の顔面にあたった。まずい、思いっきりやってしまった。
すかさず森さんがレフリータイム。有希、治せるか?「やってみる」
有希の治療で少しは軽減されたが…今日は無理そうだ…すまん、俺。
「しかし参りました。孤島への旅行が終わってから特訓でもしたんですか?このままゲームを続けても、
あなたの独壇場で負けていたでしょう」
「あたしも同感、キョンのジャンプ力が高くてブロックしている意味が無いんだもの」
このお盆の期間が猛特訓のつもりで有希が提案したんだ。ジャンプ力については筋力差かな。
ハルヒじゃなく向こうの俺だったら、止められたかもしれない。
「とりあえず、こんな大差つけられちゃ、これ以上やっても悔しい思いするだけだわ。
こっちの有希とキョンを徹底的に鍛えないとね」
そのあと、残り三日間もバレー部より練習したんじゃないかというほどのレシーブ練習。
いつ帰るかわからないからと毎晩パーティをして盛り上がった。
青ハルヒ、黄有希は毎晩俺のところへ来た。
そして、予定していた通り、18日の早朝にジョンによる入れ替えが行われた。
左腕の重さが無くなり、目が覚めた。『ごめん、起こしちゃったかな?』
いや、いいよ。ありがとう。受験生なのにこんなに楽しい夏休みはない。ジョンのおかげだ。
しばらくしてハルヒが起き、大声と共に青チームが元の世界に戻ったことを伝えた。
『次は冬休みに!』との約束をして、俺たちは受験生活に戻った。
有希の部屋には、これまでの写真がたくさん貼られた大きなコルクボードが壁に掛けられた。
おしまい
今年も半分過ぎたよハルヒ
そろそろハルヒが何か企みそうだな。
もうすぐ七夕だな!
ポニーテールの日
ぬこ乙!
乙乙
7月だよハルヒ
日差しの割には涼しいな。
でも後で雨が降りそうだ。
ハルヒと相合い傘の準備をしなければ。
384 :
【ぴょん吉】 :2014/07/01(火) 20:04:30.74 ID:y9YhZhS80
1日か。
一年の真ん中の日にハルヒに愛を叫ぶキョン
おやすみハルヒ
ぬこ乙!
乙乙
早く梅雨が明けて欲しいよハルヒ
さっさと梅雨明けして欲しいハルヒ
チキショーまた教室窓際後ろの席でイチャイチャしてるんだろうな。
ハルヒがキョンのの背中をツンツン突いたりしてさ。
涙拭けよw
しかし最近ゲリラ豪雨とか増えたな。
この異常気象の原因はやはりハルヒの
仕業か?
キョンと相合い傘したいというハルヒの思いが
関西の6月降雨量は例年の6割程度だったらしい
土砂降りは興ざめだもんね
でしわ寄せは関東にw
乙乙
今日こそ相合い傘するよハルヒ
相合い傘もしたいけど七夕には晴れてほしいハルヒ
下校の時に雨降って夜に止めばいいんじゃね?
甲子園の阪神戦雨で中止か。
北高近辺も降ってるだろうな。
ぬこ乙!
乙乙
台風が発生したよハルヒ
七夕に被りそうだな
ハルヒなんとかしてくれー!
ぬこ乙!
乙乙
411 :
365:2014/07/05(土) 12:55:59.33 ID:6MDj0N960
こんにちは。
続編が書き上がりましたので投下致します。
宜しくお願いします。
消失世界の6人を迎えてのバレーボール対決から二週間が過ぎ、9月1日を迎えたことに安堵していた。
一年の夏休み最後の二週間を永遠とループしていたことが、また繰り返されるのではないかと危惧していたからだ。
新年度が始まってから、現実世界と消失世界のSOS団メンバーを入れ替え、夏休みの最初とお盆には、
消失世界のSOS団がこっちの世界に全員で来て12人で思いっきり楽しむことができた。
しかし、ジョンの超能力で入れ替えるという現代科学では実行不可能な不思議体験を、
なんとか実現できないだろうかとハルヒが考えていたのである。
もし、『夏休み中に、消失世界のみんなといつでも遊びに行けるようにする』
とハルヒが考えてしまっては、今度こそ無限ループの火蓋が落される。
起きてからすぐ携帯を見て、9月1日を迎えられることがこんなに嬉しいなんて、
俺以外誰も考えないだろう。この二週間で受験勉強に没頭したのが全て消え去ってしまう。
そこに電話の着信音が鳴る。当然同じ考えをしていたアイツからだ。
「よう、メリークリスマスとかハッピーニューイヤーじゃないが、9月になってよかったな」
「ええ、その通りですね。あなたの言う通り何か名前をつけてもいいかもしれません」
「じゃ、また学校でな」「後ほどお会いしましょう」
声からは疲れは感じられなかったが、ハルヒが行き詰る度に閉鎖空間を発生させているため、
ここ数日出動回数が多いのだ。俺はジョンにまかせているが、古泉は寝不足でクマが出来ていてもおかしくない。
お盆後の二週間は、ハルヒと有希が不思議体験の研究、俺、古泉、朝倉はそれぞれ受験勉強、
朝比奈さんは俺の受験勉強のサポートをしてくれた。31日に有希の部屋を掃除し、
古泉、朝倉、朝比奈さんの三人はそれぞれ自宅へ帰って、今日から通学するようだ。
俺はというと、
「あたしが有希と一緒にやるんだから、あんたもここにいなさい」家主の意見無視かよ。
「問題ない。わたしもあなたには居てもらいたい」
やれやれ、というわけで身支度を整え、朝食を食べて学校へと向かう。
ハルヒは、「学校に行ってる暇あったら研究している方がいいわ!」と言っていたのだが、
出席日数とハルヒの授業態度面での内申のことを考えると、連れて行かなければならない。
一年の夏休みの話に戻るわけではないのだが、市民プールに行ったときのように、案の定3人乗り
となった。有希は読書じゃなくてゲームだ。大丈夫か?といっても『問題ない』と返ってくるだろう。
まだ夏の暑さが残る中、ハルヒと有希を乗せて自転車をこぎ出すのだが、前回と違う所が一つ。
俺も確証がなかったから、出来るのかどうか謎だったのだが、透明で、涼しい位の温度で、なおかつ
俺を中心に移動する閉鎖空間を作ってみた。自転車を漕いで確認する。イメージ通りにいったようだ。
「涼しいわねぇ、自転車ってこんなに気持ちいいものだったかしら?」
漕いでる俺の身にもなってほしいものだが、気持ちがリラックスできるならそれにこしたことはない。
自転車を降りた後もそのまま二人を囲む閉鎖空間を作り、登校した。
『こんな使い方するのキョンしかいないよ。閉鎖空間を移動するなんてアイディアなんて誰も出ない』
教室に入ってから、SOS団のみ入れる閉鎖空間を展開、当然外の様子や会話にも応じられるように
閉鎖空間に条件を付けた。朝倉もそれに気付いている。席に座っている有希と内緒話、
『ところで有希、ハルヒの今の進捗状況はどんな感じなんだ?』
『莫大な費用と大型機械があれば可能というところまできている。
ただし、100%向こうに行けるかどうかは分からず、行けたとしても帰ってくる手段がないので
手詰まりしている。TPDDのように小型で往復が可能な物を…と考えているようだが、
時空平面の知識ではほぼ不可能』
『どうやったら諦めさせられるか、何か考えはないか?』
『涼宮ハルヒを5,6時間わたしの異空間に閉じ込める。異空間で取り残される経験をすれば、
これ以上研究しようとは思わないとみている』
『なるほど。帰ったらすぐに実行可能なプランだな。俺は不思議探索ツアーをやると思っていたよ。
有希、そのプランで異世界の様子を見ることは出来るか?』
『テレビにモニターとして映し出せば可能』
『よし、買いだしなければ早速今日頼む』『問題ない』
『というわけだ、古泉、異空間に閉じ込めている間、イライラするかもしれん。閉鎖空間の方を頼む』
『これで元栓を締めることができるのならそのくらい些末なことです。ありがとうございます』
放課後、文芸部室の扉には、「本日お休み」の張り紙が張られ、ハルヒと有希の三人で下校していた。
空調を整えているとはいえ、ハルヒの競歩に合わせるとさすがに汗をかく。
「キョン、これくらいで息乱してどうするのよ!早く自転車漕ぎなさい!」
ったく、アスリート並の筋肉もハルヒには通用しなかったか。体力を上げるにはやっぱランニングだな。
有希のマンションに着くとすぐに有希が持っている鍵を奪って部屋に駆け込む。
今日の俺たちにとってはいいことだが…まあいい。
いちいちハルヒのやることに突っ込んでいるとキリがない。自転車を止めて屋上へテレポートした。
透視能力で有希の部屋を上から覗きこむ。靴を脱ぎ捨て、机に広げてある分厚い本とメモ書きのように
書き殴ったノートがあった。
有希、そろそろ頼む、いつものおまえの異空間じゃなく、もっと禍々しいものにしてくれ。
「わかった」というと、ハルヒの後ろに発生したブラックホールの様な異空間に飲み込まれていった。
俺たちもテレポートで部屋へと戻る。競歩と自転車で書いた汗をタオルで拭き、Yシャツを脱ぎ捨てた。
消臭スプレーを身体に浴びせて私服に着替える。テレビモニターにはハルヒの様子が映されていた。
しばらくは放置しておいても問題ないだろう。早速有希に付き合ってもらって勉強を始める。
…何よここ。いきなり後ろから吸い込まれたかと思ったらこんな薄気味悪いところにいるなんて…
キョンがあたしを無視してでも行ったってときの異次元空間なのかしら?
だとしても、発生する理由がわからないし、向こうの世界に繋がる出口もなければ、元の世界に帰れるような亀裂もない。
あたしが研究してることってこんなことなの…?こんな危険性があるの…?
キョンはそれでもこの亀裂に入っていったの?向こうのあたしを助けに…?
もしそうなら嬉しいな。今居る場所にも助けに来てくれないかな。
色々考えて動き回ったけど、駄目ね。亀裂なんて一つもないし、部屋に閉じ込められたようなものだわ。
まいったな…お腹もすいてきたし………トイレにも行きたくなってきた。
このまま出られなかったらどうしよう。
あれからしばらく経つが、ハルヒは何の発言もせず横になっているだけだった。
閉鎖空間の発生もないし色々と考え込んでいるんだとは思うが、まぁいい。そのうち暴れ出すだろ。
ハルヒが異空間に入ってから、三時間が経過し、俺と有希は夕食を食べ終え、入れ違いに風呂に入っていた。
テレビ画面に移ったハルヒを見ると、太股を重ね合わせもじもじしていた。尿意を我慢している。
「もう我慢できない…ここなら…誰にも見られないわよね…」といって下着を下ろしたその時、
有希の手が俺の目の前を塞ぐ。
「見ちゃ駄目。涼宮ハルヒが傷つく。特にあなたには…」画面は見えないが音だけは聞こえていた。
これはこれで逆に恥ずかしい。
「我慢していたのはスッキリしたけど…お腹は減るし、寝てる間に亀裂が出来ていたらチャンスを
逃しちゃうし…どうしよう…誰か聞こえてたら助けて!!」
「どうするの?」ここで戻したらさらに研究をやり続けてしまう。
自分の進めている研究がこんな危険を巻き起こすんだと自覚するまで駄目だ。
数時間後…
「もうヤダ!異世界に行くなんて言うんじゃなかった!こんなところに閉じ込められるなんて!
どこでもいいから亀裂出てきなさいよ!」
『キョン、閉鎖空間だ』倒すのは古泉たちに任せる。梯子するための閉鎖空間だけ作っておく。
有希、もう十分だ、ハルヒを出してくれ。「わかった」
ピシピシと音が鳴り、ハルヒの左側に亀裂ができ始めた。ここぞとばかりに強引に亀裂を大きくして、
何とか異空間から出ようとする。そのうちに亀裂は人が通れるほど大きくなり。ハルヒはようやく
有希の部屋へと戻ってきた。お、ハルヒ、おかえり。
「え?…ただいま」浮かない顔をしている。どうしたらいいのか分からないのだろう。
向こうの世界で何か嫌なことでもあったのか?
「え…っと、向こうの世界に行っていた…わけじゃなくて……意味不明なところに閉じ込められた」
はぁ?と大袈裟に驚く。まぁ…とりあえずあれだ。無事に戻って来れて良かった。おかえり。
ハルヒが俺のところに飛び込んでくる。
いつ閉じ込められるかわかんない異空間の研究するより、向こうの六人が来るのを待ってろよ。
俺はな、おまえがいなくなるのが一番寂しいんだ。
「うん…ただいま」『全閉鎖空間が無くなりましたお疲れ様です』
『わかった、全エージェントが地上に降り立ったら知らせてくれ。俺の閉鎖空間を解く』『了解』
そのあと、おそらくこうなるであろうと用意していた俺の三倍はある量を食べ終えた後、
「有希、もっとないの?」と催促するハルヒであった。時刻はとっくに0時を過ぎていた。
翌日、部活の時間。
「コホン、四月から色々と不思議があったので、今日が本年度第一回目のSOS団ミーティングを
開始します。議題は青チームとやりたいこと。まずは間違いなくバレーの試合。他には?」
「わたし結局青古泉君と将棋やれてないのよね。毎日パーティだったし。
長門さんにしばらく相手をしてもらいたいわ。彼をねじ伏せるためにも」
「僕も彼のように、ボードゲームをレクチャーしてくれる方が欲しいですね。
朝比奈さんがいると助かるんですが…会う機会がないので困っているんです」
「夏休み終わったけど、みくるちゃん呼んでまた有希の部屋で合宿した方がよさそうね。有希大丈夫?」
「問題ない」「じゃあ…
『キョン、緊急事態だ』
なんかもう緊急事態と言われても動じなくなったな。
それで?どこで何がどうなってるんだ?なるべく簡単に頼む。
『この前行った未来の大人版朝比奈みくるが拉致された。
今度は古泉の部隊ではなく、情報統合思念体の急進派だ。
キョンが破壊した古泉による組織と同じ目的だ。朝比奈みくるが統括しているエージェントを
呼び寄せ殺す気らしい。ただの未来人にいくら武装した人間でも同位体じゃ勝ち目がない。
場所はあのタワーのロビーだ』『OK、端的な説明で助かるよ』
「…ョン、キョン!!またどっか行ってる、折角あんたに意見聞いてあげているのに無視するってどういうこと!?」
すまん、緊急事態だ。朝比奈さんが拉致された。と言って部室を飛び出し屋上へテレポートする。
『有希、ハルヒにはああ言ったが朝比奈さんが拉致されたのは間違いない。このままではこの時代の朝比奈さんも危ない。すぐに未来へ飛ぶ。あとを頼む』『わかった』
有希に伝言を残してから未来へ飛んだ。ブラックアウトのあと、朝倉率いる同位体の群れが建物の外を
覆っている。
「よう、さっきぶりだな」
俺の出現に同位体もタワーのスタッフも驚きの声を上げた。その中に古泉と有希の声も入っている。
「いくらあなたでもこの人数では無茶です!」「一人で乗り切る気?」
「さっきぶり?あなたにしてはおかしなことを言うわね。どうしたのかしら?」
表情は変わってないが、俺が妙なことを言い出したという口ぶりだ。
「お前、俺のいる時代の朝倉と同期してないのか?」
「あれはもう私の同位体ではないわ。長門有希同様学生生活に浸透し本来の任務を怠けている」
「そうかい、よかったよ。折角あそこまで屈託のない笑顔を見せるようになったあいつが
急進派のせいで元通りなんて御免こうむりたかった所だ。安心したよ。これでお前らを消せる」
「大そうな口ぶりね。各時代のエージェントを集めてまとめて殺す気だったのに。あなたまで来るなんて予想してなかったわ。朝比奈みくるがここにいるのにどうしてそんな口が聞けるのかしら?」
「おまえには言ってなかったか?俺に人質は無意味だと」
「そのようね。今初めて聞いたわよ?無意味というのがどういう意味なのか是非聞きたいわ」
「こういうことだ」
と言って朝比奈さんをテレポート。有希にまかせた。
「テレポートだなんて、予想していなかったわ。でも、この人数相手にどうやって闘う気かしら?」
「やはりおまえは朝倉と同期しておくべきだった。俺にテレポート能力が備わっていることを予測出来た。
それにな、もう戦う必要が無くなった。猛獣はすでに檻の中だよ」
誰が猛獣よ!と言わんばかりの突撃だったが、見えない壁に阻まれた。
「何よこれ!?どういうこと?」
だから檻の中だって言っただろ?
「まさか閉鎖空間ですか!?しかし全く見えない。透明な閉鎖空間なんて見たことがない」
さすが閉鎖空間の第一人者。よくご存じで。朝比奈さんをテレポートしたと同時に閉鎖空間を発動した。
さすがに同時にやられちゃ閉鎖空間には気づかなかったらしいな。どうだ?檻の中の気分は?
「こんなもの壊せないとでも思っているわけ?あなたにしては随分傲慢ね。檻ごと殺してやるわ」
朝倉が言いきるのを合図に同位体全員でエネルギー波を一斉射撃させた。
俺が今回の閉鎖空間に付けた条件は、透明なことと、どんなことをしても絶対に壊れないことだ。
閉鎖空間内がエネルギー波の煙で満たされ中の状態が見られない。少しずつ中の様子が鮮明になる。
エネルギー波が閉鎖空間の壁で反射し倒れているもの、爆発に巻き込まれ服がボロボロになっている
ダメージを回復して服だけ破けた状態になっているようだ。
「聞こえるか?こっちは誰も死んでないんだが?さっきの威勢はどこへ行った?」
返事が返ってこない。全同位体がやられたとは到底思えない。何か策を練っているのか?
「やってくれるわね、まさかこんなに硬い閉鎖空間だったとは思わなかったわ」
「今のうちに言っておく。急進派の親玉に伝えろ。第二波は残り全員で来いってな」
ギリという歯軋りの音と共にナイフをぐっと掴んだ。
「第二波?わたし達を倒せるとでも言うの?こんな壁、一点に集中したエネルギー波で簡単に破ってやるわ。
矛と盾、どっちが強いかしらね」
「その結果も分からずにおまえらは始末される。もう一度言っておく親玉に伝えておけ」
俺の右手を前にかざし、少しずつ指を重ねて握りしめていく。
それと同時に閉鎖空間の檻が、縮小コピーされて手帳に挟まれた予定表のように小さくなっていく。
同位体でも人型のため、それが潰されて死んでいく様を見ない様に目をそらす者が何人か見受けられた。
バキッ、ベキッと同位体が壊されていく音がする。麻雀のサイコロくらいにまで小さくなったところで、
左手の人差し指でレーザービームを放ち、ボッという音とともに同位体が消えた。
振り返り、とりあえずこれで…と言おうとした瞬間、朝比奈さんに抱き締められた。
「キョン君、あなたには助けてもらってばっかり。ちょっと悔しいです、ありがとう」
毎日部活で美味しいお茶貰ってましたからね。これくらいじゃ返し足りませんよ。
とにかく全員の避難が最優先です。有希、おまえの異空間はあいつら簡単に入って来るか?
「そう、前回とは違ってわたしの異空間では逆に不利」
なら俺の閉鎖空間で閉じ込める。外側から壊せない閉鎖空間だ。古泉、トイレの場所教えてくれ。
「トイレ?それはいいですが…なぜトイレが関係してくるんです?」
閉じ込められて、トイレに行きたくても行けなかった奴がいたんだよ。
「何と言っていいか少々困りますが、とりあえずトイレはあの突き当たりです」
分かった。じゃあ俺はちょっと行ってくるところあるから、何かあればテレパシーで呼んでくれ。
「問題ない」「解りました」「了解です」
有希は変わらないが、三人が揃っていると本当に安心していられる。
最初はハルヒにせかされてみんな強引に連れてこられたはずなのに…
いつの間にか信頼できる仲間になってたんだな。ありがとう。
そう心に秘めて閉鎖空間を展開、テレポートした。
『とりあえずお疲れ様。こんなところにテレポートして一体何する気だ?』
前回は古泉の記憶操作のためにすぐタワーまで戻ったが、アジトには機密情報や金があるはずだ。
ジョン、朝比奈さん達に渡して、有利だとか利益がある情報端末や書類はあるか?
『一通り見たけど、キョン達からすれば、これまでの涼宮ハルヒの研究じゃないけど、
それに近い情報は得られる、けど今の朝比奈みくるたちにとって重要な物はどうやらないようだ』
なら、現金だけ頂いて全部壊して戻るか。
『それが、キョンの懸念事項か。納得がいったよ。確かにここのものを使って組織をつくられると厄介だね。
古泉一樹もびっくりしてたけど、閉鎖空間の色の話、青の部分はこういうところのようだ』
事務所にあるものを金庫を除いて全て爆破してタワーに戻った。まだ第二波は来ないらしい。
とりあえず有希に金庫を渡し、今後の資金に充てるよう促した。
『エマージェンシーコール、朝比奈みくるが危ない。すぐに戻って来て』
有希と二人で目を丸くした。有希とここまで近距離にいるのにテレパシーが飛んできたからだ。
「あなたの時代の朝比奈みくるが危ない。ここはまかせて」
分かったといい閉鎖空間を解除する。朝比奈さんと古泉に事情説明をして、自分の時代に戻った。
有希の部屋にいることに間違いはないだろうが…俺がいきなり姿を現すとまずいか。
とりあえず屋上へ時間跳躍し部屋を透視する。やはりと言うべきであろう。
朝倉が洗脳されてしまっている。
有希の部屋に玄関から入り、朝比奈さん!と叫んだ。
「あら、おかえり。はやかったのね」
どうやら同期しているらしいな。さっき俺が言ったこと、もう忘れたか?
「覚えているわよ?だからこうしてるんじゃない。涼宮さんの前で」
テレポートは使えない…か。だが、人質を助けるのは何もそれだけではない。
『古泉、俺が合図したらハルヒを連れて玄関の外に出てくれ、俺はこいつと屋上にテレポートする』
『了解しました』
高速移動して朝倉の両腕を掴み、朝比奈さんを逃がす。
『古泉、今だ!みんな連れて逃げろ!』
「そんなことさせると思っているの?」という言葉と共に周囲が朝倉の異空間に変わる。
「もう、こんなの嫌よ。また異空間…出られないの?」
腰を抜かしたハルヒがへなへなと床にお尻をつける。
昨日の今日でこんなことされたら流石に堪えるよな。ショックで今の状況についていけない様だ。
おまえの研究で異次元に巻き込まれるのを防ぐためとはいえ、閉じ込めてすまん。
「朝倉、おまえの洗脳、すぐに解いてやる」
「無駄よ、あなたに殺されない限り、わたしは任務を遂行する」
ジョン、バトンタッチだ。俺だと力加減間違えかねない。朝倉を気絶させてくれ。
『分かった。なるべく傷つけないようにやる。キョンは少し休憩タイムだ』 パチン
俺が掴んでいた朝倉の両手首を離し、一旦距離をとった。
「あら、今度はあなたなの。この前の続きでもするのかしら?」
『生憎と今のあんたと約束した覚えはない』
ジョンが言い終わるかどうかというタイミングで両者とも突撃。ジョンの左手で朝倉のナイフを阻み、
右手で腹部にダメージを与える。朝倉のナイフが床に落ちた。
『キョンに変わって言ってやる。あんたはもう主流派だ。長門有希と同じ人間だ。これまでと
同じ様に楽しいと思える学校生活が待っている。争う必要はない。今は静かに眠れ』
右手の手刀で首の後ろを叩き、朝倉の身体が崩れ落ちる。
元の意識が残っていたのか、消え入りそうな声で「ありがとう」と俺たちに伝えた。
ジョンはそのまま朝倉を寝室へ連れて行きベッドに寝かせて、俺とバトンタッチ、
有希に洗脳を解いて欲しいと頼んだ。ハルヒは崩れ落ちたまままだ立てずにいた。
朝比奈さんもようやく安心したようで、一度止まっていた涙がまた流れだした。
古泉は俺と朝倉のやりとりに言葉を吐くことができなかったようだ。
気がついた時には朝倉の異空間は消えていた。
しばらくして、ハルヒがようやく気が付いた。
ハルヒの話では、夕食の準備をしていたら、朝倉が突然、朝比奈さんを人質に取り、
ナイフを突きつけて、俺が来るのを待ってたということらしい。
後から色々と聞かれそうだが、今は起こったことを頭で整理することが精一杯のようだ。
有希からはとりあえず洗脳された意識を解いたと、一安心できた。
夕食の支度を再開したハルヒと朝比奈さん。
第一回SOS団ミーティングは途中までしか聞いていなかったが、夏休みに引き続き、
有希の部屋に集まってそれぞれ自分のやりたいことに取り組むようだ。
俺は当然受験勉強しなければならん。ジョンに頼むつもりだったが有希が来てくれた。
情報統合思念体の急進派の動静は気になるが、ジョンや有希が何も言ってこない以上、
気にすることもあるまい、今は俺のやるべきことに集中しよう。
夕食ができたとハルヒから声がかかり、勉強道具を片付けて、古泉と二人で料理を運んだ。
会話のない夕食が続いていたころ、朝倉が目を覚ました。当然緊迫した表情を浮かべる。
「いつの間にか寝ちゃってたみたい。夕食手伝えなくて、ごめんね」
ふうと溜息をつき、ようやく全員安心したようだ。
保っていた沈黙も、元に戻った朝倉を見て、誰からとなく会話が始まった。
そのあとハルヒの入浴を見計らって、経緯の説明。
もはや古泉と朝倉も関係者だ。説明しなければならない。
「それで、一体どこに行っていたんです?朝比奈さんが拉致されたと、
涼宮さんに言わなければならないほどの緊急事態だったんでしょう?」
ああ、朝比奈さんが拉致されていたのは事実だ。今ここにいる朝比奈さんが大人になった時代に
俺は飛んだ。話はちょっとそれるんだが、有希を入れ替えたときに誘拐事件があった。
俺が犯人グループを動けなくして、古泉が資料や金品などを全て強奪、
そして金縛り状態の犯人たちに朝倉がとどめを刺した
「それが何か関係があるのかしら?」
前回俺があの時代に行ったとき、朝比奈さんが所属する組織の建物に、未来の重火器を持った集団が押し寄せた。
目的は今の朝比奈さんのような規定事項を満たすためのエージェントを殺すため。自称藤原たちの親玉
が未来を自分の思うがままに作り替えようとしていたんだが、あいつらが殺されてしまったため、
朝比奈さんたちエージェントを殺す計画に変更し、実行に移した。有希から聞いているとは思うが、
俺がその犯人グループを全て滅ぼした。だが今回は、目的は同じだが情報統合思念体の急進派が
攻めて来た。大人の朝比奈さんを人質にとり、各時代へ散らばっていったエージェントを集めて
殺すためだそうだ。朝比奈さんを未来の有希の所へテレポートして、閉鎖空間で同位体全てを包み、
圧縮してその場を凌いだ。
そのあと、いつ来るかわからない同位体を待っている間、トイレに行きたくなる人間も出るだろうと
思い古泉からトイレの場所を聞いて全員でそこへ向かって閉鎖空間を発動、外部からは絶対に壊れない
様に条件をつけ、第二波を待った。そしたら有希からエマージェンシーコールを受けてこの時代に
戻ってきた。さすがにハルヒの前で突然現れるわけにはいかないのでドアから入ったが、
そのときは既に朝倉が洗脳されていた…あとは皆の見たとおりだ。
「ちょっと待って下さい。朝比奈さんの時代に何で僕がいるんですか?」
全員で大学に合格して二年ほどしたときに突如TPDDが宿ったそうだ。今の超能力と同じだ。
今は朝比奈さんの部下になっている。25歳とか言ってたな。
ついでに、酒とボードゲームが強くなったって言ってたがどのくらい強くなったんだか。
「僕が未来人になるんですか…そんなこと思ってもみませんでした」
「でも、全員合格ってことはキョン君も同じ大学に行けますね」
ええ、古泉から『あなたの必死な努力にまわりが駆り立てられましてね』なんて言われましたよ。
もう一つ、さっき朝倉の同位体が言ってたよ。
『あれはもう私の同位体ではないわ。長門有希同様、学生生活に浸透し本来の任務を怠けている』とな。
「わたしが任務を怠けている?見る目がおかしいわね」
「わたしも通常の任務は行っている。そう言われるのは筋違い」
さっき、俺のもう一つの意識(今後はジョンと呼んでくれ)が朝倉に言ったはずだ。おまえは既に
急進派ではない。半年間も一緒に生活をしてSOS団で楽しい日々を送って来たんだ。ジョンの言い草
じゃないが、朝倉はもう主流派の人間で俺たちの仲間だよ。
「あら、嬉しいわね。わたしが幾度となく殺しに行ったあなたにそう言われるなんて」
とりあえず第二波まではなんとかなったものの、未来が危ないのは確か。
さっきからずっとジョンも俺もいつでも行けるように準備はしてあるんだが…
未来の方は、有希は戦えない。古泉も閉鎖空間を展開しないと無理となれば、戦える人間がいない。
前回や今回のように、いきなり黙りこんだり、飛び出していったりする。
もう色々不思議体験しているから、俺にテレパシー能力が宿ったといっても、
ハルヒは「ふ〜ん…」くらいで済ませられると思うんだがどうかな?
「テレパシーくらいなら大丈夫じゃないですか?向こうの世界と交流を深めるようになったら
いつの間にか力が宿っていたで済みますよ」
「問題ない」
「あーすっきりした。色々あったからつい長湯しちゃったわ。みくるちゃん髪乾かして」
「は〜い」
「ところでキョン…重要な会議を突然抜け出してどっかいっちゃうなんてどういうつもりよ!」
「あのとき理由言っただろ?」
「あんたがきたあとにみくるちゃんが拉致されてたじゃない!話があわないでしょうが」
「青朝比奈さんだよ。前回と同じ。緊急信号が届いた。これはもうテレパシーが使えるって
言ってもいいのかもな」
「なんであんたにそんな力が宿ったわけ?」
「俺にも分からん、知らないうちに、そばに誰もいないのにそういう声が聞こえてくるとしか言えん」
「じゃあ試しに使って見せてよ」
『これで満足か?俺の口動いてないだろ?』
ハルヒが俺を凝視してとまった。当然頭も動いたため朝比奈さんも場所を移動する。
『ちなみに逆も可能だ。声を出さずに俺に向かって何か言ってみろ』
『このバカキョン!』
「このバカキョン!」悪かったな馬鹿で。
まぁ取りあえず誰かとテレパシーしているときは、話をされても反応ないから、それだけ頼む。
「ふーん…今までいくら大声出しても聞こえないのはそのせいなのね。
でも安心したわ。向こうのあたしやみくるちゃんを助けるために行ったのなら、
飛び出して行っても不思議じゃないわね」
ふう。これでようやく一安心か。
「で?あっちの世界にはどうやっていったのよ?」
やっぱり聞くのかよ、そこ。この前と一緒だ。部室じゃないなら、有希の部屋だと思ってな。
案の定亀裂があって、向こうに行けたそれだけだ。
「なんであんたの時はあっちに繋がる亀裂があって、あたしのときはないのよ。
それに、なんであんた有希の部屋とオートロックの鍵もっているわけ?」
ハルヒのときとは違って緊急事態だったからじゃないか?鍵の件に関しては、これだけ有希の部屋で
過ごしているんだ。合鍵くらい持ってるだろ?と、本当は合鍵がない鍵束をくるくる回して見せた。
「ちょっと有希、それどういうこと?」
「一年のころ、たまに夕食を一緒に食べようと彼を呼んだ。そのときに渡してあっただけ」
ナイスフォロー痛み入ります。どうやらそれで納得したらしく、研究の必要が無くなったハルヒは
俺の勉強に…とやってきてくれたのだが、考えなければならないことが山ほどある。
「すまん、ちょっと色々あったから頭整理しに行く」と告げて屋上へテレポートした。
ふう、事情説明は終えたが俺自身まだ整理がついてない。うまく説明出来たんだろうか…?
『聞いている限り要点を絞って話していたよ。自称藤原たちの親玉が古泉一樹だってこと隠してたし』
そういってくれると助かるよ。だが…困った。今回は現在も未来も人質を取って待っていたが、
次は、駆け付けたら朝比奈さんが殺されてましたじゃ話にならない。
同位体からサイコメトリーしておくべきだった。次はいつどの時代にくるのか分かったもんじゃない。
こんな状態で受験勉強しても頭の中に入っていくわけがない。
攻めてくるなら、さっさとして欲しいもんだが…。
現在の方はまだ間に合いそうだが…未来の方は同位体からの攻撃を防ぐ手立てがない。
未来の武器を装備した人間が配置されたとしても同位体一体も倒せずに全滅するだろう。
情報統合思念体が相手なら有希もただの人間だ…
「問題ない」有希?どうしてここに?
「あなたの考えていることは杞憂に終わる。情報統合思念体はあくまで涼宮ハルヒの監視。そして、
急進派は情報爆発を誘発させること。あなたの説明には1つだけ間違いがあった。今回の一件は
急進派があなたを未来に呼び出し、その間にこの時代の朝倉涼子を洗脳し、あなたが来るのを待った。
あなたを殺して涼宮ハルヒの情報爆発を誘発させるために。
あなたの行った未来には涼宮ハルヒと同じ力を持つものは存在しない。来るとすれば現在の時代。
心配しないで。あなたの救いたい人は、わたしの救いたい人でもある。一人で抱え込まないで。
それだけ言いたかった」
ははっ…有希にそこまで言われたら、今まで考えていたのが馬鹿らしくなったよ。
一人で考えていても仕方ないよな。もっとみんなを信頼するべきだった。ありがとう。
「いい…それより、これ持ってて」と言って合鍵を渡された。
「あなたならいつでも大歓迎」大歓迎って…まぁ、いいか。ホントにいつ行ってもいいんだろうな?
「もちろん」
じゃあ、今みたいに受験勉強に身が入らないようなときに有希のところいくよ。ありがとう。
To be continued
雨上がったよハルヒ
キョンにくっつこうとすると暑いと嫌がられてご不満なハルヒ
団長はご機嫌ナナメ
そして事態は想像の斜め上の方向に
そうよ!もっと薄着にすれば暑がられなくなるかもしれないわ!
「というわけでキョン、明日から海パンだけで来なさい」
「まて」
ぬこ乙!
器用に箸もつなw
パチンコで出るけどね
雨が酷い
明日だけでいいから晴れて欲しい
台風が直撃コースじゃないか
ハルヒはwktkしてるんだろうな
七夕は晴れてほしいだろうな。
明日までは全力で晴れを祈願
↓
コロッケを買いだめ
↓
用水路の様子を見に行く
最後アカンてw
wikiに、
ほとんどの神事は、「夜明けの晩」(7月7日午前1時頃)に行うことが常であり、祭は7月6日の夜から7月7日の早朝の間に行われる。
午前1時頃には天頂付近に主要な星が上り、天の川、牽牛星、織女星の三つが最も見頃になる時間帯でもある。
全国的には、短冊に願い事を書き葉竹に飾ることが一般的に行われている。短冊などを笹に飾る風習は、夏越の大祓に設置される茅の輪の両脇の笹竹に因んで江戸時代から始まったもので、日本以外では見られない。
と、あるね
6日の今夜から夜明けまで、SOS団のイベントがあるかもね
ぬこ乙
七夕だよハルヒ
乙乙
昨夜は酷い雷雨だった
今曇り空だ。夜に少しでも晴れて欲しいものだ
雨ちょっと止んだよハルヒ
夜には星が見える位晴れるといいな。
さすがに天の川は見えないな。
7月7日【◇七夕[たなばた],七夕の節句】
-以下略-
=======================================================
ハルヒ 「今年よりSOS団は七夕を『旧暦』で祝う事にします!!」
キョン 「…まぁ毎年の様に曇りか雨だもんな。」
長門 「特別に七夕にちなんだ食べ物もないし私は別に構わない。」
朝比奈「あの〜旧暦ってなんですか?」
古泉 「それは困ります!!!」
ハルヒ 「え?あ、古泉君?」
古泉 「この日の為に兵庫県内で一番立派な竹を準備し!短冊に使う紙も最高級品を揃え!!
短冊に願い事を書く時に使う墨をする為の硯には山口県宇部市の赤間石を準備し!!!
勿論墨自体も我々が厳選に厳選を重ねた最高級品の中でも涼宮さんの御眼鏡に適う物を選りすぐり!!!!
そして尚且つ
キョン 「次にお前は『涼宮さんと彼に相応しい織姫と彦星の衣装を準備しました』と言う。」
古泉 「『涼宮さんと彼に相応しい織姫と彦星の衣装を準備しました』…は!!」
ハルヒ 「あ〜…古泉君…そう言う事ならやぱっり旧暦でやるわ。その時期の方が晴れてる確率が高いし…」
古泉 「そ、そんな!せめて竹だけでも!!」
キョン 「なぁハルヒ。他のは旧暦の七夕の日でも使えるが竹はその頃には枯れちまってる。勿体無いから竹だけでも使って
今日は何時も通りに七夕をやろうぜ。旧暦の時のはその時に盛大にやればいいさ。」
ハルヒ 「ん、まぁ〜確かに竹が勿体無いわね。分かったわ、じゃあ今日は例年通りに普通の七夕をやりましょう。
旧暦の七夕は本来の七夕に則って旧暦で言う7月6日の深夜から7月7日の早朝までやるわよ。」
キョン 「ってその時間帯にやるのかよ!」
ハルヒ 「本来はそうだったんだし、そもそも天の川や牽牛星、織女星が最も見頃な時間は午前1時頃だもの当たり前でしょ。」
キョン 「やれやれ、毎日飽きもせずパソコンに噛り付いてる内に余計な知恵をつけやがった。」
ハルヒ 「なんか言った?」
キョン 「別に〜」
古泉 「準備が無駄にならずに助かりました。ではその時h ハルヒ&キョン「「コスプレはしないから(ね!)(な!)」」 ですよね〜」
長門 「短冊とかいいから何か料理を準備するように。」
朝比奈「…何だか日に日に長門さんがダメな子になっていってる気がします〜」
===========================================================
旧暦の七夕【伝統的七夕】
国立天文台では2001年から、「新暦7月7日はたいてい梅雨のさなかでなかなか星も見られない」という理由で、
旧暦7月7日を「伝統的七夕」と呼び、その日の新暦での日付を広く報じている。
ただ、「旧暦」は現在は公には使われていないのに国の機関が「旧暦」で定義することはできないため、「伝統的七夕」の日は、
旧暦7月7日に近い日として、「二十四節気の処暑(しょしょ=太陽黄経が150度になる瞬間=8月23日頃)を含む日かそれよりも前で、
処暑に最も近い朔(さく=新月)の瞬間を含む日から数えて7日目」と定義している。
この定義によれば、早くて新暦の7月31日、遅くとも8月30日までに該当する。
今年の伝統的七夕 2014年8月2日が該当日
棚から落ちてきたぼた餅を食べるハルヒ
446 :
SS:2014/07/07(月) 23:32:40.61 ID:54/wuDPS0
「はあ。見事に曇っているわね」
ここは東中の校庭のど真ん中。衣服が汚れるのも構わず大の字に寝転んでいる。
「織姫も彦星も折角の逢瀬なんだし、誰にも見られたくないったワケ」
ケチ臭い、と独り言をいっても返すヤツは誰もいない。
「ま、分かってたけどね」
ジョン・スミス。去年、誰もいないはずの校庭にいた不思議な高校生。
「なんだったんだろう」
本当に。
「ぶつくさ言いつつもあたしの言うとおりに動いて」
まるでそれが当然というように。
「織姫と彦星、かぁ」
天をいくら睨んでも星は影も形も見えず──
「あれ?」
急に大きな風が巻き起こり辺り一面が──
「わあ……」
感嘆する瞬間にも満点の星空へと──
「なあに? 別に隠すこもないってことかしら」
これ以上無い天の川が広がっていた。
「ふふん。勿体無いわね」
こんなキレイな星空を見逃すなんて。
「見た目どおりのマヌケだわ」
顔なんて見てないけど。
「今度、」
会ったなら、
「思いっきり自慢してやるわ」
最果ての宙へ向けて拳を突き出す。それは決意にも似た、意思の発現。
この後、彼女はそのような自覚もなく、様々な存在をひきつけて振り回していくことになる。
さながら銀河の中心のように。
彼女の作り出す天の川を一番近くで見ていた少年は後にこう語るのだった。「……やれやれ」と。
〜Fin〜
乙乙
昨夜は雨で何も見えなかったよ
青空が見えてる
一日遅いよハルヒ
嵐の前のなんとやらだな。
俺のハルヒが今日丸一日不気味な位大人しい件について
キョン乙
去年武庫川決壊寸前だったらしいな
風の被害は少ない地域
災害対策本部を部室に設置するハルヒであった
防災用品を集めていたらいつの間にかアウトドア用品になり、「今夜はテントで寝るわよ!」とか言い出すハルヒ
ハルヒ「ここをキャンプ地とする」
みくる「ふぇ〜ただの道端じゃないですかぁ」
雨が激しいよハルヒ
相合い傘の時間だー!
だが吹き降りでそれどころじゃなかった
ポンチョを着るハルヒ
長靴を履いたハルヒ
傘だけはかたくなに忘れるハルヒ
463 :
411:2014/07/10(木) 03:28:19.74 ID:mZuBblCN0
こんにちは。
続編投下します。よろしくお願いします。
『心配しないで。あなたの救いたい人は、わたしの救いたい人でもある。一人で抱え込まないで』
……か。有希は先に自分の部屋に戻った。俺が抱え込んでいた不安が一気に無くなった気がする。
またループしないだろうかと古泉と二人で心配して、ハルヒの研究をやめさせて、
未来がまたピンチになっていて、戻ってきたら朝倉が洗脳されていた。
たった二日でイベントが起き過ぎだ、全く。だが朝倉の洗脳は一旦は解いたが、
俺のいない頃を見計らってまた洗脳するとも限らない。ジョン洗脳を防護する方法は何か無いか?
有希に言ってもいいと思うんだが、同位体の防護ではすぐに破られそうでな。
それ以外に防護可能な人物といったらおまえしかいないんだが…どうかな?
『もちろん可能だ。キョンも大分冷静になった…というか元から冷静だけどあまりのことの多さに、
頭がついていかなかったってところか。長門有希のセリフじゃないが、
今日は勉強休みの方がいいかもね』
ああ、そうしよう。ちょっと行きたい所もあるしな。
『すまん、未来の様子見てくるよ。ハルヒにはランニングして気晴らししてるとでも言っておいてくれ』
『了解、いってらっしゃい』
みんなからいってらっしゃいと聞き、すぐに未来へテレポートした。タワーの壊れた箇所が元に戻り、
受付に組織のスタッフが二人座っていた。建物を元に戻したのは有希だろう。
「すみません、アポはないのですが朝比奈さんにお会いしたいのですが…」と聞いたところ、
「キョン様ですね。奥のエレベーターから最上階にお上がり下さい」と顔パスで入れた。
『当然だよ、あんな状況から全員の命を救ったんだ。このタワーにいる人間は全員キョンの顔を
覚えているだろう。それとキョン、この時代はキョンの時代と平行して俺が確認しているから
あまり気を張らないでいい。テレビを二つ並べて違うチャンネルみているもんだと思ってくれ』
そいつはありがたい。それならすぐ確認できそうだ。テレポートでもよかったが、受付の方に従い
上層部をめざした。すでに三人とも揃っている。
「やぁ、どうも」「こんにちは」「……いらっしゃい」
三人の笑顔に俺も安堵の表情を浮かべる。
「長門さんから過去の様子を聞きました。無事にわたしを救ってくれてありがとうございます」
と朝比奈さんから一言。俺が一番気にしていることは、この時代では同位体からの攻撃の対応策が、
出来ているかどうかだ。
「問題ない。あなたの透明な閉鎖空間を参考に、タワー全体に防護膜を何重にも張った。それに、
わたし自ら同位体に通用する武器及び、防具を生産中。早急に仕上げる予定」
同位体自ら自分を破壊する武器制作されたら、向こうもただじゃすまないな。
しばらくは様子を見なければいけないだろうが、それが完成したら問題なさそうだ。
「それより、どうです?一局。せっかくボードゲームやろうとあなたから持ちかけられたのに、
すぐ過去に戻ってしまって、機会がなかったんですよ。是非お願いします」
じゃあ、俺の時代はもうみんな寝る寸前だから一局だけな。朝倉と古泉の戦いも気になるし、将棋にしよう。
「わかりました。ではこちらへ」
しばらくして…圧倒的な勝ち方をされた。消失世界の古泉と入れ替わっているんじゃないだろうな?
「それは失敬な。朝比奈さんとずっと練習したんですから。時間もそこまでかかりませんでしたし、
どうです?もう一回」
確実に負けそうな気がするのでやめておこう。すでに眠たくなってきてるしな。
皆を待たせているから、そろそろ帰るよと古泉に伝え、朝比奈さんと有希に挨拶をして過去へ戻った。
有希の部屋の屋上へ時間跳躍しリビングを覗う。すでに電気は消えて寝静まっているようだ。
玄関にテレポートして靴を脱ぎ、和室で寝ようとすると、朝比奈さんがリビングで座っていた。
どうしたんです?一人で…眠れないんですか?
「いいえ、キョン君を待っていたんです。キョン君、今日はわたしと一緒に寝てください。
涼宮さんにも長門さんにもお願いして二人とも寝室で寝ています。今日だけでいいですから
一緒に寝かせてください。お願いします」
夢が叶った気分になった。拉致された恐怖なのだろう。こっちからお願いしたいくらいだ。
「そんなことでいいなら、いくらでもいいですよ。眠れるまで俺も起きてますから」
ありがとうございます…といいながら泣き出した朝比奈さんを和室へと連れて行き、朝比奈さんを
抱きしめた。俺の方から行かないと恥ずかしがって来ないだろうしな。
顔が真っ赤になってどんどん体温が上昇しているのを二の腕で感じながら、眠れるまで話していた。
もうすぐやってくるだろう、あれに備えて。
朝比奈さんと小声で話していると、古泉の携帯がなり、ジョンが『キョン、閉鎖空間だ』と叫んだ。
「古泉、今回は俺一人でやる。ストレス解消にもってこいだ、他のエージェントにそう伝えてくれ。
それから朝比奈さんを頼む」「わかりました。お気をつけて」
じゃあ、行ってくると言い残し上空へとテレポート、俺の閉鎖空間を展開した。以前ジョンが見せた
閉鎖空間内を横に何回も往復して、神人を倒していく。前見て一度やってみたかったんだよな、これ。
全速力で閉鎖空間内を飛び回り、全閉鎖空間の消滅を確認して、森さんにテレパシーを送った。
テレポートで和室に戻り、『もう終わったんですか?』と声を揃える。二人とも驚きの表情を隠せない。
ジョンのやり方を俺もやってみただけだと古泉に話すと、どうやったかがすぐに分かったらしい。
どうやら俺が戻るまで二人で話していたようだ。閉鎖空間の話ではないが二人も驚くだろう話をした。
「あ、そうそう、未来行って、古泉と将棋指したんだけど、こてんぱんにやられてしまった。
朝比奈さんと何度も練習を重ねたそうだ。青古泉じゃないかと疑った。
因みに酒も強くなっているみたいだ。ワイン片手にくつろいでいたぞ」
「それはいい情報を聞きました。朝比奈さん手が空いている時は僕の相手になっていただけませんか?」
「わたしでよければいいですよ」
「ご教授、ご鞭撻の程宜しくお願い致します」
そんなにかしこまらなくても…なんて朝比奈さんが言ってたが、ようやく恐怖かが気が紛れたらしい。
これなら安心して寝れそうだ。俺も初めてだしな。朝比奈さんと一緒に寝るの。心行くまで堪能しよう。
翌朝、ハルヒと有希から視線を浴びせられたらしいが、熟睡している俺には全く効果はなく、
朝比奈さんの美声で目を覚ました。古泉と将棋を指した上に閉鎖空間の対処、
その上、三人ではなしていたら、睡眠時間がほぼなかった。俺がようやく身支度を整えたころには
朝食を全員食べ終え、古泉が片付けをやっていた。古泉にやらせてしまった以上、
食べ終わったら自分の分は自分で洗って、なんとか皆と合流することができた。
俺は自転車を押して歩き全員の荷物持ち。透明な閉鎖空間で居心地のいい登校に善処した。
まだ残暑は続き、早朝ハイキングコースは、進むほどに前を歩く人の頭が下を向いて行くのがわかる。
教室に入ってすぐハルヒが俺の勉強を見てくれた。
寝不足なのは間違いないが、確認することがある以上眠るわけにはいかん。
岡部が教室に入りHRが始まる。聞く必要もない。聞かなければいけないのは有希の話だ。
『有希、聞きたいことがある。情報統合思念体の情勢はどうなってる?』
相変わらずピクリとも動かないで、俺のテレパシーに答える。
『一連の事件を通して、情報爆発を誘発させた急進派の行動に目をつけられている。同じことを
繰り返すようであれば主流派が急進派制圧に動くだろう』
『もし、情報統合思念体と闘う事になれば、有希や朝倉はどうする?』
『あなたの力を分けて欲しいと言いたいが、限度があるためそれはできない。でも、涼宮ハルヒの力を
わたしたちのエネルギーとして使う事が可能。こちらのほうは無尽蔵にあるので問題ない』
『そうか、わかった。それだけ確認したかったんだ。これでようやく寝れそうだ。
すまんが、各教科の板書、後で見せてくれ。俺が起きたら板書をちゃんとするから』
『わかった。あなたは昨日一昨日で相当疲れている。ゆっくり休んで休養も必要』
『すまん。ありがとな』
『いい』有希との話を終えて即座に眠りについた。授業中にいびきをかいていても知ったことか。
その後放課後になるまで昼食も食べずに寝ていた。
『起きろ!バカキョン!』ハルヒに大声でテレパシーが飛んできた。
ジョンの大声もそうだったがテレパシーだと耳をふさいでも意味がない。さすがに飛び起きた。
五人で部室に行こうとしたところで有希に止められた。各授業の板書を情報結合で写すから、
今日の時間割のノートを出すように言われた。受験勉強に一分でも長く時間をとるためには嬉しい申し出である。
全部のノートに有希の文字が写されたところで、二人で部室へ向かった。
一ヶ月半ぶりの部室の穏やかさに癒されながら、受験勉強を開始する。
未来の古泉曰く、『あなたの必死さに』と言っていたからな。
逆に言えば必死になって取り組まないと合格しないということになる。
未来や情報統合思念体の動きも気になるが、
ジョンや有希が状況を常に見ているため俺は自分のことに集中することにした。
しばらくして、俺の勉強を邪魔する涼宮ハルヒAがあらわれた。因みに涼宮ハルヒBは青ハルヒだ。
「キョン、この前会議の途中で出ていったから聞けなかったけど…何かやりたいことある?」
ようやくここまで成長してくれたか。岡部じゃないが俺はハルヒの生活面での教師だったように思う。
しかし、やりたいことと言ってもな…
「とりあえず、週に一度はバレーの練習したいな。土日の休日、半日でいいから。それに、
向こうの六人と一緒に勉強会とかな。青古泉と朝倉は朝倉の部屋で将棋かな」
俺がそこまで行ったところで、気難しい顔をしてハルヒが俺に言い返す。
「青チームの六人がいつ来るかも分かんないし、それに休日に練習って体育館開いてないでしょ?」
「あれ?古泉、確かどこかの枠開いてなかったか?」古泉にアイコンタクトをとる。
「確かそうでしたね。いつ空いているか調べておきましょう。
おそらくそんな都合よくはいかないと思いますが、希望はありますか?」
「土曜の午後あたりがいいんじゃないかしら。午前中勉強して午後バレーして、疲れた分を日曜に回復する」
「お、賛成」
「うん、それ、名案。午前中バレーで疲れてたら午後に勉強なんてはかどらないわよ」
「わたしはどこでもかまわない」
ゲームはいつになったら終わるんだこいつは。これで次の中間も満点だったら、
俺も対人類用人型インターフェースになりたいもんだ。俺の同位体を作ってくれ。頭だけ変えて。
「では、確保できるかは解りませんが、とりあえず土曜の午後ということで。団長、よろしいですか?」
「よろしいですかも何もあたしの案だからね。それで決まりよ!」
「しかし…六人で練習するとなると少し人手不足ですね」
そういわれるとそうね…とハルヒも相槌を打つ。
俺も少し考えてみる。谷口、国木田は青チームがきたら固まるからアウト。
お、一人いい人がいた!「鶴屋さんだ、鶴屋さんいれよう。あの人なら青チームきても驚かない」
というより、朝比奈さん二人もいると大笑いして写メ撮って笑い死にしそうだ。
「キョンのくせに」は余計だったが、俺の意見がすんなり通った。当分の間は朝比奈さんはベンチだな。
しっかし向こうも鶴屋さん連れてこられると厄介だな。青有希と交代したら弱点が俺しかない。
向こうの鶴屋さんはバレーが下手だと祈ることにした。
そして、その日の夕方、古泉から
「自宅に寄っていきますので夕食までに間に合わなければ先に食べていてください」
古泉にしては珍しいが…何か新しいボードゲームでも持ってくる気じゃあるまいな…と思いながら
夕食直前に戻ってきた古泉を入れて全員で夕食を食べた。
その夜は、勉強も付きっきりでハルヒに見てもらい、俺が眠いと言った時点で寝ることにした。
「昼間あれだけ熟睡してたあんたがどうしてこんなに眠くなるのよ」なんていわれたが、
未来の朝比奈さんが拉致され、朝倉が洗脳されて怒涛の2日間を過ごしたんだ。勘弁してほしい。
床に入るなり、ハルヒと有希を横に抱き、遮音膜&ブラインドフィールドを展開した。
「あと一カ月もすれば、俺も18だ。ハルヒ、ホントに婚姻届取りに行くのか?」
「あったりまえじゃない。あんたの誕生日の日に取りに行ってすぐ提出するわ」
籍を入れるだけならいいが、大学の費用、結婚式の費用、生活費、……
とにかく経済的な自立ができないことには話しにならない。
大学を卒業しても、俺みたいなやつを受け入れてくれる会社なんてあるのか謎だしな。
住む場所もどこにしようか考えなくてはらない。
「住む場所ならここでいい。涼宮ハルヒと一緒でかまわない。ずっとこうやっていて欲しい」
「有希、ホントにいいの?」
「いい」
有希をさらに強く抱きよせて口づけを交わす。「有希ばっかりずるい」といってハルヒとも唇を重ね合わせた。
「今日はこのまま抱いて…」の有希の一言で、二人が満足するまで愛しあった。
色々あり過ぎて、普通のことが出来てなかったことをようやく気付いた気がした。
ハルヒからプロポーズを受け、それを了承したのに、夫として妻に何もしてやれてない。
どちらかというとハルヒが俺に尽くしてくれているというのが妥当だろう。
もちろん有希にも朝比奈さんにも愛されている自分に、本当に俺なんかでいいのか?
という気持ちになるが、それでも三人の好意を受け止めて、心から嬉しい気分になった。
翌朝、昨日伝えていなかった、鶴屋さんをバレーの練習に誘いたいという旨を朝比奈さんに伝えた。
それぞれの弁当を持ち玄関を出たところで閉鎖空間発動、俺を中心に動き、閉鎖空間内の温度を19℃に設定した。
マンションのエレベーターを降りたところで、昨日古泉が家に帰った理由が判明した。
自宅から自転車を持ってきたらしい。ナイスアイディアだと率直に思ったところで、
それぞれの鞄を2つの籠に積み、古泉の一言
「朝倉さん乗ってください、じゃ、あと宜しくお願しますよ」
…お前、俺の閉鎖空間広げてそっちの自転車にスピード合わせろっていうのか?考えている暇もなく
「ほら、古泉君行っちゃったじゃない。早くスタートしなさい」
へいへい。競馬になったきぶんだよ。今何馬身差が付いているか誰か教えてくれ。
学校についていつも通りの受験勉強、いつも通りの部活、いつも通りの生活…
九月の最初の二日間は一体何だったのだろうかと思わせるほど平凡な生活が続いた。
頼むから平凡すぎて退屈でイライラは勘弁してくれよ?土曜午後のバレーの練習を提案したんだ。
閉鎖空間はこうやって使うんだと皆に教えてやりたいもんだ。ハルヒが自分の能力自覚したら、
もっといい使い方見つけるかもしれないな。なぁジョン、そう思わないか?…ジョン?
またどっかに行ってる、ハルヒのセリフじゃないけど。
帰って来てその直後に緊急事態だといわれてももう驚かんぞ?
迎えた土曜午後、登校途中に閉鎖空間を発動できる位置まで来たところで閉鎖空間発動。
体育館の暗幕がしまっている。バレー部かバドミントン部なのだろう。
遮蔽してくれてどうもありがとう。俺たちの手間が省ける。
しかし、俺も入ってやっているけど、綱引きじゃあるまいし、なんでこんなに引っ張る必要があるんだ?
「ボールがネットにあたったときにちゃんと跳ね返ってくるようにするためです」
なるほど、理屈はわかった。しかしまだそういう場面に遭遇してないからな。
ハルヒのポニーテールを見たときの古泉じゃないが、百聞は一見にしかずだ。
そう言う場面を見てみないことには必要性が感じられん。
準備運動をしている間に鶴屋さん登場。先輩を待たせるもんじゃないよ、普通。
「やぁみんなっ、お久しぶりっさ!みくるから聞いて飛んできちゃったよっ。仲間に入れてにょろ」
相変わらず独特な喋り方、満面の笑顔、泣いている赤ちゃんも笑わせるくらいの表情だ。
鶴屋さんを入れて準備体操をしたとこで早速レシーブ練習。
古泉が打った球をセッターのいる位置にレシーブして、受け取ったボールはボール籠へ。
このローテーション何回くらい回ったかな。一番疲れているのは古泉だろうが…。
しかしこの、先輩を呼び捨てにするってのなんとかならないのか?
「ハルヒー」「はい」「有希―」「はい」「キョンー」「はい」「涼子ー」「はい」「みくるー」「ひゃい」「鶴ちゃーん」「ほいさっ」
ちょっと待て。ハルヒと有希以外呼べないだろ。
「僕が撃っている以上、残る男はあなた一人だけです。涼宮さんと長門さんのときしかあなたの声は聞こえません。
呼びにくいからって沈黙しているとその人に失礼ですよ?」
それはそうなんだが…。映画撮影のときの朝比奈さんが頭に浮かんだ。
「キョン君わたしのこと名前で呼んでください。キョン君に呼んでもらえたら元気が出てきます」
はぁ…そう言われましても…仕方ないか。「わかった…古泉、続き頼む」と告げて、
自分でボールとる以外は顔を真っ赤にして残り三人の名前を呼んでいた。
レシーブの様々なパターンの練習、強打の練習が終わり、ようやくサーブの練習に入った。
良く考えれば今まで、試合でサーブ順が回ってきたこと無かったな。一番最後だし。
古泉のあれを真似てみるか。球をちゃんと上げることが出来さえすれば、あとはスパイクのステップだ。
狙うポイントを定める。ボールの落下地点、ネット、ライン、ボールだけが俺の視界に入った。
その上でボールを上げ、ステップを踏みボールを撃った。狙い通りに撃つことができたようだ。
二球目、二球目っと…ん?みんなどうかしたか?口開いているぞ?
「冗談言わないで下さいよ。あんなサーブ撃たれては誰でも驚きます。
日本代表くらいのスピードで撃ったんですよ?
ここまでやられてはローテーションを変えていいかも知れませんね」
「キョン、威力とスピードにはあたしも驚いたけど、これが試合中なら失点よ?」
なぬ!ハルヒそれはどういうことだ!?折角気持ちよく打てたのに…
「エンドラインよ。さっきのサーブ、ジャンプする足でラインを踏んでいると相手の得点になるの」
今後注意しなさいとアドバイスをくれた。線ふまなきゃいいのね。もう一球…って古泉、何してんだ?
「あなたのサーブを受けてみたくなったんです。遠慮はいりません。撃って下さい」
そう言うなら…と狙いを古泉に定め、エンドラインを踏まない様に…
バンッと快音がして相手コートにいる古泉の真正面に打てた。
古泉がピンポイントでレシーブするものの、威力に負けて後方へとボールが飛んでいった。
そのあとも何球かレシーブさせてくれと言われ、こっちもサーブ練習と思って撃っていたのだが…
古泉の腕の色が明らかにおかしい。有希、頼む「わかった」
「残念ながら、あなたの球を受けるのもここまでのようです。ありがとうございました」
ケガ人からケガさせた奴に向かってお礼を言われるとは思わなかった。
しかしこれで青チームとの試合が待ち遠しくなった。残り数回しか打てずに練習終了。
腕を怪我している古泉のこともあるし、支柱を二本とも俺が片付けた。
折角久々に鶴屋さんにも会えたし、みんなでパーティをしようと持ちかけた。
俺とハルヒで買い出し、残る五人は徒歩で有希の部屋へと帰宅した。
当然ハルヒに見られないうちに有希が古泉のけがを治す。
買いだし後は後ろに有希を乗っけているよりも重くないか?と感じるほどだったが、
ほどなくしてマンションに着くと、合鍵は必要なかったらしい。呼び鈴を鳴らすと有希が出た。
買ってきた野菜、酒など使うもの以外は冷蔵庫に詰め、リビングで一息ついて古泉の第一声。
「お疲れ様でした」
怪我の方はいいのかと聞いたが、あんなサーブを受けられる機会なんて滅多にないと大袈裟なことを言っていた。
しかし、ジョン?…ジョン?おかしいな。あっちの世界の俺につきっきりでいるのか?
それとも未来が緊迫した状態にあるのか…?緊急事態でもいい。早く戻って来てくれ…ジョン。
俺の祈りも虚しく、出来た料理からテーブルへと運んだ。鶴屋さんはラグの触り心地を楽しんでいる。
「では、SOS団名誉顧問の鶴ちゃんとの再会を祝して、『かんぱーい』」
同位体を中継して直接文句を言ってやる。
『聞こえるか?急進派の親玉さんよ。よくも俺の仲間を傷つけてくれたな。覚悟は出来てるだろうな?
全同位体始末してやるから、さっさとこっちへ送ってこい。この瞬間湯沸かし器野郎!』
「あなた、自分が何を言ったか分かってるのかしら?あなたにしては大きく出たものね。
一番にあなたを殺してあげる」
『ロビーにいる全戦闘員に告ぐ。攻撃を中止して負傷者を長門有希のところまで連れて行ってくれ。
この場は俺一人でやる』
しばらくしてから『了解』と聞こえた。さすがに一人で大丈夫なのかと思ったんだろう。
『いいのか?キョン。過去も危ないんだぞ?こっちに時間をかけてる場合じゃない』
心配ない。朝倉が洗脳されようとすれば、有希が古泉の酔いを覚まして朝倉を抑え込み洗脳を解くだろう。
ジョンが防御してくれているから問題ない。それに急進派の親玉がたとえ怒り狂っても、
これ以上の同位体を使うことに主流派が黙って見ているはずがない。間違いなく止めに入る。
『この状況でよくそこまで読めたもんだよ、全く。じゃ、残りの同位体片付けて過去に戻ろうぜ』
ああ、そのつもりだ。会話もそこで区切りをつけ、自分で張った防護膜から抜け出した。
当然全同位体のエネルギー波が集中する。有希に渡した分のエネルギーを回復。
残りを右手に集め、エネルギーの球体を作る。
朝倉体がナイフで飛びかかってくるが、ナイフごときで俺のコーティングは破れない。
一体は左手で腹部を貫き、もう一体は右足で頭部を破壊した。
ボッという音と共に、頭部が無くなり、二体とも戦闘不能になった。
その後、近隣の建物に危害が及ばないよう閉鎖空間を展開。
俺が近づくごとに同位体が少しずつ後退していく。
エネルギーも十分に集まった、久しぶりのあの技でとどめを刺してやる。
人差し指に吸収したエネルギーを集約、俺の腹のあたりで線を描く。
その軌跡にエネルギーの直線が浮かび上がる。
片手でパチンと音を鳴らすと、直線が鋭利な刃となって残りの同位体全てを真っ二つにした。
『有希、重傷者は応急処置程度で、今は構わない。入口の防護膜を修復してくれ』『分かった』
その後自分の張った防護膜や閉鎖空間を全て解除、タワー全体に緑色の閉鎖空間を張った。
色は何でもよかったのだが、付けた条件は外部からの侵入者を阻み、
閉鎖空間内にいる人間の自己回復能力を一気に高める条件をつけた。
「これは…傷がどんどん癒えていく…これもあなたの閉鎖空間によるものですか?」
「ああ、色や条件が色々と操作できるらしくてな。閉鎖空間を移動したり、温度を一定に保ったり」
「なるほど、真夏でもエアコンいらずというわけですか。お見事です」
さて、あまり長居もしていられない。朝比奈さんも何か言いたげな表情をしていたが、
後をまかせて過去へと戻った。
玄関なら死角になっているだろうと思い時間跳躍を終えた直後、「うああああああ」という朝倉の声が聞こえてくる。
すでに酔いを覚ました古泉と有希が馬乗りになって朝倉を抑えている。
ジョン、バトンタッチだ。朝倉の洗脳を解いてくれ! パチン
『これは…俺の施した防護は破られていないが、長門有希が洗脳を解いたときに、隠れて免れた奴がいたらしい。すぐ、洗脳を解く。
キョン、もう大丈夫だみんなへのフォローまかせた』 パチン
朝倉も落ち着いたようで眠っている。それを見て、古泉と有希が朝倉の手足を放した。
俺がそのまま寝室まで運んだ。二回も目の前で錯乱されてはハルヒにも事情説明する必要があるだろう。
朝倉を催眠術にかかりやすい状態にしたやつが、朝倉のことを洗脳しようとしてきたこと。
有希がその暗示をなくそうとしたが、それでもまだ催眠術にかかりやすい状態が保たれていたこと。
こんな感じでいいか?『問題ない』
「まぁ、事は収まったみたいだし、細かく詮索はしないっさ!あの娘が助かってよかったにょろ」
俺が駆け付けた時には気づかなかったが、料理は全て平らげ、朝倉が座っている付近の皿が割れていた。
情報結合で何とでもなる。ハルヒは相変わらず朝倉のいた方向へ向いてどっかに行ってしまってる。
未来の様子も気になるし、ハルヒがこんな状態だ。しばらくは呼ばれないだろ。
こっちの有希からのテレパシーが未来に届いたんだ。俺にも可能なはずだ。
『有希、俺だ。そっちの様子どうなっている?』
『破損箇所を修復し防護膜も張り直した。でもあなたの閉鎖空間のほうが強固…ずるい』
『まぁ、そういうなって。他の人間はどうかわからんが、なにより有希と古泉が無事で良かった』
『あなたとジョンのおかげ。あと数分遅れていたら古泉一樹は間に合わなかった。
それに、あなたの閉鎖空間で全員が回復した。でも、自己回復能力の向上なので、この中に長居
すると、わたし以外が年をとって、近日中に、朝比奈みくるがお婆さんになってしまう』
「朝比奈さんがお婆さんになる!?すぐ行く!!」と言って玄関から時間跳躍、その間に
「プ…あははははは!みくるがお婆さん?あっはははは…」さっきまで笑ってなかった分、思いっきり笑っているし…
時間跳躍して閉鎖空間を解除、同位体や武装集団は入れない透明な閉鎖空間に切り替えた。
積もる話もあったが、何も言わずに元の世界に戻ってきた。
「どうやら、閉鎖空間だけ弄って戻ってしまったようですね。文字通り命の恩人なのですが…残念です」
未来から戻ってくるとハルヒと鶴屋さんがいない。寝室で眠っているのだろう。
リビングには目を覚ました朝倉含め4人が残っていた。
事の顛末を説明し、再度行った原因についても全て説明した。
「僕と長門さんの窮地を救ってくださったとは。誠にありがとうございます」
「これで急進派が身動きをとることが出来なくなった。あなたが倒した同位体と、急進派の親玉に啖呵をきったせい」
「まさか同位体経由で急進派のトップに直接アプローチするなんて思わなかったわよ」
「とりあえずこれで、しばらくは現在も未来も何事も起こらず生活できそうだ。バレーの練習もしたいしな。
未来の方も有希と俺で防護壁で完璧に封鎖してあるから問題ないと思う。九月入って十日もたたないのに色々あり過ぎだ。
ハルヒには悪いが、しばらくは平穏な生活で我慢してもらう事にするよ」
「なんにせよ、あなたの活躍があればこそです。お疲れ様でした」
「ああ、ありがとう」
おしまい
晴れてるし暑いよハルヒ
風が強いからハルヒのスカートが心配だ。
ハルヒのパンツを他の誰かに見られないように後ろをガードするキョン
つまりもしスカートが捲れた場合それを目撃するのは……
それこそがハルヒの狙いであった
でもエロキョンはハルヒの匂いをクンカクンカしてるかもしれない
大雨だよハルヒ
止マレの階段上ってるのとかキョン絶対見えてるだろ
キョンの脱いだ服をクンカクンカするハルヒ
雨の日は外でないよな、ぬこは
>>482 猫ハルヒの友達の猫はやんちゃぞろいだから
危険な事が好きなんだよ
頼りがいのあるリーダーだよな
晴れて凄く暑いよハルヒ
台風のせいで湿度が高いな。
ハルヒの愚痴が聞こえてきそうだ。
むしむしハルヒ
ハルヒを下敷きであおいであげるキョン
とあるホームズのパスティーシュで、初老ホームズが頭のキレる少女と出会って……
みたいな紹介あらすじを読んで、「あ、なんだかハルヒっぽい」とポチってしまった
読んでハルヒっぽさが高かったらまた来るw
こんなに暑いとハルヒが溶けてそうだな。
たれハルヒ再び
暑いけどキョンに絡むハルヒ
え?暑いのにイチャイチャしてるバカップルがいるって?
ぬこ乙!
ハルヒおいで
一緒にかき氷を食べよう
暑気払いにカレーを食べに行くSOS団
ハルヒを仰ぐフリをして風圧でスカートをめくるキョン
「暑いわね」
「ああ」
ぽち、ぽち……
「なにやってるんだ」
「脱いでるのよ」
「それはわかるが、今部室には俺がいるんだが」
「あんたしかいないじゃない」
「そうだ。俺が……」
「古泉君が来たらすぐ言いなさいよ」
「だから俺が……」
「あんたなんか知らないわよ」
「」
ぬこ乙!
今年の夏は暑そうだな
ハルヒと海水浴に行きたい
バカップルがイチャコラしてるから
暑いわー、凄く暑いわー(棒)
ハルヒのオカンはメシマズだったのか(驚愕)
今さら言われても
ぬこ乙!
今日も暑いよハルヒ
ハルヒとアイス食べたい
◆月刊ニュータイプ別冊「フィーバー涼宮ハルヒの憂鬱」〜Haruhi on Stage!!!〜発売決定!◆
角川が誇るNo.1アニメ誌「月刊ニュータイプ」×「フィーバー涼宮ハルヒの憂鬱」のコラボにより、
別冊本「フィーバー涼宮ハルヒの憂鬱」〜Haruhi on Stage!!!〜が、8/4(月)に全国の書店にて発売が決定!!!
もうローソン店頭でご覧になられた方も多いでしょうが、ローソン限定特典付でLoppi(店頭端末)にて予約受付中!
主な特集の内容は、
?遂にハルヒプロジェクトに新たな動き!?
?フィーバー涼宮ハルヒの憂鬱 完全攻略!
を特集予定! 乞うご期待!
新たな動き・・・うーん。。。
ハルヒはなんのアイスが好きかな
パナップのソースがパリパリになってしまった事に怒ってたりしたらかわいいな
パリパリになる前が当たりのスマイルパナップよく当ててたりして
ピノを開封したら全部星形だったハルヒ
白くまアイスを食べるハルヒ
どのコンビニで白くまアイスを買うか揉めるハルキョン
それを横目に本来の白くまであるかき氷バージョンを
もすもすと3杯目おかわりする長門
ハルヒ「ファミマ一択ねっ。香りとコクがセ○ンとは比べ物にならないわ!」
キョン「さっぱりしてて好きだけどな。イチゴがあるのも捨てられん。」
ハルヒ「上のイチゴと練乳だけよこしなさい!」
このあと結局2こ食べたハルヒはお腹が痛くなりました。
520 :
462:2014/07/15(火) 00:54:13.03 ID:I1yhemE10
こんにちは
続編投下します。
宜しくお願いします。
夏休み最後の日から俺のスケジュールは、アクシデント続きでろくに勉強も出来ない日々が続いた。
ハルヒの研究をやめさせ、次の日は未来の古泉の反乱組織の襲撃に遭い、朝倉が洗脳され、
今度は情報統合思念体の急進派が朝比奈さんを拉致、エージェント殺害を目的として二度に渡って攻めて来た。
ハルヒは何が何だかわからず、目の前の現実を認識できないでいたが、
現在、そして未来の事件も無事に片が付き、ようやく平穏を取り戻した。
だが、俺の中には懸念すべき事項が2つある。一つはハルヒの能力が大学二年生で突如として消えること。
未来の古泉も「突如としてなくなり、同時に機関のエージェント全員の超能力も無くなった」
加えて佐々木にも、生まれてくるハルヒの子供にもその能力が備わってなかった事。
それに伴って古泉は機関の武器防具をもち、ハルヒが20代前半で死に至るよう未来を作り変えようとし、
有希はそのまま残ったが、朝比奈さんは未来に帰った。
数年後、大人版朝比奈さんとして高一の俺に接触してくるのだろう。
二つ目は当然今後の古泉の未来である。古泉の寝ている間にハルヒに対する憎悪や復讐心を払拭し、
俺も機関のエージェントとして加入し、古泉のサポートにまわった。
しかし、能力がなくなったと知ってからはどういう行動に出るのか見当もつかない。
俺が未来に行くことで過去の規定事項が増えなければいいのだが…
『そこまで気を張ってたら受験勉強に集中できないぞ?涼宮ハルヒの力の消失はありえない。
子供に宿り、涼宮ハルヒ本人と同様に、何かしらのきっかけで力が発動すると考えるのが妥当だ』
それもそうだな。力が消えた後、朝倉と朝比奈さんがいなくなるけど、残り四人で大学生活を満喫だ。
事件から二週間が経過し大分涼しくなってきたおかげで、透明な閉鎖空間も使う必要がない日が出て来た。
土日のバレーの練習もわざと日曜日にしたりするなど、毎週同じ時間に都合よく開いていることを、
ハルヒに気付かれないようにするため、俺の閉鎖空間で空調も含めて対処した。そんなある日のこと…
有希の部屋で勉強する俺、それに付き添うハルヒと夕食後のいつものパターンでそれぞれの行動をしていると、
「ハルヒ、すまん。ちょっと休憩時間をくれ」と集中出来ないわけではないのだが、
古泉と話したいことがあったのでしばしの時間を貰った。
「言っとくけど夫婦に秘密は…」
「涼宮さん、男同士の話に女性は首を突っ込まない方がいいかと。たとえ夫婦でもね」
「古泉君がそう言うなら…早く戻ってきなさいよ?」
ああ、解かってるとハルヒに伝えて、古泉を屋上へ呼んだ。「それで、話というのは?」古泉から口火を切った。
「ちょっとした企画の提案があってな……」「なるほど…パーティは大盛り上がりになりそうですね」
有希にはよろしく伝えて置いてくれ。といって部屋に戻った。
翌日、いつもの朝比奈さんのお弁当を食べて、ハルヒに一言、
「ハルヒ、午後の授業サボるぞ、一緒に来い」
「なんでそうなるのよ?しかも何する気よ!」
「あまり大声で言えないが、どうせ午後の授業、おまえ全部寝るだろうし、『市役所行って婚姻届とってくるぞ』」
ハルヒの顔が紅くに染まった。こういう時のハルヒは強引に連れだした方がいい。
「じゃ、そういうわけだから。三人ともあと頼む。夕食の買い出しあったら後で電話くれ」
『了解、お幸せに〜』古泉には話したが朝倉と有希にはまだだ。有希には当日手伝ってもらわないとな。
「もう、キョンのくせに強引よ。そりゃあ今日の午後の授業は寝てるけど…」
「ハルヒに言われたように俺の誕生日にと俺も思っていたんだが、10月11日は今年は土曜だ」
「前日にいけばいいじゃない」もう出て来たんだからそう言うなって。
ハイキングコースを降り、市役所へと向かう。さすがに制服姿で市役所はまずかったかも知れん。
ハルヒが俺の腕組んでるからまあいいか。順番を待ち、婚姻届を貰う。
ミスがあるとまずいので、もう一枚欲しいと願い出て二枚目を貰う。
「間違えれば二重線引いて印鑑押せばいいじゃない」
と市役所の人もそう思っているだろうが、二枚もらうのはちゃんとした理由があるんだよ。
「どんな理由?」「あと一ヶ月もしないうちにわかるさ。今は内緒だ。サプライズ企画だからな」
輝いている目で見られた。ハードル高くしすぎたか?頼むぜ…有希、古泉。
目的を終え、有希の部屋へと向かう。「ホントに合鍵貰ってたのね」とか言われたが、
俺が嘘ついたらホントに渡して来たんだから仕方がないなんて言えない。
ハルヒを部屋に入れると「すまん、行って来るところがあるから、勉強はその後付き合ってくれるか?」
「わかった」とそれだけ聞いて屋上に出る。サプライズ企画と聞けば、わくわくしているだろ。
さて、消失世界に行くイメージを、この前ジョンから聞いたので俺もやってみようと思うんだが、
異次元に閉じ込められましたじゃ話にならない。違う事やっていたらストップかけてくれ。『わかった』
ジョンから聞いた消失世界へいくイメージ、テレビを二台置いて一台に俺のアップ、
もう一台に消失世界の部室の前をアップにした。それに俺を移すイメージ。
目を瞑っていたが、一瞬ブラックアウトしたのがわかった。明るくなったところで瞼を開ける。
目の前に部室の扉があった。ノックをしてドアを開ける…
「こんにちは、お久しブッ…なんだこの豪華な机と椅子は…」「キョン!」
いきなりの登場にみんな吃驚している。机と椅子について言おうとしてるのが何人か見受けられるが、
有希か朝倉しかいないだろこんなの。
「やぁどうも。お盆以来ですから一ヶ月強といったところでしょうか。今日はおひとりですか?」
まぁな、古泉からすればハルヒも一緒の方がよかったか?「そうして頂けると嬉しいですね。次回は是非」
まぁ次回はその要望にこたえることになる。こっちも青チームと試合するのが待ち遠しいって言っててな。
かくいう俺も早く実践で試してみたい物もあるんだが…
今日はその打ち合わせを…と思ってきたんだけど、暑いなこの部屋。
「全く部室はまだしも教室にまでない上に、登下校があのハイキングコースじゃねぇ…誰でも嫌になるわよ」
流石の優等生も拗ねている。んじゃ、俺がエアコン取り付けよう。
『どうやって?』こうやってだよ、と言っても見えないんじゃ意味ないかな?
「あれ?一気に涼しくなりました。ねえ、キョン君」
「ちょっと良くわからんが…ハルヒは分かっているみたいだな」
「キョン、これ、色が透明な閉鎖空間でしょ?」
ご名答、透明な閉鎖空間を張った。閉鎖空間っていうのがよくわからない人は部室の狭い空間に
空調を整える機能を追加したと思ってくれればいい。
もちろん窓やドアが開いていても冷たい空気が流れ出ることはないし、
閉鎖といっても閉じ込められるわけじゃないから安心してくれ。
「なるほど、閉鎖空間を広げるだけで一気に快適になりました。因みにこれはいつまで続くんです?」
「俺が消すまで…半永久的にだと思う。因みに温度は19℃設定。冬なら暖かい空間ってわけさ」
「すばらしいです。もっと見せてもらいたいですね。僕たちは全員同じクラスですから、
教室あたりでお願いできませんか?」
この辺の誘導の手際の良さはこっちの古泉も同じか。まぁいいだろ、こっちもそのつもりだったし。
教室についてすぐ、俺はまず色のついた閉鎖空間を発動する。「これが閉鎖空間だ」といって皆に紹介した。
一旦消し、「今度はさっきと同じ、透明で空調の整った、SOS団だけ入れる空間だ」といって再度展開した。
「SOS団だけ入れると言ってもSOS団以外の奴とも話ができるし、授業もちゃんと聞ける。
たとえ窓が開いてようが俺たちは快適に過ごせるってわけ」
「すごいです」「さすがキョンね」「ジョンの超能力も何でもありだな」
ジョンに言われたよ。閉鎖空間をこんな風に使うなんてキョンしかいないってな。まぁ、部室に戻ろうぜ。
なんか、青チームばっかりどんどん豪華&快適になっていく気がするが…まぁいいか。
それでだ。黄チームが今そんな感じでいるんだが…青チームがどうか聞きたくてな。これが本題だ。
「もちろんやりたいです!前回はキョン君にやられましたから」
「ホントですよ、朝比奈さんのバックアタックしか対策がとれないんですから」
「やられたからにはやり返すわよ。特にキョン、あんたにね」不敵な笑みを見せながらハルヒが堂々と構える。
じゃあ…と言ってハルヒと朝倉を廊下に呼び出し遮音膜を発動した。
「なにこれ?」「これがあると何かあるのかしら?」「いくらここで大声だしても外には全然聞こえない」
そんなことまでできるの?と目を丸くするがここからが裏の本題だ。
俺の誕生日が10月11日、今年は土曜だ。それで……と話し、二人が恥ずかしいのか笑いをこらえているのか
よくわからん顔になった。「とりあえずそれでよろしく!」というと二人で親指だして『OK』と合図した。
諸事情を伝えて、あとは朝倉とハルヒに任せて現実世界へと戻った。
帰って早々「遅い!」とハルヒに怒鳴られた。こっちもハルヒに付き添われて勉強するのが、
待ち遠しくって仕方無かったんだ。これでも大急ぎで来たんだ。
怒ってるところ悪いけど、付き合ってくれないか?
「なら、いいけど…ちゃんと勉強に集中しなさいよ?この前みたいなの許さないからね!」
「頼む」
有希からの電話を待っていたが一度も鳴らなかった。
消失世界に行ってた時にかけて来ていたか…?有希にテレパシー送っておくべきだったな。
と思っていると、呼び鈴が鳴り、有希が帰ってきた。古泉の自転車を使ったらしいな。
買い出しまで万全のようだ。夕食後、古泉と二人で片付け、交代で風呂に入り、俺は受験勉強、
付き添いにハルヒ、有希はゲーム、朝倉は今日は勉強のようだ。朝比奈さんと古泉はボードゲーム。
今度未来の有希に有希VS古泉で、どっちが勝ったか聞いてみよう。
俺企画なのに俺主役のイベントが、当日に向けて着々と準備が進められていった。
10月11日、誕生日おめでとうは夜までとっておこう。
本日の日程は、あらかじめハルヒに土曜は全日開いていると知らせておき、早めに昼食を取って
北高へと向かった。ジョンがいうには、本当に全日開いているらしい。
閉鎖空間の中とはいえ、まだ昼間は熱くてしょうがない。服を重ね着したらこうなるよな…
有希…ちょっと準備が良すぎないか?相手チームの分まで…
恥ずかしいから試合になるまで絶対脱がないようにしよう。
準備体操を終えて、ボールを使った練習に入るころ、鶴屋さんと青チームが同時にやってきた。
『とりあえずやることは終わったよ。長門有希の部屋にカメラとプリンター、三脚をおいて
六人を校門前に移動させた』
ジョン手間取らせてすまない。ありがとう。
前はあーーー!!とか叫んだハルヒだったが、今回は待ってましたとばかりの不敵の笑みを浮かべている。
向こうも全員やる気満々だ。黄有希が青ハルヒに準備していたものを渡した。
どうやら今日は大会の試合前のアップ程度に慣らしてからサーブとスパイクの練習をして
そのあとずっと試合の方がよさそうだ。青チームも準備運動開始、鶴屋さんも自分でストレッチし始めた。
からだが暖まったところで、俺と古泉は外へと放り出された。青古泉と青俺も出てくると思ったが出てこない。
「入っていいわよ」の声に体育館に入る。青チームは青のユニフォームに白の襟、白い短パン、
服の胸にSOS団と白字で書かれ、それぞれに番号が付いている。
背中の番号の上にはそれぞれの名前、HARUHI、YUKI、MIKURU、RYOKO、ITUKI、KYON…
何で俺だけあだ名…
ハルヒだけ『団長』と書かれ、キャプテンの証であるラインが腹の前に付いていた。
青の男性陣は着替えを含め後ろを見ない様にしたようだ。
当然俺が一番、有希が二番、朝比奈さんが三番、古泉が四番、朝倉が五番、ハルヒが六番になるところを
本人が我儘を言い始めたのだ。ゼロ番は当然鶴屋さんなので、それは無理だと説得したものの、
「どうせ正式な大会に出るわけじゃないんだからいいじゃない!」という理由でこうなった。やれやれ…
まぁ本人が満足すればそれでいいか。因みに黄チームは黄色のユニフォームに黒い短パン、
青チームと同じく番号が刻まれている。しかし…どこに目をやればいいのか困るな。
女子の短パンはほとんど密着するので、下着のラインが全員見える…あんまり気にすると、
ハルヒが「どこ見てんのよ、エロキョン!」なんていいかねないので、
さっさとボールを持って試合開始の笛を待つ。因みに審判が鶴屋さん、笛は古泉が用意してきた。
で、なぜ俺が最初にボールを持ったかというと、作戦会議中に、
「青朝比奈さんが俺のサーブに慣れる前に出鼻を挫く。俺に行かせてくれ」と進言したのだ。
サーブ権が向こうのときのローテーションなので全員容易に持ち場に着くことができた。後は俺が撃つだけ。
青朝比奈さんに狙いをつけ、エンドラインに注意、トスは正確に、スパイクのステップで全力のサーブを放つ
ドッ!!という音とともに高速サーブが青朝比奈さんを襲う。
正面に入れたものの、威力に負けたらしく後方の壁へと激突する。青チーム全員驚愕の表情。
ボールをこちらに返すのも忘れてスコア1−0。二球目、三球目と続いた所で、青朝比奈さんが泣き出した。
「ごめんなさいいいい…わたしの…わたしのせいで…グス…」
「あっはははは…、みくる可愛いー」
「こらぁ、キョン!みくるちゃん泣かせるってどういうつもりよ!!」
あとで謝っておこう。だが、作戦は成功だ。
青古泉がここでタイムアウトをとる。
「あんなの取れなんて言う方が無茶ですよ。ですが、彼のサーブのスピードに慣れる前に
朝比奈さん目掛けて撃ったと考えるのが筋です。ここからは朝比奈さんにはほぼ来ません。
全員、彼のサーブ順を終わらせることに集中しましょう」
さて…ここからが本番だ。青ハルヒが一番狙ってこいって顔してやがる。いいだろう。受けてみろ。
四球目、青ハルヒに狙いを定めたサーブはハルヒが威力を抑えきるも、こっちに直接跳ね返って来てアウト。
五球目、青ハルヒへ二度目のサーブ。真上に上がり青古泉に…まずい
「跳べ古泉!ツーだ。ハルヒと涼子カバー!!」
俺の声にやや遅れて古泉が飛ぶ、青古泉が黄ハルヒ方向へフェイント。
ハルヒが捕えたが、ネットに引っ掛かり、そのまま落ちた。スコア4−1。
ハルヒの頭をくしゃくしゃっとして「ドンマイ、おまえのサーブで相手崩せばいいんだ」
「わかってるわよ」といいつつ悔し涙を拭った。
サーブ権が変わって青朝比奈さんのサーブ、狙いは当然俺だよな。わかりやすい。
真正面でうけて有希に繋ぐ。次の瞬間「有希!Cよこしなさい!」といって、
有希は自分の身体が向いている方向とは逆にトスを上げた。
上がったボールが手に吸い寄せられるようにライトからハルヒがスパイクを撃つ。
青ハルヒの後ろ足にあたり、スコア5−1
今のAクイックのようなトスだったな。Aクイックの逆バージョンか。Bも見てみたい。
「あたしのミスは10倍返しで取り返すわ」
黒い背景にドライアイスの、もやのようなものがハルヒの下に流れているかのように
そんな風貌でエンドラインに立った。
ハルヒの第一球、青有希を狙った攻撃、前にいたハルヒが左にずれてレシーブ。
それをそのまま青古泉が後ろへあげた。朝比奈さんの自分の失点を取り返すようなバックアタック。
「みくる、真正面!」こっちだって練習してるんだ。今の朝比奈さんならあげられる。
あがった球を古泉のAクイックであったが、青ハルヒのブロックに遭いスコア5−2
続いて青古泉のサーブ。当然ジャンプサーブで朝比奈さんを狙った。威力に負け、スコア5−3
二球目も同様のサーブだったが、朝倉が右へ移動、レシーブして有希へ。
そのまま朝倉がレフトから叩き込みサーブ権を奪う。スコア6−3
一つローテが回って有希のサーブ。流石に相手も対策を取って来ている。青俺に難なくとられ青古泉へ
「バックだ、下がれ古泉!」俺の指示で古泉が下がり、案の定青朝比奈さんのバックアタック。
ホームポジションに下がっていた古泉が上げ、Aクイックへ向かう。
しかし有希が選んだのは、朝倉への高速トスだったが、青ハルヒが青有希にセンターをまかせ、
レフトまで移動しブロックされた。スコア6−4
続く古泉のサーブ、当然対になる俺が前衛。指示しなくて良くなった分、全てシャットアウトしてやる。
青朝倉がレシーブし青古泉に渡る。レフトか。トスが上がる前に移動し青朝倉に合わせて跳んだ。
ブロックしたものの、青有希がブロックカバー、トスが上がる直前で「バック!」と叫びながら下がる。
青俺からのバックアタック、真正面にボールが飛んでくる。俺が受けて有希につないだ。「よこせ、有希」
とAクイックでダ、ダン!とステップで踏み込む。身長は古泉と大差ないが、ジョンの筋トレで培った分がある。
青ハルヒのブロックの上から床に叩き込んだ。スコア7−4
「どういう観察力してるんです?向こうの僕がボールに触る前に動き出すなんて。
まさかBクイックまでブロックするとは思いませんでしたよ」
「なんとなくわかるとしか言いようがない。違いがわかれば古泉に教えて…ってできるだろうが…
あれがBクイックなわけか。A、Cと見てようやくBが判明した」
「キョン君、技知らないのにブロックしたってことですか?凄いです。
それに「みくる!」って呼んでもらえました。嬉しい」
先輩後輩関係なく名前で呼ぶっていうのがよくわかったよ。
指示するのに最短じゃなきゃいけない…か。
「それにしても彼はどこで区別付けているのかわかりません。
僕もばれない様にかなり練習したんですが、Bクイックまで止められるとは思いませんでした」
「大丈夫です。黄キョン君にブロックされるのが当たり前でこっちが動けばいいんですから」
「みくるちゃんの言う通り!あたしにももっと打たせなさい!」
「了解しました」
古泉の二球目、青朝比奈さんがばっちり取り、すでに青ハルヒが動き出す。両腕が上がってる。
「フェイントカバー!」ハルヒと朝倉が駆け寄るが、青ハルヒはボールを強く飛ばしてコートの端へ落とす。
「もー…同じミス二回もするなんて許せない」ハルヒが燃え上がっている。
頼むから、閉鎖空間発動は無しにしてくれよ…スコア7−5
それから、青古泉、青ハルヒのサーブで一本目が崩れ、相手に得点を許すものの、
俺のブロック、古泉・ハルヒのバックアタックで得点を稼ぎ、最終スコア25−19
その後、黄朝比奈さんと鶴屋さんを入れ替えて2セット目。番号0、背中には当然TSURUYAと書かれていた。
鶴屋さんもチャンスがあれば即打てる態勢を整える。
それでも青朝比奈さんには通らずすんなりレシーブを上げられてしまった。
それにしてもハルヒも鶴屋さんも超高校生級のはずだが、(鶴屋さんはもう高校生じゃないか)
何事もなかったかのようにレシーブされる…どっちのチームもバレー部よか強いんじゃないか…?
2セット目は青朝比奈さんのサーブで乱され取られてしまったが、流石に疲れた。
時間的にもそろそろか。青ハルヒと打ち合わせして片付け始めた。
「ちょっと!あたしはまだ動けるわよ!」あのなハルヒ、全員の体力をおまえと同じにしないでくれ。
帰り道、もっとやりたいと最後まで駄々をこねた黄ハルヒを最後尾にハイキングコースを歩いていた。
「あ〜涼しいわね。これもキョンの閉鎖空間?」最後が黄ハルヒだと確認して「ああ」と答える
っていうか、ユニフォームそのままで下校ってどういうことだ?結構目立つぞ?この色。
踏切に利用されるくらいだからな…ユニフォームのままなのがWハルヒ、W古泉、黄有希、青朝比奈さん。
古泉を除いて四人ともスタイルいいからな…どこぞの変態に変な眼で見られない様にしとけよ…
「キョン、そんな心配してくれたんだ?嬉しいな」
それより、ちゃんとあれ書かせたんだろうな?「もちろん!あたしにかかればちょろいもんよ」
じゃ、あとは手筈通りに。「わかった」
長門のマンションに着き黄チームが先にエレベーターに乗った。これも計画通り。
部屋に着くなり、リビングの明かりが付いていることにハルヒが気付き、キッチンにいた新川さんに驚いた。
「…新川さんがどうしてこんなところにいるのかしら…?」目をパチパチしながら目の前の状況に驚いている。
「お二人の婚約を祝しまして、是非とも私の料理でと馳せ参じた次第でございます。
料理が出来上がるまでしばらくの間お待ちくださいませ」
「また新川さんの料理が食べられるなんて思いませんでした。料理するところ見させてもらえませんか?」
「私のつたないもので良ければ、どうぞご覧下さい」
しっかし、新川さんが来るとは聞いていたが、まさか執事じゃなくコックの格好で来るとは思わなかった。
しかも、ただでさえ身長高いのに長帽子だからな…たまに天井に引っかかっている。
「涼宮ハルヒ、風呂の順番が詰まっているから先に入って」
「え?別に誰からでもいいじゃない。なんであたしなのよ!」
「風呂からあがってしばらくすれば分かる」
そのあと有希が全員のユニフォームを脱がせて洗濯機へ投げ込み、洗濯機を作動させた。
明日も着る気だな。こりゃ…まぁ、新川さんの手料理だし、酒を飲もうとはならないだろう
明日は朝イチでバレーボールだな。ユニフォームも全員の記念になりそうだ。俺が1番。なんか嬉しい。
ガチャ!!とドアが開き、青チームが入ってきた。青ハルヒにも新川さんが来ること伝えてあったからな。
黄朝比奈さん同様、見てみたいのだろう。青俺がどうやら風呂に入れられたらしい。
朝倉の部屋の洗濯機で同じように洗っているようだ。みんな着替えている。
黄朝倉&青古泉は相変わらずの殺気100%将棋。この前負けたしな。
さすが新川さんだ。朝倉の殺気に対して微動だにしない。自分の料理に集中している。
黄古泉が朝比奈さんを誘ったのだが、新川さんの料理が見たいといって断られたようだ。
可能なら、ここに未来古泉を呼んで三つ巴といきたいが…ハルヒが二人もいるんじゃ無理だよな…
後日改めて相談しよう。
そんなことを考えている間に風呂からあがったハルヒとバトンタッチ、俺が風呂からあがるころには
全員揃ってテーブルに座っていた。
「涼宮ハルヒ、ちょっとこっちに来て。あなた達は和室で待ってて」
「わかった」俺が青有希と青俺を和室に連れて行く。
「ちょっと有希何するつもりよ!」寝室の扉を閉め、あらかじめ情報結合しておいた衣装に着替えさせる。
寝室にハルヒを待たせ、和室に来た有希はそれぞれ情報結合を弄ってスーツ&ウェディングドレスに着替えさせた。
「ハルヒ。もう出てきていいぞ」
青有希のウェディングドレスとはまた違ったデザインの衣装でハルヒが出て来た。自然と拍手が沸き起こる。
古泉が司会を担当し、
「それでは、お二人の誕生日と二組の婚姻を祝しまして『かんぱ〜い』」
青古泉がカメラ担当を申し出たが、青ハルヒに止められた。
「あんたじゃ、あたしか黄あたししか撮らないでしょうが!」
ドッと笑いが沸き起こる。青朝比奈さんに交代させられたようだ。
「それにしても…前回と一緒で、どこから手をつけていいものやら、わからないわよ」と黄朝倉
「どうだ、ハルヒ。サプライズ企画の感想は」
「青チームが鶴ちゃんと来てから吃驚してばっかりよ。向こうのキョンと有希も婚姻届出してるし、
二枚必要ってこういう事だったのね。それよりどうやって連絡してどうやって向こうに行ったか教えなさい」
「これまでのことをまとめたあくまで俺の推論だが、俺が向こうの世界に行きたい、ハルヒを入れ替えたい
と思ったらそれが叶ったらしい。
俺が異次元で青チームの亀裂発見できたのも、こうやって二組揃って婚約祝いが出来たのも俺が望んだからだ。
ハルヒの時はポニーテールが見たかったから、有希のときは、向こうの世界に行ってしまったときに
青有希とはあまり話せなかったからな。だから、行きたいときに俺にいってくれれば、多分だけど行けると思う。
証拠はない。でも実際に今まで俺の願った通りになっている」
(仮想)俺の世界改変能力ってことにしておこう。ハルヒにホントにお願いされたらかなわん。
「じゃあ、毎日でも会いたい!」「おまえ、相手のことを考えろ。ちゃんと連絡した上でいかないとな」
今度はハルヒと青古泉を入れ替えてみようか…青古泉がしょんぼりするだろうけど。
そうこうしているうちに、サプライズ第二弾
「ご歓談中失礼します。二組の婚約を祝して、小さいものですが、
ウェディングケーキを用意させていただきました。二組によるケーキ入刀です」
2つ用意してもWハルヒと黄有希が全部食べてしまうだろう。そこまで計算済みだ。
二組揃って「せーの」で入刀、拍手が起こる中、ウェディングケーキをいったん下げ、森さんが切り分ける。
新川さんの豪華料理を堪能した後、分けられたケーキを皆で食べた。
その後、色々なパターンで写真撮影、黄チーム全員でとか、青チーム全員でなど、13人全員で撮るときは、
森さんにカメラマンを頼んだ。
新川さんや森さんにお礼をいい、片付けは俺と古泉で行った。
その間に、順番に風呂に入り、朝倉は撮った写真を印刷しながら、青古泉と将棋を指していた。
「気に入らないわね、長門さんに相手をしてもらって腕を上げたつもりでいたのに、それでも互角だなんて。
あなた誰と指して腕を磨いたのかしら?青チームのメンバーを見る限り、あなたの相手になるような人は
見当たらないのだけれど…」
「あなたですよ。あなたならこう指すであろう手を予想して一人でやっていたんです。
仮想朝倉ですね。あなたの殺気を忘れることなんて出来ませんから、すぐに指し手を予想することができました」
「そう。そういってもらえると嬉しいわね。あなたとの勝負はまだ先が長そうね」
「ですが、最後は僕が頂きます」
「あら、言ってくれるわね。そう易々とわたしを倒せると思わないでよ?」
「望むところです」
青古泉も凄いもんだ。本人も言っていたが、実戦になれば一瞬で負ける相手にボードゲームで勝ちに行くなんて。
流石に試合の疲れもあり、風呂を全員終えたところで就寝となった。
前は青ハルヒが上、有希が下で寝ていたが、今回は俺二人と、青有希、ハルヒで和室、黄古泉が下で
寝ることになった。俺が腕枕をしてハルヒと有希がお互いを見ることができる態勢になった。
俺も含めて四人とも興奮が納まらず、有希が口火を切った。
「こんなに記念になるものが貰えるなんて思ってもみませんでした。写真にユニフォーム、ドレス。
部屋に飾っておきたいものばっかりです」
「有希、ドレスとユニフォームはまた使うんだからちゃんとしまっておきなさいよ」
「そうですね、こんな楽しい一日を過ごせて本当に嬉しいです。強引にサインさせられた書類ですけど、
今は良かったと思えます。キョン君ともこれからずっと一緒に過ごせますし」
「おまえ、こっちまで恥ずかしくなるようなこというなよ」
「いいじゃない青キョン(アホキョンって聞こえるのは俺だけか?)、あたしだって同じ気持ちなんだから。
市役所で婚姻届2つも貰ったときは吃驚したわよ」
「ねぇ、キョン君。どうせ眠れないんだし、このまま抱いてほしい」
「二人の前でやるのかよ」
「心配しなくていい。こっちもするから。な、ハルヒ?」といってハルヒの肩を叩く。
「バカ…」といいながらも自然とこちらに振り向き、自然と抱きあっていった。
遮音膜フィールド予め張っといて良かった。
『良いわけないだろ!どっちのキョンもこんな状態じゃ、俺はどこにいったらいいんだ』佐々木のとこか?
当然、翌日は四人で寝不足。相手入れ替えたりしていたからな…
このままバレーしにいったら、今度は俺が顔面レシーブしかねん。
午前中はゆっくり寝かせてくれたようだ。青朝倉&青ハルヒはニヤケスマイルをずっと浮かべていたらしい。
お昼を早めに食べて、午後はユニフォームを着てバレーの試合。お互い満足いくまで、何セットも繰り返し
おこなった。しかし…暑いからといってこのユニフォームで登校するのは勘弁してほしいな。特に団長。
帰ってすぐ夕飯を食べ終えたらその場で全員寝た。気を利かせたジョンが電気を消してくれて、
青チーム六人の荷物やユニフォーム、それぞれの写真、カメラ、プリンター、二人のスーツ&ドレスと一緒に
青チームが元の世界へ帰って行った。
目を覚まして叫び声を上げたのが当然ハルヒ、月曜だが祝日なので、今日もバレーをやりたかったらしい。
昨日さんざんやっといてまだやりたいんのかお前は。
「あったりまえじゃない!キョン、早く次のプラン立ててよね」
だそうだ、古泉。冬だとボールを撃つのが痛くなるから11月頃かな?
「そうですね。あなたが提案してくれたプラン以上のものとなると、なかなか見つからないのですが…
僕も考えておきます。何か浮かんだらまた教えてください」
そうだな。ためしに今のバレー部と勝負してみるのも面白いかも知れん。
なんにせよ平穏な日々でよかったよ。
だが、滅亡へのカウントダウンが始まっていた。
…To be continued
今日も暑そうだな。
ハルキョンはイチャコラし過ぎだろ。
ハルヒもキョンも窓際の席でうらやましい。
今の時期は窓際暑いと思うぞ
どうせアツアツだから関係ないですねー。(棒)
何故か閉めきった部室でガンガンにストーブつけて厚着で炬燵に入りアツアツの鍋を囲むSOS団が浮かんだ。
「おや、いらっしゃいませ。何になさいますか?」
ニャ! 店員さん、ちゃんといたのニャ。
オススメのフレーバーはどれですニャ?
「A・ミントとB・ラムレーズンとC・チョコチップが大人気となっております」
……ニャー、三つもあると迷うニャ。
「ただ今、シングルの料金でトリプルのサービス中でございます」
それニャ! さっきの三つをトリプルでお願いするニャ!
「はい、毎度ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております」
ttp://up8628.s361.xrea.com/upload/img/up948.png
ぬこ乙!
CRハルヒのストーリー部分?のすれ違いコリドーとやら、もしかしてながるんの書き下ろしとかじゃなかろうな
梅雨明けが待ち遠しいハルヒ
深いプールに連れていけというので、仕方なくハルヒを抱っこして泳いでいくキョン爆発しろ
スタミナをつけようと焼肉を食べに行くハルヒとキョン
野菜しか食べられないキョン
乙乙
梅雨でダウナーになってるハルヒもいい
たれハルヒのAAを貼りたいとこだが自重しよう
でれハルヒを貼ってくらさい
夏休みの予定で悩んでるのかな
家にいるのに鼻息高いぬこ
どんより曇り空だよハルヒ
連休は雨だし、家でハルヒとまったりイチャイチャしよう
キョン乙
7月19日『サイボーグ009の日』
株式会社石森プロが制定。
1964年のこの日、石ノ森章太郎の漫画『サイボーグ009』が週刊少年キングで連載を開始した。
=========================================================
ハルヒ「う〜ん…SOS団の面子ってやっぱりパッとしないわね〜。」
キョン 「…俺とお前を省いたら3名ともお前が勧誘した面子だぞ。」
ハルヒ「確かにそうなんだけどさ〜、改めて初心に返って考えたら『SOS団』って不思議面子を集めるのも目的だったわけなんだし
有希の様な無口キャラやみくるちゃんの様な萌えキャラとか古泉君の様な謎の転校生を入れたけどコレって普通よね〜。」
キョン 「…十分普通じゃないないだろソレ。」
ハルヒ「やっぱり学園物だったら『マッドスッチューデント』『アンドロイド』『幽霊』位は完備すべきよね〜。」
キョン 「モロにどっかの写真部もどきの歴代部長じゃねーか。」
ハルヒ「まぁね。だから新『SOS団』のメンバーとして『サイボーグ』『改造人間』『ロボット』を加えるべきだと思うのよね。」
キョン 「新メンバーのカテゴリーが何故そっち系なんだよ。」
ハルヒ「え?なら『魔砲使い』とか?」
キョン 「『ほう』の字が違ってないか?」
ハルヒ「じゃぁ『○娘』とか『○○少女』とか?美少女と兵器の融合は永遠の萌えの1つとあたしも思うわ。」
キョン 「文字伏せてもモロバレだ!つか範囲狭すぎる!!」
ハルヒ「でも今時『萌え』要素と『燃え』要素を併せ持つのは常識だと思うのよ!」
キョン 「極一部の限られた常識を持ち出すんじゃありません!」
ハルヒ「ぶー!ぶー!」
キョン 「だいたいな〜、初心と言ったら『宇宙人』『未来人』『超能力者』『異世界人』じゃないのか?」
ハルヒ「今時はそっち系統は需要が薄いわ!もっとSOS団は幅広いジャンルを網羅すべきなのよ!!」
キョン 「だからジャンルとか言ってる時点でおかしいだろ!!」
ハルヒ「なによ〜!有希に『戦艦:長門』のコスさせるとかってベタなネタを持ってこないだけマシでしょ〜!」
キョン 「折角伏せた意味を自分でアッサリ無くすな!!」
ハルヒ「出版社的にハードル低いからいいじゃない!」
キョン 「だからメタなネタに走るなっつの!!」
外野
古泉 「上手い具合に話しが逸れてきましたね。」
長門 「ペタペタ………私には『長門』の資格はない………」
朝比奈「あ、あれ〜?な、何か長門さんが凹んでますよ〜〜!??」
ヤスミ 「朝比奈先輩、そこは察して上げてください。」
乙乙
鑑娘よりアルペジオのほうがSOS団にできるかな
ハルヒ艦長の無茶な采配が予測できない戦術になるとかさ
メタって書いてる本人しか楽しくないよね
連休なのに天気が悪くてご機嫌ナナメなハルヒ
>>558 連投ばっかしてスレ汚ししてる輩より100億倍マシ
ぬこ乙!
ゲリラ豪雨だよハルヒ
ぬこ乙!
ハルピン
あwまwてwつw
梅雨明けだよハルヒ
キョンと一緒にプリンを買いに出かければ、間違えることもないよ
571 :
520:2014/07/22(火) 02:17:40.08 ID:sdQJDRr70
こんにちは。
続きを投下していきます。よろしくお願いします。
572 :
SS「:2014/07/22(火) 02:18:47.66 ID:sdQJDRr70
朝比奈さん、お話したいことがあります…
先日の俺の誕生日、消失世界の青チームを異世界から呼んで、六対六のバレーボール試合と、
俺&ハルヒ、そして俺&有希の合同婚約記念パーティが行われた。
消失世界のハルヒ、朝倉にも協力してもらい、消失世界の俺と有希がめでたく夫婦となったことに
俺からもおめでとうと言いたいと思う。
それからしばらく過ぎて、二学期の中間テスト期間となった。
年中無休のSOS団は全員部室に集まって皆で勉強会。
この時期に来ると閉鎖空間もいらないかもしれないな。まぁ11月下旬ごろには寒くなってくるだろうし、
別に消す必要はないか。言うまでもなく、古泉の「時間です」という一言で有希の部屋に皆で帰宅する。
古泉の自転車もあることだし、買い出しに行くのも交代でやろうということになった。
俺とハルヒチーム、古泉&朝倉チーム、有希はそのまま帰る方の自転車に乗り、部屋の鍵を開ける。
買い出し部隊と朝比奈さんが到着すると、ハルヒと朝倉がすぐに調理に入り、
有希は手伝いもしないでゲーム。…一応テスト期間中なんだけど…まぁいい。
俺が用があるのは朝比奈さんだ。手伝いに行こうとした朝比奈さんを引きとめ、大事な話があると告げる。
きょとんとした表情で俺を見つめ返す。話す内容がなんなのか、俺になにか変なことしたのかと、
悩んで、閃いて、しょぼくれて、この短時間に色々な表情を見せた。とりあえず屋上へと呼び出し、
遮音膜フィールドを展開して、俺から口火を切った。
朝比奈さん、今から話す内容は誰にも言わないで貰えますか?
朝比奈さんのように未来の重要なことは禁則事項としか言えないような話です。
「わかりました」
先日俺が未来の朝比奈さんを助けに行った話覚えていますか?
「ええ、キョン君に助けてもらえてとても感謝しています」
その時の組織を壊滅し、ボスである古泉を改心させたことも話したはずです。
有希と朝比奈さんに本当の事情を説明しましたが、まだ隠していたことがあったんです。
「隠していたこと?」
古泉から聞きました。『涼宮ハルヒの能力が突如喪失する』と。
当然驚きの表情を隠せないようだ。どういうアクションを起こせばいいのか分からないらしい。
「それは、どのくらい後なんですか?」
詳しい時期は聞いていませんが、大学二年(朝比奈さんは三年)のようです。
ハルヒの能力が無くなり、何者かに譲渡されたわけでもない。
機関の全エージェントが超能力を無くしたそうです。
ジョンの予想では俺とハルヒの子供に内在的に遺伝し、中一のハルヒと同じく、
何らかのきっかけで、無意識に時空振動を発生させる可能性がある。
それについては、いつ起こるか我々でもわからない。
朝比奈さんは俺の言葉を真摯に受け止めている。俺はさらに言葉を紡いだ。
ハルヒの能力が消失すれば、あなたは当然未来から帰還せよと命令が来るはずです。
ですが、朝比奈さんが未来に帰ってから時空振動が起こると、あなたはそれより以前の時代には行けない。
不完全なTPDD以外の時間跳躍の方法を見つけない限り。
今はまだ命令は無いでしょうが、これから先、言い渡される任務が出来なくなってしまうんです。
ここまで説明すれば、朝比奈さんも気づくはずです。
「そうですか…キョン君は未来のわたしと何度も会っていたんですね。
そしてそれが出来なくなってしまえば、未来が安定しない
キョン君を殴れなんておかしな命令があって、変だと思っていました。
そのとき既に、未来のわたしと会っていたんですね」
その通りです…と言ったところで涙を流していた。
「わたしは何も知らされていないんですね。
禁則事項だからって自分に言い聞かせて、ホントはごまかしてた」
朝比奈さん、これからのことをお話しします。まず、未来から帰還命令がきても未来に戻らないでください。
ハルヒから能力がなくなったとしてもです。
今俺の相棒のジョンは、一年の五月に大人版朝比奈さんや有希のヒントを無視して神人を全て倒してしまった。
そのせいで、朝比奈さんに「キョンを殴れ」という命令がきた。力技で片付けてしまったんです。
7月の七夕の日、俺を3年前に連れて行けという命令も、ただ連れて行くだけで後のことは何も知らされなかった。
あのあと、眠らされて、起きたときはTPDDが無かった。これも大人版朝比奈さんによって一時的に隠された。
ハルヒの絵文字を俺が手伝い、北高へ入学する。そして有希の時間凍結という方法で現代へと戻った。
しかし、あのときはあなたには隠していましたが、ジョンによる時間跳躍をすることができた。
これより過去の時間平面上にジョンがいるかはわかりません。
もしかすると、今俺たちのいる場所が、現実世界ではなく、消失世界と同じ異世界かもしれない。
だとしても、時空振動が起きてしまえば、それより前の世界にはいけなくなる。
もしあの日、東中でハルヒに会わなければ、ハルヒは光陽院学園へ行っていたでしょう。
俺にも目的は不明ですが、ハルヒを北高へ来させることが規定事項だったんだと思います。
ふう、と一度溜息をついて朝比奈さんの反応を待った。しばらくして…
「これまでのことに少し納得ができました。それで、キョン君はどうするつもりなんですか?」
消失世界の有希がこっちに来たとき、彼女が誘拐されたのを思い出して下さい。
あのとき、俺が犯人グループの武器防具を全てはずし全員を金縛りにした。
犯人グループが持っていた資金や武器、乗り物などは全て古泉の機関に受け渡した。
その後、警察が来る前に、朝倉がとどめを刺してしまった。「…それが?」
この影響で未来の古泉が計画を変更し、その時空平面上の朝比奈さんのいるタワーを制圧しようとした。
緊急信号がでていたのをジョンが気付き、助けに行った後、未来の古泉のいるアジトに向かい、古泉と和解、
未来の有希によってハルヒに対する記憶を楽しいものだけ残して残りは削除した。
そして、俺がここに戻って来て、古泉と朝倉には内緒で有希と朝比奈さんに話を切り出し、
古泉の記憶を改ざんした。未来が変わることで過去も変わってしまったんです。
ハルヒの能力が無くなった後の古泉がどのような行動に出るのかは俺にもわかりません。
ただ、よかれと思ってやったことがどこかに歪みを生み出す可能性もあるんです。
事件があった時間平面上よりさらに未来から、未来の武器を持ってここに来る可能性も十分にあります。
それに、情報統合思念体の急進派がこの時代へ攻めてくるかもしれない。
俺はジョンのせいで…なんて言えません。ジョンから貰ったものが山のようにありますから。
ですが、『確定していたはずの未来が俺たちのせいで変わってしまった』そう思っています。
俺からのお願いです。未来から帰還命令がきても未来に戻らないで下さい。
今後、誰が窮地に立たされてもおかしくない状況になるかもしれません。
俺の個人的な要望も含めてですが、朝比奈さん、俺たちと一緒にいてください。お願いします。
「キョン君にそう言って貰えると嬉しいです。わたしからもよろしくお願いします」
大分長いこと話をした。だが、予想だにしない方向から攻撃をされてもおかしくないほど
俺は過去も未来も大きく捻じ曲げてしまったのかもしれない。
『考え込みすぎだよキョン。まずは大学受験で合格して朝比奈みくると同じ大学へ、だろ?』
ああ、そうだな。
玄関の扉を開けるなり驚いた。両手を組んで立って待っていたのかおまえ。どこの鬼嫁だよ!
「遅いっ!あんた新妻を待たせておいて他の女と話しこむってどういうつもりよ!」
「すまんな、冬にバレーはちょっと…と思って、その相談だ。それより朝比奈さんを他の女なんて言うな!」
「それで?いい企画は見つかったわけ?」
「ああ、交渉なら古泉が上手いだろうからな。バレー部と一戦やってみたくなったんだよ。
バレーの顧問の先生に交渉して、朝比奈さんの大学の時間割の調整、日にちが決まったら、
朝比奈さん呼んで…」
「そうですか。それは名案ですね。バレー部の顧問に僕の方から伝えてみましょう」
その夜…ジョン、俺がさっき朝比奈さんに話したことが俺の考えている全てだ。
『これで過去や未来の藤原や古泉がどう動くかだな。連絡が途絶えれば確認しに行って何度もTPDDを
使う事になるだろう。その名の通り時間平面を壊していく時間跳躍だ。補強するのにどれだけの
規定事項があるのか、わかったもんじゃない』
もうすでに動いているとみて間違いなさそうだな。事のついでに今張ってある閉鎖空間を少し変えるか。
透明なことと室温はそのままに、拡大して外部からの攻撃を防げる強固なものに作り替えた。
ジョン、とてもじゃないが、これだけやっても不安でいっぱいだ。勉強に集中するなんてできない。
古泉の記憶の改ざんでどういう未来になるのか見当もつかん。
『まさにキョンの言う通りだよ。俺も似たようなもんだ。しかしキョン、さっきも言ったが、
そっち方面は俺と長門有希にまかせてくれ。キョンは受験勉強に集中しろ』
わかった。ジョン、ありがとう。
次の日からテスト勉強が始まった。俺の悩みはジョンと有希に丸投げし、自分の成績向上を目指した。
夏休み中も9月に入ってからも様々なイベントやアクシデントに苛まれ、
有希やジョンのように全教科100点は無理だが、前回(テストの日の夜にやったもの)のテストの点数
と同程度か、それより少し上のところまで来た。
ハルヒもテストの点数に喜び、帰ったらすぐに間違い直しだと宣告された。
勉強しろばっかりの母親よりも、やる内容をちゃんと指示してくれる嫁の方がよっぽど頼りになる。
俺はさておき、長門がとうとう毎回500点のギネス記録がとうとう切れた。ゲームばっかりやってたしな。
それでも498点で順位が1位ってのは…羨ましいもんだよ。全く。
「決まりましたよ!今度の金曜、サーブ、スパイク練習に交じって、
練習の最後に15点先取の1セットマッチで受けてくれるそうです」
「はぁ?時間はないでしょうけど、15点をたったの1セット?馬鹿じゃないの?
あたし達もなめられたものね。バレー部顧問に文句言ってくるわ」
読書中の俺の後ろを通って扉に行こうとしたところで、ハルヒを止めた。
「何よキョン、なんで止めるのよ?」当然の質問に対して、視線は本に向けたまま応える。
「馬鹿はお前だ」俺の言葉にハルヒがさらに苛立った。当然古泉は不安で仕方がない様子だ。
「上等じゃない、いくらあたしの夫でも言っていい事と悪いことがあるのよ!この際はっきりしておきましょ」
「それはいいがまず席に戻れ。それから話してやる」
こういうところは忠実に従うんだよな…犬じゃあるまいし…なんでか知らないけど。
「で?どういうことよ」本を閉じてハルヒの方へと身体を向けた。
「お前の言った通りだ。俺たちは嘗められている。だからこそいいんだ。
今のバレー部は秋の新人戦が終わったばかりだろう。まだチームとしてまともに機能しないはずだ。
そこへ古泉のAクイックなり、おまえのサーブなりやられたら、向こうはどう思うかな?
顧問がキャプテンを呼んで、もう一試合、25点でやらせて下さいなんて言ってきてもおかしくない。
言っとくが、俺も頭に来てるんだ。ハルヒにサーブ権は渡さない。15−0で俺の独壇場だ。
青チームとやったときみたいに、ネットにひっかけるなよ?」
「キョンにしてはなかなかのアイディアだわ。面白いわね。スコア15−0、実現してもらうわよ」
「もちろんそのつもりだ」
「二人ともホントに夫婦ですか?別の夫婦なら喧嘩になりそうなところですが、あなたも冷静ですね。
話の間に入ることすらできませんでしたよ」
「なに、俺らの実力知らないで、受験勉強の休みに来たんだろうっていう顧問が想像できただけだよ」
「ホント、あんたバレー経験浅いのによくそこまで言えるわね」
「みんなを信頼しているじゃダメか?」
「これは嬉しいですね。僕も相手を0点に抑えたくなりました」
「うん、それ、同意見。わたしたちの実力見せてあげましょう」
「問題ない。あなたのサーブだけで終わる。それに以前はユニフォームだけだった。
でもシューズとハイソックスも揃えるつもり。他に要望は?」
相変わらずゲームやりながら良くしゃべれるな。
俺のサーブだけで終わる、か…嬉しいこといってくれるよ。
「黄色い鉢巻があるといいわね。もちろんSOS団って入ったやつ」
ホントに黄色で揃えるつもりらしいな。バレー部よりバレーに熱心になっている気がする
「しかし、青チームのものも一緒にとなると、長門さんの負担が大きいのではないですか?」
「問題ない。近日中に仕立てる」
「仕立てるって、有希が自分で作るの?」「そう、だから靴のサイズとか教えて欲しい」
「では、紙に書いてまとめましょう。皆さんこれに書き込んでいってください」
相変わらずそういう手際が良くていいもんだ。そう思いつつも、俺も自分の靴のサイズを記入した。
あとは朝比奈さんと鶴屋さんの分だけだ。
そして迎えた金曜日、古泉が交渉してくれた時間までに体育着に着替え、朝比奈さんを待った。
北高の制服姿であらわれた朝比奈さんを見て皆で『おおー』と声を揃える。
七ヶ月ぶりくらいかな。朝比奈さんのその姿を見られるのは。もう見られないかもしれない。
青古泉じゃないが、目に焼き付けておきたい光景だ。もう見られないと思っていたからな。
「流石に私服じゃまずいと思ったので着てきちゃいました」
「じゃあ行くわよ」の団長の指示に従って体育館へ移動、
朝比奈さんは部室で着替えてから体育館へと足を運んだ。
一応顧問に全員で挨拶してからステージで準備体操、バレー部のキリのいいところで
サーブ、スパイク練習に入れてもらう。当然有希もトスを出していた。
時間も夕方五時をとっくに回って、ようやく試合開始。ハルヒがいる限りサーブ権はこっちのものだ。
さて、一球目は相手の女子の真正面に当てないとな。青俺みたくなりかねん。
まずは一球目、身体で分かる一年も入っている。ここは二年を崩していくか。
トス、ステップ、エンドライン青チームとやったときと一緒だ。周りの背景が何も見えない。これならいける。
ドッ!!という音と共にボールが二年女子らしき生徒めがけて撃ちこむ。
レシーブしようとするが勢いに負け、腕をあげてしまって後ろに跳んだ。
バレー部と顧問が呆然としている。早くボール返せ。審判の笛で球を戻すよう急かした。
二球目も同じ生徒狙ってさっきと同じ。
三球目もこれじゃあ、さすがにかわいそうなので別の二年生らしき女子に撃った。青朝比奈さんも泣いたしな。
当然コート外へ飛んで行きスコア3−0、レベルMAXでラスボスに挑んでいる気分だ。
当然向こうはタイムアウト&メンバーチェンジ、こっからが本番らしいが…もう詰んでるよ。
その後サーブはミスすることなく相手チームの真正面へと撃ったが全てそらしスコア8−0
バレー部の女子がレシーブした部分をさすっている。
15点俺が撮ると宣言したからにはやってやる。後半分だ。
九球目、サーブを打った所で相手の腕の角度に気がついた。
「チャンスだ!古泉下がれ。みくる、一歩右!」
ようやくサーブのスピードに慣れたらしい、ワンのボールで返って来たところに朝比奈さんが真正面で受けた。
有希が古泉のAクイックに合わせる。9−0
そのあとのサーブもワンのボールで返ってきたがその都度、指示を出して、15−0。有言実行できた。
『圧巻の集中力だよ。ジャンプサーブを15本も撃ったら2,3本外れてもおかしくないものだけど…』
「ちょっとキョン!あたし何もしてないんだけど?」
「だから言ったろ?15−0にしてハルヒには回さないって」
「少しは活躍の場を設けなさいよ!」と言って後ろから腕で首を絞められた。胸があたってるんだが…
少しして、案の定試合を申し込んできた。25点の3セットマッチ。3セットもやって時間大丈夫か?
まあいい、ハルヒに少しは活躍させてやろう。最初のサーブ権が向こうに移ったがこっちは先ほどの
ローテのまま、サーブをハルヒに譲った。案の定というべきだろう、ハルヒのサーブですらまともに取れず、
こっちは帰ってきたチャンスボールを古泉のA、朝倉のB、ハルヒと俺のバックアタックなど、
色々やっているうちに、3セットが終わっていた。練習試合の誘いも受けたが、こちらの都合のつく時に
お邪魔させてもらいますと伝え、そのまま帰路についた。
「それにしてもまたやりたいです。キョン君にみくる!って呼んでもらえますし」
試合以外だと恥ずかしいですが試合だと呼び捨てになってしまいますね。すみません。
それより朝比奈さん{少し皆と距離をとってもらえますか?}と小声で話した。
「この前の話の続きですか?」
似たようなもんです。藤原だろうと古泉だろうと情報統合思念体だろうと、いつ攻めて来るかわかりません。
いつ、銃やナイフを突き付けられてもいいようにコーティングをしておきます。今の時代の拳銃程度なら
容易く跳ね返せるはずです。マンションにも、夏よりも強固な閉鎖空間に作り替えました。
「そこまでの事件になるんですか?」
あくまで保険です。重症なら回復の余地がありますが死んだらハルヒの力が発動するでしょう。
それに加えてTPDDで時空平面にどんどん穴が開いてしまうようなことがあれば、現在、過去、未来
全てが消し飛びます。朝比奈さんの指令もおそらく増えていくでしょう。
時空平面の被害を必要最小限に抑えるためです。
「キョン君そこまで…ありがとうございます!」
「こら、キョン!いつまでみくるちゃんと話しているのよ!さっさと自転車出しなさい。
古泉君たち、もう買い出しに行っちゃったわよ?みくるちゃんも荷台に乗って!」
おいおい、それじゃ四人乗りだぞ。二人でハルヒのところまで駆けつけ、自転車に乗る。
「あのう…わたしは長門さんみたいなことはできそうにないので歩いて行きます。ちょっと怖いし…」
「じゃあ有希の部屋で待っているからね」
「はいっ」笑顔で見送ってくれた。
こうして、俺とハルヒ、有希は直帰、朝倉と古泉はスーパーへ朝比奈さんは一人で俺たちを追ってくる。
いわずもがな、帰ってすぐ俺とハルヒは受験勉強。有希は食材が届くまでゲームのようだ。
ほどなくして古泉と朝倉が帰ってくる。さすがに先に出ただけあって早い。
突如、バタバタバタバタ……と音を立てて何かが近づいてくる。
「何の音?」「外!!」「ヘリが何でここに!?」「ちぃっ!」
俺はパイロットを付近の建物の屋上にテレポートさせ金縛りに。操縦席に乗り込んだ。
『古泉、ヘリ動かせる人を車に乗せて二人をこちらに来させてくれるか?屋上にヘリを着陸させる』
『あなたの仕業でしたか。お見事です。しかし、銃で撃たれても大丈夫な閉鎖空間を作ったのでは?』
『ん…俺もどうするか迷ったんだけど、ミサイルをこの部屋の下に撃ち込まれたらまずいと思ってな。
それに、弾は一発でも多い方がいいだろ』
『なるほど、そこまで計算済みですか。紡ぐ言葉が出て来ませんよ。すぐに手配します』
『頼む。俺はパイロットを尋問してくる』
「何で…?なんでキョンがヘリに乗って操縦してるのよ?なんで古泉君もキョンも冷静に対応できているのよ」
「冷静に行ったものではない。皆に見られると分かってて、彼はテレポート能力を発動した」
「キョンの力ってテレパシーだけじゃないの?」
「彼にも限度はあるが、いくつかの能力をもっていてもおかしくない。
あまり周りに見せては、次の日から有名人。銃で撃たれる前に彼が動いた。わたしも驚いた。」
ゲームしながらハルヒの質問に答えているが当然無表情。ハルヒは呆然とするしかなかった。
立ったまま座ろうともせず、俺が部屋に戻るのを待っていた。
ヘリを屋上において、パイロットの所へ戻り有希の部屋から見えない位置まで移動させ首を絞める。
さて…教えてもらおうか。何のために、どんな目的で、どういう組織に所属しているのかをな。
パイロットは当然答えない。
なるほど、自称藤原と一緒に過去からやってきて同じアジトにいるのか。
「な、なぜそれを…」
これから死ぬ人間に教える必要はない。朝比奈さんまで誘拐したようだしな。
この時代に来ていた藤原と同じ運命を辿れ。情報爆発の誘発はさせない。じゃあな。
そのまま犯人グループの一人を上空にあげ、爆発させた。俺は既に大量殺戮者。
たとえ未来が大きく歪むことになろうが、俺の仲間は傷付けさせない。誰が敵になったとしても。
朝比奈さんにはコーティングを施してある。向こうからのアプローチを待つ。
有希の部屋に戻った。壁に触れたときに有希がハルヒにテレポートできると話したようだ。
「キョン!あんた、テレポートまでできるってどういうことよ!夫婦間で隠し事しないでよ!」
関節を極められ玄関から動けなくされてしまった。
隠し事ってお前、じゃあハルヒのスリーサイズは?って聞いたら答えられるか?
「う…それはそうだけど…キョンだったらいい…かな…」
どちらにせよそうなるだろ。俺も同じだ。限定した人間にしか見せられないし、どうしようもないときだけ
仕方なく発動しているだけだ。青チームの所に行くのと同じ要領でやったら出来てしまったんだよ。
こんなふうにな。といってハルヒのクリンチから抜け出した。またハルヒの口が空いたまま塞がらない。
あとで話す時間ならたっぷりあるんだ。早く夕食食べようぜ。腹減った。
「そういえば、朝比奈さん遅いですね。分かれた後何かあったんですか?」
「有希みたいなことは怖いから歩いて行きますってさっきいってたけど、いくらなんでも遅いわね」
広げていたノートの切れ端を古泉と有希に渡した。
「ちょっと見に行ってくるよ。朝比奈さんが心配だ」
「僕も少し違うルート探してみます」
「みくるちゃんに何も無ければいいけど…」
「問題ない。三人が揃って帰ってきたら夕食にすればいい」
古泉と二人で屋上に来た。
「びっくりしましたよ。サイコメトリーですか。一人からここまで情報引き出すなんて驚きました」
それよりも過去からこの時代にきて朝比奈さんを誘拐し俺たちを殺そうとしたことが問題だ。
この時間平面上が大戦争になる恐れもある。
今回は過去からだが、未来の武器を持っていたとしても不思議じゃない。
朝比奈さんが所属する正統派グループがTPDDを使っているならまだいいが、
過去や未来から反乱組織がTPDDを乱用して時空平面に大きな穴を開けたなんて話になれば…
「世界崩壊の危機というわけですか」
ああ、その修復のために朝比奈さんたちエージェントが動いているが、未来で起こった事件以来、
エージェント不足であることは間違いない。とりあえず作戦はさっき伝えたとおりだ。よろしく頼む。
「わかりました」
俺がテレポートした先は藤原たちのアジト。やれやれまたあいつと会う事になるとは思ってもみなかった。
工場跡地の二階の手すりに座り、朝倉の千本が残っているのをみていた。
「なんだおまえ、いつからここに居る!」
ようやく気付いた奴から武器を剥いで一階の広間へと落とし、すぐに金縛りをかける。
人数が少なかったこともあり、一人ずつ触ってからサイコメトリーをしてTPDDを破壊した。
事務所にあった書類を全て燃やし、金庫と残りの武器を頂いたところで藤原からの連絡を待つ。
ポケットの中から振動が響く。もちろん非通知。わかりやすい。
「よう、キョン」なんだ、お前か背後霊。俺はお前に取り憑かれるほどバカじゃないんだが?
「よくもこの時間平面上の僕を殺してくれたな」お、久しぶりだ。口調の割に「僕」っていう一人称。
さっさと「俺」に変えることを勧めるよ。それにな、おまえを殺したのは俺じゃない。
「どういう意味だ?」
言葉通りの意味だ。死んだおまえは長門有希さえいなくなれば、俺たちを脅して情報爆発が可能だと考えた。
「だから何だ」調べそこなったんだよ。長門有希よりはるかに殺気を持った人物をな。もちろん俺じゃない。
おまえらの調べた情報も穴だらけだよ。お前らがやってきたために出来てしまった時空平面上の穴と一緒でな。
「ふん、だからどうした。こっちは『朝比奈みくるを拉致した』」だろ?
パイロットから全情報をいただいた。ついでにヘリも押収したよ。弾丸も一つ残らずな。
そして俺が今どこにいるか…俺の目の前に四人。ひょろいのと、デブと、ハゲと、ヒゲ親父。心当たりは?
「おまえ、俺たちのアジトに…俺の仲間を返せ!」
お、やっと俺に変わったな。話がしやすくて助かるよ。
でもな、自分のこと棚に上げて人質返せはないだろ?ドジワラ君。とりあえずアジトまで来い。
話はそれからだ。先に言っとくが、入口付近で拳銃構えていてもすぐにバレる。やめておけ。
そこまで言って電話を切った。
しばらくしてアジトに車の着いた音が聞こえ、ドアを開け閉めする音が聞こえてくる。
朝比奈さんも一緒らしい。さっき言ったばかりなのに、人の忠告も聞かないで入口で待機してやがる。
全員の武器をテレポートし、縛られた朝比奈さんの縄を解いた。『そのまま中に入ってきてください』
「武器ももうないんだ、とっとと顔出せよ。……仕方ない。強引に来てもらうとするか」
1階の入口すぐのところで四人まとめてテレポートさせ金縛り、一人ずつサイコメトリーをしてTPDDを破壊。
「さてあとはお前らに相応しい場所へと案内しよう。そんなに争いが好きなら500年ほど前に行ってこい」
「お前、時空振動を超えられるとでも?」
出来ないことならいわねぇよ。社会の成績が良かったやつはいるか?
今から500年前、どういう時代か自分の目で確かめて来い。金縛りを解いた直後に時間跳躍させた。
これが俺の…いやジョンの持っているタイムマシンです。
「今のが…TPDDより高性能なタイムマシン…」
ええ、それも、時間平面を全く傷つけない時間跳躍です。
ブロロロ…キッ 外で音が聞こえたと思ったら、古泉が現れた。
「犯人グループは?」「500年前に時間跳躍させたよ。歴史の教科書に新しく載るかもな。本名は知らんが」
「彼の超能力ですか。異世界に行ったり、過去や未来に行ったり、何でもありですね」
ああ、すまんが俺にはもう一つ行く所がある。犯人グループの中に未来から着た奴が混じっていた。
そいつのボスの顔もはっきりとサイコメトリーできた。この機会に未来の連中も退治してくるよ。
そこにまとめた武器と上の金庫を持ってすぐにここから出てくれ。
それから、武器の中に未来の武器が混じっている。朝比奈さんに聞いて選別してもらってくれ。
これについては超機密事項扱いで頼む。
「わかりました。みんなと一緒に待ってますね。もしかしたら長門さんが先に食べ出すかも知れませんが」
ニコッと笑って笑顔を見せた。記憶改ざん前の古泉ではありえない表情をしていた。
ああ、頼む。と言って時間跳躍をする。
同じ藤原の跡地、俺の時代の建物を破壊しなくて良かった。案の定ボスらしき席にあいつが座っている。
「よう、古泉、久しぶり。元気してたか?」
煙草を吸って札束を数えている。とてもじゃないが、古泉本人とは思えない。
「あ?…なんだお前か。ジョンの能力でこの時代に来て一体何の用だ?」
「俺の時代やもっと未来にいるおまえとは随分口調が違うな。涼宮ハルヒは殺せたのか?」
「その名前を出すな。もう死んだよ。だがな、死んでもあいつへの憎しみは消えない。
おまえからすれば、随分変わったように見えるだろ。これが本性だよ」
「てめぇ、どっから入ってきやがった!ボスに何してやがる!」
「やめておけ、こいつに銃は効かない。跳弾で味方に被害が出るだけだ」
「解説どうもありがとう。とりあえず危ないものはしまってしまおう」
といって、アジト内にいた全ての人間の武器、古泉が数えていた札束他事務所内金品を
すべて金庫の中にテレポートさせた。古泉以外の奴等を一纏めにして金縛りにする。
「くそ…どうなってやがる」「はなせ」「何か言ったらどうなんだてめぇ!」
上空に向かってエネルギー波を発射、当然金縛りにあった連中は呆然としている。
「あんまりうるさいとこうなるけどいいか?」全員首を横に振った。
「さて古泉、何か策はあるか?」
「今よりさらに未来に行ったなら聞いたはずだ。俺にはもう趙能力は使えない。おまえと闘う術がない」
「なら、おまえの憎しみも復讐心も全部記憶から無くしてやる」
「…じゃあ未来の俺も記憶が改ざんされて…」
「困ったときの長門大明神だよ」
「くくく…ははははは、そうか、そうですか。その手がありましたか。
解りました。長門さんの所へ連れてって下さい」いつもの古泉の口調に戻った。
だが、ここからの光景を古泉に見せるわけにはいかない。朝比奈さんが俺にやったのと同じように古泉を眠らせた。
「テメェ、ボスになに…やめっ…」残りの雑魚を排除、朝比奈さんのいるタワーへ向かう。
高一の俺が今まで見て来た女教師風朝比奈さんが目の前に現れた。
「キョン君…?どうしてここへ…?」
朝比奈さん、俺のいる過去とここより先の未来についてご存じですか?
「ええ、長門さんから聞いています。古泉君も一緒という事は…」
そうです、記憶の改ざんをしてもらいにきました。有希はいますか?「わたしならここにいる」
既に同期しているようだな。古泉を頼めるか?「問題ない」
朝比奈さん、古泉が起きたら、規定事項を満たすエージェントに加えてやってください。
俺はこれまで、多くの反乱組織を潰し、破壊し、殺しました。
ですが、これ以上TPDDで時間平面上に穴が開くのであれば…俺は人殺しでもかまいません。
朝比奈さんにどれだけの手助けができるのかはわかりません。俺のせいで未来が変わってしまったかも知れません。
そこまで言って朝比奈さんが抱きついてきた。
「ごめんなさい。あなたにそんな役目を押し付けてしまって…ごめんなさい。ごめんなさい…」
消え入るような声で言う。いいんですよ。自分でやりたいと思ってやった。仲間を助けたいと思ったからやった。
それだけです。あとは俺の時代のあなたに指令でも出して下さい。規定事項ならいくらでも付き合いますから。
「ありがとう…キョン君」
古泉をよろしく頼みます…といって、その場を去った。これでこの時間平面は問題ない。
今日も暑くなりそうだよハルヒ
暑いのでポニーテールにしてみるハルヒ
アジトにある金庫を持って、上空からアジトを破壊、俺の時代に戻って同じように破壊した。
『古泉、時間がかかってすまん。お土産がもう一個でかいのがあるんだが、どこに持っていけばいい?』
『では、長門さんのマンションの屋上でかまいません。因みに物はなんですか?』
『未来のあのアジトの金庫強奪してきた。武器も入ってる。よろしく頼む』
『了解しました。みんなが待ってます。すぐに戻ってきてください』
わかったと伝えて有希の部屋へと戻った。とりあえず最初に騒ぐのは「遅いっ!!」ハルヒだよな。やれやれ…
「待ってたのにいつまでたっても来ないんだもの、先に食べちゃったわよ」
そりゃ残念だ。みんなで楽しく食べたかったんだが…手間取ってしまったよ。おしいことをした。
受験勉強も今日は無理そうだな…土日頑張るか。
「何言ってんのよ、キョン!バレーの練習にいくに決まってるでしょ!週に1回の楽しみなんだから!」
まずい…どんどん大学合格から遠ざかっていく気がする。とりあえず、ご飯食べて風呂に入ろう。
「えっ!」いきなり朝比奈さんの声が聞こえ、手で口を塞ぐ。未来から指令でも降りて来たのか?
とりあえずお風呂だ。
ジョン、とりあえず俺たちはこれで藤原と古泉のグループを二回ずつ潰していることになるんだが…
この後どうなると思う?また違った時間平面上から藤原や古泉か?
『その可能性も十分にありえる。だが、どちらもやられていて同じ手が通用するとは限らない。向こうは
そう思っているはずさ。誘拐や銃装備で来たとしてもキョンに難なく奪われている。
その事実を知らないで、この時代へくるやつはよほどの阿呆だよ。プランを変更しなければ、勝ち目がないと
相手にそうおもわせることができたんだ。キョンの貢献があってこそだ』
そいつは嬉しいが…俺が気になるのはTPDDで時間平面上に出来た穴を塞ぐことだ。
ただでさえ、未来の古泉がタワーを襲って規定事項を満たすエージェントが少なくなっている。
今後も同じようなテロがあってもおかしくはない。
『キョン、深く考えるのは、事件が起こったときにしよう。キョンがやるべきことは受験勉強だ』
そうだな…といいたい所だが、気になって仕方ない。
『長門有希に言って記憶改ざんしてもらってもいいんだぞ?』大袈裟だよ。
…わかった。受験勉強に専念することを約束するよ。『変なこと考えてたら大声だすからな』
ジョンがだんだんハルヒのようになってきた気がするな…
風呂からあがり和室へ入ると、ハルヒと朝比奈さんが待っていた。どうしたんです?
「長門さんに無理を言って譲ってもらいました。一緒に寝かせてください」
さっきの指令だろうか。まあいい、朝比奈さんを腕枕するなんて初めて…か?
「ところでキョン、簡単に向こうの世界にいけるようになったのなら連れてってよ」
それも悪くないが、ハルヒより行きたがっているやつがいるからな…
「誰よそれ」朝倉だよ。青古泉と勝負がつくまで永遠とやり続けるだろうしな。
まぁ、一緒にいけばいいだろ。
「それよりキョン君…ちょっとこっち向いてもらっていいですか?」
言われた通りに向くと、朝比奈さんからの女神のキスをいただいた。これ以上至高のものはない。
「規定事項です」
おしまい
ちょんまげハルヒ
乙乙
任務完了〜!寿司でも食い行っか!
朝から既に暑いよハルヒ
夏本番だよハルヒ
日本の夏
ハルヒの夏
蚊遣り豚と蚊取り線香を用意するハルヒ
長門「スイカもってきた」
長門「私が全部食べる」
猛暑だよハルヒ
油断してたらゲリラ豪雨だよハルヒ
ずぶ濡れハルヒとか俺得
ハルヒは雷なんか全然平気だろうな。
不意をつかれて可愛い悲鳴とか上げちゃうかも知れない
ぬこ乙!